水・土壌・地盤・海洋環境の保全

地域環境目標「沿岸透明度」について

沿岸透明度とは

 沿岸透明度とは、水の透明さを表す指標であり、海域及び湖沼に生息する水生植物に必要な水中光量(水中へ届く光の量)を左右する要素です。

 透明度が低ければ水中光量が少なくなり、水生植物の光合成が妨げられ、その結果、水質浄化、生物の生育・生息機能が働かなくなり、生態系の劣化につながります。また、水の濁りにより透明度が低下すると、水辺空間の景観は損なわれ、水辺の親水機能は低下します。

 なお、水生植物の生育場所が沿岸に多いことと水浴や眺望等が主に沿岸水域を対象とすることから、指標としての名称は「沿岸透明度」となりました。

沿岸透明度の設定の経緯

 平成27年12月7日付け「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて(答申)」において、沿岸透明度は地域において設定する目標(地域環境目標)とする旨の答申がなされました。

 沿岸透明度は、海藻草類及び沈水植物等の水生植物の生育の場の保全・再生、ひいては健全な水環境の保全の観点から、また、良好な親水利用の場を保全する観点から、水生植物の生育に対して直接的な影響を判断でき、かつ国民が直感的に理解しやすい指標として設定するものです。それぞれの地域において、藻場等の水生植物の保全・再生する水域や親水利用が行われる地点の水質の状態を把握しつつ地域の実情に応じた目標値を設定し、その達成や維持を目指して様々な対策が進められることが期待されます。

沿岸透明度の目標設定

 沿岸透明度を活用した水環境保全の取組が適切に促進されるよう、環境省では、地域における沿岸透明度の目標設定の参考として活用をいただくことを念頭に、答申で示された手順を元に、平成28年度の長野県の諏訪湖と福井県の小浜湾でのモデル事業における課題にも対応しながら、沿岸透明度の目標値設定に係る手順等について解説したものとして、沿岸透明度の目標設定ガイドラインを作成し、平成30年7月に公表しました。

透明度に係る目標値等の設定事例

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