環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年1月27日)

(大臣)閣議の案件ですが、一般案件が2件、国会提出案件が1件、公布が1件、政令がが7件、人事が2件でした。閣僚懇で法務大臣から、刑務所のPFIを行うという話がありました。具体的な案件については、現在、記者会見で発表していると思います。PFIというのは、いろいろな意味で経済の活性化に繋がるということで、そこで話がありました。私からは以上です。


(質問)鳥インフルエンザの件で、東アジアでかなり拡がりを見せていますが、環境省の先日来の調査等で新たにわかったことがあれば教えてください。また、新たな対策、取組等がありましたら、お聞かせ下さい。
(大臣)環境省では、調査研究全体の中で、感染ルート解明の一部として渡り鳥の関与等を担当しています。まず、先週月曜日の日に、環境省職員を山口県の鳥インフルエンザ発生地に派遣し、現場周辺で14種類の鳥類を確認するなど、今後の本格的な調査に向けて概略の把握を行ったところです。それから、先週水曜日の21日には、韓国の環境省に対して、渡り鳥に関する情報提供を依頼しています。この結果は、まだ返事が来ておりません。近々来ると思いますが、春節、旧正月が先週一杯あり、向こうで言えば、お正月休みということだったので、これから動きがあると期待しております。鳥類の種類等わかっているものは、既にお伝えをしているところです。それから韓国だけではなく、今の鳥インフルエンザの発生が、ベトナムや中国等、アジア全体で拡がりを見せてますので、渡り鳥がどこからどこへ行く習性があるのかその辺も含め、また、実際に発生しているところのウィルスの型もありますので、そこが合致するかどうか、この調査は引き続き進めていきたいと思っております。

(質問)古賀議員の件ですが、外国で勉強された大臣としては、けしからんと言うのはなんですが、あのような方について、どのようにお考えになりますか。
(大臣)卒業したかしないかは、白か黒しかないので、他のことも出てきて大変だなと思います。適切なアドバイスをしてくれる方、平野さんとかは議員秘書もやっていらしたのだから、アドバイスされないのかなと思ったりもします。

(質問)離党して議員を続けるという方針のようですが、それについては、いかがでしょうか。
(大臣)それは、ご自身のお考えなのでしょうけど、適切なアドバイスをされる方がいらっしゃらないのかなと思います。

(質問)先日、環のくらし会議の最後の会合があり、今後、百人委員会という形でPRを続けていくという方針が示されました。具体的に、今後の温暖化対策について、一般市民の方への呼びかけの方策等、何かお考えがありましたらお聞かせ下さい。
(大臣)環境問題というのは、多くの国民の皆さんを、いかに楽しく巻き込むかということ、協力してもらうかということに尽きるので、今回、環のくらし会議をある意味で発展的に拡大して100人、更にそこから100万人、1,000万人と広げていこうということです。
これまでのご提言なども含めて、それをベースに、ライトアップならぬライトダウンとか、名称はこれから考えたいと思いますが、キャンドルナイトということなどで、環境の意識はかなり高まってきていますが、更にもう一歩進められるようなPR活動をしていきたいと思っています。これから100人を誰にするかということは、皆さんと検討をしていきたいと思っています。

(質問)これまでも環のくらし会議で著名な方が、それなりにメッセージを発信してこられたと思います。それが、ある意味、浸透しているけれど、一方でなかなか意識の低い方は聞いて下さっていないというところがあるのではないかいうお話もありましたが、100人に広がった場合、戦略として、効果的なPRの仕方というのは、何かお考えでしょうか。
(大臣)例えば、世代的なことです。今の若い人たちは、環境意識の非常に高い方もいるし、そうでない方もいると、ですから、若い世代に訴える、そういう力を持った方に、ご協力いただくとか、COの問題だけではなく、ゴミ処理など、高齢者にとっては結構大変だという声も聞きますので、そういった意味で、お年を召した方の声も聞けるようにしたいし、本当に各界各層からの方々に参加していただき、その方々に発信者になっていただくことができたらいいと思っております。それから、環境で電気を大切に使いましょうとか、ゴミについてもああしましょう、こうしましょうと、どこか楽しみがないと、広がらないし続かないかと思います。その辺を私もいろいろと発想して、みんなが楽しく、そして結果としてCO2が削減でき、資源が大切にされ、循環型社会に繋がって、日本の新しい経済の姿もできてくるというように、一つひとつ繋げていきたいと思っております。

(質問)2月末に締め切りを設定されているエコイスト大賞ですが、今の時点でおもしろいアイディアとか上がってきているのでしょうか。また、どのくらいの集まりになっているのでしょうか。
(大臣)提出期限にまだ間があり、今は予算等でバタバタしているので、具体的にはわかりませんが、いろいろと考えてはいるようです。ぜひ突拍子もないことでいいから、応募してくれればいいなと思います。つまり、行政の中にいるわけですから、普通のことだったら普通にやればいい、だけどブレイクスルーになるような、こんなこと言ってもダメだろうなということを、むしろ出してほしいと思います。それから、役所というのは、人事異動で異動しますが、人事というのは「ひとごと」と書き、みなさんもそうかもしれませんが、やりたいことと今やっていることが違っていたりすることがあって、だったら、あの時にこれをし残したけど、他のところを見ていて、余計ああすればよかった、こうすればよかったと思うことが出てくるのではないでしょうか。今、自分が就いている役割と違うところでもチャレンジしてほしいと思います。例えば、炭谷事務次官は、今も厚生省の時の仕事に、ある意味、非常に愛着とある種の責任感を抱いておられるから、環境省の事務次官というよりは、人間として福祉の活動を続けておられるわけで、そういう想いというのは、けっこうあるのではないかと思います。いずれにしてもエコイスト大賞によって、具体的な案が出てくるというのと、環境省の職員が発奮するという環境省の環境づくり、この2つが同時にできればいいと思っています。

(質問)COの削減ということで言うと、原子力発電についての個人的なご意見はいかがでしょうか。
(大臣)安全性の問題よりは社会的側面の方が、このところ問題としてクローズアップされた部分がありますが、その辺をしっかりと確立した上で、ある意味ではされているとは思いますが、私は原子力発電は必要と思います。ただ、今後の進め方は、新規建設のところとか、今もING形のところ、それぞれ、その地域の人たちとの問題というのは、一つひとつ丁寧に進めていかないといけないのではないかと思います。

(質問)最終処分も含めると、環境への負荷というものは、大きいのではないでしょうか。
(大臣)どこの部分で環境負荷と考えるかということだと思いますが、中東に石油の9割を依存している我が国の現実はいまだに変わっておらず、また、経済の発展ということも必要であるということで、いくつもの課題をどのようにしてベストミックスしていくかということを現実的に考えるならば、やはり安全な原子力発電というものに、日本は頼らざるを得ないということになると思います。他の選択肢を考えるならば、かなり日本の生活そのものに様々な支障も出てきますが、それでずっとそのままかといったら、そうではなくて、やはりこれまでわずかしかでない、例えば風力に夢を託してみるとか、燃料電池という水素エネルギーへの移行とか、極めて総合的な話と、新しい電源というものを育てていく努力は必要だと思っております。日本は、all or nothing の議論で、意識的に極端から極端のようなところになりがちですが、現実は、all or nothing では、なかなかむずかしいのではないでしょうか。


(了)