環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年9月5日)

(大臣)本日の閣議では、一般案件が1件、国会提出案件が7件、政令が10件、人事案件が2件ありました。環境省関係の案件はありませんでした。
 閣議後、第1回犯罪対策閣僚会議が開かれました。日本は世界で一番安全な国だということでありましたが、最近はそういう状況にないということです。今までは安全なるがゆえに防犯に対するコストをかけてこなかったのではないかということで、各省庁が連携して犯罪対策をしっかりやり、再び日本が世界で一番安全な国になるということを目指すというような閣僚会議です。環境省関係では、廃棄物の不法投棄をはじめとする、いわゆる環境犯罪がございます。先般、この席でもお話させていただきましたが、廃棄物対策の一つのパッケージをつくったわけですが、そういうこともしっかり実施に移して、環境省としても環境犯罪の防止のために努力していくという旨の発言をいたしました。

(質問)先日、ごみ固形燃料適正管理検討会、三重県のRDF関係の検討会第1回が開かれましたが、そこで問題提起と言いますか、具体的なものは何か決まりましたでしょうか。
(大臣)まだ第1回目の協議で、今しばらくとりまとめには時間が掛かるということを聞いております。例えば、ある程度水分が多くなると有機物が発酵してしまうということで、他の過程で水分が増えないようにしなければならないというような、様々なものがあるようです。そういう保管の仕方等々についての検討を更にしていただきたいと思います。

(質問)昨日の視察についてはどうでしょうか。
(大臣)昨日、国立環境研究所と霞ヶ浦に行ってまいりました。
 国立環境研究所では、流域ごとに着目したいろいろな環境影響について、一つのモデルをつくっていこうという、そういった大きな新しい視点の研究の説明を受けました。今までは個別に、例えば東京湾周辺にしても、今、三番瀬はどうだとか、そういう個別の環境対策をしたわけですが、もう少し幅広く、例えば東京湾内にもいくつかの浄化施設、処理場があるわけですが、そこから浄化された下水がどう流れていって、全体としてどういう影響を及ぼすのかという、全体として、マクロで捉えて環境政策との整合性を合わせていくような、そういう研究でした。これは広く、東京湾に限らず中国全体、中国の黄河とか、揚子江に三峡ダムができるわけですが、そういうものが将来どんな環境影響を及ぼすのかとか、新しい視点の研究でまだそれゆえにきちっとした結論や成果は出ていませんが、今後の環境政策を考える上で、重要な研究だという意識を持ちました。
 霞ヶ浦では、実際に霞ヶ浦の護岸植生の取組を見てまいりました。そこでは、国土交通省、アサザ基金、協議会、NGOなどがよく連携を取りながら進めている、いわば一つのモデルになりうるケースだと思っております。お話を伺いましたが、アサザやオニバスなどを増やしていくために、例えばたくさんの学校の生徒にも協力してもらったり、それが環境教育にもなりますし、それからアサザを植えるための護岸で木の枠組みをつくって、そこに粗朶を入れるといった、柔らかく消波するようなものをつくるために、間伐材を取りに山へ入り、粗朶を刈ったりします。それが里地里山の自然回復、自然再生に広がっています。一つの取組が環境教育などの幅広い他の分野にも広がりを持っている一つの先進例でありました。
 昨年、自然再生推進法ができましたので、そうした取組が法律に則った地域協議会に移行できるように、法律の趣旨も霞が関の方で決めてやって下さいということではなく、地域の皆様の自主的な集まりでつくる協議会ですから、なるべく広範な方々に入っていただいて協議会ができることが大切だと思いますし、環境省としても、そのために必要な助言等をしてまいりたいと思います。

(質問)ハワイの方で、実務者レベルの温暖化の会議がございますが、そこで温暖化対策課の課長が出席して、アメリカなども参加していますが、京都議定書の実施の話が出ています。環境省として、第二約束期間以降のフレームワークづくりというのはいつ頃から着手するのでしょうか。
(大臣)究極の形として、先進国も途上国も入った、グローバルな取組というのは必要です。人類全体として取り組まなければならない問題ですから、そういうものをつくっていかなければなりません。しかし、今は京都議定書そのものが発効する前の段階ですから、2013年以降の枠組みづくりを具体的に検討し、日本として2013年以降の枠組みをこうするべきだという提案をする段階ではまだないと思います。2013年以降は、そうしたグローバルな取組をしていくという一つの基本方針、大原則はあると思いますが、まだ具体的な話し合いができる段階ではないと思います。この間、非公式な会議を東京でやりました。そういう際にも非公式ということで、そういう認識を各国、途上国も含めて共有できると、非公式会議を積み重ねることで段々そうなっていくのではないかと思います。当面は京都議定書を早く発効させるということが大切だと思います。

(質問)経済産業省の産業構造審議会の方でも少しその辺の形を出してきていますが。
(大臣)この間の温暖化関係閣僚会議でも、経済産業大臣の方から、産業構造審議会のものを基にして考えたいという発言がございましたが、中央環境審議会は中央環境審議会で、第一約束期間以降のことをきちっと検討してもらわなければいけないと思っております。産業構造審議会のものが、2013年以降の一つのたたき台の中心になって話を進めていくということはありません。

(了)