報道発表資料

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2015年11月26日
  • 総合政策

(仮称)石狩コミュニティウインドファーム事業に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、26日、北海道で実施予定の「(仮称)石狩コミュニティウインドファーム事業」(株式会社市民風力発電)に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、北海道石狩市において、総出力20,000kWの風力発電設備を設置するものである。
 環境大臣意見では、エゾクロテン等の希少な動物に関する追加調査、風力発電設備における最新の低騒音型設備の採用、オジロワシ等希少猛禽類のバードストライクを低減する措置等を適切に実施することを求めている。

1.背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kw以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して経済産業大臣に意見を言うことができるとされている。

 本件は、北海道の「(仮称)石狩コミュニティウインドファーム事業」に係る環境影響評価準備書について、この手続に沿って意見を提出するものである。

 今後、事業者は、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

※環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測及び評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

2.事業の概要

 本事業は、北海道石狩市に、総出力20,000kW (2,300~3,300kW×最大9基)の風力発電設備を新設するものである。

 対象事業実施区域の周辺は、特定植物群落である石狩海岸砂丘林が分布し、エゾクロテン、エゾアカヤマアリ等の希少な動物の生息が確認されている。また、オジロワシ、オオワシ、ハヤブサ等の希少猛禽類の飛翔が確認されている。

3.環境大臣意見の概要

[1]総論

 事業実施に当たっては、以下の取組を行うこと。

1)事後調査及び環境監視を適切に実施し、追加的な環境保全措置を講ずること。

2)追加的な環境保全措置の具体化に当たっては、客観的かつ科学的に検討すること。また、検討のスケジュールや方法、専門家等の助言等を公開し、透明性及び客観性を確保すること。

3)調査結果について、環境影響を分析し、講ずる環境保全措置の内容、効果及び不確実性の程度について報告書として取りまとめ、公表すること。

4)周辺の他事業者による風力発電所との累積的な環境影響が懸念されるため、バードストライク事故等重大な環境影響が懸念される情報は積極的に情報共有を図り、地域全体で環境影響を低減させるよう努めること。

[2]各論

(1)追加調査の実施について

 本事業に伴う動物への影響に関する調査が適切かつ十分に実施されていない。

 このため、適切な専門家等への意見を聴取した上で、希少種の生息が確認又は予見される地点を選定し、追加調査を実施すること。

 特に、エゾクロテン、エゾアカヤマアリ等希少な動物が生息していることに十分留意して調査を実施すること。

(2)騒音について

 施設稼働に伴う騒音の近隣住居への影響が懸念されることから、最新の低騒音型設備を採用するよう検討すること。また、吸音材の設置等騒音低減措置も実施ずること。

(3)鳥類について

 対象事業実施区域の周辺では、オジロワシ等希少猛禽類の飛翔が確認されている。また、本発電設備に近接する既設設備において、オジロワシのバードストライク事故が発生している。このため、重要な鳥類に対する影響を回避・低減するため、以下の取組を実施すること。

1)ブレード塗装等鳥類からの視認性を高める措置を事前に行うこと。また、今後効果が確認されたバードストライク対策について本事業に導入するよう検討すること。

2)バードストライクに関する事後調査を適切に実施し、オジロワシ等重要な鳥類の衝突・接近等が認められた場合は、専門家からの助言を踏まえ、稼働制限等追加的な措置を実施すること。また、重要な鳥類の死亡・傷病個体が確認された場合は、関係機関との連絡調整、死亡・傷病個体の搬送、関係機関による原因分析及び傷病個体の救命への協力を行うこと。

【参考】

○事業概要

・名称 (仮称)石狩コミュニティウインドファーム事業

・事業者 株式会社市民風力発電

・計画位置 北海道石狩市

・出力 20,000kW(2,300~3,300kW×最大9基)

○環境影響評価手続(環境影響評価法及び電気事業法に基づく手続)

【方法書の手続】

・縦覧 平成24年5月31日~平成25年7月2日(住民意見75件※)

・経済産業大臣勧告 平成24年11月30日

【準備書の手続】

・縦覧 平成27年5月14日~平成27年6月15日(住民意見78件※)

・北海道知事意見提出 平成27年11月24日

・環境大臣意見提出 平成27年11月26日

※:環境の保全の見地からの意見の件数

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8237)
室長:神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官:岸田 周(内6253)

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