大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年5月30日(火)10:13~10:25 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日は、冒頭2件についてお話をさせていただきたいと思います。
 1つ目が、熱中症対策実行計画等の閣議決定についてでございます。本日の閣議におきまして、今国会で成立した熱中症対策を強化するための改正気候変動適応法に基づく「熱中症対策実行計画」及び「気候変動適応計画の一部変更」を決定いたしました。
 今年も既に猛暑日を記録するなど、熱中症対策はまさに急務でございます。このため、実行計画におきまして、2030年に熱中症による死亡者数の半減を目指すという高い目標、また、関係府省庁による対策の強化、こういったことを盛り込んでいるところでございます。
 昨日開催いたしました熱中症対策推進会議におきましては、一層普及啓発を図るために、民間事業者の皆さんとも連携して、「熱中症予防強化キャンペーン」を実施することにいたしました。この一環として、各省庁共通のポスターを作成したところであります。かわいいペンギンがいると思いますが、こういったポスターを作りまして、呼びかけをしてまいりたい、普及啓発をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、本日の閣僚懇談会におきましても、実行計画に掲げる目標の達成や、キャンペーンの協力を各閣僚の皆様に依頼しておりまして、まさに政府一体となって熱中症対策を推進してまいりたいというふうに考えております。
 もう1点が、「花粉症に関する関係閣僚会議」についてであります。本日の閣議後に、花粉症に関する関係閣僚会議の第2回会議が開催されましたので、御報告したいと思います。
 前回の会議における岸田総理からの御指示を受け、本日の会議におきまして、「発生源対策」「飛散対策」「発症・曝露対策」、この3つの柱から成る「花粉症対策の全体像」を決定いたしました。関係省庁は、林野庁や厚労省など多岐にわたりますけれども、環境省関係といたしましては、花粉飛散量の予測精度の向上のために、スギ花芽調査を全国に広げて、地点数を倍増することなども盛り込んでいます。
 本日取りまとめた対策を、関係省庁との緊密な連携の下、政府一体となって速やかに実行に移して、目に見える結果を出してまいりたいというふうに考えています。
 冒頭は以上でございますけれども、先週この会見において、お話しさせていただきました「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」、これの愛称の募集でございますけれども、皆様の御協力によって、1週間で1,559件の応募がございました。さらにですね、この応募していただくということよりも、この問題に関心を持って、そして、そういったネーミングを考えて、まさにこの課題に関する意識の向上、これをしっかりと進めてまいりたいと思っておりますので、皆様におかれましては、是非、更なる情報発信に御協力いただいて、1人でも多くの皆様がこの問題に関心を持って、また参加いただけるように、御協力いただければというふうに考えております。冒頭は以上です。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社の共同通信、藤原です。よろしくお願いいたします。熱中症対策でお伺いします。実行計画で、年間死者数を現状から半減させる目標となっています。これは、従来の行動計画よりも予防の面で達成に向けて高い目標と言えます。目標設定の理由と狙い、どのような手段で今年度から実現していくのか、改めて教えてください。
(大臣)実行計画におきましては、今お話があったように、中期的な目標として、2030年の熱中症による死亡者数を、現状から半減させることを目指すことといたしたわけでございます。近年、熱中症死亡者数が年間1,000人を超えるという年が頻発しておりまして、熱中症対策はまさに急務であるということから、関係府省庁とも調整して、これまで以上に高い目標というものを設定することといたしました。
 この夏から、政府が一体となってこの実行計画を着実に遂行していく、このこととともに、関係府省庁、また産業界とも連携して、「熱中症予防強化キャンペーン」を効果的に実施することによりまして、目標達成に向けて熱中症対策を推進してまいりたいというふうに考えております。
(記者)あと1点ですけれども、関連で、熱中症対策強化に関する法改正で盛り込まれた特別警戒アラートの運用が来年からになると思いますが、この発令基準とか指標づくりなど、運用までの具体的なスケジュール感を教えてください。
(大臣)今御指摘のあった、熱中症特別警戒情報等の改正の気候変動適応法の全面施行は、来年春を予定しているところでございます。
 これに向けまして、今開かれております有識者会議における議論、これがスタートしたところであります。今後、熱中症特別警戒情報をどういった基準にするのか、またクーリングシェルター等に関するガイドライン、こういったものに関するものをしっかりと作成するように、今後、進めていきたいというふうに考えております。
 
(記者)NHKの安藤です。「熱中症対策実行計画」に関連してお伺いします。今年の夏も厳しい暑さが予想されていますが、目標達成に向けて、改めて国民に熱中症への注意喚起といいますか、どういうところに気をつけたらいいのか。呼びかけをお願いいたします。
(大臣)今年は既に猛暑日を記録しております。熱中症による搬送者も昨年より多く発生しています。実数としても、熱中症による緊急搬送者数は、令和4年5月1日から5月21日の間、1,042人でありましたけれども、今年は同じく5月1日から5月21日の間で、倍以上の2,566人というふうになっております。熱中症は、適切な予防行動を行えば防げるものであります。今年は、熱中症警戒アラートですけれど、この熱中症警戒アラートが発表された場合には、エアコン等を適切に使用する。また、小まめに水分を補給する。また、身近におられるお年寄りへの声かけ等を行っていただきたいと考えております。そうしたところが、先ほどのところに書いているところでございます。
 夏本番前にしてですね、エアコンの試運転を実施していただくことや、また、ウオーキング等で汗をかくことで暑さに体を慣らしていただくこと、こういったことも重要だろうというふうに考えます。夏本番に備えた早めの熱中症対策をお願いしたいというふうに考えています。
 
(記者)テレビ朝日の川﨑です。今のことに関連して、先ほどもお話がありましたけれども、今年、猛暑日になって、搬送者数が2,500人以上いたと。この暑さになっても、いわゆる暑さ指数は湿度が低いと熱中症警戒アラートが出ないというところがあります。速報値ですが、亡くなった方も今年もいるということですけれども、この暑さ指数からの熱中症警戒アラートが出ない、この時期に出ないというところに関して改善するという方向性とかはあるのでしょうか。
(大臣)そういったものも含めてですね、来年、先ほど申し上げたような、全面施行に備えてガイドライン等々で有識者会議で議論していただいているところでございますが、今年の熱中症警戒アラートに関しましては、現状、この方法で進めさせていただきますが、ただ、こういった形で情報発信をして、多くの皆様が適切に熱中症に対する予防行動、これをしっかり取っていただけるように、今年の夏、しっかり広報・周知を進めてまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)日刊工業新聞社の松木です。今のに関連してですけれども、熱中症で亡くなられる方は高齢者が多いのだと思うのですけれども、先ほど、産業界と連携して予防キャンペーンを実施するということでしたけれども、企業に対してどのような協力というのを具体的に求めていきたいかお聞かせください。
(大臣)企業それぞれ、会社においてもですね、これにもありますように、適切なエアコンの使用、そして、小まめな水分補給といったものもございますし、企業の中において、それぞれの御家族や、また、近隣の方に対する、お年寄りに声かけをしていただくと、こういった熱中症に対する全般的なキャンペーンを進めてまいりますので、そういった意識を企業内においても広げていっていただければというふうに思っております。
 
(記者)時事通信の今泉です。ちょっと環境行政とは関係ないですけれども、岸田翔太郎総理秘書官が6月1日付けで辞職することになりました。公邸での行動に問題があったということですが、野党からは総理の判断が遅かったとの声もあります。大臣のお受け止めをお聞かせください。
(大臣)総理秘書官というのはですね、総理が業務を遂行する上でしっかりとサポートするというのが大きな任務だというふうに考えております。そうした中で、任命権者である岸田総理が御判断されたものだというふうに考えております。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=z1Ad360GZ-Y&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE
 
(以上)

3.配布資料