環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成14年9月10日)

(大臣)閣議の前に沖縄政策協議会が開催されました。沖縄関係の予算の執行について、沖縄振興特別調整費の各省担当案件についてそれぞれ説明がありました。全体については尾見沖縄及び北方対策担当大臣がご担当になります。私からは、ジュゴン保護対策調査費とサンゴ礁の緊急保全対策費の2つの内容と執行予定についてご説明いたしました。政府としては、必要な手続きをとって調査を進めているわけですが、ジュゴンについてもサンゴ礁についても以前から地元でもご関心がありますし、いろいろご意見もあるようですから、沖縄県知事もご出席されていたので、現地の事情も良く教えて欲しいと申し上げました。
 閣議では、私からヨハネスブルグ・サミットの報告をいたしました。
 また、閣議後の閣僚懇談会で、ヨハネスブルグ・サミットについてお話をいたしました。
正確な数字ははっきりしていませんが、多くの参加者がありました。代表団としては、日本が一番多かったらしいですが、私としては、もっとコンパクトな代表団でも良かったのではないかと申し上げました。会場と宿舎が離れており非常に効率が悪いのでそのように感じたのかも知れませんが・・。
 私としては今後、こういう会議に代表団としてどういう人を出したらいいのか、もう一度考えた方がいいのではないかと思っています。外務大臣が帰国されましたら一度、ご相談をしようと思います。
 これから、環境省も含め国際会議が多くなっていく訳ですから、外務省とも協力しながら、どの位の代表団を送れば一番能率的なのか、闇雲に人を出すのではなく、会議の目的に添った代表団を編成し、一致団結して仕事ができるような体制を考えることが必要だと思います。
 環境省としては、会議の結果を踏まえて、国内的にも国際的にも必要な施策をやるために、会議の反省会を開いて体制を整えたいと思っております。

(質問)今日からニューヨークで国連総会が始まりますが、ここではヨハネスブルグ・サミットの報告が行われるのでしょうか。
(大臣)国連総会は毎年9月のこの時期に行われる定例の会議です。特にヨハネスブルグ・サミットの件を報告するためではありません。例えば、国際情勢について、イラクの問題や中東問題などについて話し合われるのではないでしょうか。ただ、出席者は自由に発言できますので、当然、サミットの話も出るのではないかと思います。

(質問)今回のサミットでは、環境と経済、社会の統合ということで合意がされた訳ですが、これから各国のレベルでいろいろな主体が実行していくことになると思います。ポストヨハネスブルグとして、今後の10年20年の世界の環境行政がどうなるのか、サミットを受けてどう動いていくのかお考えをお聞かせ下さい。
(大臣)一般論として申し上げます。環境省としてこれからやろうとすることは、例えば京都議定書を達成するための当面の施策があります。中期的には、政府だけでなくNGOや地方自治体、企業などの様々な主体が、ヨハネスブルグ・サミットで議論された「持続可能な経済、社会、環境」について一緒にやって行くという気運が今まで以上に強くなって行くと思います。政府としても更にこの気運を盛り上げて助長していくように協力をしていきたいと考えています。
 もともと環境行政は地方との関連をきちっとしないとできないと思っています。例えばゴミ処理の問題も、地方自治体との協力関係が整わないと解決できません。これは単に抽象的な協力関係ではなく、法律上、整備されていない面については、誰が責任を持つのかという責任体制をきちんとしなければいけないと思っています。現状を点検しながら施策を進めていきたいと思っています。

(質問)ヨハネスブルグ・サミットを総括するとどのような印象でしょうか。
(大臣)小泉総理がいらっしゃって演説をされて、具体的なことをおっしゃったのは良かったと思います。日本代表団も一所懸命やって、会議の成功のために努力しましたし、南アフリカ政府にも協力したということは言っていいと思います。客観的にもそういう感じを持っていただけたと思っています。

(質問)代表団の人数が多すぎたとお考えですか。
(大臣)私が感じたのは、あれだけの人数がいますと、なかなか連携が十分ではないということです。日本政府として今何が言いたいのか、外に向かってPRする、皆さんにどういう情報を出すかということなど、大きい代表団だっただけに十分連絡を取れなかったのではないかという危惧はあります。もし何百人も行くのであれば、十分にその体制を作るべきだったと思いますが、十分に作り得ないままに行ったような感じです。外務省と環境省が一番多く出したので、私は自分たちの反省を含めて言っています。

(質問)多かったとまでは言い切れないという感じでしょうか。
(大臣)少なくともよそに比べては多かったということです。ホテルも遠かったので、すぐに集まって情報交換もしにくかった。私の立場で言いますと、今、どんな問題がどうなっているというような情報をそれぞれ集めてはいるのでしょうが、なかなかそれがすっと入ってこないということはありました。

(質問)結局、日本政府として何人参加したのでしょうか。
(大臣)400人以上ということです。政府代表と政府代表代理までは正確に把握できますが、後は出入りもありますので。

(質問)NGOや企業の方もいましたが。
(大臣)正式に政府代表団に顧問として参加したのは9人です。その他、サイド・イベント参加者も含め、企業の方もいらっしゃいました。会議全体では4万人、6万人の参加者と言われていますが、南アフリカ政府の公式サイトでは、2万人を超えるとなっています。2万人というのは少ない気がしますが、相当参加したことは確かです。
 多少の治安の問題もありましたが、南アフリカ政府は良くやったと思います。アフリカでああいう会議ができたことは評価していいと思います。

(質問)人数が多すぎたということを感じられたのは、具体的にはどんな場面でどんな支障があったのでしょうか。
(大臣)私としてはいろいろな情報を得たいわけです。公式にはきちんとした情報が入ってこないこともあります。例えば、非公式の会議も多く、何月何日に会議があると聞いていても実際には開かれないこともあるなど、多少混乱がありました。

(質問)どの位の規模の人数が適当だと思われますか。
(大臣)例えば局長が行けば課長がついて行く、課長が行けば補佐がついて行くというようなことは日本的なやり方です。この問題については担当部長が行けばすべて把握しているというようなことになればいいわけですが。ただ、大きな会議なのでミスがないように出来るだけ人数を揃えて行くというような考え方もあるとは思います。これはむしろご苦労様という意味で申し上げますが、外務省は、アフリカやヨーロッパ、ロシアの大使館からも来ていました。説明によると、総理が見えるのできちんと確認したいということでしたが。理由はあるわけです。

(質問)政府として、国会議員などを含めて人数の確定はしているのでしょうか。
(大臣)確定はしていません。事前の登録から出入りがあります。

(質問)個人で参加した人以外の政府代表団の人数はわかりますか。
(大臣)私が言ってるのは、普段小さな政府と言っているので、もう少し効率的にならないかということです。国際会議になりますと、どういう問題が出てくるかわからないということで、それに備えてということでしょうが、必要があれば電話もあるのだからと私は思いますが。いろいろ議論はあります。今日の閣僚懇談会でも、私が、人数が多いと申し上げたところ、いや私のところは少数精鋭で出したという発言もありました。頭から多いと言うわけにもいきませんが、よその国より多いことは間違いないので、その辺は今後の課題だと思います。

(質問)実施文書や政治宣言についてですが、今後、実施するにあたり、日本政府として足りないこと、より努力しなければならないことなどあれば、具体的に教えて下さい。
(大臣)これから考えなければならないことはたくさんあります。例えば、目標数値などがはっきりしていないものもあります。エネルギー政策などは、ヨハネスブルグ・サミットの提言を頭において、各国が状況に応じて検討していかなければなりません。どこの国も、地球温暖化やできるだけ地球を汚染しないようにという配慮からのエネルギー政策として、再生可能エネルギーなどについて原則賛成しています。しかし、自国のエネルギー政策を変えていくのは、国によって皆違うわけです。
 化石燃料から始まり、風力・太陽熱・バイオエネルギーなど科学技術の進歩に伴っていろいろなエネルギーがあります。そういうものを全部ひっくるめて各国がエネルギー政策を考えなければいけないわけです。

(質問)数値目標は盛り込まれませんでしたが、日本独自の数値目標はありますか。
(大臣)日本としても1国のエネルギー政策として、これからの5年、10年を考えながら作っていかなければなりません。経済産業省でも勉強していますし、我々も一緒に勉強していきます。
 ヨーロッパ全体としてEUは、再生エネルギーと言っていますが、各国それぞれとしては必ずしも一緒ではありません。それは、各国がどういことを研究しているのか頭に入れながら日本も考えていかなければいけません。エネルギーの問題は日本だけのことではなく、例えば石油にしても、世界中で誰がどう供給し、誰がどう使っていくか見ないと日本として合理的な政策はできません。一緒に科学技術で協力していこうということはあります。
 また、水をめぐるいろいろな問題についても各省と協力しながらやっていきたいと思っています。

(質問)大臣がヨハネスブルグにいらっしゃっている間に、平沼経済産業大臣が財政諮問会議で、エネルギー特別会計の問題と石炭への課税、環境省との共管問題について発言されています。それについてのお考えをお聞かせ下さい。
(大臣)エネルギー問題は、エネルギーの問題としても環境問題としても考えなければいけないわけですから、政策を進める上で、関連する政策として例えば税制については、我々も環境に関する税制について既に検討をしています。予算の組み方もありますし、平沼大臣はそういうことも含め見直しが必要だとおっしゃったんだと思います。まだ細かいことは聞いておりませんが、経済産業大臣としても環境大臣としても当然勉強していかなければならない、これから協力して勉強していきます。

(質問)協力して勉強するというのは具体的にはどんなことでしょうか。例えば勉強会を作るというようなことですか。
(大臣)勉強会はこれまでも非公式にはいろいろやっています。ただ税制となると与党の税制調査会や政府の調査会もあります。地球温暖化大綱についても、税制を含めた経済的措置について、2年後に見直しで検討すると言っております。経済産業省だけでなく政府全体として勉強していくということです。
               (了)