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記者会見大臣発言要旨(平成13年12月28日)

(大臣)本日の閣議は、一般案件が2件ありました。1件目は高齢社会対策の大綱について決定されました。閣議に先立ち開催された第9回高齢者対策会議で案が決定されたことを受け、閣議決定したものです。この大綱について福田官房長官からご発言がありました。高齢社会対策基本法に基づき、政府の高齢社会対策の新たな指針を策定するものであります、各府省が一体となって、積極的に高齢社会対策に取り組むように格段のご尽力をお願いするとのことでした。2件目は政策評価に関する基本方針について決定されました。来年の4月1日から行政機関が行う政策の評価に関する法律が施行されます。この法律に基づき政府全体として政策評価を計画的かつ着実に推進していくための指針として、この基本方針を決定いたしました。この指針に基づいて各省で基本計画の指針となるべきものを定めることになります。環境省では、既に今年1年間、実際に政策評価を実施しておりますので、その際に用いています実施要綱をベースに基本計画を作成していくことになります。他に国会提出案件として、質問に対する答弁書が1件、配付が3件ありました。いずれも環境省には関連がありません。また、田中外務大臣外3名の海外出張についての了解がありました。閣議は以上です。
私から1つ申し上げることがございます。一昨日、太田事務次官が退院され、昨日その報告がありました。大変元気で安心しました。その際、太田事務次官から事務次官の職を辞任したいという話がありました。医師から退院後は普通の生活をするようにとの話があったそうですが、引き続き通院加療が必要とのことです。他方で環境省としては、年明けの通常国会で法案の提出がありますし、秋にはヨハネスブルグサミットもあります。課題が山積しているので環境省として新しい体制で万全な形でやる必要があるだろうと自身で判断をしたそうです。私としては、非常に残念です。もう少し続けてやっていただきたいという気持ちを持っておりました。しかし、事務次官自身がいろいろ考えて判断したことですので、できるだけ早く完全に回復することが大事だろうと思いまして了承いたしました。太田事務次官は今年の1月6日に環境省が発足して以来、一番大事な時期に事務次官を努めてもらいました。私が男の閣僚であれば、良い女房役をと言うところですが、ジェンダーフリーの立場で言えば、非常に良い夫役をしていただいたと思っています。法律もPCB法や自動車NOx・PM法の成立がありましたし、COP7もありました。そういったことの事務的な省内の取りまとめや他省庁との調整、官邸との連絡などそういったことを含め全部取りまとめてもらいました。非常にいい仕事をしてもらったと思います。非常に責任感の強い方でございまして、私としても非常に残念です。完全に回復なさって、環境省を外側から応援してもらえればと思います。
非常に異例のことでございますので、後任人事については出来るだけ早く新しい体制を整えることが必要だと思います。来年の1月8日付けの発令を予定しており、現在、鋭意検討しております。



(質問)後任人事は現在未定であるということですか。
(大臣)そうです。
(質問)1月8日付けで発令できるであろうということですか。
(大臣)はい。官邸他、関係各方面と調整が必要なのですが、できるだけ早く発表したいと思っています。
(質問)昨日の官房長会見では、年明けに太田事務次官が職務に復帰されるということでしたが。
(官房長)一昨日、太田事務次官が退院して、昨日から太田事務次官本人が事務次官として勤務しています。1月7日の事務次官等会議にも太田次官は出席します。
(質問)環境省の1年を振り返って、何かコメントはございますか。
(大臣)いろいろなことがありました。これから環境省が進んでいくにあたり、様々なベース作り、様々な礎になることを1年間かけてやってきたと思います。環境省一丸となって努力をし、また関係の方々にご協力いただき、私としては良い方向で礎作りができたのではないかと思っています。国内的には「21世紀『環の国』づくり会議」を開催させていただき、循環型社会の形成、地球環境問題への取り組み、国民の安全と安心の確保、自然との共生などについてご義論いただきました。関係閣僚全員に出席していただき、政府全体として環境のために動いていくための礎ができたと思います。国際的にはCOP7もございましたが、
昨年のエコアジアで提案した有識者会議が動き出しました。地球的な規模で今後の環境問題をどう議論していくのか、考え方の整理をする場を作ったということです。来年の1月に第1回会合が開催される予定です。そういった枠組みができたということです。また、政策を実施していくスタイルとして、パートナーシップを掲げ、タウンミーティングを1年間行いました。国民の方々の声を聞くものとしては、MOEメールも始めました。パートナーシップをベースに環境行政をやっていこうという環境省としてのスタイルが確立されてきたと思います。
(質問)環境省の一年間を振り返って自己採点をされると何点でしょうか。
(大臣)少し甘いかもしれませんが、私としては、環境省の1年目については90点と言いたいです。
(質問)マイナス10点は何でしょうか。
(大臣)まだまだ、環境省として蓄積をしなければいけない部分があると思います。今持っている環境省の予算や人員では制約もありますが、まだまだ国民の中には環境省に意見が届いていないという思いがあると思います。MOEメールもこれまで4000件以上来ており、それを各担当局に振り分けて、対応しています。制約の中で、例えばそういうことをいろいろやっているけれども、まだ完全には出来ていないところがあるということです。


(了)