環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成14年10月18日)

(大臣)今日から国会が始まるということで、本日の閣議では、大変案件が多いものとなりました。一般案件が4件、法律案が58件、政令が3件で、人事案件が4件ありました。 環境省、国土交通省関係の政令が1件ありまして、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令等の一部を改正する政令が決定されました。                 
 閣僚懇談会においてもご報告するような発言はありませんでした。
 泡瀬干潟の問題について、内閣府から事業の進め方等について説明を聞いてきましたが、今朝、内閣府に対して環境省の考えをお伝えしたところです。今までも、法的には環境アセスメントに関与する立場がなくても、沖縄の環境部局とも連携しながら、いろいろな助言等を申し上げてきました。環境省は、事業認可に当たって環境影響評価で示された環境保全措置を確実に守っていただかなければならないという立場にあります。先般、海上にブイが設置されたという局面を迎えましたので、内閣府から事業の進め方等についての説明を受けて、環境影響評価で示された事業者の環境保全措置について、環境省としての考えをまとめ、先方に伝えたところです。
 具体的な概略は次の3点であります。一つは海草の移植計画の策定と公表で、海草の移植に当たっては、科学的根拠に基づき、あらかじめ、移植計画が策定され、公表されるべきであるということです。二つ目は、機械化移植工法の評価についてですが、その実用化に当たっては、十分な期間のモニタリングに基づき、科学的かつ総合的な観点から慎重に判断する必要があるということです。三つ目は、クビレミドロの移植技術についてですが、泡瀬地区のクビレミドロが、将来に渡って保全されるよう、工事実施前に移植技術が確立したかどうかの確認に万全を期す必要があるということです。環境省としては、事業認可に当たって環境アセスメントで示された環境保全措置を守っていただかなければならないので、今後も同様に、必要なときには環境省の立場を伝えて参りたいと思います。


(質問)大臣としては、岩手県の産廃問題を視察する意向や予定はあると思いますが、諫早湾にも問題がいろいろ出てきていまして、大型公共事業のありかたが問われています。大臣ご自身としては、視察の意向や予定はありますか。
(大臣)今のところ岩手県の産廃問題については、知事から来てほしいというお話はありましたが、具体的には、岩手県の産廃問題も含めて、視察の予定はありません。

(質問)大臣のご意向はどうですか。
(大臣)これから国会が始まりますので、そういった中で考えていかなければならないと思います。

(質問)今回の申し入れは異例なものだと思いますが、今後、法的に手続きが定まっていないものに対しても、必要であれば申し入れていくことがあるということですか。
(大臣)今までも、必要に応じて、環境保全についての担当行政である環境省という立場からやってきました。泡瀬干潟についてもご承知の通りの経緯があります。その経緯の中で、海上にブイを設置するという節目を迎えましたので、その節目に当たって、事業者の説明を聞いておく必要があると考えたものです。節目を迎えたという意味では、節目に重要なことを申し上げたと思いますが、流れから言えば、従来から申し上げてきたことの延長線上であるということです。

(質問)今回の申し入れというのは、今までに例の無い形だということですか。
(大臣)いよいよ海上にブイを設置したという状況で、中身においては、具体的な計画をどうするのかという踏み込んだ内容になっていると思います。枠としては、環境アセスメントに示された、事業者が守るべき環境保全措置についての中身を具体的に申し上げたということです。

(質問)三つの考えを出されたようですが、現時点で環境省としては、その三点が十全でないので申し入れをしたということですか。
(大臣)十全である、ないということに関わらず、事業主が実際に委員会を設置したりしながら事業を進めようとしていますので、そういうことに対して、環境省としては、最初に計画の全体図を示すよう申し上げたわけです。今の状況が不十分であると断じているということではないし、その上に立って物を申しているわけではありません。

(質問)今後、必要なときに必要なことを伝えていくというのは、泡瀬干潟に限ったことですか。それとも泡瀬干潟に限ったことではないということですか。
(大臣)泡瀬干潟については、今後も言っていくつもりです。事業主が、環境省からこの話を聞いたから、後はどんどん進めますということではなく、環境省としては節目節目できちっと言って参ります。

(質問)環境省設置法に基づく勧告権などということではないのですか。
(大臣)そうではありません。環境省設置法第3条には環境省の任務が規定されています。環境省は、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全を図ることを任務とする、というようなことがありますので、環境省の一般任務の一つとして申し上げたということです。

(質問)申入書というものになるのですか。
(大臣)口頭で申し上げています。

(質問)内閣府にペーパーは渡しましたか。
(大臣)ペーパーを手交したという形ではありません。

(質問)今後、モニタリングや評価に対して、沖縄県や内閣府から協力要請があったらどう対応しますか。
(大臣)協力と言ってもいろいろあると思います。今までの助言や今回の申し入れも一つの協力だと思います。法的な立場で、環境影響評価で直接言えなかったということもありますので、そういったことの兼ね合いで、協力といって、中に入っていけるかどうかという法的な判断はできません。

(質問)法的な環境アセスメントなどに関してですが、国の関与、運営しているものに対して、環境大臣が意見を言えない立場にありますが、それについて、制度的なものを変えるというような働きかけをする考えはありますか。
(大臣)結論から言えば、今のところ具体的にそういったことを検討しているということはありません。

(質問)変えていきたいという意向はどうですか。
(大臣)例えば今回の場合でも、そういった立場にあっても、実質的にはきちっと沖縄県の環境部局と連絡を取りながらやっていますので、実態面として、著しい不都合などがあればともかく、今回の件は、実態面としてきちっとやってきたと思っています。

(質問)今日、中央環境審議会の廃棄物・リサイクル制度専門委員会で、廃棄物処理法の骨格を示すという報告案が出てきますが、姿、形が一応見えてきたということで、何か評価はありますか。
(大臣)まだ今日出るものについての細かい報告は受けていませんが、取り運びとしては、今、基本的な問題について相当ご議論をいただいているということです。今後の取りまとめによりますが、法改正も視野に入れているということを前提にやっていますので、審議会での議論を踏まえて、必要があれば来年の通常国会に法改正がありうるということも踏まえ、取りまとめをいただくという認識です。


(了)