富山県 富山・砺波平野 地盤沈下情報  

富山県 富山・砺波平野 地盤沈下情報

1.概要

(1)地盤沈下の概要

富山・砺波平野では、過去に国土地理院の測量によって一部の地域で地盤沈下が認められたが、現在は認められていない。また、地下水位の低下や塩水化現象が一部の地域にみられたことから、県では地下水保全と地盤沈下の未然防止を目的に、昭和51年3月に「富山県地下水の採取に関する条例」を制定し、昭和52年3月から規制を行ってきた。この結果、地盤沈下は終息し、地下水の塩水化地域についても、高濃度の塩化物イオン濃度が分布している範囲は昭和50年代と比較すると、縮小している。

(2)地形・地質の概要

本地域は、中央部の呉羽丘陵により富山平野(東側)と射水及び砺波平野(西側)に区分される。本地域の内陸部は、常願寺川、神通川、庄川の形成する扇状地が広く発達し、全体として扇状地性の礫質堆積物が卓越しており、また、射水平野の海岸部では、湖沼性の砂・泥質堆積物が分布している。

2.地下水採取の状況

本地域における地下水採取量は、「富山県地下水の採取に関する条例」に基づく揚水量報告によると約136.5百万m3/年(2年度)で工業用が39%を占める。地域的にみると富山市及び高岡市で74%を占めている。また、近年は地下水を利用した消雪設備の普及に伴い、冬期に地下水採取量が増加している。

3.地盤沈下等の状況

国土地理院が昭和41年当時に国道8号線及び地方道魚津・氷見線沿いに実施した一等水準測量調査によれば、富山市東部において昭和36年に比較して最大2cm程度の沈下が認められた。また、昭和48年から県及び国土地理院が実施した水準測量によれば、射水市(旧新湊市)南部において昭和50~53年で最大2.1cmの沈下が生じていた。その後、昭和63年度以後、水準測量調査は実施していなかったが、地下水を利用した消雪設備等の普及に伴い、地下水採取量が冬期間に集中し、大幅な地下水位の低下が観測される地域がみられたことから、県では平成22年度及び29年度に富山市、高岡市、射水市及びその周辺地域において1級水準測量調査を実施した。平成29年度の調査結果によれば、平成22年~29年の間で沈下した地点が51地点、隆起した地点が4地点あり、最大沈下量は7年間で2.0cmであった。地下水位については、降雪時において、消雪設備の一斉稼働によって市街地部を中心に一時的な水位低下が見られるものの、年平均値としてはほぼ横ばいで推移している。

4.被害

高岡地区の北部及び射水平野の海岸部で塩水化が生じているが、昭和50年代と比べると、塩化物イオンが高濃度で分布している範囲は縮小している。

5.対策

(1) 監視測定

県では、33観測井(富山市の1観測井を含む。)により、県下平野部を対象として地下水位の監視を行うとともに、うち2井には沈下計を設置し、地盤変動量を監視している。水準測量調査については、定期的に実施しており、直近では、平成29年度に富山地域及び高岡・射水地域の海岸平野部の延長135kmを対象として一級水準測量を行っている。また、地下水の採取量については、「富山県地下水の採取に関する条例」に基づく毎年の揚水量報告により、同条例で指定する地域内に設置された一定規模以上の揚水設備による採取量を把握している。他の地域については、定期的に実施している県下平野部全域を対象とした地下水揚水量実態調査で把握しており、直近では平成28年度に同調査を実施している。なお、これらのデータについては、毎年環境白書等で公表している。

(2) 地下水等の採取規制

ア 条例による規制

県では、「富山県地下水の採取に関する条例(昭和51年3月公布、昭和52年3月施行)」に基づき、条例で指定する地域(規制地域、観察地域)内において吐出口の断面積が21cm2を超える揚水設備について、設置の届出を義務付けるとともに、規制地域においては取水基準を設けて、取水量を抑制している。このほか、滑川市及び上市町においても条例を制定し、揚水設備の設置届出を義務付けている。

イ 地下水利用対策協議会による取組み

県内では、庄川・小矢部川地域、富山地域、魚津・滑川地域及び黒部川地域に地下水利用対策協議会が設置され県と各協議会が連携・協力し、地下水の保全・適正利用に関する啓発等の各種の活動を展開している。

ウ その他の取組み

(ア) 富山県地下水指針の推進

県では、地下水の保全・適正利用を推進するため、県下平野部全域を対象とする「富山県地下水指針」を平成4年5月に策定した。本指針では、地下水の保全目標として、平野部の17の地下水区毎に年間の適正揚水量を設定するとともに、各種の地下水保全・適正利用推進施策を明示している。なお、近年の地下水をめぐる状況の変化を踏まえ、平成30年3月に本指針を改定し、適正揚水量を見直すとともに、冬期間の地下水保全のための指標として取水障害発生確率をもとに、新たに「注意喚起水位」を定めた。

(イ) 冬期間の地下水位低下対策

消雪設備の増加に伴い、降雪時に市街地等で一時的に急激な地下水位の低下が観測されており、地下水障害の発生が懸念されることから、県では、その具体的な対策として、平成13年度に「消雪設備維持管理マニュアル」を作成し、消雪設備の維持管理の徹底や節水意識の高揚を図るとともに、平成13年度から平成16年度にかけて、冬期間における地下水位の管理指標である冬期間の安全水位の調査研究を実施した。さらに、平成30年度からは、冬期間に消雪設備の一斉稼働等により、富山市、高岡市内の観測井の地下水位が大きく低下した場合、地下水位低下注意報等を発令し、地下水利用者に節水への協力を呼びかける取組みを進めている。(令和3年1、2月の大雪時に地下水位低下注意報を発令) このほか、平成24年度から地域において地下水保全活動に積極的に取り組む方を「地下水の守り人」として養成・登録(令和2年度末現在138名)し、技術講習会の開催等による活動の支援や地下水保全を呼びかけるリーフレットの配布による普及啓発を行った。

6.詳細情報へのリンク

その他の「詳細情報」を、下記のエクセルファイルからご覧になることができます。

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