環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年7月18日)

(大臣)本日の閣議では、一般案件が2件、国会提出案件が2件、法律の公布が2件、政令が14件、人事案件が2件ありました。環境省関連はございません。
 閣議後の閣僚懇談会で、昨日の4人の少女監禁の話が出ました。総理からは、夏休みを前にして、親御さん、子供さん、しっかりと啓発をすることが重要ではないかという発言がございました。
 議員立法で提案されていました、環境保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律でありますが、本日、参議院本会議で成立する見通しでございます。この法律案の成立を受け、来年度予算に向けて、こどもエコクラブ事業等を既にやっておりますが、そのような環境教育に関わる既存の事業の拡充、新たな施策の検討を積極的に進めてまいりたいと思っております。国会審議の中でもいろいろご指摘がございましたが、先の長崎の少年の問題等、子どもたちに関わる問題がいろいろ指摘されております。不登校児、いじめ等様々な問題がありますが、そうした子どもの問題に、自然体験等の環境教育、環境学習が、人間形成に大変役に立つというご指摘もございました。それを積極的に推進していくべきだというご意見もいただきました。私もその考えに同感するものでありまして、来年度の予算で取り組みますが、来年度予算を待つことなしに、今からできるものから手をつけてまいりたいと考えております。具体的には、生き物とのふれあいとか、自然の仕組み、生命の尊さ等を学ぶ自然体験活動という実体験を通して学ぶ環境教育、環境学習のモデル事業を年度途中ではありますが、民間団体の協力を得て、実施をしたいと思っております。予算につきましては、環境事業団の地球環境基金の民間活動振興事業というものがございまして、環境事業団のご理解もいただき、これを活用して、こうしたモデル事業を年度途中でありますが、早速実施したいと思っております。事業の委託先でありますとか、実施場所の具体的な内容については、環境事業団と環境省で早急に詰めているところでございますが、環境学習、環境教育を通じまして、子どもたちの健全な教育、育成に意を尽くしてまいりたいと思っております。


(質問)自然と親しむことと、長崎のあのような問題が起きる子どもの心が、どのように結び付いて行動されていくのでしょうか。
(大臣)自然体験等を通じて、環境というのは、決して目に見えるものではございませんが、そういう目に見えないものに対する謙虚さ、畏れといった気持ちを学ぶ、それから、生態系の保全とか、そういうことも重要な環境学習のテーマになると思いますが、そういうものを通じて、生き物を大切にする、生き物を軽んじないという、そのような心を育成していく、そうした少年期、少女期の人間形成にそうした環境とのふれあいが、有効に作用するといいますか、そういう点はあると思います。そういうことを感じております。

(質問)夏休み直前ですが、取組は夏休み以降になるのでしょうか。
(大臣)鋭意詰めております。時期については、まだわかりません。

(質問)閣僚懇談会で、少女4人の監禁事件について、鈴木大臣からは発言しなかったのでしょうか。
(大臣)私からはいたしませんでした。

(質問)この件についての担当は、どなたですか。
(大臣)担当ということで、谷垣大臣からお話がありました。昨日の段階では、お子さんたちはショック状態であり、事情を聞き取るような状況ではなかったので、今日以降の話だということでありました。それから、この国会において、出会い系サイトを規制する法案も通したという紹介がございました。

(質問)今回の事件について、鈴木大臣のご感想をお聞かせ下さい。
(大臣)長崎の事件は、子どもが加害者であったわけですが、今回は、大人が子どもに害を加えたということでありますから、これは、事件の詳細はまだわかりませんので、それを待たなければいけませんが、大人に対するきちんとした処罰をする必要があると思います。大の大人が小学生を相手にするようなことが、メディアでも目にするような、そういうことは法律で規制するとかということでなく、風潮として大変おかしい気がします。

(質問)先程の自然に親しむということですが、街にそういう場がないと思います。それと子どもの犯罪の低年齢化と、今回は巻き込まれた形ですが、少女売春のようなもので摘発されたり補導されたりということがあり、自然環境と日本全体の子どもの生活環境が、隔絶された状態にあると思いますが。
(大臣)この前の長崎の問題でも、いろいろなところで、みんな考えております。家庭がどうか、学校がどうか、地域がどうか、なかなか答えが出ません。従って、これで全てが解決するというものは、率直に言って、答えを求めかねてるというのが現状だと思います。しかし、そういう中で、こういうことが有効ではないかと考えていきますと、先程申し上げました観点から、環境教育というのは、一つの人間形成に対する良い影響を与えるものではないかと、実際に専門家の意見もございますし、そのように思います。ですから、環境教育だけが切り札となって、全てを良くするということにはなりませんが、いろいろやっていかなくてはならないうちの有効な一つの手だてになり得るのではないかという気がいたしております。


(了)