環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年11月18日)

(大臣)まず、閣議の案件ですが、一般案件1件、国会提出案件3件、人事2件、持ち回り閣議においても人(大臣)先だっての知床視察では、いろいろとご苦労様でした。
 まず、閣議の案件ですが、一般案件1件、国会提出案件1件、人事1件でした。その後の閣僚懇で、中川経済産業大臣から、拉致議連の前会長ということもありまして、今、ジム・ケリー米国務次官補がアメリカからみえており、そういった中にあって、6カ国協議がいつ開かれるとか、いろいろ新聞報道等あるが、拉致問題というものを忘れることがないように、日本からしっかりアメリカ側にも働きかけてほしい、という要望を述べられました。そして川口外務大臣からは、引き続き、拉致問題がしっかり取り入れられるように働きかけていきますという主旨のご発言がごさいました。
 今朝の日本経団連との懇談会について、私からご報告いたします。第1回目の会合ということで、大変活発な議論をさせていただけたと思っております。非常にお互い、のびのびと率直な意見交換をできたものと考えております。残念ながら、経団連対環境大臣ということで血を見るようなことは、一切ありませんでした。お互い、非常にいいスタートを切れたのではないかと思います。また重ねて、これからも意見交換の場が設けられればと思っておりますので、第2回、第3回と続けていきたいと思っております。今日の懇談会では、環境と経済の統合ということは、小泉総理からも言われているということで、それに関しての諸施策、温暖化対策税、地球温暖化を巡る今後の国際的枠組のあり方、さらには硫酸ピッチを始めとする不法投棄対策などの様々な課題について、このテーブルでお互いの意見と現状の報告、これからの考え方などを交わしました。やはり環境問題というのはどうしても事業活動と密接に結びついているわけですから、企業の方々の自主的な取組や協力がなければ、なかなか十分な効果は上げられないと考えており、そうした中で今日は、奥田会長を始めとする経団連の、特に環境に関係の深い方々と直接議論をさせていただいたということで、日本経団連と環境省がなお一層、共通の目的に向かって、協力をして取り組んでいきたいと思っております。早朝からではありましたが、熱い議論、闘いではありませんけれども、意見交換ができたと思っております。以上です。


(質問)日本経団連は、環境税については、かなり反発をしていると思いますが、その辺の大臣が受けられた印象と、自らどのようなご発言をされたのか、お聞かせ下さい。
(大臣)やはり新税となりますと、どういう税であれ、はい、わかりましたということは、ないと思います。これまでのスタンスとしても、大綱の見直しというのが来年ありますし、その中でどうしても必要であるということが判断された場合に、環境税という選択肢もあるわけで、そういった今の環境省としての考え方、また、これからの国民的な議論を深めると同時に、産業界の方々のご意見もしっかり聞いていきますということは、お伝えをした次第です。今日のお昼頃に、反対ということの意見表明は、日本経団連としてされると伺っておりますが、環境税という考え方を示した、それに対してリアクションであって、そういったところから、本当の議論が始まるのだろうと思っております。それがために、今日のような会合を持つということは、非常に有意義なことだと思っておりますので、ここで敵対して云々ということよりは、本当の意味で、地球温暖化対策に対して、お互いにどういう形が一番いいのかを探るきっかけになればいいと思っております。

(質問)経団連側は、環境省が示した税の案が、産業界狙い打ちではないかという指摘をされていますが、今、環境省が示した案を再検討をするということも、大臣はあり得ると思いますか。
(大臣)いろいろなケースがあるかと思います。やはり一番効果があって、なおかつ実現が可能なところを探るというのは、当然あることではないかと思いますが、まだいろいろと審議会等で、これからも議論は重ねられていくと思いますので、それを見守ると同時に、ベストの案を探っていきたいと思っております。

(質問)今日の経団連との懇談の場で、5つの反対の理由をお聞きになっての感想はいかがでしょうか。
(大臣)反対の理由はそれぞれ論理的に、また産業の立場からすれば、私自身はわからないでもないと、だからこそ、そこの接点を、これから探る努力を重ねていかなければならないと思っています。例えば、税の導入の話になったとしても、経済状況の話、これから年金の話なども大きく出てくるわけで、総合的に考える複合的な視点というのも、私は必要なのではないかと思っております。やはり環境税のみならず、普通の企業の事業活動による税収も大変重要であり、経済は生き物ですから、そこのところを見ていかなくてはならないと思います。一方で環境省からすれば、環境を保全する、そして良くするための税の導入というのも選択肢ですので、その辺のベストミックスというのは、総合的に考えていかなくてはならないと思います。ちなみに一番目が、環境税は本格的な景気回復に水を差し、産業活動にとって足枷、ということですが、新税というのは、こういうことは付き物だと思います。二番目は、国内空洞化を促進する一方、地球の温暖化は進行、ということで、空洞化の心配、三番目が、エネルギー課税は既に過重ということ、四番目は、自主的取り組みの尊重と実効ある民生対策が必要、五番目が、全ての国が参加できる新たな枠組が不可欠、以上が、経団連が今日出してきた5つのポイントです。一つひとつお考えがあり、それは、産業活動、事業活動を通じての言葉だと思いますので、それを丁寧に、こちらも対処できるようにしてまいりたいと考えております。

(質問)今日は、経団連側から、京都議定書そのものへの疑問の声はなかったのでしょうか。
(大臣)それはありませんでした。議定書そのものへの否定的な意見というよりは、第2約束期間についての提案といいましょうか、構造についての要望はありました。それは、これからの大きな課題ですから、それには、やはり多くの国々に入ってもらうことが、より効果を上げることは、疑問の余地はありませんので、そういう取り組みをしていきたいということを申し上げました。

(質問)奥田会長は懇談後のぶら下がりで、民生部門と運輸部門の対策をきちんとやってくれということをかなり強調されていましたが、これについて、環境省として、更に何か強化策のようなことを考える可能性というのはあるのでしょうか。
(大臣)既にいろいろな対策は練っているところです。例えば、民生部門は、特に個人のライフスタイルに関連してくる部分がありますので、これについては、即効薬ではないにせよ、意識の喚起ということなども、お願いしていきたいと思います。また、それこそ企業の大変熱心な技術革新の取り組みということもありますし、そういった形で、こちらとしては、これまでの対策がしっかりと前向きに進むように、それをよくバックアップしていきたいと思っております。

(質問)2回、3回ということですが、次回は、年明けくらいに開かれるのでしょうか。
(大臣)あちらとよく相談をしたいと思います。

(質問)硫酸ピッチ関係については、経団連側はどのような発言があったのでしょうか。また環境省側はいかがでしょうか。
(大臣)経団連側は、そういった不法な事業が行われないよう、しっかりと行政として取り締まってほしいということでした。また、砂田大臣政務官からも、関係各省との連携でもって、取り締まりを厳しくしていくという主旨のお話をさせていただきました。とても分厚い経団連としての取り組みの話の冊子もいただきましたので、よく読んで、対応できるところはしていきたいと思います。私からも、不法な事業を行う者に対しては厳しく、適正にしっかりやっている事業者に対しては、後押しをできるような、飴と鞭というか、それを明確にこれからもやっていきたいということをお答えいたしました。またその通りにしたいと思っております。


(了)