環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年3月4日)

(大臣)本日の閣議は、国会提出案件が2件、法律案が6件、人事案件が2件ありました。環境省関連はありません。


(質問)3月23日からの交通と環境に関する名古屋国際会議にご出席されますが、その前に藤前干潟を視察されると聞いております。どのような観点から視察されるのでしょうか。
(大臣)藤前干潟については、ラムサール条約指定の干潟になるということで、地元でもそれに対応する動きがあると聞いています。今回せっかく名古屋へ行きますので、この際、藤前干潟も視察してみたいということです。ラムサール条約で指定される湿地ということで重要な湿地でありますが、私はまだ視察したことがございませんでしたので、良い機会だと思いますし、楽しみにしております。

(質問)藤前干潟では、環境学習のための観察施設を10億円かけて作る計画がありますし、愛知万博も開かれる予定があります。視察をされる際に、今の時点で何かトピック的なことがございますか。
(大臣)まだ視察の日程が決まったばかりなので、現地のことについて整理しておりませんが、今おっしゃった観察施設については設置する予定で、地元のご意見を伺っていると思います。いろんなご意見があることは聞いておりますが、最終的な姿はまだ聞いておりません。

(質問)交通と環境に関する名古屋会議そのものについては、環境省として具体的にどのようなことを考えておられますか。
(大臣)先程も申しましたが、出席の日程が決まったばかりで、まだ環境省のスタンスなどについて、詳しい打ち合わせはしておりません。間近になればお話できると思います。

(質問)皇居のお堀の外来魚一掃作戦で、ブラックバスが550匹捕獲されたそうです。この結果についてご感想をお聞かせ下さい。また、移入種についての見解もあらためてお聞かせ下さい。
(大臣)今回の捕獲の状況は在来種が全体の82.8%で、移入種が17.2%ということでした。この状況を見ると、従来言われていたよりも比較的在来種の割合が高いなというのが率直な感想です。これまでの駆除作戦の効果が現れているのかなと思います。また、従来の調査は、投網で捕獲するという方法でしたが、今回は水を抜いて行ったということもあります。いずれにしても生物多様性の確保の点から、在来種を守っていくことが重要ですので、移入種の適切な規制が必要だと思います。

(質問)魚もさることながら、お堀に自転車など様々なゴミが投棄されていることがわかりました。東京のど真ん中で明らかに不法投棄としか思えないようなものばかりでしたが、この点についてどうお考えでしょうか。
(大臣)自転車は3台出てきたそうです。どういうことかよくわかりませんが、おそらく不法投棄されたものだと思います。人目に付かない所で処理してしまおうという、不法投棄の心理の現れかと思います。多分、処理業者ではなく個人レベルの話だと思います。処理業者への不法投棄の取り締まりも大切ですが、基本的にはやはり国民一人一人の対応が大事だと思います。これを機に、不法投棄防止についての啓発などの必要性を感じます。

(質問)京都議定書についてお伺いします。先月、中川事務次官がロシアの天然資源省副大臣と会談した際には、ロシアは2月中にも国会へ報告書を提出する予定だという話でした。メドがたったという感じでしたが、まだ報告書は提出されていないようです。このままでは年内の発効は難しいかと思われますが、あらためてロシアに対し何か働きかけをされるご予定はありますか。
(大臣)その後の情報もございますが、ロシア政府の中にもいろいろな立場があるようです。先般、中川事務次官がお会いした方は、ロシア政府部内では京都議定書に対して非常に前向きな方だということです。人によって非常に希望的に述べる方と悲観的に述べる方があり、それぞれの情報が必ずしもロシアのこれからの動きを示しているかどうかは難しいところだ思います。しかし、基本的には批准に向けての手続きが進んでいるという認識です。人によって手続きのスピードについての考えは違うかもしれませんが、そういう方向であろうかと思います。日本としては、早期発効が基本的スタンスですから、これからも未締結国、特にロシアが加われば発効することになりますので、ロシアに対していろいろなレベルでの働きかけをしていきたいと思っております。

(質問)米国のイラク攻撃についてですが、戦争は最大の環境破壊であるという意見もあります。個人的な見解で結構ですが、この件に関するお考えをお聞かせ下さい。
(大臣)実際に戦争が起これば、人命、世界経済、環境、あらゆる面で大きな影響のある被害が出ることになりますので、戦争に至らないことが一番重要なことだと思います。そのためにはイラクが能動的にきちんと査察を受け入れ、国連の要請に応えるということ、それは取りも直さず国際社会の要請に応えることになります。確かに今、最終局面にきておりますが、平和裡に片づくことが一番望ましいことだと思っております。

(質問)まず戦争有りきというのはいかがなものかということでしょうか。
(大臣)最終的な判断は、大きな全体的なことを考えなければいけないと思います。日本の国益に立てば、国際協調主義と日米の同盟関係を考えて決断をしなければいけないわけですが、その最後の決断に至るまでも、やはりイラクにおいて、国際社会の要望にきちんと応える対応がされることになれば、戦争が回避される可能性が今でも僅かかもしれませんが残されていると思いますので、そこに期待したいと思います。

(質問)もし戦争が起きれば、国内に対策本部をつくるのでしょうか。
(大臣)まだ聞いておりません。


(了)