環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年10月24日)

(大臣)まず、閣議の案件ですが、一般案件6件、国会提出案件1件、公布(条約)1件、政令6件、人事1件となっております。環境省関係はございません。閣僚懇を通じて今日の私の発言はございませんでした。
 今日は、2点ほどご報告をさせていただきます。まず、私の資産公開でありまして、既に、皆さんにお手元にお配りしている通りです。車の年式のところが、少し間違えておりまして、訂正をさせていただいておりますので、その旨よろしくお願いします。
 エコツーリズムについて報告をさせていただきます。これは、大臣になって小池カラーの第1弾ということになろうかと思いますけれども、エコツーリズムというのは、ご承知のように、かなり以前から始まっているものもありますけれども、さらに、普及・定着させたいという思いから、「エコツーリズム推進会議」という会議を立ち上げることといたしました。会議の組織として、私が議長を務めさせていただいて、業界、有識者、実際にそれを実践されている事業者、関係行政機関等といった方々にメンバーとなっていただき、半年程度かけてエコツーリズムの推進方策を検討していこうというものであります。ただ、エコツーリズムというのを環境省が進めて、環境に悪い影響があるようでは、全く意味がございませんので、その辺りをうまく整合性をとって、効果のあるものにしていきたい、その効果は、何かというと地域振興、そして環境教育ということであります。このエコツーリズムについては我が国としても、今年7月に政府として決定した観光立国行動計画の中でその推進を図るということが明示されておりますので、その一環として捉えていただいて結構であります。これまでも、沖縄、小笠原、屋久島など、エコツーリズムの先進的地域において、10年以上かけて取組も行われているところですが、これまでのエコツーリズムというと、貴重な野生生物や原生的な自然環境を対象としたものにとどまっていたきらいがございます。私は、是非そのところをもう少し大きく拡大して、環境大臣ではありますけれども、環境面から「観光大臣」も兼ねていければと考えております。国内の観光のあり方全体を、環境保全、そして環境教育に資するものへと少しでも変えていくことができればと思っております。その推進会議では、どのような形でエコツーリズムが推進できるのかということをご検討いただくということですけれども、例えば、エコツーリズムの普及のために憲章とか、エコツーリズムを熱心に取り組む人々、組織について表彰を行うとか、それから、エコツアーの全国各地のリスト100選というような形で、お勧め方面というようなパッケージですね。私は、最近の環境に対する意識の高まりとか、いろんな観光のパッケージ個人旅行、いろいろとありますけども、環境ということを切り口にして、全国各地の様々な環境に優れたところをお回りいただくことによって、例えば、何カ所行ったとかマイレージではないですけれども、そういうような事とか、政務の方で四国にも行ってまいりましたけれども、お遍路さんというのが88カ所もあったりして、何かそういうインセンティブをプラスαした上で、環境に対しての意識と、ただ行って「綺麗だわ」というだけではなくて、そこで、清掃とか、そういう作業に加われるようなところがあれば、そういったところも含めていきたいということです。このことについては、また推進会議の中でも検討していきたいと思っています。エコツーリズムというのを環境ということをテーマにして複合的に進めていきたいと思っております。
 以上2点、私の方から報告させていただきました。


(質問)今のエコツーリズムのお話ですが、来年の6月に結果を取りまとめるということですが、モデル事業を設定するようなイメージは、お考えになっているのでしょうか。
(大臣)その会議の中でも、どういったところだとか、いろいろ案を出していただきたい
と思ってますし、また、私、こういう時期で、全国に行くチャンスがあって、いろいろとその地域地域で発見することなどもありまして、私も今後、その会議の議長役として、いろいろ私なりのアイディアも出していきたいと思っています。出来るだけ多くの方々に、こういうことをやるのだという意図を酌んでいただきやすいモデルケースも作りたいと思っています。

(質問)第1回目の会議の日程は、決まってますか。
(大臣)今、そのメンバーになっていただく方々にも、まだ、2,3当たっているところもありますので、その人員が確定次第、出来るだけ早い時期に、進めていきたいと思っております。いずれにせよ選挙後ということになります。

(質問)会議の設置は、いつということになりますか。
(大臣)日程的には、メンバーが決まってからのことになると思いますので、今日は、まず、方向性をご報告させていただくということで、受け止めていただければと思います。

(質問)エコツアーの件ですが、何年までにツアーの参加者を倍増するとか、そういった分かりやすい目標はありますか。
(大臣)まだ、エコツアーそのものの、どういったことが行われているのか、そういったまず、現状なども把握したうえで、いろんな方々にきていただいて、会議の中でいろんな知恵を絞ったうえで、考えていきたいと思います。

(記者)エコツアーですけど、推進も大事ですけど、管理が大変で、むしろこういうエコツアーという利用できるメリットと、逆に環境を汚してしまうということもありますので、推進会議の中で、どういった風にエコツアーというものを認証するとか、例えば流入する観光客の制限とか、その辺りは、どのくらい具体的にこの会議の中で考えておられますか。
(大臣)最初にご報告の時に申し上げましたが、エコツアーを推奨して、環境を台無しにしたら全く意味がないわけですから、例えば尾瀬の観光なども、随分検討を重ねられてきたと思います。そこら辺の接点をよく専門家の方々にも聞いていきたいと思っております。エコツアーを推進して環境省が環境破壊を行ったら、まるで意味がないというのは、よく心得ておりますので、そういった会議の中でもそんなやり取りもさせていただきたいと思っております。

(記者)どこか、エコツーリズムを実際に取り組んでいる地域を見に行かれる課題はありますか。
(大臣)そうですね。そんなことも含めて議論していきたいと思います。

(記者)関係行政機関は、オブザーバーか何かで参加するということでしょうか。
(大臣)環境省は、観光がベースではありませんので、やはり、様々な関係省庁がここに載っていますように、複数関わってきますので、オブザーバーという形よりももう一歩踏み込んだ形の参加をしていただくことが、全体をうまく進める方法だと考えております。
(自然環境局)基本的には、皆さん委員に入っていただくことを考えています。

(記者)現状のエコツーリズムは、大臣の目から見られて、まだ、不十分だと思いますか。
(大臣)大分そういう意識も高まってきてますし、私は、海外版で実際に木を植えるというツアーをやったりしてますので、非常にそういう環境にいいことを自分で何が出来るだろうって考えておられる方って結構いらっしゃるんですよね。後はそのプレゼンテーションの仕方をどうするのかというところで、そういう環境に対して行動をとりたいという人と、そういった人を迎える現地と、それをオペレーションする人とそれぞれがうまく接点をもっていかないと、逆に妙にエコツアーがあちこちでどんどん起こって、それが目玉ということになって、そうしますとせっかくの自然環境をかえって破壊することにもつながるのではないかと思っていますので、そういった我々環境省とすれば、自然環境をどのようにして守るか、その意識をどう高めるか、どう教育を進めるのかということが主眼ですので、そことうまく調和のとれたエコツーリズムのプリンシプルというものを作っていきたいと思います。

(質問)国内で小規模で地道にエコツーリズムをやっていらっしゃる方々もいると思いますが、このメンバーを拝見すると、華やかで有名どころの方が多くて、大臣が今おっしゃった、オペレーションとも関係するかと思いますが、地道に各地で取り組んでいる方たちの意見をどのように取り入れられるのでしょうか。星野リゾートさんとかは、長野で地道にやっていらっしゃるようですが、委員の中に、そのような方たちをその他を数名入れるご予定とかはあるのでしょうか。
(大臣)会議として委員があまり多くなるのは、どうなのかなと私は基本的にはそう思うのですが、大変おもしろいのは、私のところにメールでいろいろな人がいろいろな考えを寄せてくれます。建設的な意見が極めて多いのですが。おっしゃるように、地道にやっている方、例えばNPOの方をとってみても、できるだけ、いろいろな方を通じて、そういった考え方も入れていきたいと思っています。
(自然環境局)今、話の出ました星野リゾートの星野さん、あるいはホールアース研究所の広瀬さんは、具体的に実施をされている方々です。また、この会議の下に、幹事会を置きたいと思っていますので、そこにも入っていただく、あるいはヒアリングという形もとりたいと思っております。

(質問)資産公開についてですが、この資産公開の制度自体についての大臣の考えですとかご意見、また、ご自身の資産についての感想を一言お聞かせ下さい。
(大臣)資産については、政治に入る前にやってきた仕事をベースに出発していますので、多くもなく少なくもなくということかなと思っております。資産公開については、基本的に当然のことだと思っております。

(質問)小池さん以外の方で、ご家族の資産も公開することなっていることについても、その辺についても、当然ということでしょうか。
(大臣)はい。どこまで広げるかというのは、課題かもしれませんが、家族は、これでいいのかなと思います。

(質問)資産公開で、実勢価格でないとか、秘書は対象ではないということについて、どのように思われますか。
(大臣)制度というのは、いろいろな過程を経ながら進化していくものだと思います。私は今のルールに則った形でご報告させていただいていることですが、工夫すべきところは、進化させていけばいいのではないでしょうか。要は信頼性の問題だと思います。

(質問)昨日、自民党の定年制の問題で、対応が分かれましたが、この件について、何かご意見があれば、お聞かせ下さい。
(大臣)基本的には、総理が度々おっしゃているように、ご本人の判断であると思います。比例代表となったら、党という組織の問題になってきますので、そこは、総裁として決断をされるというのは、重視されるべきではないかと思っています。人によるなとも思いますが、中曽根さんは、一緒にイラクに行ったりして、まさに天下国家を論じる数少ない政治家と言ったら叱られるかもしれませんが、そういう意味では、ステートマンだと思っておりますので、若干、感無量のところもあります。ただ、総裁の方針は社長の決断なのでしょうから、そこは尊重しなければならないと思います。

(質問)中曽根元首相は、比例と小選挙区を決めるときの当時の党の約束があると主張していますが、その辺の党の約束と、今回の小泉総理の判断との兼ね合いと言いますか、その辺についてのお考えはいかがでしょうか。
(大臣)党の約束と言っても、国民との約束、いわゆる公約とは別のものだと思います。ですから、今回の総裁の判断ということが、まず優先されるのではないかと思います。この定年制というのは、政界のみならず、各界で抱えている問題で、この辺のところは、賛成と反対が入り交じったものがあるのではないかと思いますが。


(了)