環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成14年10月16日)

(大臣)本日の閣議では、一般案件が2件と人事案件が5件ありました。環境省関連はございません。
 他に18日から始まる臨時国会における、小泉総理の所信表明演説について検討いたしました。

(質問)18日からの臨時国会において、環境省として、また、環境大臣として力を入れたい事、重視する事や心構えをお聞かせ下さい。
(大臣)環境大臣として初めての国会でございますので、緊張感を持って臨みたいと思っています。環境省が抱える問題は法律案のみに関わらず、いろいろな事がその時々に起こってまいりますので、そういうものに誤りない対応を一つ一つしていきたいと思います。特に初めて起こったような事には、初動の対応を間違えないようにきちっと対応したいと思っております。
 また、継続した課題もあります。国会開催中にCOP8がございますが、国会のお許しが得られれば出席したいと考えております。そういう継続のものについては従来の方針に則って誤りなくやっていきたいと思います。
 また、法案については、今回の国会では閣法はありませんが、議員立法の自然再生推進法が継続審議となっております。議員立法ではありますが、ご質問があれば環境省としてお答えし、自然再生に向けた取組について、国会の場で明確に国民の皆様にお示ししたいと思っております。

(質問)COP8については、どのような基本方針で臨まれますか。途上国であるインドで開催ということで、途上国側から援助の要請などがあることも考えられますが、日本政府としてどのようなお考えでしょうか。
(大臣)COP8における対処方については、まだ具体的に詰めておりませんが、まず、京都議定書を早く発効させることが大切だと思います。およそ流れはできつつあると思いますので、まだ参加していない国に対し参加を促すということがあります。それから、今の枠組みのちょっと先をにらんで、途上国の問題があります。いろいろ事前に努力しておりますが、聞くところによれば、以前は全く途上国側においてそういう話をする段階ではなかったのが、若干、態度の違うニュアンスも出てきているということです。にわかに進展するとは思いませんが、できれば、こうした途上国の問題を早く俎上に上げることが大切なのではないかと認識しております。

(質問)もし、大臣ご自身がCOP8に参加される場合、ロシアの責任者とお会いになる腹づもりでしょうか。 
(大臣)いろんな方と会わなければいけないと思いますが、先方の日程もありますので具体的にはまだわかりません。

(質問)昨日、モスクワで開かれた日ロ貿易経済政府間委員会で、ロシアの京都議定書批准が来年の春以降になるという話が出たと報道されています。これについて何か情報はございますか。
(大臣)14日に川口外務大臣とロシアの副首相がお会いになった時、その話が出たということです。ロシア側は批准はする方針だが、国内の法律や体制の準備が年末までかかるので、1月から開かれる国会にかけるなどの手順を追っていくと、来春になるということだそうです。ロシアの方針が変わったということになれば大変ですが、そういうことではなく、今までの方針の中での手続きの問題であると理解しています。

(質問)尼崎公害訴訟について、国土交通省が和解条項を果たしていないということで、尼崎公害患者の会が公害等調整委員会に「あっせん調停」を申し立てました。これについて環境省としてどう関わっていくのか、一旦、和解は成立していますが、今回の件で、環境行政としてどうするのかお聞かせ下さい。
(大臣)10月4日の閣議後記者会見でも申しましたが、環境省としては和解条項を守ってもらわなければ困るということです。一般論で言えば、低公害車の導入やNOx法など、今までも環境省として、大気汚染の防止について様々な対応をきちんとしてきております。引き続き、関連省庁とフォローアップをしていきたいと思います。
 今回の問題に限って言えば、公害等調整委員会という組織があり、そこにあっせんの申請をされたということは、きちんとした組織において手続きが正にとられたということですから、公害等調整委員会の場での、あっせんの状況をしっかり見守っていくということだと思います。

(質問)尼崎の現地では、連絡会があるそうです。今までは近畿地方整備局と原告側で連絡会で話をしていたが、原告側は、環境省も大阪に出先ができたのだから連絡会に入ってもらいたいとの希望があるそうです。これについてどうお考えでしょうか。
(大臣)その件についてはまだ聞いておりません。

(質問)先程のロシアの件は川口外務大臣から直接聞かれたのでしょうか。
(大臣)現地で、川口外務大臣がそういう内容のブリーフをされたと聞いております。

(質問)冒頭に臨時国会では、初めての事は初動について誤りのないよう対応したいとおっしゃいました。初動のものとして、どういう事を念頭においておられますか。
(大臣)先程の尼崎の公害訴訟の和解の件などが関連委員会に出てくるなど、いろいろなことが起こりうると思います。極めて一般論で申し上げたまでで、特に何を念頭においてということではございません。

(質問)総理の所信表明演説ですが、前回の国会では、低公害車の導入などが盛り込まれました。今回は何か環境関係の事が盛り込まれていますでしょうか。
(大臣)ヨハネスブルグ・サミットについては言及されるようです。ただ、1月の通常国会冒頭の施政方針演説と、臨時国会における所信表明演説とでは性格が違うと思います。臨時国会は、今、やらなければならない事があるので召集される訳ですから、召集するに至った事項を中心に述べるということになります。また政府として提出する法案を中心に述べるということですから、その時々によって扱いは違って当然だと思います。

(質問)泡瀬干潟の工事について環境省の意見を内閣府に伝えるということでしたが、その後どうなっていますか。
(大臣)今、作業中です。

(質問)今週中くらいの予定でしょうか。
(大臣)早急にということで、私としては今週中と思っています。

(質問)内閣府からは何か話はありましたか。
(大臣)まだやりとりの最中ですから、やりとりが終了してから報告を受けたいと思っていますし、環境省の考えも先方にきちんと述べたいと思っています。

(質問)今日の閣議で、北朝鮮の拉致問題について何か話はありましたか。
(大臣)閣僚懇談会で、国土交通大臣から、「昨日、一時帰国ということがありましたが、これを踏まえて更に真相解明について、一致団結して取り組んでいかなければならない」との趣旨のご発言がございました。皆さんそのとおりだということでした。

(質問)一時帰国された方の会見などをご覧になってのご感想をお聞かせ下さい。
(大臣)長い方は24年という年月が経っています。やはりその間、北朝鮮の社会で、それまでの年月より長い期間を過ごされた訳ですから、ただ外国から帰って来たということとは違います。また、お子さんなどがまだ海外にいる訳ですから、相当、物言いについてはあれこれ考えられて喋っておられるという印象を受けました。ご家族水入らずでお話されれば、もっと率直に話されるのかもしれませんが・・。新聞やTVを見た印象ではそんな感じを受けました。

(質問)岩手と青森の県境の廃棄物不法投棄の件で、先日、岩手県知事と面会された際、大臣があらためて現地を視察されるとおっしゃったそうですが。
(大臣)増田岩手県知事から、是非、環境大臣としてもう一度現地を見て欲しいとの要請がありました。国会の日程がありますし、その場では明確な返事はしませんでした。可能であればうかがいたいと思っています。

(質問)まだ日程は決まっていないということですね。
(大臣)はい。決まっていません。
         (了)