環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成14年2月14日)

(大臣)本日の閣議では、一般案件が3件、国会提出案件が5件、法律案が5件、人事案件が2件ありました。環境省関係は、法律案が3件ありました。
 「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案」が閣議決定されました。これは青森・岩手県境の大規模な産業廃棄物不法投棄がきっかけとなっているわけですが、同じような事案が出た時に対応が別々であってはいけないということで、この問題をきっかけに制度化するということにいたしました。従来、不法投棄されたものに対応するための地方財政措置がとられていなかったわけですが、年末、片山総務大臣と協議をいたしまして、今回、地方財政措置がとられるということになりました。不法投棄は、都道府県が代執行せざるをえないことが多い状況ですが、従来、平成10年6月以前のものについては負担が大きいということが一つのネックになっていました。今回の法律案が通りますと、そうした負担が軽減されます。時限立法で、10年間のうちに、こうしたものを処理していきたいと思います。
 「独立行政法人環境再生保全機構法案」「日本環境安全事業株式会社法案」ですが、これは、特殊法人改革の一環で、公害健康被害補償予防協会及び環境事業団を廃止し、2つの組織を作るものです。平成16年4月1日に発足させるものです。今後、国会でご審議いただくわけでありますが、速やかにご可決いただきたいと思っております。
 中央環境審議会温暖化対策税制専門委員会を、2月25日から再開することになりました。これは、いわゆる温暖化対策税の関係でありますが、地球温暖化対策についてはご承知のとおりステップ・バイ・ステップで進めていくということですので、温暖化対策税については、第1ステップが終わる2004年までに、第1ステップのいろいろな進捗状況をレビューし、必要があれば第2ステップが始まる2005年以降の早い時期に導入するということであります。私としては、第1ステップをレビューすれば、温暖化対策税の導入が必要であるという客観情勢になると思っています。そうであるならば、早く、具体的な案を作って、この税の目的や、目指すべき効果というものを国民の皆様に理解していただかなければならないと思い、事務方に、こうした具体案作りを進めるように指示しました。それを受けて2月25日に専門委員会で議論が再開されるわけですが、今年の夏頃までに一つの形を示していただき、それを基に国民的な議論を高めていきたいと思っています。

(質問)温暖化対策税の件ですが、以前、客観的な状況ということで排出量が出ましたが、その後、今までに特に客観的なデータが出てきたわけでもないと思います。何か状況が変わったのでしょうか。
(大臣)温室効果ガス6%削減が必要ですが、2000年までに8%増えております。14%削減しなければならないということで、それぞれの企業レベルでの努力は進んでおりますが、達成は容易でないという認識を持っております。具体的には、来年、2004年に第1ステップが終わるにあたってきちっと検証しますが、その時になって温暖化対策税をどうするかということになったとき、具体案がなければそこに時間的なロスが生まれますので、総合的なことを考えた場合、一つの大きな手段として温暖化対策税の投入は、やはり必要なのではないかという立場であります。したがって、今からそういった具体案作りを急いでやる必要があるという判断です。

(質問)東電の関係で、原発の新規立地が進まないという問題がありますが、そういう問題も関係していますか。
(大臣)そういう問題もございます。いずれ、ステップ・バイ・ステップで進むということですので、第1ステップの区切りの年になる2004年に十分な検証をしなくてはならないと思っています。

(質問)東電の問題でいいますと、このままだと確実に二酸化炭素の排出量が増えることになると思うのですが、その辺りをどう考えていますか。
(大臣)なかなか原子力発電が再開しないということで、そうした地球温暖化効果ガスに対する影響は懸念しています。関連して、大綱そのものを見直さなければならないのではないかという話もありますが、大綱は、長期エネルギー需給見通しに基づいて立てておりますので、そちらの変更があればということを、今のところ前提に考えています。ただ、こういう状況がさらに長期的に今後進むとなると、当然、長期エネルギー需給見通しというものも変わってくると思いますが、結果においてそこに齟齬が出ても困りますので、これは環境省としても、資源エネルギー庁と連携をとりながら対応をしていかなければならないと思います。

(質問)東電の原発について、大綱で7基〜13基という原発を見込んでいますが、そもそも東電の問題がなくても、そんなに新規原発が立つのかという根本的な疑問が、国民一般や霞ヶ関の関係役所にありましたが、需給見通しを前倒しで見直した方がいいのではないかということを、環境省から経済産業省や資源エネルギー庁に働きかけるというようなご予定はありますか。どうしても環境税を導入するということになると、そこの前提を見直していないと具体策を詰めるということは難しいと思うのですが。
(大臣)温室効果ガス6%削減は守らなければならない国際公約です。これに対する対応として、第1ステップの頃はある程度詰めたところがない、若干ファジーなところはあるかとも思います。今おっしゃられたようなペースで原発が整備されていくのかということに関わると思います。
 しかし、これから第2ステップ、第3ステップと進んでいきますので、その辺はきちっと詰めていかなければならないと思います。今の時点で、例えば資源エネルギー庁の方にエネルギー需給長期見通しの見直しを申し入れるということはありませんが、来年は大きい節目の年になりますので、もう少し状況を見て、必要に応じてそういった申し入れもしなければならないと思います。

(質問)長期エネルギー需給見通しもそうですが、温室効果ガスの厳しい状況を考えると、第1ステップ、第2ステップの現在の大綱に示した方針自体も、見直しを含めて、できることならばどんどん前倒しでやるべきだというようなお考えですか。
(大臣)今のところは第1ステップも2004年までということですので、その時点できちっとこの間の進捗状況を見直し、第2ステップで必要なものに追加措置をとって加速的に対策を進めていくということだと思います。ステップ・バイ・ステップで進めていくという今までの考えでやっていけばいいと思います。

(質問)地球温暖化対策税制専門委員会が2月25日に開かれるということですが、今までは税制専門委員会ということで税に特化して議論をしてきたと思います。今後は排出量取引だとか他の政策を含めた税の議論をしていくということですか。
(大臣)この税制専門委員会では、温暖化対策税について議論していただくということです。排出量取引については、今年度、三重県でシミュレーション事業をやっていますが、来年度と再来年度で、その試行事業をやることにしています。そういう事業を進めた上で環境省として検討していくということです。ここの場では、税について検討していただくということです。

(質問)原発関係の話ですが、原発に伴う廃棄物は環境省の所管ではありませんが、出るごみはどうするのかということがあり、ごみは持っていくところがないので、そこは汚染されると思います。そのことに関してはどのようにお考えですか。
(大臣)原子力発電は温暖化防止の一つの大きな鍵であると思っていますが、私どもが常に申しておりますのは、安全性を大前提として言っております。人間の生存基盤に関わる環境保全ということを考えれば、温暖化問題だけではなく、今おっしゃられた原発の廃棄物でそうした環境汚染がされてはなりませんので、その辺は、関係省庁でよく十分に対応していかなければならないと思います。先程も申し上げましたとおり、安全性が第一だと考えております。

(質問)税の話ですが、手続上、党なり政府税調で認められないと具体化しませんが、その辺への働きかけや連携はどうお考えですか。
(大臣)夏というのがある意味でいいタイミングで、例えばそうした政府税調などの議論が始まる一つのタイミングだと思います。そういったことも考え、夏までに結論を出してほしいと思っているところです。

(質問)相当最後まで詰めた環境省案という形の環境省提案を固めるということですか。
(大臣)なるべく具体的なものを詰めていきたいと思います。
(官房長)スケジュールですが、今年の夏までにということで大臣がおっしゃいましたが、1年ぐらいは環境省案というものをベースにして、国民的なコンセンサスの形成という段取りが必要だと考えています。
 また、政府税調で議論が行われて、夏ぐらいにはそういった検討が進められるというところからの関係も睨んでいこうということです。
(環境経済課長)若干補足させていただきますが、2005年から税制改正要望ということになりますと、環境省からの、いわゆる税制改正要望は来年の夏ということになりますが、今、大臣と官房長から申し上げました通り、国民的な議論が1年程度必要だろうということです。他方で、政府税調では中期答申というものを3年に一回まとめております。やや中期的な課題ということでありますが、それが今年の夏にございます。政府税調の中でも環境税がかねてから検討課題として上がっておりますので、その辺りにもインプットできればという構造でございます。
(大臣)いずれ、こういった新しい税制を導入するということになりますと、相当、国民の皆様の理解を得なければ、なかなか受け入れていただけないと思います。また、経済界の理解も必要です。なるべく具体的な案をお示しして、今後、それを各方面のご議論に供したいと、そういう中で理解を進め、第2ステップに向けていよいよ必要だと判断された時に、そうした議論にすぐつながっていくように考えています。

(質問)税をどこにかけて、どういう使い方をするのかというような、例えば額はいくらだというところまで具体案を示すということですか。
(大臣)どの程度まできっちりした具体案になるかということは、これからご議論をいただくわけで、その結果を待たなければなりませんが、今まで出ているものよりも、さらに詰めて、要するにもう少しイメージがはっきりわかるようなものをまとめていただければと思っています。

(質問)2月18日に日本経団連との懇談会があり、奥田会長と対談されますが、その時に協力を働きかけますか。環境税にはかなり産業界からの反発があって、環境税自体の議論は10年ぐらいやっているかと記憶していますが、その辺のところは大臣からお話するのでしょうか。
(大臣)専門委員会で議論していただきますので、2月18日の段階では具体的にお示しするものはありませんが、当然、地球温暖化対策や循環型社会問題などが話題になりますので、地球温暖化対策税についても話題にはなるかと思います。これから内部でいろいろ検討いたします。場合によっては、私からもこういう動きがあるということをご紹介させていただくこともあるのではないかと思います。

(質問)先週、アメリカが水素エネルギーについて、燃料電池の開発、ガソリン車に代えて燃料電池車にしたいということで、今後5年間で17億ドル、2000億円強ということで今から本腰入れてやるということです。日本の額に比べると倍は軽くいくということですが、こういった案を出してきていることに対してはどうお考えですか。
(大臣)この分野は日本として先行していた分野だと思います。アメリカの方でも力を入れて技術開発、財政支援もしていくという報道は私も聞いています。これから、各国競争になると思います。日本としても今まで支援策をとっていますが、そうしたものをさらに充実させていく必要性はあると思います。ただ、今具体的に、アメリカがそうしたからそれに対応して日本もということではありませんが、この分野をさらに力を入れていく必要性というものは私も感じています。

(質問)温暖化対策税の件ですが、2005年の早い時期に導入するため、論議を夏までにやるということですが、そもそも必要なことだったのでしょうか。それとも前倒しというか、いろいろな情勢でスケジュールを早めたということでしょうか。
(大臣)今までもそういうステップ・バイ・ステップで進むという方針でやっておりました。そういうことから睨んでも、この時期にそろそろ具体案作りに取りかかる必要があると思います。先程申し上げましたとおり、来年度見直しをする、その際に導入が不可避だということになったときに、名前は知っていても、それぞれの人において持つイメージが違うということでは具体的な議論が進みませんので、従来のスケジュールからさかのぼって考えても、そろそろ具体案をお示しする時期だと思い、指示をさせていただいたところであります。

(質問)夏までに形を示してもらい、1年かけてということになりますと、環境税導入はどれぐらいの時期になりますか。
(大臣)それは、今、いつということにはなりませんが、環境省としては、第2ステップの早い時期ということで考えを持っています。今、具体的に何年何月ということで確定的に申し上げることはできません。

(質問)環境税、温暖化対策税など、CO2排出に課税をするわけですが、そのタイプとして、環境省が今まで考えてきている化石燃料に課税するという案と、日本経団連の奥田会長が言われている、環境税というのは、広く、全員が負担するような、一般大衆課税的な、消費税的な課税の仕方の方がいいのではないかという意見もあるようですが、大臣ご自身としてはどちらのタイプをベースとして取るべきだとお考えですか。
(大臣)川上で課税するか、川下で課税するかということは、今回検討してきた点においても一つの問題点だと思っています。課税しやすい川上、皆にインセンティブを持ってもらう川下、それぞれ一長一短と、それぞれの特色があると思いますので、その辺は専門委員会の議論にお任せしたいと思っています。

          (了)