環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年3月20日)

(大臣)本日の閣議では、一般案件が1件、法律案が1件、政令が9件、人事案件が3件ありました。環境省関係の案件はありませんでした。
 いわゆるPRTR法に基づきます第1回の届出データの開示を、本日14時に開始いたします。環境省としてはこういったデータを活用し、行政による優先度を勘案した化学物質対策や、事業者による化学物質の自主的な管理の改善、一般市民の方々の化学物質に係る理解の促進などに取り組んでいきたいと思っています。これは第1回目ですので、回を追うごとに対象も広げていきますし、様々な充実を図っていきたいと思っています。


(質問)先日もお伺いしましたが、戦争になった場合の環境省の対応として何かとりまとまった部分はありますか。
(大臣)昨日の幹部会で、環境省内としての心構えと申しますか、対応を私の方から話しました。しかし、実際に環境省がこの問題で具体的な行動を起こすというのは、戦争が終わった後だと思います。前回の湾岸戦争の時も、かなり油井が破壊されて、それによる大気汚染もありました。それに対する調査団に環境省からも加わりました。実際に石油コンビナートなどが破壊され、油が大量に海に漏れて、それによって鳥などが被害を受けましたが、それに対する対応をするために環境省からも現地に行っています。そういうような先例を考えますと、我が省としては主に戦後の対応ということになると思います。

(質問)小泉総理大臣の米国支持に関する国民への説明が不十分だということが出ていますが、その辺についてはどうお考えでしょうか。
(大臣)結論から言えば、支持の対応というのは理解していただけると思っています。日本は元々日米同盟、国際協調主義ということでやってきました。残念ながら国際協調ということで言えば、ご承知のように意見が分かれてしまったということです。
 外交というのは、最後は冷徹に国益を見据えて判断しなければならないものだと思います。ヨーロッパの国のようにというご主張がありますが、やはりヨーロッパにおける国々と、北東アジアにおける日本の立場や状況が違います。現実に北東アジアで直接的な脅威があるわけです。そういう中で国民の生命、安全、独立を守るという究極の国益を確保するには、やはり日米同盟というものを基本においた判断をなすべきだと理解しています。こういう点については、国民の皆様方も冷静に考えていただければご理解いただけるのではないかなと思っています。私は国会の委員会などに同席していますので、説明不足とは思っていませんが、一方において、きちっと場を設けて、国会の答弁の中での意志発表ではなく、改まった場できちっとした方がよかったのではないかなということはあると思います。

(質問)実際に戦争が始まった場合、日本の国民はどのようなリスクにさらされるのかという説明があまりなされてこなかったような気がしますが、テロや兵器などについて、環境大臣としてはどのように考えていますか。
(大臣)全くリスクなしということではないと思います。テロの問題なども十分に備えなければならないと思います。先に安保会議が開かれた時も、いくつかの対応の中で出入国の管理の問題ですとか、テロに対する対応の話も現実に出ております。環境省も様々なところ、例えば国立水俣病総合研究センター、国立環境研究所などにおいて、放射性物質や化学物質などの管理をきちっとやらなければなりません。仮に化学兵器的なもの、例えば放射線モニタリングを環境省ではリアルタイムでやっていて、そのサイトをいくつか持っていますので、そういうことがあれば、環境中における影響の情報について、環境省がきちっと情報収集するという役割があると思います。

(質問)実際にそのような化学物質、放射性物質を扱う施設の警備を強化するように要請したということですか。
(大臣)量はそこまで多くありませんが、管理を徹底するということです。

(質問)先程、国際社会の現実を冷徹に見据えてという話がありましたが、京都議定書の批准に対しては、ヨーロッパと協調してアメリカに考え方を改めてもらうというスタンスでしたが、今回はそれとは違う点があるということですか。
(大臣)それぞれ課題によって違うと思います。日本は共通点を見いだせば、京都議定書の問題においても、今回の問題においても、とにかく一致してやっていこうということです。京都議定書の批准においても、アメリカについてはなかなか難しいということは承知していますが、グローバルな対応、参加を言っているわけです。今回の問題に対しては残念ながら割れたわけですが、最後まで日本としては国際社会が一致するという期待感を持っていますし、また、実際に電話等の要請を通して国際社会の一致に最後まで努力しました。最終的にこのような形になったということだと思います。その過程においては同じだったと思います。


(了)