記者会見大臣発言要旨(平成13年8月7日)

(大臣)本日の閣議では環境省関連の案件はありませんでした。国会提出案件で「行政組織の新設改廃状況報告書を国会に提出することについて」と「平成12年度公害等調整委員会年次報告の国会送付について」の2件が決定されました。その他、質問主意書が3件ありました。財務大臣から、今夏は暑いので消費が伸びているとお話がありました。閣議後の閣僚懇談会で、特殊法人等の個別事業の見直しの考え方について、石原行政改革担当大臣、片山総務大臣、塩川財務大臣、小泉総理からご発言がありました。石原行政改革担当大臣からは、8月10日に予定されている平成14年度予算の概算要求基準の閣議了解時に、特殊法人等の個別事業の見直しの考え方について特殊法人等改革推進本部に報告する予定である、この見直しの考え方は昨年の行政改革大綱の事業見直し基準、今年6月の中間取りまとめてで示した類型別事業見直しの方向性をすべての特殊法人にあてはめたものである、併せて各府省の意見も公表して今後の検討に資する、これらの基準が平成14年度の予算に反映出来るよう概算要求においては個別見直しの考え方を盛り込んで欲しいとのお話でした。
 それから私から1つ申し上げたいことがございます。本日「環境省地球温暖化対策推進本部」を設置します。これは、COP6再開会合で京都議定書のいわゆる中核的要素に関する基本的合意(ボン合意)がまとまり京都議定書の2002年の発効に向け、国際的な機運が高まったこと、小泉総理が京都議定書の2002年の発効を目指して、COP7までに最終合意を達成すべく引き続き全力を尽くすとともに、京都議定書の目標を達成するための国内制度の整備に全力で取り組むと表明されたことなどの状況を踏まえ、環境省として京都議定書の2002年締結が可能になるように、同議定書に定められた温室効果ガスの削減目標を達成するための国内制度の構築、各種対策の実施を省内の一体的な協力体制のもとに推進するために設置するものです。地球温暖化防止対策というのは産業分野の他に、都市交通の改善、廃棄物処理における対策、森林の整備、国民のライフスタイルの見直しなどといった広範な分野にわたっています。手法的にも規制的手法、経済的手法、計画の策定、広報や教育といった様々な手法があり、それらを用いて対策を進めていく必要があると考えています。従って本部の下に、環境省のこれまでの経験、知識を総動員して、多岐にわたる施策を省内一体的な協力体制のもとに推進していくものです。本日16時30分から第1回会合を開きます。本部長は環境大臣、副部長は環境副大臣及び環境大臣政務官です。今後、京都議定書を取り巻く状況や取組の進展を踏まえて私が適宜招集します。

(質問)名古屋南部公害訴訟の和解について、新聞にはコメントされていますが、今後何か対策をとられますか。

(大臣)コメントで申し上げたとおりでございます。今後の対策は自動車NOx・PM法に基づく様々な施策、それから大気汚染防止法に基づく単体規制を強力に押し進めていく必要があると思っています。今までの長い経過、いろいろな思いを越えて今度の和解に達しようとご努力なさった原告の方々や関係者の方々の気持ちを考えますと、これを契機に一段と強力に大気汚染の防止に努めていかなければならないと思っております。

(質問)靖国神社の参拝についてお尋ねします。小泉総理の参拝について、川口大臣は賛成でしょうか、反対でしょうか。その理由は何か。それから川口大臣自身は靖国神社に参拝されるかどうか。この3点についてお尋ねします。

(大臣)小泉総理の靖国参拝については、総理が熟考されるとおっしゃっていますので、私がコメントする立場ではないと思っています。私自身は、昨年も申し上げましたが、私の世代は父親が戦争に行って戦死なさったという世代です。私の友人にも何人かいらっしゃいます。ですから抽象的に戦没者ということでなく、具体的に友達のお父様が亡くなったということで、戦没者への追悼の気持ちは強く持っています。ということですけれども、靖国神社へは今まで参拝しておりません。今回も追悼の気持ちは持っておりますが、それを靖国神社への参拝という形で現すことはいたしません。

(質問)確認ですが、小泉総理の参拝には賛成でも反対でもないということですか。

(大臣)総理自身がお決めになられることだと思っています。コメントを申し上げる立場にはありません。

(質問)国立墓苑の新設やA級戦犯の分祀についてはどうお考えでしょうか。

(大臣)これも非常に多くの側面を持つ、非常に広がりのある問題だと思っております。きちんと考えることは重要だと思っています。一度私なりに整理はしたいと思っていますが、今の時点では申し上げる段階ではないと思います。

(質問)特殊法人について特に環境省関係では何かあるでしょうか。

(大臣)それぞれご意見を頂いてきており、環境省の意見も言っています。基本的な特殊法人の事業の見直しという方針を踏まえることが大事だと思っています。

(質問)環境省関係の特殊法人で何か出ていますか。

(大臣)今までご意見を伺って、環境省も意見を言ったというそれ以上のことはありません。

(質問)閣議で夏が暑いことについてお話があったとのことですが、地球温暖化との関連などの話はございませんでしたか。

(大臣)消費が伸びたということ以外ありませんでした。


(了)