環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年12月16日)

(大臣)デンマーク、ミラノ、北京を廻ってまいりました。
 まず、閣議の案件ですが、一般案件2件、国会提出案件3件、政令9件、人事4件でした。
 私からは、2点、発言させていただきました。一点が毒ガスに関すること、二点目が、COP9及び日中韓三カ国環境大臣会合のご報告でありました。
 まず毒ガスの方ですが、国内における毒ガス弾等に関する今後の対応方針について、今日閣議決定をいたしました。対応方針ですが、環境省が閣議に報告した全国調査の結果を受けまして、福田内閣官房長官の指示の下で、関係省庁間の協議を経てとりまとめたものであります。今後、毒ガス弾等の問題について、事案の分類に応じて、関係省庁が役割を分担して、政府一体となって対応する必要があります。環境省としても、関係省庁、関係地方公共団体のご協力を得て、環境調査の実施や情報収集等に積極的に取り組むことにより、毒ガス弾等による被害の未然防止を図り、国民の安全と安心の確保に努めるということがポイントであります。そして今日閣議決定をしましたので、毒ガス弾等の問題に係る関係省庁間の連携により施策の円滑な実施を図るという目的で、明日17日、各省の局長級で構成されます関係省庁連絡会議の第1回目を開催する予定です。
 また、COP9、日中韓会合については、それぞれのポイント等について、閣議でご報告させていただきました。以上です。


(質問)毒ガスの対策ですが、この対応を受け、環境省として、今後どのような姿勢でこの問題に取り組んでいかれるのか、決意等をお聞かせ下さい。また、COP9の成果、感想をお聞かせ下さい。
(大臣)まず、毒ガスの方ですが、これまで、緻密な調査を環境省が主にやってまいりましたが、その結果ということです。これは、政府一体として取り組むべき問題ですが、環境省としては、これまでのように、更にボーリング調査、情報収集という意味の調査、必要な、また適切な調査を担当してやっていきたいと思っております。また、情報センターを設けますが、先般も全国展開で調査をしましたが、今後とも、そこがいろいろな情報の集積地となって、迅速な対応がとれる体制をしっかりととっていきたいと思っております。 それからCOP9の方ですが、今回、第1セッションで、マーシャル諸島のロメトさんという日系の方と一緒に共同議長を務めさせていただきました。前回のデリーと違って、無理矢理、合意に持っていくとか、そういったことはあえていたしませんで、議長サマリーという形で、議長の責任においてまとめるという手法をとったということもありまして、今回、私もイタリアに行く際に、どこにポイントをと考えましたとおり、お互いの信頼関係の再構築に努めてきたところです。私としましては、初めて環境大臣としてCOP9に出席をしたわけですので、これまで様々な報道を通じてでしか知り得なかった方々と、直接お会いをすることによって、人間関係の構築ができました。更には、これから書面でのやりとりになるかもしれませんが、その際もお互いが知り合った上でのやりとりは、意味深いものになるのではないかと思っております。今回の会議そのものに戻りますが、日本として京都議定書の早期発効をポイントに、そこに焦点を当てた二国間会談を重ねさせていただきました。また、COP9の公式な場において、日本は、京都議定書を早期発効させるという決意を持って進んでいるということ、更には、国内における様々な地球環境保全、温暖化対策にどのようなことをやっているのかということを、自信を持って世界に発信ができたと思っております。今回のロシアの対応も、これはまさに報道のとおり、なかなか掴み所がなく、ただ、経済的な利点についての関心というのは、非常に大きく持っているということも、私自身、やりとりで確認できたところであります。これまでと同様にロシアは、京都議定書の批准についての準備は進めているという点や、メカニズムの問題等について触れていたところです。今回のCOP9がベースになって、次がアルゼンチンで開かれることになりますが、そこに照準を合わせた形で、これから環境省として、また私は環境大臣として行動、活動を続けていきたいと思っております。

(質問)毒ガスの情報センターは、明日設置ということでよろしいのでしょうか。
(大臣)はい、明日看板を掛けます。

(質問)COP9の後に行かれた中国についてですが、そちらでの成果については、いかがでしょうか。
(大臣)今回が第5回、また大臣会合だけでなく具体的なプロジェクトを始めてから3回目ということでありました。これも基本的に、三カ国の環境大臣が顔を合わせて、まずは信頼関係を築くという点、そうやって毎年会うことによって、国内で何をしてきたかということ、何ができていないかということを確認することで、国内での地球温暖化、環境問題へ対しての各国の取り組みにドライブがかかるという意味で、非常に意義のある会議だと思いました。また、プロジェクトでいくつかのテーマがあるわけですが、中でも環境教育、これはご承知のように、わが国が持続可能な開発のための教育の10年ということをヨハネスブルグサミットで訴えて、そして、それが実際に採択された、それをベースにして、日本として発言もしているわけですけど、中国側から、環境教育の教材を共に考えようという提言がありました。大変、未来志向的なものですから、これから事務レベルで詰めますが、北東アジア地域三カ国が集まって、未来の子どもたちに環境の大切さを、同じ観点を持って教えていくということは、非常に意義深いものだと思っております。これから、各国でまずは教材を持ち寄って、どんなものがあるのか、そこで、何ができていくのか、どういう形でやっていくのがいいのか、この辺のところを具体的に詰めていきたいと思っております。

(質問)ロシアの問題ですが、今回の会議で、経済的な利点に関心を持っているということがわかったということですが、日本政府として、環境省として、ロシアに何か応えていくというお考えはあるのでしょうか。
(大臣)何よりもロシアは、経済的な利点の部分と、下院選挙が終わって、更には本選というような形で、大統領選があるわけです。大きな決断は、その後になろうかと思いますが、CDM、JI等いろいろな方法があるわけですし、また日露間では、カシヤノフ首相が来日中ということもあり、日露間での様々な経済的な交流などもありますので、あちらも総合的にいろいろなことを考えてくるのではないかと思います。京都議定書の中でのいろいろなメカニズムも研究していると思いますが、そういった中で具体的にどういう案件が可能なのかということをそれぞれ詰めていくことが、彼らの言うところの国益、経済的な利益の話につながっていくのではないかと思います。ヨーロッパ側もその辺のところは、熱心に働きかけをしているということでありまして、EUのヴァルストロームさんともお会いしましたが、EUは、ロシアは批准するよと、ただ時期がまだ来ていないというニュアンスのことをおっしゃっていました。

(質問)EUもロシアの批准の時期については、大統領選の後くらいなのかという見方なのでしょうか。
(大臣)直接、そのような言及はありませんでしたが、それは共通認識ではないでしょうか。

(了)