報道発表資料

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1999年11月01日

都市計画道路 小樽山手通・余市望海台通 に係る環境影響評価書に対する環境庁長官意見の提出について

環境庁は、都市計画道路小樽山手通・余市望海台通(北海道)の環境影響評価書について、環境影響評価法第22条第2項の規定に基づき、平成11年9月17日付けで建設大臣より環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成11年11月1日付けで建設大臣に対し、クマタカ、オオタカなど希少な鳥類への配慮、工事中、供用後の騒音対策及び工事に伴う発生土対策等に関する環境庁長官意見を提出した。
1.事業の概要

 
路 線 名
事 業 区 間
道路の規模等
計画交通量
(24h)
主な手続きの経緯
都市計画道路
  小樽山手通・余市望海台通
北海道小樽市新光町 ~
     北海道余市郡余市町登町
高速国道・約24km
4車線
27,000

28,500
準備書縦覧
 H11/5/14~5/28
知事意見提出
    H11/9/3


2.環境庁長官意見

1.騒音関係

(1)  計画地域の周辺においては、現在、道路交通騒音に係る環境基準を超過していることから、着工前に工事用車両の走行に伴う道路交通騒音影響について調査・予測・評価を行い、必要な対策を検討するとともに、その結果を公表すること。また、以上の措置を講じる旨評価書に記載すること。
 
(2)  工事中、供用時を通じて、関係機関と協力しつつ、関連交通量及び道路交通騒音等沿道環境に係る監視を適切に実施すること。また、当該措置について評価書に記載すること。
 

2.自然関係

 計画道路周辺で希少な野生動植物が確認されていることから、以下に掲げる措置を講じ、それらの生息、生育環境の適切な保全に配慮する必要がある。

(1)  本評価書の動植物目録に掲載されている種のうち、ヤマシャクヤク、スナヤツメなど環境庁レッドリスト掲載種については、レッドデータブック掲載種と同様に着目すべき種として扱う必要があるので、これらの種に対する影響の予測及び評価を行い、必要な対策を検討すること。また、その結果を評価書に記載すること。
 
(2)  クマタカ、オオタカなど希少な鳥類の飛翔等が数多く確認されていることから、着工前及び工事期間中において繁殖行動等が確認された場合、学識経験者の意見を聞き必要な調査を実施し、営巣に影響を及ぼす可能性があると判断された場合は、適切な保全対策を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。
 
(3)  工事中に新たに希少な野生動植物が確認された場合、学識経験者から意見の聴取を行い、現地調査を実施した上で、これらの生息、生育環境に対する影響が最小限になるよう適切な保全対策を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。

3.廃棄物関係

 工事に伴う発生土については、「北海道地方建設リサイクル推進計画」等に基づき可能な限り有効利用を図る等、処分所要量の削減のための対策を講じるとともに、発生土処分に伴う環境保全上の問題が生じることのないよう、当該事業に係る利用及び処分に関する定量的な計画を策定するとともに、事後監視を行うこと。その旨を評価書に記載すること。

4.その他

 環境影響評価法第21条第2項の規定を踏まえ、以下の事項について評価書を修正すること。

(1)  対象道路事業の種類を追記すること。
 
(2)  環境影響評価結果について、調査の結果の概要並びに予測及び評価の結果を環境影響評価の項目ごとにとりまとめること。
 
(3)  環境影響評価結果について、対象事業に係る環境影響の総合的な評価を追記すること。
連絡先
環境庁企画調整局環境影響審査室
室 長 :小林 正明(6231)
 審査官:福本 幸造(6232)