大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年2月17日(金)09:41~10:00 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 冒頭1点、申し上げたいと思います。高経年化安全規制に関する国民の皆様への説明についてでございます。
 先日閣議決定いたしました、GX実現に向けた基本方針におきまして、原子力発電所の安全性の確保を大前提とした運転期間の在り方について盛り込まれて、関連法案の閣議決定に向けて準備が進められているところでありますけれども、本日閣議後、岸田総理から、原子力の運転期間については、安全が全てに優先する、という方針である中で、先日の原子力規制委員会の議論において、委員から制度変更への反対意見があったことを受けて、国民の皆様の不安を払拭していくためにも、国会審議などを通じてしっかりと説明ができる準備を進めた上で法案の閣議決定を行うべき、また、原子力は安全が最優先であり、安全の強化なしに利用を行うことはない仕組みとすることが必要であり、その上で国民の不安を最大限払拭するべく、今回の政策措置の趣旨について、丁寧な説明のプロセスを進めるとともに、新たな安全規制の具体化、的確な安全審査に向けた官民の体制整備を進めること。こういう御指示が私と西村経済産業大臣にございました。
 総理のお考えにつきましては、この後に原子力規制委員会の事務方のトップである原子力規制庁長官を呼んで伝達をしたいというふうに考えています。
 環境大臣としては、今後の原子力規制委員会の対応が円滑に進むように、そのニーズを踏まえたサポートを行いつつ、取組を見守ってまいりたいというふうに考えております。冒頭は以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)おはようございます。幹事社のNHKの安藤です。よろしくお願いいたします。
 幹事社から2点お伺いいたします。まず1点目がPFASの土壌調査についてお伺いします。今月15日に行われたアメリカ軍普天間基地の負担軽減策をめぐる政府と沖縄県と宜野湾市の会議の中で、有害性が指摘されている化学物質PFASについて議論が及び、政府からは土壌での調査方法の確立に向けた検討がなされている旨説明があったと承知しておりますが、このことについて具体的にお教えください。まず1点目、お願いします。
(大臣)15日に開催されました、普天間飛行場負担軽減推進会議の作業部会において、PFOS等について意見交換があったということは承知しております。その内容とすれば、非公表という扱いになっておりますので、私のほうからの詳細は差し控えたいと思っております。
 その上で土壌中のPFOS等については、現時点では十分な精度を持った統一的な測定方法というものが確立されておりませんので、来年度、令和5年度の早い時期に、具体的な測定方法を関係自治体にお示しできるように検討を加速してまいりたいというふうに考えております。
 測定方法の検討状況を踏まえつつ、先般設置いたしました専門家会議で議論を深めて、国民の安全・安心のための取組を進めてまいりたいというふうに考えています。
(記者)ありがとうございます。続いて2点目、愛玩動物看護師についてお伺いいたします。明後日19日にペットの看護師とも呼ばれる愛玩動物看護師の初めての国家試験が行われますが、改めて愛玩動物看護師に期待されることを、大臣の御所感をお聞かせください。
(大臣)2月19日に、昨年施行されました愛玩動物看護師法に基づく初めての愛玩動物看護師国家試験が、全国7都道府県の19会場において実施されて、3月17日に合格発表の予定でございます。この4月には愛玩動物看護師が誕生するという予定になっております。
 愛玩動物看護師は動物の世話や看護、また適正な飼育の助言に加えて、これまで獣医師のみが行うことができた獣医療行為のうち、獣医師の指示の下で採血や投薬、マイクロチップの装着などを行うことができるようになるものであります。飼い主に身近な存在として、獣医療の向上や適正な飼育の推進のために、広く活躍いただくことを期待しております。
 
(記者)朝日新聞の関根です。冒頭発言の関連で、総理指示があったということですけれども、これを受けて環境大臣としてなさる具体的なことというのはどういったことを考えていらっしゃるか、ちょっとよく分からなかったので教えてもらってもよろしいでしょうか。
(大臣)原子力規制委員会では高経年化した原子炉に関する安全規制の検討に関しまして、これまで4か月余りで7回の公開の会合を開催したと承知しております。安全規制制度の概要案について意見公募を実施するなど、国民への情報提供に努めてきたものであると思っておりますが、一方で山中委員長も会見の場でおっしゃっておられますように、原子炉の運転期間に関する議論は非常に複雑であるため、国民に対してより丁寧に情報を発信して、理解を得るように努めることが必要になると考えられるとおっしゃっておられます。こうした総理の御指示を踏まえて、高経年化した原子炉に関する厳格な安全規制制度の趣旨や内容について、国民の皆さんの理解を深めるべく、原子力規制委員会においても丁寧な情報発信が行われることを期待したいと思っておりますし、また私としても機会あるごとに丁寧な説明に努めてまいりたいというふうに考えています。
(記者)そうすると何か特段、改めて何か説明会をするだとか、そういった具体的なアクションを考えているというわけではないと、今現時点では。そういうことでいいですか。
(大臣)総理のお考えを今日御指示いただいたわけでございますので、そうした総理のお考えについて原子力規制庁のほうに総理のお考えを伝達して、更にどのようなものができるのかというのは考えていただきたいと思っておりますし、私としても更に丁寧な説明をしてもらいたいというふうに考えています。
(記者)あとちょっと細かいですけど、環境省環境大臣と規制委員会との関係性ですけど、これまで先週の会見でも出たと思うのですけど、予算面のサポートをしたい、これができることだ、ということをおっしゃっていたと思うのですけど、規制庁の長官を呼んで総理の指示を伝達するという、ある種政策的な部分にも入るような形だと思いますけど、これはどういう権限に基づいてそういうことをされるのかということについて、法律的な解釈等もし分かれば教えてほしいです。
(大臣)環境大臣とすれば、原子力規制委員会の独立性、これを尊重した上で、原子力規制委員会で審査等の規制に厳正かつ適切に取り組んでいただいて、国民への丁寧な情報発信を行うことができるように、環境大臣として原子力規制委員会のニーズを踏まえながら必要なサポートをしてまいりたいということでございます。
 総理から環境大臣に対してそういった御指示はいただきましたけれども、それを独立性の高い原子力規制委員会に指示するということではなくて、総理のそういったお考えについて伝達をすると。しかも原子力規制委員会ではなくて原子炉規制庁、事務方のほうに総理のお考えを伝達するということです。
 
(記者)テレビ朝日の川﨑です。よろしくお願いします。冒頭の発言についてですけれども、高経年化した原発についてどういった点が、大臣としては国民に説明が足りていなかったと感じていらっしゃいますでしょうか。
(大臣)これまでも十分な説明をしてまいりましたけれども、これまで60年という運転期間が、更に運転期間延長について議論されているわけでございますので、さらにこういったものに対しての判断の基準、そしてそういった検討・調整について規制委員会の方で検討を、つい先般、原子炉等規制法改正を踏まえた規制の事前評価と安全性の詳細に関する検討チームが設置されたわけでございますので、個々において更なる検討を進めていただくことを期待しております。
(記者)規制庁の長官に伝達というのは、すぐにというか、今日中にするおつもりでしょうか。
(大臣)規制庁長官に総理の国民の理解醸成に関するお考えを伝達するのは、先ほど総理から御指示をいただいたわけですので、すぐに行ってまいりたいと思っています。
(記者)できたら今日ということですか。
(大臣)今日。
(記者)先ほどから「丁寧な説明をする」というふうにおっしゃっていますが、具体的に、丁寧な説明とはどういうことになるのでしょうか。
(大臣)これは環境大臣としてももちろんですけれども、政府を挙げて、国会の審議の場などを通じて、様々な機会において情報発信を丁寧に行っていくということでございます。
(記者)ちょっと話が飛んでしまいますけれども、就任から2月で半年ということになるわけですけれども、振り返ってどうでしょうか。
(大臣)半年というのは、非常に長い期間ではありますけれども、非常に充実した中で、あっという間の半年だったなという思いは持っております。しっかりと、予算の成立に向けて、そしてまた環境行政に関して、特に今年はG7の議長国でもございますので、そういった気候変動・エネルギー・環境大臣会合において、国際的な環境に関する議論をリードしてまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)電気新聞の湯川です。私も冒頭の発言で、ちょっとなかなか飲み込めないというか、頭が整理できていないのですけど、国家の審議で説明できる準備を進める、とおっしゃっていたと思うのですけど、何か、もうちょっと具体的に、例えば山中委員長も参加するとか、そういうものがあれば教えてください。
(大臣)国会、恐らく予算が仕上がって、この法案の審議はあと1か月ぐらい先からスタートするのだと思いますけれども、そういった国会の審議において、丁寧に、また、国民の皆様の、中身に関してですね、しっかり御理解いただいていない部分もあるだろうということですので、国民の皆様が国会審議を御覧になったり、報道機関の皆様がその審議を見る中で、しっかりと理解していただけるような、そういった説明をする準備を整えるようにという指示だったと承知しています。
 
(記者)NHKの安藤です。私も冒頭に関連してお伺いしたいのですけれども、国民の不安を払拭するためにも丁寧な説明を、という総理の指示があったということですが、大臣御自身、これまでは丁寧な説明はできていなかったという御認識なのでしょうか。
(大臣)丁寧な説明はしてまいりました。当初からしてきたと承知しておりますけれども、60年を超えての運転期間の議論がこれから進んでいくわけでございますので、そうした高経年化について、国民の皆様に御理解いただけるような、そういった準備を更に進めなければならないということだと思っております。
 
(記者)環境新聞の小峰でございます。先日2月10日でしたか、高レベル放射性廃棄物の対策関係閣僚会議で、環境省は国交省らと共に正式参加しましたが、この参加の理由を改めてお聞かせください。
(大臣)昨年12月の第5回のGX実行会議において、岸田総理からは、高レベル放射性廃棄物の最終処分につながるよう、文献調査の実施地域の拡大を目指して、最終処分関係閣僚会議を拡充するなど、政府を挙げて、バックエンドの問題に取り組んでいきます、という御発言がございました。総理の御発言を踏まえて政府を挙げてバックエンドの問題に取り組むべく、厚生労働大臣、農林水産大臣、国土交通大臣、内閣府地方創生特命担当大臣とともに、環境大臣として構成員に参画することになったということでございます。
(記者)それに関連してですけれども、環境省は東電の福島第一原発事故の事後の後始末で、放射能の除染や汚染土壌の中間貯蔵施設の建設に多大な貢献をしてきたと思います。こういうことから、将来環境省が高レベル放射性廃棄物処分場の建設にも、主導官庁となることに含みを持たせての今回の関係閣僚会議の参加なのではありませんか。環境省は環境庁時代を含め、水俣病、大気汚染、水質汚濁で、経産省の後始末を、ずっとやってきた省庁ですから、この際、高レベル廃棄物ということも、中間貯蔵施設なんかでうまくやった環境省にお願いしたいと、こういう含みを持って今回の関係閣僚会議に西村明宏大臣の参加となったんじゃありませんか。いかがでしょうか。
(大臣)今御指摘があった高レベル放射性廃棄物につきましては、関係法令において経済産業大臣によって特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針及び最終処分計画が策定されて、これに基づいて原子力発電環境整備機構、いわゆるNUMOが最終処分に向けた取組を実施していくこと、というふうに承知しております。環境省は文献調査の受入自治体の支援として、脱炭素の柱となる省エネルギーや再生可能エネルギーを通じた地域の活性化などの観点から、必要な検討を進めていくということになると思います。
 
(記者)毎日新聞の岡田です。私も冒頭発言のところでちょっと飲み込みきれないので教えてほしいのですけど、経産大臣と環境大臣を呼んで、利用の観点からはどういう、具体的なアクションをするべきだという考えについては、総理から発言はなかったでしょうか。
(大臣)総理からは、冒頭申し上げたように、両大臣に対して、冒頭申し上げた発言があったということでございまして、それ以上の利用に関しての説明といった、御指摘はございませんでした。
(記者)推進側としてその説明会を実施することとかというのは今のところ、考えてはいないのでしょうか。
(大臣)恐らく、私が原子力規制庁長官を呼んで、総理のお考えを伝達すると同様に、経済産業大臣としても何らかのアクションを起こされるのではないかと思います。それは経済産業省の方で恐らく大臣が会見されるんじゃないかと思います。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=Mm9Ig1-4jVU&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE 
 
(以上)