報道発表資料

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2000年03月17日

玉島笠岡道路に係る環境影響評価書に対する環境庁長官意見の提出について

環境庁は、玉島笠岡道路(岡山県)の環境影響評価書について、環境影響評価法第22条第2項の規定に基づき、建設大臣より環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成12年3月17日付けで建設大臣に対し、大気負荷低減対策、オオタカ、ダルマガエル等の希少な野生動植物への配慮及び事後調査等に関する環境庁長官意見を提出した。

1.事業の概要

  路  線  名
事 業 区 間
道路の規模等 計画交通量
(24h)
主な手続きの経緯
1 玉島笠岡道路(国道2号)

岡山県倉敷市玉島阿賀崎
 ~ 岡山県笠岡市西大島新田
一般国道
13.2km
4車線
25,400

41,700
準備書縦覧
 H11/3/17~3/30
知事意見提出
 H11/8/12

2.環境庁長官意見

玉島笠岡道路

 1.大気関係

 供用時の浮遊粒子状物質について環境基準の超過が予測されることから、計画路線及び並行路線において一体的に沿道大気負荷の低減対策を実施することが重要であり、植栽及び路面清掃等の対策について、関係機関と連携しつつ実施するとともに、技術開発の動向を踏まえつつ、沿道大気負荷の低減に資する新技術の積極的な導入に努めること。

 また、関係機関と協力しつつ、工事中及び供用時における大気環境及び関連交通量の監視を実施し、その結果を踏まえ適切な措置を講じること。

 2.自然関係

 計画道路周辺は自然環境豊かな地域であるとともに希少な野生動植物が確認されていることから、計画路線の構造及び施工計画の詳細を検討するに当たっては、さらに地形の改変を最小限にするよう努めるとともに、以下に掲げる措置を講じ、自然環境の保全に配慮する必要がある。

(1)  ミゾコウジュの移植及びダルマガエルの移動に当たっては、専門家からの意見の聴取を行い、最適な移植・移動方法、移植・移動先として適した場所及びモニタリングの方法を検討し、その結果を評価書に記載すること。
(2)  計画路線近傍においてオオタカの営巣が確認されていることから、専門家の意見を聞いた上で、道路構造等詳細な計画の検討に際して、営巣木周辺の環境保全にさらに配慮するとともに、営巣状況及び生息状況についての調査を継続して行うこと。また、工事実施にあたっては、専門家の意見を確実に反映し、工事による生息への支障が生じないように工期、工法を十分検討すること。その旨を評価書に記載すること。
(3)  工事中に希少な野生動植物を新たに確認した場合には、必要に応じて関連する工事を一時中断し、専門家から意見の聴取を行うとともに現地調査を実施し、影響が最小限になるよう適切な保全対策を講じること。その旨を評価書に記載すること。

 3.廃棄物関係

 工事に伴う発生土については、処分に伴う環境保全上の問題が生じることのないよう適切に行うとともに、当該及び関連の事業に係る利用及び処分量に関する事後監視を行うこと。また、その旨を評価書に記載すること。

 4.その他

 対象道路事業に係る道路の構造について、土工部(盛土及び切土の別も含む)、橋梁部及びトンネル部の位置を評価書に記載すること。

連絡先
環境庁企画調整局環境影響評価課
室  長 :小林 正明(6231)
 審査官 :福本 幸造(6232)