環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年10月10日)

(大臣)まず、今日の閣議の報告をさせていただきます。一般案件が6件、国会提出案件が7件、政令1件、人事4件でした。
 この中で、一般案件のうち環境省関連といたしまして、廃棄物処理施設整備計画について、私の方からご説明をさせていただいたところです。平成15年度から平成19年度までを計画期間とする「廃棄物処理施設整備計画」を閣議決定をするということに至りました。これに関しては、廃棄物の減量化に係る施策を進めつつ、本計画に従って、廃棄物処理施設の整備を実施することというのが、中身になっております。そして、各大臣の協力を私からお願いをしました。今日はこれが3点セットになっておりまして、国土交通省等所管の「社会資本整備重点計画」、そして、農林水産省所管の「土地改良長期計画」これと併せて閣議決定がされたところであります。後でご質問も出るかと思いますので併せてそのエッセンスをお伝えしておきます。これまでは、計画というと事業費で示される事業の量としていたのが、ほとんどなのですけれども、これを、事業をした結果どうなるのかということで、達成される成果、その達成状況を評価するための指標にしたということです。出口と入口の考え方を変えるということで必要なことであると思っております。
 2点目のご報告ですが、先だって少しお話したかと思いますけれども、ロシアの京都議定書に絡んで、ロシアの関係大臣5省庁にわたりますが、その方々に私の就任のご挨拶を含めて、世界気候変動会議を開催したロシアのイニシアティブを評価する、それから、温室効果ガスの排出削減のために、京都議定書は極めて重要なステップとなる、よって、ロシアの早期の京都議定書批准を強く願う、最初は、ご挨拶だけにしようと思っていたのですが、せっかくですから色々と日本としてのロシアに対する協力の要請と、日本の環境行政についての考え方などを記したものを、この後、サインするだけで今日中に出すことになろうかと思います。細かく申し上げておきますと、京都議定書に関する五省庁というのは、天然資源省、経済発展貿易省、エネルギー省、外務省、水理気象環境モニタリング庁、そして、政府全般という観点からフリステンコ副首相に出させていただきます。
 3つめのお知らせは、大変残念なニュースなんですが、今日の日経新聞さんが、トキの記事を載せていただいてるのですが、奇しくも、佐渡トキ保護センターで飼育していた日本の野生産のトキの「キン」が、今朝死んだということです。年齢は推定36才。ちなみに、「ドッグYEAR」ならぬ「トキYEAR」でいうと、人間でいうところの80才ぐらいで、今のところ詳細は、死因については分析いたしますけれども、基本的には、高齢による老衰ではないかとみられております。この後、死体はセンターにおいて冷凍保存して、専門家による組織・細胞の保存処理を行う予定です。そして、今申し上げました死因ですけれども、その際に詳細に分析するけれども、基本的には、高齢による老衰ではないかということが推定できる。この「トキ」ですが、環境省としては、地元関係者や専門家の方々の多大なるご協力を頂いてトキ保護に取り組んできたわけですが、日本の野生産のトキがとうとう最期の日を迎えたことを大変残念に思います。36年ということでトキとすれば長命なのでしょうか、これまで一生懸命生きてくれた「キン」さんに謹んで哀悼の意を表します。また、これまで、ケアをしてくださった皆様方にも、敬意を表したいと思います。今申し上げたことは、すなわち、日本の野生産のトキが絶滅したことになりまして、この重い教訓を肝に銘じ、第二のトキを決して出さないことを目標に、今後野生生物の保護に一層努めていくという思いを新たにしたいと思っております。今日の日経さんの記事にも関連してくると思いますけれども、今後は、同一種である中国から譲り受けたトキの飼育繁殖によってトキの再生を目指していきたいと、このため、1999年中国から贈呈された友友(ヨウヨウ)、洋洋(ヤンヤン)のぺア、そしてまた、その子供の優優(ユウユウ)と優優のペアリング相手として2000年に中国から贈られた美美(メイメイ)による繁殖を推進して、個体数の増加を図るということと、佐渡におけるトキの野生復帰に向けた検討も進めていくという考えであります。ちなみに、今日の日経さんの記事は、大体そういう流れでしょうか。以上、私の報告何点かありましたが、最後は、なかなか、悲しいというか、重いニュースだったと思います。以上です。


(質問)トキは、何時頃死亡したのですか。
(大臣)発見されたのが、7時30分頃ですが、死亡推定時刻は、6時ぐらいではないかと、だから、6時から7時30分の間。
(自然環境局)6時に佐渡のトキ保護センターの職員が回った時には、まだ、生きていたと、7時30分に行った時に死んでいたということなので、その間かと。

(質問)トキのここ数日の様子は、どうだったのでしょうか。
(自然環境局)特に、食べる量が減ったりとか変わった様子はなかったということです。

(質問)では、いわゆる大往生ということになるのですか。
(大臣)そういうことになりますね。

(質問)人間でいうと何歳ぐらいですか。
(大臣)80才をゆうに越える年齢に相当するということです。

(質問)ASEMの出席は、なくなってしまったのですか。
(大臣)なくなっていません。国会日程、これから色んな事が起こると思いますが、それを勘案した上で、状況が許せば出席の意向ということです。

(質問)それは、今日の夕方ぐらいには分かりますか?
(大臣)そうですね。これからの流れ次第ですね。

(質問)行かれる場合は、EUとロシアの批准の働きかけについて向こうの然るべき人と会うようなことをご予定されているのでしょうか。
(大臣)向こうに行きましたらせっかくの場ですので、また、私が行くとなりましたら、国際会議初デビューということにもなりますので、色々な世界の環境に携わる方々と出来るだけ多く面識を得るということと同時に、京都議定書の早期発効のために、ロシアへの働きかけが重要なんだということをEUを中心とした方々にもしっかりと訴えていきたいと思っていますし、また、その件について日本とEUがどういう連携をすればいいのか等も模索したいと思っております。いずれにしましても、また、夕方の時点、これからの流れの中で具体的なことは考えていきたいと思っております。

(質問)福岡の和白干潟というところが、国の指定鳥獣保護区に登録されたと思いますが、地元の方では、非常に市街地に近いということで、隣接した所で開発工事も行われているようですし、それに対する反発というか、土地の値段が下がったとか、そういった声もあるみたいなんですが、先ほどのトキの件ではないですが、野鳥の保護という点では、非常に重要なことだと思いますが、兼ね合いを環境省として、国として、ゆくゆくはラムサール条約登録を考えておられると思いますが、どのように考えているのですか。
(大臣)そうですね、極めて具体的な話ですね。
(自然環境局)今年の11月1日から、国指定の鳥獣保護区にするということで、進めているところでありますが、和白干潟自体、ラムサール条約の国際的な基準がございますけれども、それには合致しているという認識をもっておりますので、今後、国指定の鳥獣保護区の特別保護地区として、これからラムサール条約登録に向けて地元の方々の理解を得ながら、取り組んでいきたいと思っております。
(大臣)私自身の考え方としては、一旦、なくしてしまったら戻らなくなるもの、今回のトキだって同様ですけれども、これについては、経済との関わりでは、なくしてはいけないという方に比重をぐっとかけるべきではないかと思っています。今の話は、福岡の話でしたけれども、日本全国にいろんな例があると思いますが、これからの判断基準とすれば、これでもう失ってしまうというような所は最大限守っていくという対応をしていきたいと思います。そうは言ってもケースバイケースだと思いますけれども、ただ、私の心情、心からすれば、そういった所は大切にしたいということです。

(質問)今日、閣議で、あるいは閣議後の懇談で、解散についてどう思われますか。
(大臣)政治のこれからの流れで、いろいろこれから動きがあるでしょうけれども、官邸の動きをこれからこちらの方も待っているというような状況です。

(質問)総理から何かお話がありましたか。
(大臣)まあ、これからのことですからということでした。

(質問)解散総選挙について意気込みというか抱負はありますか。
(大臣)私は、ずっと改革をこの間10年以上になりますが、訴えてきて、いろんなことが具体化しつつある項目多々ありますが、総理もずっとおっしゃってるように、改革の芽が出だしたもの、既に出ているもの、花開いているもの、いろいろだと思いますが、日本が今、改革すべきことを強力に押し進めるという一員だと思っておりますので、また政治の大きな節目がきた際には、私は改革のための要員であると、それが任務であるということを改めて確認して仕事していきたいと思っております。

(質問)環境問題的には、どの辺を訴えていきたいと思っていますか。
(大臣)各政党、環境については、あまり敵対をしない、YESかNOかではなく、何を大事にすべきかという点では、各政党共通していると思います。そこのスピード感とか方法論の部分のところが問われてくると思うのですが、今、自民党の方が、党の方でマニフェストも作ってますけれども、与党3党含めて、環境への実行力は、遙かに優れていると思います。

(質問)自民党のマニフェスト案には、環境関係では、どういうものが入ってくる見通しですか。
(大臣)見通しは、皆さんの方がよくご存じだと思いますけれども、まだ、正式にカチッと出来上がっていませんので、こちらの方もその動き、流れを見ているところなんで、既に皆さんご存じの通りです。

(質問)神栖町の住人の方が、代理人に依頼して、いろいろ要求を持っていらっしゃいましたがその件について、ご感想はお持ちですか。
(大臣)担当者から、その時の模様なども報告受けています。基本的に、問題全体は環境省のみならず各省庁にも係ってくることですので、いずれにせよ、対応は、政府全体の話になってくると思います。それから、今、これまで成すべきことは、かなり真摯に対応もしてるのではないかと思いますし、あの時のニュースでその模様なども拝見しましたけれども、きっちりと対応していきたいと、これまで色んな対応策を行ってますけれども、着実に実行していきたいという点では変わりません。


(了)