記者会見大臣発言要旨 (平成13年3月2日)

 本日の閣議案件で環境省案件はありませんでした。法律案は11件、政令は1件ありました。

 閣僚懇談会では、伊吹防災大臣が三宅島の噴火災害で避難をしている桐ヶ丘団地を訪問して島民の方々のご苦労をお聞きしたという話がありました。その後橋本大臣から三宅島の子共達がスポーツをやりたくても道具がないということで、できるところがあれば協力して頂きたいという発言があり、町村文部科学大臣からなにか考えましょうというお話がありました。その後、オリンピック招致問題について町村文部科学大臣から大阪の優れた開催能力が世界に伝わるように各省ご協力をお願いするというお話がありました。

(質 問)本日の閣議及び閣僚懇談会で村上元参議院議員の逮捕についてなにか話はありましたか。
(大 臣)特にありませんでしたが、扇大臣からこの問題で森内閣が影響を受けないというのは難しいかもしれないが、今は予算で大事な時期なので内閣が一致してしっかりやっていこうという話があり、全員一致で確認をしました。

(質 問)大臣はこの件に関して発言をしましたか。
(大 臣)していません。

(質 問)この件についての大臣の見解をお聞かせください。
(大 臣)いろいろな意味で残念なことだと思っています。この事件がどういうことなのか国民の前で明らかになることが必要だと思います。

(質 問)昨日21世紀「環の国」づくり会議が開かれ6月位までになんらかのとりまとめを行いたいということですが、月1回の会合でまとめを出し得るものでしょうか。実質的に議長役をやるということですが、どういうふうに取りまとめさせようとお考えですか。
(大 臣)ご出席の委員の方々は大変に深いご造詣と知恵をもっていらっしゃいます。こういうことをやったらいいという知恵は本当にたくさんあって、全てを議論することは難しいので、その知恵をどうやってまとめていくかということについては工夫が必要だと思います。すでに昨日の段階で大きな柱が4本ほど立っていますし、あと2,3の柱は立ち得ると思っています。委員の方々に順番に発表していただいて建設的な議論ができればと思っています。

(質 問)自動車NOX 法(自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法)の改正案は5日の事務次官等会議で了承、6日の閣議で決定という流れというふうになりそうでしょうか。
(大 臣)そう聞いています。

(質 問)有明海の海苔問題で古賀幹事長から諫早湾の水門を開けるという発言がありましたが、環境省としてはどのようにお考えですか。
(大 臣)古賀幹事長の発言は新聞で読んだだけで、直接発言録を見たわけではありません。今、第三者委員会で調査についての議論していただいくところで、その議論の結果水門を開けるということが必要ということになれば開けるべきだと思います。また今後、環境省としては有明海域の環境の修復・改善という点でやるべきことがあると思っています。昨日、谷津大臣が有明海域について、瀬戸内法(瀬戸内海環境保全特別措置法)のような法律の検討ができないだろうかということをおっしゃっていまして、昨日の段階で事務当局にその検討を指示しました。本件については関係各省が非常に多いので、各省の連携が非常に重要になってくると思います。

(質 問)仮に有明海域について瀬戸内法みたいな法律ができるとしたら、所管官庁は環境省ということになるのですか。
(大 臣)関係の省庁は多いと思います。多くの省庁に関係していただかなければできないものです。有明の場合は調査の結果なにがでてくるかにもよりますが、そういう意味では瀬戸内法とは若干性格が異なるものになるのではないかと思います。調査の結果を見てみないとどういう形にになるかは今の段階ではわからないと思います。

(質 問)村上元参議院議員逮捕の件で、国民の前で明らかにするとは具体的にどのようなことをお考えですか。
(大 臣)これから司直の手で明らかになると思いますが、何が起こったかということを明らかにすることだと思います。

(質 問)キャッシュではなくて事務所の家賃の肩代わりをしたということが被疑事実になったということですが、それをどのようにお考えですか。
(大 臣)これは前にも申し上げたことですけど、この事件を教訓に政治にお金が掛からないようにする、日本の若い人を含めた優秀な人材が政治の世界に入っていき政治を活性化するということが非常に大事だと思っています。例えば、政治を行うにあたりアメリカに比べて日本の国会議員は公費負担の秘書の数が非常に少なく、このことは日本国民にとっても大事な話だと思っています。この事件をきっかけに新しい仕組みができればと思っています。

(質 問)有明海の問題ですけど、閉鎖性水域特有の窒素やリンというのは他の地域にも関係すると思いますけど、有明海に特化してというのはどういったかたちの法律になるのですか。
(大 臣)まさに昨日検討して下さいということを言ったばかりですし、何が問題なのかという調査委員会の報告を見てみなければ具体的なことをまだ申し上げられません。

(質 問)瀬戸内法の場合、あの地域を特に厳しい規制の対象にするというのは、国全体から見ても特に景勝の地であるということがあると思うのですけど、有明海の場合そういう観点から考えて、あの海域の環境というものをどのようにお考えですか。
(大 臣)日本にとって景勝の地というのはもちろん言えるわけですけど、もし調査の結果汚れた自然ということになれば、それをどういうふうに修復していくかということはやっていかなければならないことだと思っています。

(質 問)そういうもののモデルケースみたいな位置付けになるのですか。
(大 臣)そもそも法律が可能かということも含めて、調査の結果を見てからということになりますので、今の状況ではなんとも申し上げられません。他の地域と共通するような話なのかもしれないし、有明海特有のなにかがあるかもしれないので、調査の結果を見てからということになると思います。

(質 問)一昨日、庁舎に車が突っ込んだ事件がありましたが、そのことについて何か情報は入ってきていますか。
(大 臣)新聞で報道された以上のことは知りません。

(質 問)昨日、ガイアックスの調査結果が出ましたが、環境省側の発表後にガイアックス側が反論の記者会見を開き、環境省側の調査結果の出し方に問題があるということを言っているのですが、その点についてはどうお考えですか。
(大 臣)その件についてはまだ聞いていませんが、調査の方法や広い意味でのサイエンスに関することですので、もし反論がお互いにあれば話し合っていけばいいと思います。私どもが調査を委託したところはこのような調査をいろいろやっていて経験も豊富なところだと聞いていますので、信頼性のある調査をして発表したつもりです。この件については後で聞いてみます。

(質 問)ガイアックス側の記者会見によると、調査を委託したところというのは直接の利害関係があるということで、これで公平な調査ができるのかという意見があるのですが。
(大 臣)調査の方法論やデータの取り方については誰がそれをしようとそれはデータとして出るはずで、誰がやったからおかしいという話ではなく、データについて議論をしていけばいいと思います。

(質 問)一昨日の事件に戻りますが、産業廃棄物行政に関連した犯行だと報じられていますが、環境行政に対して暴力で対抗するということについてどう思いますか。また、これからはどう対処していこうとお考えですか。
(大 臣)あの事件についての背景についてはまだ何も判っていないと私は承知しております。どういう事件だったのかということは新聞に出ている以上の情報はまだありません。それをベースに一般論として、何か言うということではないと思っています。私どもはいつもやるべきことをやっていくだけです。 

(質 問)COP6再会会合が7月下旬に決定しましたが、開催が当初予定より遅れたことについての影響と評価についてお聞きしたいのですが。
(大 臣)2月12日のCOP6のビューローの会議で6月の半ばから7月いっぱいの間で会場の利用可能な所を探すということになっていて、気候変動枠組条約の事務局が会場を探し、結果的には7月の下旬ということになったわけですけど、私どもとしましてはその期間内でできるだけ早くできたほうが良かったと思っています。ただアメリカの国務長官が5月、6月の段階では参加の準備ができないということを言われたとのことですから、やはり良い議論をするためには残念だけれどもやむをえなかったと思っています。私どもとしては2002年までに発効が可能となるように引き続き全力で取り組んでいきます。今、副大臣がG8の環境大臣会合に出席していて、ここでも議論がたくさん行われるでしょうし、4月のCSD(国連持続可能な開発委員会)の会合の際も活発な議論が行われると思います。そういった蓄積は大事だと思いますし、いろいろな手段を使って、モーメンタムの維持をしていくことが重要だと考えています。日本としてもモーメンタムの維持をしていくのに京都メカニズムについての国際シンポジウムを4月に開催するということで今準備を進めていますので、その成果も議論に反映できればと思っています。やはり最後にできる運用ルールが使えるものでないと意味がないので、そういう観点の議論も入れていくことが大事だと思っています。今、日本としてやれることはどんどんやっていこうと思っています。

(質 問)参議院選挙と時期が重なることについてどうお考えですか。             
(大 臣)政治家の方々は忙しくなっていくでしょうが、私どもはやるべきことをやるだけです。

(了)