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記者会見大臣発言要旨(平成13年11月2日)

(大臣)閣議案件では一般案件として、我が国周辺を航行する不審船への対処について決定されました。この件につきまして、官房長官、防衛庁長官、国土交通大臣、国家公安委員長からご発言がありました。海上保安庁法及び自衛隊法の一部改正によって、不審船を停船させるための武器使用権限の整備が行われたのを機に、関係省庁間の連携の強化、事案発生時の対応体制及び迅速な閣議手続等について閣議決定をしました。
 コソヴォ国際平和協力業務について、欧州評議会から日本に対し選挙監視要員の派遣について要請があり、派遣する決定がなされました。
 国会提出案件では質問主意書が2件あり、環境省関連では、衆議院議員の小沢和秋先生ご提出の我が国周辺に遺棄された旧軍化学兵器の実態解明と、無害化についての質問に対する答弁書についての案件がありました。質問の趣旨は、我が国における化学兵器製造について、全容を解明、公表するとともに、苅田港で発見された化学弾の無害化処理を急ぎ、周辺域における遺棄弾の有無を徹底調査すべきと考えるがどうか、というものです。それに対する答えとしては、我が国における化学兵器の開発、製造及び流通の全分野においての全体像を把握することの出来る資料が政府内にないので、その全容を解明し、公表することは困難であり、苅田港内で発見された旧日本軍の化学弾と認められる57発については、早期かつ安全に廃棄すべく関係地方公共団体とも連携して調整を行っている、というものです。
 政令は6件ありましたが、環境省に関連のあるものはございません。
 なお、私の訪米については、ただいま参議院で審議されております。


(質問)米国での会談の中身は決まっているのでしょうか。
(大臣)米国でのお話の中身は、米国の京都議定書批准に向けた働きかけです。COP7がどういった会議になるかについての現状認識の交換ですとか、今まで行ってきた事務レベル協議での確認等を話し合うといったことになると思います。

(質問)マラケシュからの報告は入っておりますか。
(大臣)現在は、最終的に、法的な文書に落とす段階に向けた細かい議論が行われておりまして、今の段階では、ご報告するような大きな進展はありません。

(質問)COP7ではロシアの問題と遵守の問題が焦点になると思うのですが、これらの点における日本の交渉方針はどのようなものでしょうか。
(大臣)ボン合意をリオープンしないということです。つまり、ボンでの合意を蒸し返して変更するようなことはしないということです。というのも、ボン合意自体が微妙なバランスの上に成り立っていて、そのような状況で、いろいろな国が様々な意見を持っていたとしても、改めて先のボン合意について議論し直すことは出来ないと思います。

(質問)現実問題として、ロシアは要求を拡大し、遵守の1年先送りの可能性が出てきていることが問題になっていると思うのですが。
(大臣)遵守は1年間の先送りということではなく。法的拘束力は京都議定書に基づくCOP/MOP1で議論することになっているということです。また、ロシアの要求拡大については、ボン合意のリオープンではなく、先の会合から、ロシアはそのことを発言していたという認識です。

(質問)本日、閣議の後で官房長官とお会いになったそうですが、どのようなお話をなさったのですか。
(大臣)官房長官と経済産業大臣とお話をいたしました。私からお二人にCOP7の全体の状況、日本の方針、会合の動きをお話ししました。2002年発効を目指し、全力で交渉するなどの今まで国会で申し上げてきた3つの方針を確認いたしました。

(質問)訪米の日程は4日に出発、5日に会談を行い、5日の夕方に欧州に向け出発するということで変更はないですか。
(大臣)そのような日程で国会にご了承いただくようお願いしております。

(質問)訪米の際の会談の相手方は決まりましたでしょうか。
(大臣)コノートン環境諮問評議会議長、ドブリアンスキー国務次官、リンゼー経済担当大統領補佐官とお会いする予定です。ホイットマン環境保護庁長官は欧州にいらっしゃるようで、お会いできません。

(質問)会談相手とは一度にお会いなさるのですか。
(大臣)コノートン環境諮問評議会議長、ドブリアンスキー国務次官とは一緒にお会いするかもしれませんが、まだはっきりと承知しておりません。リンゼー経済担当大統領補佐官とは個別にお会いすることになると思います。

(質問)訪米の場所はワシントンでよろしいですか。
(大臣)はい。

(大臣)ただいま連絡が入りまして、参議院で私の訪米が承認されました。

(質問)COP7で最終合意に至る可能性はどのくらいとお考えですか。
(大臣)合意が成立するか成立しないかのどちらかしかありませんので、確率は50:50というのが正確かもしれませんが、ボン合意の前に考えられていた合意の可能性よりは今回の合意の可能性の方がはるかに大きいと考えています。


(了)