環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年1月23日)

(大臣)閣議の御報告をさせていただきます。一般案件2件、国会提出案件1件、政令1件、人事3件でした。
 私の方からは、まず、鳥インフルエンザに関することについてお伝えします。山口県において発生した鳥インフルエンザ問題ですが、これまでも関係省庁と連携しながら検討してきましたが、今回は、科学技術振興調整費を活用し、「高病原性鳥インフルエンザ対策に関する緊急調査研究」を実施する方向となっています。要は、金めの話のあてがついたということです。正式には、1月29日(木)に開催される総合科学技術会議で決定されることになっています。環境省としては、渡り鳥類の日本への飛来情報に関する部分を担当し、感染ルートの解明に関する研究の一部を担うことになっています。環境省が担当する調査ですが、財団法人自然環境研究センターが実施を致します。全体調査費は、7,500万円で、環境省が関わる部分は、1,500万円です。また、今、情報を的確に集めるべく調査を進めているところであります。韓国の環境省との間で、日韓渡り鳥の調査は、ずっとやってきております。そういうこれまでのつながりを基に、韓国の方にもいろいろと照会しているところです。以上です。


(質問)鳥インフルエンザの調査ですが、いつ頃までにどのようなという今後のスケジュールについて教えて下さい。
(自然環境局)この予算自体、本年度予算ですので、本年度中に取りまとめます。

(質問)今回の調査は、山口県だけの鳥インフルエンザに絞ってという形になるのか、それとも、今後似たような事案が起こる可能性がありますから、それに向けた基礎調査も兼ねるのですか。
(大臣)今回は、山口県に絞っています。渡り鳥の生態としては、山口県だけでなく大体どのようなところに行きますということは、常日頃から研究しているテーマではありますが、まずは、この山口県の問題の原因を突き止める。それが、消費者にとっても安心につながるわけですから、可及的速やかに行うのは、山口県のケースになります。

(質問)実際に、韓国との環境省との協力ですが、以前から日韓協力されてますが、今回の山口県に絞っての情報交換は、どのようにされますか。
(大臣)今は、コミュニケーションの媒体がありますから、まずは、そこでやり取りをして、あちら側が持っている情報等を提供してもらうところから始めたいと思います。

(質問)鳥に器具を付けて衛星で見るようなことをしますか。
(大臣)これは、すでに起こった問題ですので、これからどうするかというよりも、大体これまでの生態等も調べていくことになります。
(自然環境局)調査期間が、2ヶ月しかございませんので、そういった調査は難しいかと思います。既存の情報、専門家の知見、そういったもので行っていきたいと思います。

(質問)1,500万円ということですが。
(自然環境局)それにつきましては、環境省独自で使う分と、あと鳥取大学と共同で使う分を含めて、1,500万円です。

(質問)鳥取大学と共同でどういったことをするのですか。
(自然環境局)特に、ウィルスが野生生物にどういった影響を与えるのか等、ウィルスの関係です。

(質問)鳥取大学で、20年以上もそういったデータを蓄積されている方がいらっしゃったと思いますが。そういったデータを活用してということですか。
(自然環境局)そうです。

(質問)感染ルートの問題ですが、まだ、韓国に限定されたものでもないと思いますが、調査の対象範囲はやはり韓国が中心になりますか。
(大臣)今回は、まず、鳥インフルエンザが何処で起こったのかというと韓国であると、そういうところから、韓国との接点の媒介をしたのが、渡り鳥ではないかということは考えられるわけですから、そういう意味で一つずつ考えられることをチェックしていく、その積み重ねで全体はどうだというのは、一般的な調査のやり方として正攻法だと思います。

(質問)逆に言いますと、香港とか他の発生域と日本との渡り鳥のやり取りはありますか。
(自然環境局)可能性としてはありますが、この研究の中で、DNA分析をして、今回、山口県で発生したものが、どこのウィルスと一致しているのか調べることにしておりますので、もし、その結果で香港の可能性もでてくるというのであれば、香港と日本を渡っている鳥を調べていかなければいけないと思います。

(質問)先日、青森・岩手の産廃処理の計画に大臣が同意されましたが、今後どうのような形で不法投棄問題に取り組んでいかれるか、今回の同意の感想も含めてお伺いします。
(大臣)青森・岩手で、不法投棄された量は大変な量ですので、これにどう取り組んでいくかというのは、今後のモデル、指針になると思っています。今回、最終的に同意したポイントは、ゴミの問題は県境を越えていますが、両県が県境のためにコストをかけるというのは、あまり意味がないのではないかということで、結局、そのコストを下げるという意味でも最終的に少し工夫をしたところがポイントかと思います。この後、環境省としても、廃棄物についての法案も出していくわけです。ここ駄目、あそこ駄目と禁止をするだけではなく、ゴミ全体を減らすためにはどうしたらいいのか、きっちりと処分ができるそういう道筋をしっかりと、また、業者をどのように指導していくのか、そういった不法投棄の一つ一つを駐車違反のように挙げるのも重要ですが、駐車場もきっちり作れる、もしくは、駐車場に誘導できるような業者を育てるというような全体的のものが必要なのではないかと、私は基本的に思っています。

(質問)鳥インフルエンザですが、調査費を使い切れなかったら次年度に持ち越されますか。
(自然環境局)本年度中に使い切ります。
(大臣)可能性を一つずつ消していくというのは、安心につながっていくのではないですか。食に関しての問題があれこれでてるところですし、やっぱり、消費者としても何を食べるのか迷うと思います。鶏は、近い存在ですし。

(質問)使い切らなければいけないのですか。
(大臣)成果とタイミングに見合うような形で考えたいと思います。

(質問)メソポタミアについてどのようにお考えですか。
(大臣)総理も非常にご熱心ですし、昨日も公明党の方からも熱心に、これから参議院の方でも取り上げられるそうですが、非常に壮大な計画になりそうなので、日本だけというわけにはいきませんし、まずは、イラク側のしっかりした認識がないと。水の流れというのは中東においては、一番大きな問題ですから、総合的に考え方をまとめていかなければいけません。一朝一夕にここで蛇口をひねったら、地域に水がいき渡って、ナツメヤシが生えるというわけではありません。中・長期的に臨んでいく必要があると思います。治水、農業、環境を再生するノウハウなど、いろいろな知識、経験の集大成でやっていかなければいけない大事業だと思いますので、国際機関や他の国々等と協力していきたいと思います。問題は、あの地域のそういった専門家が誰もいないということです。そういうことで、今すぐどうこうというのは難しいと思います。まずは、文化的なもの、学術的なもの、社会的な側面、農業、環境保全、いろいろな知識経験を集めて、何ができるか検討するいうことだと思います。

(質問)当面、最初にできることは、どういったことですか。具体的に、どのように着手していくとか想定されていますか。
(大臣)まだ、その想定をする際の情報を集めているという段階です。昔の水の流れがどうだったかとか、そういったところまでやらないと。人為的にやるとサダム・フセインがやった運河と一緒になってしまいますので、地形、どういう水の流れを作ることによって、どの地域が農業地域になってくるとか、これはむしろ、イラクの人たちの考え方をベースにしないと、他国がよってたかって勝手に入って、いつの間にかシティプランを作ったというのでは駄目だと思います。まずは、地域を安定させて、中・長期的なイラク人の考えがどのようにまとまるのか、こうしたらいいですよとアドバイスもできるような心の落ち着きをやらないと、大事業過ぎる部分もあると思います。メソポタミア湿原の再生は、すごくロマンがあって、社会経済学的には一種のテネシー・バレーの考え方で、雇用も生むということですが、先ほど申しましたように、こちらの蛇口をひねれば、パッと緑になるというものではないし、時間も掛かる、お金も掛かる、そんな気持ちをベースにして環境省としてやれること、個人的には、中東の土地勘があるのは、環境省の中では私かなと思いますので、その辺は、できることはやっていきたいと思います。議論と国際的な情報収集と現地の安定に目配りをしながらやっていきたいと思います。

(質問)燃料電池の車ですが、各社のメーカーのものに乗っていかれますか。
(大臣)そうですね、各社競い合ってやってくれればいいと思います。

(質問)今後、他のメーカーから依頼がきたらどうですか。
(大臣)どんどん乗っていきたいと思います。ただ、環境省をくるっと回っただけですから、加速とかよく分かりませんが。1台、1億数千万円するそうなので、どこか当てたら大変だと思って、緊張して乗りました。


(了)