環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年2月21日)

(大臣)本日の閣議では、一般案件が5件、国会提出案件が7件、法律案が4件、政令が1件、人事案件が3件ありました。
 環境省関係の国会提出案件で、衆議院議員川田悦子提出温泉施設等におけるレジオネラ症発生の防止対策等に関する質問に対する答弁書がありました。
 このたび、世界自然遺産に推薦できる地域があるかどうか、学術的見地から検討するための検討会を林野庁と共同で設置することになりました。世界自然遺産の新規登録というのは極めて厳しい審査があるようですが、この春に、推薦予定地リストの事前登録を義務化する動きがあるようです。大体、5年程度の間に推薦する予定の検討ということになります。そういう動きがありますので、我が国の自然の国際的価値を検討する良い機会だと捉え、この検討会を設置することとしました。第1回は3月3日に開催します。夏前を目途に、学術的な見地から、我が国において世界自然遺産に登録できるような候補地を絞り込んでいきたいと考えています。


(質問)春にリストの義務化がされるようですが、夏を目途に決めるということですか。
(大臣)春にリストの提出が義務化します。我が方としては、そういった動きがありますので、検討会を作って、夏前までに候補地を絞り込みたいと思っています。

(質問)候補地は何カ所ぐらいに絞り込む予定ですか。
(大臣)これは学術的に検討してみて、あるかないか、あるのならばどこになるか、ということになりますので今のところ白紙です。

(質問)具体的な名前も全く決まっていないという状況ですか。
(大臣)はい。全く決まっていません。

(質問)選定のベースはどこになりますか。
(大臣)ベースは、自然公園、重要湿地などいろいろあります。
(自然環境局)自然環境の基礎調査を長年やっています。その中で、重要な生態について400ぐらい把握していますので、それも学術的な整理をいたします。

(質問)富士山を登録してほしいなどの住民運動がありますが、そういうところはどのように対応していくおつもりですか。
(大臣)大体そういうところは、環境省として重要だと思っているところと、大体だぶっています。ですから、改めてどういうところが良いかということを出してもらい、それを候補地にするということではなく、既にそういう重要地は環境省として把握していますので、そういうところについて学術的な検討を加えるということです。

(質問)経済同友会の小林陽太郎代表幹事は、環境省と日本経団連との懇談会があった日の午後の記者会見で、環境税をネガティブに考える必要はないのではないかという趣旨のご発言をしました。業界の中にいろいろな意見がありますが、大臣はどういったご感想をお持ちですか。
(大臣)環境税、温暖化対策税というもののイメージが人それぞれによって微妙に違うと思います。ですから、その具体案をお示しして、検討していただくということだと思います。今年の夏頃に具体案を示せば、更に踏み込んだ評価などができるのではないかと思います。

(質問)日本経団連と設置する定期懇談会の件で、環境税をテーマとして取り上げる可能性はあるのでしょうか。
(大臣)前回、定期会合をもちたいという申し入れをこちらからしました。それに対して、先方は検討させて下さいということでした。我々としては前向きなご発言と受け止めています。先方も、きちっと設置するということになれば、これからの運営をどう進めていくのか検討することになると思います。私としては、特定の問題ではなく、幅広い、例えば政策の方向性をどう打ち出していくとかなど、非常に幅広いことになると思いますので、必ずしも環境税がテーマになるかどうかということはわかりませんが、逆に、初めから環境税の話を排除してやるということでもないと思っています。

(質問)日本経団連も警戒しているようで、環境税がテーマになるようだったら設置はしないと考えているようですが。
(大臣)そういうことがあるかもしれないことは私も感じていますが、それにしても早く具体案を示せば、建設的な議論に繋がっていくのではないかと思います。

(質問)東京の大気汚染対策について、環境省、国土交通省、経済産業省などの関係省庁で検討した対策案の発表がありましたが、東京都は、その対策案では排ガス軽減にはならないのではないかということを言っているようです。これについてはどうお考えですか。
(大臣)東京都が排ガス規制、大気環境汚染に関して、大変強い態度で臨まれているということは承知しています。東京大気汚染訴訟の裁判の過程でもそういったことが示されています。ただ、環境省としては今の方針を着実に進めていくことが大事だと思います。例えば、車の単体の規制も進めますし、NOx・PM法も着実に進めていきます。それから各省庁との関係の中で、交通量や交通流の問題などもやっていくということもあります。東京都として、より厳しい対応をされているということは理解できますし、そういう立場というのも地方自治体としてあって然るべきだと思います。環境省としては先程申し上げたことを着実に進めていくということだと思います。

(質問)環境税の話の中で、全く反対ということではなかなか接点がないと思います。国際競争力に関して、要するに輸入品にはかからないけれど、国内生産で作ったら環境税がかかってしまうとか、輸出するときについても、日本で作ったらかかるが海外に出すならかからないというような、国際競争力や経済に与える影響に配慮してほしいということが産業界の中にあるようです。そこで産業界は、消費税型の環境税がよいという議論が出てくると思うのですが、その辺大臣はどのようにお考えでしょうか。
(大臣)日本経団連との懇談会でも、今の厳しい経済状況を考えてくれということ、雇用に対することも考えてくれということ、やはり空洞化ということも心配なんだという趣旨のことを言われました。その趣旨は、今のお話から出ているのだと思います。いずれにしても、環境税についてはかなり論点が出ておりますので、今回開く専門委員会でも、そういうことを踏まえた十分な検討がなされると思います。この間も、上流で課税するのか、下流で課税するのかという話がありましたが、そういったことも含めて、環境大臣としてこういうものだということではなく、専門的な立場から論点や問題点が出ていますので、そういうことを踏まえた検討をしていただくということだと思います。専門委員会での検討、結論を待ちたいと思います。

(質問)日本経団連の奥田会長が、経済産業省との連携もしてほしいということをおっしゃられていましたが、大臣としてはどうお考えでしょうか。
(大臣)関係方面との調整ということになれば、産業界との調整も必要だと思います。もちろん国民の理解も得なければなりません。やはり省庁間の調整というものも必要だと思います。経済産業省は経済産業省として、産業育成について、産業を促進していくためになるべくマイナスにならないようにするということなどの立場があると思います。そういうことをおっしゃっているのだと思います。もちろん、これをさらに具体化して検討する上においては、環境省だけで進められるわけではありません、政府全体としての話でありますので、当然その辺との調整はやっていきます。

(質問)それは6月に具体案を示した後ということですか。
(大臣)おそらくそうなると思います。

(了)