環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年10月21日)

(大臣)閣議の案件ですが、一般案件が3件、人事案件が3件でした。環境省関連はございません。今日は、APEC出席のため総理大臣がいらっしゃらなかったので、官房長官が代理ということで、閣議が進められました。


(質問)大臣からは、特に発言されませんでしたか。
(大臣)はい。

(質問)APECの関係で大臣にお尋ねしたいのですが、昨日の小泉総理とプーチン大統領の会談で、京都議定書の批准問題について短いやりとりがありましたが、そのやりとりの感想をお聞かせ下さい。
(大臣)先だって総理官邸に伺った際に、是非とも首脳同士でこの話をして下さいということで、総理はうなずいておられたわけですが、現実にAPECのその場で、首脳同士の議題にまず挙げていただいたということで、私からすれば、それだけでも成果があったと思っております。それから、ロシアの今回の反応については、ロシアとしてこの問題を重視している、またロシアの国益に沿う形で、どのように対応するかは検討中であるという話の中身であったと思います。この取り方はいろいろあると思いますが、まずは、首脳同士がこの議題について話を持ったということは、極めて有意義だったと思いますし、総理にお願いをしたということで、それがきちんと実現されたということについては、良かったと思います。これからもいろいろなレベルでボールを投げていくということには、何ら変わりありません。

(質問)ロシアのスタンスについては、先だっての世界気候変動会議の時点と、昨日の発言の時点では、変化はないというご認識になるのでしょうか。
(大臣)基本的には、話の言葉の使い方等も含めて、ほぼ同じ内容ではないかと思います。

(質問)青森・岩手県境の産廃不法投棄問題で、環境基準以下の廃棄物について、全量撤去しないということを岩手県に伝えていたということですが、それについては、どのようにお考えになりますか。
(大臣)今回の岩手県の実施計画ですが、土壌環境基準を下回る廃棄物も含めて、現場内に存在する廃棄物とその廃棄物によって汚染された土壌すべてを撤去するということが内容として出てきました。法律上の読み方になりますが、不法投棄等された産業廃棄物によって起こる生活環境保全上の支障の除去及び発生の防止の事業を対象としていることは、みなさんもご存知のとおりです。そこで、土壌環境基準を下回る廃棄物については、撤去しなければどんな生活環境保全上の支障があるのかということは、実は計画には明記されておりませんので、また、そうした支障というものがどういうものがあるのかということが考えにくいということから、環境省としては、法の対象としないという考え方をベースに持っております。生活環境保全上の支障とは別問題で、実際に不法投棄された廃棄物が残るということについては、抵抗感が残ると言うことについては理解できますので、岩手県がこうしたものも含めて撤去するということは、環境省としては否定しませんが、ここがポイントですが、補助対象とすることは難しいと考えております。
これから、青森県とのすり合わせも必要ですが、基本的には、役所とすれば、法のベースも含めて、そういった考え方で進めていきたいと思っております。

(質問)環境基準以下の部分というのは、金額とか量ベースではどのくらいなのでしょうか。
(廃リ部)岩手県の中で量として約1割強と聞いております。

(質問)19日に、前身の環境庁の実質初代長官の大石武一さんが亡くなりましたが、尾瀬の自然保護ですとか水俣病の患者救済に努力なさったということで、先輩の方の訃報に接し日本の環境行政のトップとして、改めて感想をお伺いしたいのですが。
(大臣)大石元長官のご功績を偲んで、心からお悔やみ申し上げたいと思っております。改めて大石さんの足跡を拝見させていただいて、非常に行動的に、なおかつ要要のところに行って、的確な判断を下されているということを思いますと、今後の私自身の大臣としての仕事に、いろいろな意味で参考になるなと思っております。尾瀬にも早速いらしたり、
非常に活発に動いておられますし、当時は、まだ環境というのは、テーマとすれば、非常にある意味で新鮮と言いますか、これまであまり触れられてこなかった部分もあろうかと思いますが、そういった当時の環境庁の草創期の礎を創られた方だと思っております。

(質問)昨日、UNEPの金融イニシアティブ会議がありましたが、経済活動を環境保全に向けるために、金融業が果たす役割について、改めて考え方をお聞かせ下さい。
(大臣)環境と経済の両立というのは、総理からこのテーマをしっかりやってほしいと言われておりまして、その中で、今回、金融イニシアティブ会議がアジア地域で初めて開かれたということがまず意義深いと思います。ヨーロッパの方では既に、そういった金融と環境という両方を組み合わせた、ある意味、ビジネスが進んでいるわけですが、日本において、やはりアジアの中の中心ですので、そこでいろいろな環境という、また企業の社会的責任というコンプライアンスというのか、そういった企業と社会との関係、それをまた金融に商品としていくなどというのは、これからの環境を金融という側面から促すという意味では、非常に意味があることだと思っております。そういった金融商品を作るというのは、どちらかというと、ヨーロッパとかアングロサクソン系の人の方が優れているのかなと思ったりもしますけれど、それを日本の金融商品としても育てていくというのは、金融の世界というのは、生き馬の目を抜くような、そして、非常に国際的なつながりがあるので、アジアでいち早くそれを確立させるというのは、環境のみならず経済、そして企業のあり方など、総合的に刺激策として活かせるのかなと、私は極めて前向きに捉えております。
 
(質問)選挙に向けた各党のマニフェストが出揃いましたが、そのマニフェストの中の環境部分についてのご感想をお聞かせ下さい。影が薄い気もしますが。
(大臣)一部の政党のマニフェストしか見ていないので、精査してからコメントした方がフェアであると思います。

(質問)民主党のマニフェストの5つの約束の5番目に、自然破壊型の公共事業を改め、自然回復型の新しい公共事業へ転換するとありますが、それについては、どのように思われますか。
(大臣)既にそちらの方向に向かっているのではないでしょうか。改めて大声で言うこともないと思います。また、そういうものでないと、地域が受け入れないでしょう。それが現実だと思うので、ちょっと遅れているのではないでしょうか。

(質問)既にその方向でやっているということですか。
(大臣)各地でやっています。そうでないと、地元の人が受け入れないというのが、これまでのいろいろな住民投票等を見ていくと、明らかであると思います。

(了)