環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成14年7月30日)

(大臣)本日の閣議では特に環境省関連はありませんでした。閣議了解の人事がいくつかございました。環境省は、先日申しましたとおり、小林自然環境局長が退職し、後任として保健環境部の岩尾部長が正式に決定いたしました。
 閣議案件ではございませんが、環境省の人事でお知らせがあります。本日付けで任期付職員法に基づく民間からの職員採用を行います。男女各1名の採用で、男性は伊東準一さん、女性は青柳恵美子さんです。任期はどちらも2年になります。地球温暖化対策課に採用し、地球温暖化防止国民推進室員に指名いたします。環境省では、地球温暖化防止対策の推進のために国民お一人お一人のご協力をいただくよう、PR活動をしておりますが、なかなか役所の考え方だけでは不十分です。そこで、今回の任期付採用の方には、民間で仕事をされてこられた知恵や経験を活かして、地球温暖化防止対策のPRなどの仕事をしていただきます。この後、大臣室で辞令交付と懇談を行います。
 国会が会期末を迎えますので、我々としては予算編成に主力を集中して取組んでいきます。他方、ヨハネスブルグ・サミットなどの国際的な仕事もしていかなければいけませんし、国内ではゴミ処理問題などもあります。ゴミ処理問題では、8月1日に、青森・岩手県境の不法投棄現場を視察いたします。ポイントは排出者責任ということで、もとはどこかということですが、関東地方などのかなり遠方からも持ち込まれているのではないかと言われています。排出者責任をどうやって徹底していくか、これから知恵を出していかなければなりませんが、そのためには、誰が廃棄物を出したのかということを客観的に確認できるような方法の確立を努力しなければいけません。これについては以前からご協力をいただいているわけですが、例えば警察との協力などを含めてこれからも考えていきたいと思っています。

(質問)一部で報道されていますが、地球温暖化防止について、ロシアと日本の政府間で、二酸化炭素の排出削減に関する政府間協定の締結を視野に入れた予備協議が始まったということです。これについて何か情報はありますか。
(大臣)正式に政府間で協議を始めたということはありません。今回の報道では、日本とロシアの排出権取引の話なのか、それともそういう方法について勉強するというのかわかりませんが、今までも、例えば、他の国、ヨーロッパの国などとの勉強会もありました。大いに勉強してもらえばいいと思います。

(質問)京都メカニズムを使って、将来的に日本とロシアの政府間でCO2の排出権取り引きを行うという協議をしているということはないのですか。
(大臣)公式にではなく、今までも民間が主体となって勉強をするということはありました。私が今思い出すのは、正式に政府がという形ではありませんが、英国と勉強会をやったことがあります。関心のある人が、政府の人間も国会議員も含めてやる勉強会ということはあります。もう少し進めば、政府としてどうするかという意思表示をする必要は出てくると思います。
 ヨハネスブルグ・サミットも含め、京都議定書の関連では一番の関心事項は、ロシアや東欧諸国で、それらの国々と非公式にでも話を進めることが有意義だと思います。

(質問)日ロ間の政府間協定の締結について、ロシア側から日本政府に対し正式に申し入れがあったのでしょうか。
(大臣)ありません。
 京都議定書の関連で言いますと、京都議定書はまだ発効していません。発効を前提として、京都議定書の中でいろいろ取り決めを更に進めるということと、京都議定書が発効しなくても、事実上、話を進めるということと分けて考える必要があります。非公式な話し合いや勉強会はありますが、今のところ政府間で取り決めをする必要があるかどうかということは、まだその段階まで来ていません。むしろ、ロシアに対しては、早く京都議定書を批准してくれということの方がまず第一です。

(質問)その非公式な勉強会というものには、環境省の方は誰か出ていますか。
(大臣)聞いていません。アカデミックな意味で勉強される方はいろいろあると思います。

(質問)勉強会というアカデミックに勉強するということと、正式に協定を考えるということと若干、レベルが違うと思いますが。勉強会を超えるものは今までやったことがないと理解してよろしいですか。
(大臣)政府間で、将来の取り決めを頭に置いて勉強会を行ったことはありません。物の本にはいろいろ書いてありますので私もそれは読みます。他の国の政府でも、非公式な勉強会はやっていますし、民間が主体となってやるので、よかったらどうぞ参加して下さいということもあります。そういう段階だということでご理解いただきたいと思います。

(質問)ロシアの京都議定書批准の見通しについて、何か新しい話はありますか。
(大臣)ロシアとしては批准に向けてやっていると、あくまで批准のための作業を進めているといろいろな所で言っています。ただ、ヨハネスブルグ・サミットに間に合うかという話になると、はっきりしません。ヨハネスブルグ・サミットまでもうひと月を切っていますので、それまでにとなるとまだはっきりとは見えていません。
 ヨハネスブルグ・サミットが終わるまでに批准されればいいのですが、少なくとも私としては、ロシアや残っている東欧諸国と、個別などの何らかの形で話し合いを進めたいと思っています。

(質問)ヨハネスブルグ・サミット終了の9月4日までに発効するのは難しくなっています。ただ、日はずれてもそれまでに発効に向けての段取りができればベストだということでしょうか。
(大臣)それはそうでしょうね。ヨハネスブルグ・サミットまでに、完全ではなくても、少なくとも政治的に意志決定しましたということになればいいのですが。その中にロシアが入っていれば一番いいです。

(質問)先程、個別に話し合いを進めたいとおっしゃったのは、ヨハネスブルグ・サミットの中でということでしょうか。それともその前でしょうか。
(大臣)ヨハネスブルグ・サミットの前に高級事務レベルの会合を行おうかという話もあります。環境省あるいは日本政府としては、あらゆる機会を捉えて話し合うのが意味があると思います。私がヨハネスブルグ・サミットへ行って、そこで話し合うということもあります。ただ、まだいつ行くか決めていません。各国首脳がいつ行くかもありますし。
 望ましいのは、高級事務レベルや閣僚で早く決めておいて、各首脳が演説を始める頃には大きなことは決まっているということがいいのではないでしょうか。ヨハネスブルグ・サミットで実施文書について時間をかけるのはよくないと思います。
 私は、バリの準備会合で残ったことは、G8環境大臣会合でアフリカを含めて話し合っているし、先日、国連本部でも、首脳と直結した各国代表がフレンズ・オブ・ザ・チェアーという形で会議を行いました。そのへんで大体の形は見えて来ていると思っています。形が見えているのを本当の形にするために、ヨハネスブルグ・サミットの前半で詰める必要はあると思います。
           (了)