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記者会見大臣発言要旨(平成14年4月12日)

(大臣)本日の閣議で、環境省と経済産業省が共管する「使用済み自動車の再資源化等に関する法律案(自動車リサイクル法案)」が決定されました。
また私がカナダで行われるG8環境大臣会合に出席する件について了承されました。本日、夕方出発いたします。

(質問)G8環境大臣会合では、サミットに向けた宣言が出されると聞いていますが、日本としてどんなことを考えておられますか。
(大臣)G8環境大臣会合はヨハネスブルグ・サミットやG8先進国首脳会議の準備として開催されるものです。議題は温暖化問題だけでなく、環境に関するなど共通の課題が議論されると思います。ペーパーはカナダが議長としてとりまとめることになりますが、あらかじめこんなことをというような話はしています。

(質問)ヨハネスブルグ・サミットの準備もなかなか進んでいないようですが、主要国としてリーダーシップをとられることはお考えでしょうか。
(大臣)G8先進国首脳会議は毎年開催しておりますので、去年、今年、そして来年に向けての流れの中で、今の時点でG8環境大臣会合としてどういうことを言うかということです。
 また、ヨハネスブルグ・サミットの準備ということがあります。G8環境大臣会合としてのペーパーを作るとして、どこまで言及するかということになります。

(質問)今回の出張では地球温暖化問題について、2国間会合を予定されていると思いますが。
(大臣)できるだけ個別に2国間会合をしようと思っています。現在5つぐらいセッティングをしています。せっかく各国が集まっていますので、時間の許す限り行いたいと思っています。

(質問)ロシアやカナダは京都議定書を巡って、他の国との温度差があると思いますが、これについてはどう対応されますか。
(大臣)京都議定書の発効に向けての努力については、EUと日本は早くきちっとやりましょうという意見です。米国はあまり言いたくない。これは表現の問題です。 

(質問)表現というのは共同宣言のことでしょうか。
(大臣)G8環境大臣会合からサミットへむけての報告ということです。共同宣言という名前にするかどうかも含め議論することになります。

(質問)京都議定書について、昨日、ロシアで閣議があったようですが、内容を聞いておられますでしょうか。
(大臣)閣議があったという情報は報道などで聞いていますが、まだ確認はしておりません。G8にはロシアも来るので、どうなっているのか聞くつもりです。皆さんの解説では、ロシアはいろいろな権利を高く売りつけるつもりだということですが、私からは早く批准に向けた手続きをするよう言うつもりです。

(質問)G8環境大臣会合のペーパーにどんな内容を盛り込むのでしょうか。     
(大臣)ヨハネスブルグ・サミットとの関連ですから、今までどんなことをやってきたか、その流れに言及しながら、これからどんなことをやるかを示すということです。京都議定書の問題についても議題の一つとして、日本の立場としては何も言及しないのは困ると今までも言っています。また、ヨハネスブルグ・サミットの準備も、会議が成功するよう皆で協力しながらやっていこうとも言ってあります。ヨハネスブルグ・サミットについては、G8の後にも何回か準備会合があります。今決まっているのは、インドネシアで5月の下旬に第4回準備会合が行われるということです。(非公式会合は5月24日から。公式会合は5月27日からの予定。)
 ヨハネスブルグ・サミットの準備では、世界実施文書の作成がありますが、これは余程良い議論のたたき台を作らないとなかなかまとまらないと思います。どういうものを作るかというのが今の我々の最大の関心事です。長ければいいというのではなく、本当に大事なことだけをきちっと書く、それが具体的な合意やアクションに繋がるようなものを作らなければいけないと思います。

(質問)自動車リサイクル法が閣議決定されました。ご所感をお聞かせ下さい。
(大臣)特にリサイクル費用の負担については随分議論をしました。それぞれの担当者が苦労、努力してまいりました。自動車はリサイクルの対象となるものとしては大きいのできちんとリサイクルが実行されることになれば、目に見えるものなので大変良いと思います。しっかりと施行されることを期待しています。

(質問)リサイクル費用は1台あたり概ね2万円くらいと言われています。全国に対象となる自動車が7千万台あるので、単純計算で1兆4千億円という巨額な預託金になります。これを管理する資金管理法人は、公益法人としては2番目に大きい額を管理することになるそうです。国民が直接費用を払ってリサイクルをするわけですから、資金の管理などの透明性の確保についてどうお考えでしょうか。
(大臣)安全・確実な運用をすることが法律に明記してあります。誰が見てもわかるよう透明性を持った運用をしてもらいたいと思っています。

(質問)資金管理法人には国土交通省と経済産業省が所管している「自動車リサイクル推進センター」という公益法人がなるのではないかと言われています。大臣として資金管理法人に役人を天下りさせないということをお考えでしょうか。
(大臣)どこが資金管理法人になるかはまだ決まっていませんが、外部から批判されるような天下りはいたしません。資金管理法人の運営については関係省庁等で議論をして考えています。その内容を聞いて、天下り問題も含め、透明性のある運営をするよう考えていきます。

(質問)昨日、国会において鳥獣保護法についてご答弁で、ジュゴンを対象に含めるということをおっしゃいました。ジュゴンは沖縄に生息していますが、普天間基地の移転問題とのからみで、環境省として意見を言っていくという意思表示と受け取ってよろしいでしょうか。
(大臣)普天間基地の移転問題については、まず、外務省や防衛庁という米軍基地問題の当事者がいるわけです。私としてはジュゴンの生息状況について調査が完全でないと理解しています。まず、実態を把握して、その上で環境省としての意見をきちんと言うことになります。沖縄の方々が非常に関心を持っておられることは認識しておりますし、私も関心を持っております。



(了)