環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年9月30日)

(大臣)閣議の案件ですが、一般案件が3件、国会提出案件が2件、政令が3件、人事案件が5件でした。環境省関連では、人事案件で、環境事業団理事長の田中健次さんが今日で任期満了になり、再任を明日10月1日付けで発令ということです。ご承知のように、この環境事業団は今後、統廃合が決まっております。
私からは、政府全体の環境保全施策が効率的、効果的に展開されるよう、見積り方針の調整を行い、環境保全経費として取りまとめていますが、平成16年度の関係府省の環境保全経費概算要求を取りまとめましたので、公表させていただきます。総額は2兆9,645億円、前年度の予算額と比べますと、2,222億円、8.1%の増となっています。予算の確保については、財政当局に配慮をお願いしたいと考えております。ちなみに、今年度については、関係府省の新規要求予算のうち、環境保全上の観点から特に高い効果が期待できると考えられる施策を推奨事項として、今後選定し、公表する予定となっております。
 それから、今朝のニュースでもやっておりましたが、例の十勝沖地震に関連して、燃え続けていた苫小牧の出光興産北海道製油所火災に対する動きですが、火災は今朝午前5時頃に鎮圧されています。ずっと火災が続いておりましたので、大気汚染等の問題の対応ができるように、念のために昨日の夕方の時点で、職員一名、大気環境課の課長補佐ですが、現場に飛んでいただきました。現場というのは苫小牧市役所の方ですが、昨日は、市内の大気サンプリングに立ち会ったりいたしまして、今後、北海道庁、苫小牧市との打ち合わせも引き続き行うということでございます。


(質問)閣議で、大臣の方からのご発言は特にございませんでしたか。
(大臣)先ほどの人事案件を閣議でご了解いただくということで、発言をしました。それ以外はありませんでした。

(質問)ロシアの世界気候変動会議が昨日から始まっていますが、昨日の午後にプーチン大統領の発言がございましたが、それをどのように受け止めていらっしゃるのか、その点をお聞かせ下さい。
(大臣)今回の会議におけるプーチン大統領の発言というのは、今後の流れを見る上で大変重要だということで、注目しておりました。冒頭に大統領の演説があるということでありましたが、批准の時期についての言及はなかったと思います。そういう受け止め方であります。具体的な時期についての言及はありませんでしたが、早期批准に関して国際的な期待があることへの理解が示されているというように思います。浜中地球環境審議官が環境省から世界気候変動会議に出席しておりますので、その他周辺のところも含めて、議定書批准に関する情報収集、分析の上、報告を待つという状況であります。我々の態度としては、これまで通り、ロシア政府に対しては、できるだけ早期に批准するように働きかけを続けるという点では、何ら変更はありません。

(質問)昨日の発言の段階で言えば、これは批准に向けてロシアの意識が後退していると受け止めるのか、それとも、そう変わっていないのか、その辺はいかがでしょうか。
(大臣)地球環境審議官からの正確な情報の把握を待ちたいと思いますが、こちらの希望としても、変わっていないということを願いたいと思いますし、また、ロシア国内でもいろいろな調整をしている最中なのであろうと、そしてこの会議を迎えたということで、結局この時点では、具体的な決断が下せなかったというのが、客観的な分析ではないでしょうか。いずれにしても浜中さんの帰国を待って、情報収集した部分をまた分析したいと思っております。

(質問)浜中地球環境審議官は、バイ会談をどなたとご予定になっていますか。
(地球環境局)現在外務省を通じて、アポ取りをしております。まだどうなるかはわかりませんが、わかりましたら、お知らせします。

(質問)北海道のタンクの火災ですが、今のところ、周辺の大気への影響はどうなっているのでしょうか。
(大臣)あれを見ていますと、大丈夫なのかな思いますけど、データをとって判断したいと思います。ばいじん、硫黄酸化物の発生が考えられるわけですが、これまでのところは、大気汚染物質広域管理システム、そらまめ君の情報では、大気環境の顕著な悪化は見られないということです。

(質問)昨日、東京地裁で、旧軍の毒ガスに関する判決が出たようですが、現在、国内の状況でも調査等続けていますが、その結果に対して何か影響があると大臣はお考えになるでしょうか。
(大臣)司法の場で現在やりとりがあるということで、それは見つめていきたいと思っております。問題の発生源が、旧軍に関することですし、また国境を越えているということもあって、関係省庁としても広がりがあると思います。今回の訴訟ということについては、外務省、法務省が関係府省として決定されると思います。国内の問題のところは環境省だけの問題ということではなく、政府全体の問題として検討がなされるということだと思います。また、それぞれが健康に関することでありますので、そこは慎重に対応していきたいと思っております。

(質問)茨城県神栖町の住民の対策については、環境省の管轄ですが、必ずしも今の支援策だけでは満足ではないという意見も住民の方の間にはあるようですが、その辺、今回の裁判の部分と照らし合わせて、何かお感じになることはありますか。
(環境保健部)当面は緊急対策を講じておりますので、それを着々とやっていくということです。併せて原因究明を進めており、神栖町の場合は、明確に毒ガスということもはっきりしておりません。その辺の究明も進めながら、決まっている対応をしっかりやっていくということが、当面の対策です。
(大臣)こういったことが、他でも発生しないかどうかという予防策も講じること、その辺も並行してやらなければならないと思っております。

(質問)今の毒ガスの関係で、裁判官の判断は、発生源を放置していたということが、国の責任であるということなんです。そういうことであれば、神栖町の場合、原因が旧軍のものであるとはっきりした段階で、やはり環境省としては国の責任で健康被害等について、しかるべき措置をとらないといけないということは、認識していらっしゃるのでしょうか。
(大臣)認識するといいますか、どこに責任があって、何をしなければならなかったのかなどは、環境省としての分析もあるでしょうが、基本的には政府全体としての話で分析し、そこに対して環境省として、今後何ができるかということに繋がってくると思います。
(環境保健部)補足ですが、中国の補償問題などは外務省、処理の問題は内閣府に担当室があり、やっております。国内の環境問題については内閣の指示で、環境省でやっているということで、それなりに国内でやっていることは注視していきたいと思っております。直接関連する部分、しない部分もございますので、その辺は状況を見ながらやっていきたいと思います。
(大臣)司法の見方も、裁判によって異なっている部分もございますし、その意味でもよく全体を見ながら、判断をしていきたいと思っております。

(質問)エドワード・サイード氏が亡くなりましたが、何か感慨等ございますか。
(大臣)中東問題というのは、非常に時間がかかるということ改めて思いました。ずっと中東和平について、いろいろ活動を続けてきたキーパーソンが亡くなるということは、中東和平解決のリーダーを失ってしまうという、こういった担い手の方々が時間が経過することによっていなくなってしまうということは、中東和平にとっての大きな損失だと思います。


(了)