暗闇の中を飛び交うホタルの光は、古くから日本の原風景として大切にされてきました。こうした風景が多くの地域で失われてきた一方で、失われたホタルを呼び戻そうとする活動や残されたホタルを守ろうとする活動も広がってきています。
日本で多くみられるゲンジボタルやヘイケボタルは、一生のほとんどを水辺で過ごす生き物です。こうした活動は、豊かな水環境を守り、次世代に残していくための活動にほかなりません。これらの活動を通じて、特に次世代を担う子どもたちが、川や湖の生きものに触れ、これを自らの手で守ることのよろこびを感じ取ってくれることが望まれます。
こうした、ホタルを守るこどもたちの活動を「こどもホタレンジャー」と名付けました。これは、ホタルを守る人という意味で、「ホタル」と「レンジャー」をつなげたものです(レンジャー(ranger)とは、パークレンジャーという言葉があるように、森林や自然公園を警備したり、保護したりする人という意味があります)。
このような活動の報告を募集し、全国の代表的な活動やユニークな活動を環境大臣が表彰します。表彰対象の方は、活動を報告していただきます。たくさんの報告をお待ちしています。
● 小澤 紀美子 東京学芸大学教授
人も生きものも安全で安心できるところで生きていくのです。
ホタルは安心できるから発光し、
小さな生命の営みのすばらしさや美しさを、感動を与えてくれます。
ホタルが生きていくにはきれいな水辺、川が必要です。
どうして川の水が汚れているのでしょうか。
調べてみてください。汚れの原因を。
調べてみてください。自然の営みを。
他の生きものにも、水、土、空気や自然が必要です。
人間にも自然が必要です。
水、土、動植物、空気、人間、
みんな互いに依存して生きているのです。
生命の輪を守り、未来へ生命をつなぐホタレンジャーの活動に期待しています。
● 矢島 稔 ぐんま昆虫の森園長、日本ホタルの会名誉会長
夜空に「ありがとう」と飛ぶホタル
ホタレンジャーは日本の自然環境が今のままでいいのか、
どうしたら良くできるかを話し合い、力をあわせて身近な流れを掃除し、
生きものがこれ以上少なくならないために、体を使って環境を守ってくれるグループです。
川があってカワニナがいるためにはいろいろな条件が必要で、それがみんな上手に守られてこそホタルが飛びます。
ホタレンジャーは、日本の未来を美しくするために大切な仕事を根気よく続けてくれるグループで、その努力を重ねれば、きっと美しく光るホタルはそのお礼に夜空を舞ってくれるに違いありません。
● 須藤 隆一 生態工学研究所代表
日本の水はまだよごれています。
私たちの近くにある川、池、湖、海、
どこでも水がきれいで
昆虫や魚をとったり、
泳げる水辺を取り戻しましょう。
それにはどうしたらよいか、考えてみて下さい。
だれでも、どこでもできることは、
台所やお風呂から汚れた水をあまり流さないことです。
何でも水に流す習慣を改めましょう。
● 菅原 浩志 映画「ほたるの星」監督、徳山大学客員教授
ホタルはなぜ光るのだろう?
どうしてホタルは手のひらから逃げないの?
ホタルは成虫になってから何も食べないのはなぜ?
言葉を持たないホタルが、どんな合図で皆一緒に明滅を始めるの?
こんな疑問を持ったらあなたは立派なホタレンジャー!
ホタルを調べることは、水を調べること。
水を調べることは、自然を調べること。
自然を調べることは、いのちを調べること。
だからホタルを調べると、いのちが見えてくる。
ほたるのいのち、地球のいのち、みんなのいのちを守るホタレンジャーを待っているよ。
● 日置 光久 文部科学省初等中等教育局視学官
夏の夜,小さな光を灯しながら飛ぶホタルは,わが国の夏の風物詩になっています。
そのさやけさやはかなさに我々は「美」を感じ,
ホタルを大切にしようという思いがわいてきます。
しかし,ホタルが生きていくためには,実は彼らが生活していける環境が必要なのです。
これは,我々人間も同じです。
ホタルを思うことは,人間自身を考えていくことにつながります。
「美しい」と思う気持ちと,「生きる」ためにはどうすればいいのだろう
と考えることを重ね合わせ,
ホタルも人間も,そして地球で生きている生き物みんな,
仲良く一緒に生きていければいいですね。
ホタレンジャーのみんなの,素敵で大切なミッションです。
● 竹田 純一 財団法人水と緑の惑星保全機構 里地ネットワーク事務局長
ホタルが舞う里。水がさらさらと流れる音。大きな森、まっくらな夜。
カエルの声、こども達の笑顔、うちわをかざすお母さん。
みんながホタルに会える日。みんなで協力して守ってきた水辺。
家の中で、学校で、工場で、田んぼや小川、溜め池で、
いろいろなところで出会う水を見つめてみよう。
水は、みんなが飲む水。どこかで、みんなの知っている生き物たちが飲んでいる水。
水源で、小川や溜め池で、川や海で、水は生き物の命を支えています。
みんなが飲んでいる水と同じように、ホタルの水を守れば、ホタルの舞う里が生まれます。
こどもホタレンジャーは、水を見つめ直して、水と水辺を守るレンジャーです。