環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年5月6日)

(大臣)本日の閣議では、国会提出案件が2件、法律の公布が4件、人事案件が1件ありました。環境省関係の案件はありませんでした。
 閣議の中で、この期間中、それぞれの閣僚が海外出張されましたので、順次その出張報告がありました。私の方からも、G8環境大臣会合について、閣議の中でご報告をいたしました。閣議終了後、総理にお会いし、会議の雰囲気等につきましてもご報告をしてきました。


(質問)G8環境大臣会合の成果については、どのような評価でしょうか。
(大臣)「アフリカ」、「持続可能な生産・消費パターン」、「国際環境ガバナンス」の3つのセッションがありました。評価できる点は、持続可能な生産・消費パターンの中で、3月に閣議決定されました循環型社会形成推進基本計画について、私の方から、日本はヨハネスブルグ・サミットの一つのフォローとして、この計画を策定したということを申し上げました。その中にある資源生産性は、OECDでも取り上げられていますが、将来、これを一つの国際的な指標にすべきではないかということを提案しました。ただ、現状では各国の置かれている立場が違いますので、まず、それに向けての共同研究をやっていこうということで了解されました。そのことがコミュニケに明記されたということは、一つの大きな成果であったと思っています。
 また、今回のG8環境大臣会合は、エビアンサミットを意識して、環境問題に触れる問題があれば、今回のG8環境大臣会合の議論の成果を反映させようというような考え方が明確にありましたので、意味のある会合であったと思います。

(質問)総理にご報告をされたということですが、総理からは何かご指示はありましたか。
(大臣)総理は報告を聞いておられました。私の方から申し上げましたのは、持続可能な生産・消費パターンについて、循環型社会形成推進基本計画が非常に評価されたということ、将来に向かって、その資源生産性を取り入れていくための研究がなされることになったということを申し上げました。
 もう一つ、気候変動問題についてですが、コミュニケでは京都議定書のことは直接触れられませんでしたが、ロシア、EUの環境委員長のバイ会談の様子、内容についても話をしてまいりました。

(質問)京都議定書の件がコミュニケに盛り込まれなかったということですが、過去のG8やヨハネスブルグ・サミットでは言及があったと思います。その辺、今回の結果についてはどのようにお考えですか。
(大臣)2つ目のセッションの持続可能な生産・消費パターンのところで、気候変動問題、温室効果ガスの排出などは、まさにそのセッションに関わりのあることでした。気候変動問題、とりわけ京都議定書の早期発効、それからグローバルな枠組作りが重要ですので、いずれにしても京都議定書について言及すべきであるということを私の方から発言いたしました。その後、事務方でどういうようなコミュニケを作るか議論したわけでありますが、結果として合意にいたらなかったということで、コミュニケには盛り込まれませんでした。しかし、そうは言っても、気候変動問題の緊急性、この問題における京都議定書の重要性はいささかも変わりありませんので、今回の会議ではそういう扱いになりましたが、引き続きG8の関係国の中でも議論されていくものだと考えています。

(質問)コミュニケに盛り込む際に反対した国はどこですか。
(大臣)会議の場では、明確に反対した国はありませんでした。発言した国は日本だけでした。

(質問)ロシアとのバイ会談で大臣がお受けになった感触は。
(大臣)ロシア政府部内でいろいろな考えがあり、それがまだ収斂されていないという印象でした。オソキナ天然資源省次官、この方はUNEPの会合で中川環境事務次官がお会いした方ですが、彼女の説明では、排出権取引をしたときの価格がもっと高くなければ、あまり経済的効果がないと、従って京都議定書を締結するメリットが少ないのではないかという考えを持つ人もいるという話がありました。しかし、オソキナ次官の立場では、年内の批准に向けて最大限努力するということでした。私の方からは、そういう排出権取引の考え方を持つ方もいるとは思うけれども、気候変動問題は対応が遅れれば遅れるほど大変なことになりますので、早期に取組む必要があるということと、そもそも排出権取引を問題にしている方々にしても、京都議定書を批准しなければ排出権取引に参加できないのだから、そういう全体をよく考えて、グローバルな立場を考えてきちんと対応してほしいということは強く言ってまいりました。

(質問)批准できそうですか。
(大臣)今しばらく様子を見なくてはわかりません。私からも、見通しはどうかということも聞きましたが、何月何日までにということは難しいということです。ただ、年内の批准に向けて最大限の努力をするという趣旨のお話がありました。

(質問)9月にロシアの会議があります。そこに招待されると思いますが、ロシア側は閣僚級でやりたいような意志はあるのでしょうか。
(大臣)はい、私にも参加できないかというようなお話がありました。

(質問)ロシアでの会議ですが、ロシアでやる会議の前に何らかのアクションを示しておいた方がよいのではないでしょうか。この辺りのことはお話の中にありましたでしょうか。
(大臣)9月の会合のことは先方からもお話がございましたし、先方もこの会議が一つの節目であるということを認識していると思います。我々もそう思っています。しかし、それに併せてどうこうするのかということは明確にはわかりませんでした。先方もそれに併せて批准するということは言いませんでした。

(質問)タマちゃんの件ですが、これは河川管理者の立場、鳥獣保護法関係からの立場などがあると思いますが、環境省としての対応はどのようになるのでしょうか。
(大臣)タマちゃんも一つの自然現象だということで今まで見守ってきたわけですが、怪我をした、釣り針が引っ掛かったということで、今まで元気でいただけに残念な気がしています。今のタマちゃんをどうするかということで、今日の午後、連絡会議が開かれます。そこには環境省の出先も参加いたします。埼玉県、アザラシの専門家、動物園の方、県の獣医師会の先生などで連絡会を開きますので、そうした専門家のご議論の結果を見てどういう対応をするかということになると思います。そういう中で環境省はどうするかということもあると思います。環境省としては、連絡会議に出先が参加しますので、そこでいろいろな意見を求められれば申し上げます。その中でいろいろな議論をさせていただくということだと思います。

(質問)出先というのはどこのですか。
(自然環境局)南関東自然保護事務所東京支所です。

(質問)意見を求められた場合、会議の雰囲気、流れ、話の内容にもよると思いますが、環境省としてこういう意見を言うんだということは省内で決まっていますか。
(大臣)それはまさに専門家の意見を聞かなければならないと思います。可哀想だから外せばいいと思っても、例えば捕獲するということになりますと、それが大変なストレスになってタマちゃん自身に悪影響を与えるかもしれません。そもそもあの場所で捕獲できるのかということもあると思います。前の川と違って広いようですし、プレジャーボートなんかも係留しているようです。様々な、専門的な方々の意見が必要だと思います。

(質問)専門家の意見を聞いてからということで、まだ具体的には決めていないということですか。
(大臣)そうです。今日の午後4時から会議が開かれますから。

(質問)主催はどちらでしょうか。
(大臣)主催は埼玉県です。鳥獣保護法は4月16日から改正されまして、例えばそういう捕獲等の権限は都道府県知事が持っています。連絡会議には河川管理者、国土交通省の河川関係の方も参加されるようです。



(了)