瀬戸内海の水質を見ると、有機汚濁の代表的指標であり、また瀬戸内海においては総量規制が実施されている化学的酸素要求量(COD)について環境基準の達成状況(環境基準類型当てはめの水域数に対する達成水域の割合)は、平成20年度の瀬戸内海で72%となっており、概ね横ばいで推移している。
A類型水域での達成率(全国:59%、瀬戸内海:35%)は、近年、減少傾向にあり、また、栄養塩類等の流入に伴って、いわゆる富栄養化の状態を呈している。
■灘別水質の推移はこちら
■化学的酸素要求量、全窒素、全燐、塩分の水平分布(平成20年 夏季表層)はこちら (COD、T-N、T-P、塩分)
水質汚濁に係る環境基準(海域の生活環境項目)
[生活環境の保全に関する環境基準]
(海域 ア)
類 型 | A | B | C |
利用目的 \ 項 目 |
水産1級 水浴 自然環境保全 及びB以下の欄に 掲げるもの |
水産2級 工業用水 及びC以下の欄に 掲げるもの |
環境保全 |
水素イオン濃度 (pH) |
7.8 以上 8.3 以下 |
7.8 以上 8.3 以下 |
7.0 以上 8.3 以下 |
化学的酸素要求量 (COD) |
2 mg/L以下 | 3 mg/L以下 | 8 mg/L以下 |
溶存酸素量 (DO) |
7.5 mg/L以上 | 5 mg/L以上 | 2 mg/L以上 |
大腸菌群数 | 1,000MPN/ 100mL以下 |
- | - |
n-ヘキサン抽出 物質(油分等) |
検出されないこと。 | 検出されないこと。 | - |
備考)
|
注) 1.自然環境保全:自然探勝等の環境保全 2.水産1級: マダイ、ブリ、ワカメ等の水産生物用及び水産2級の水産生物用 水産2級: ボラ、ノリ等の水産生物用 3.環境保全:国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。) において不快感を生じない限度
(海域 イ)
類 型 | 1 | 2 | 3 | 4 |
利用目的 \ 項 目 |
自然環境保全 及び2以下の欄 に掲げるもの (水産2種及び 3種を除く。) |
水産1種 水浴 及び3以下の欄 に掲げるもの (水産2種及び 3種を除く。) |
水産2種 及び4の欄に掲 げるもの(水産 3種を除く。) |
水産3種 工業用水 生物生息環境 保全 |
全 窒 素 | 0.2 mg/L以下 | 0.3 mg/L以下 | 0.6 mg/L以下 | 1 mg/L以下 |
全 燐 | 0.02 mg/L以下 | 0.03 mg/L以下 | 0.05 mg/L以下 | 0.09 mg/L以下 |
備考)
|
注) 1.自然環境保全:自然探勝等の環境保全 2.水産1種:底生魚介類を含め多様な水産生物がバランス良く、 かつ安定して漁獲される 水産2種:一部の底生魚介類を除き、魚類を中心とした 水産生物が多獲される 3.生物生息環境保全:年間を通して底生生物が生息できる限度
瀬戸内海におけるCODに係る環境基準類型指定状況
瀬戸内海における全窒素及び全燐に係る環境基準類型指定状況
三海域の環境基準達成状況(COD)の推移
出典:「平成20年度公共用水域水質測定結果」(環境省、平成21年11月)
環境基準当てはめ水域のCOD環境基準達成状況の推移(瀬戸内海)
注)達成率(%)=(環境基準達成水域数/環境基準当てはめ水域数)×100
出典:「平成20年度 公共用水域水質測定結果」(環境省、平成21年11月)
瀬戸内海におけるCODの推移(全層)
出典:「平成20年度 公共用水域水質測定結果」(環境省、平成21年11月)
平成20年度の18灘別の瀬戸内海におけるCODの状況
注)数値は測定点ごとの年平均値を灘ごとに平均したもの。
出典:「広域総合水質調査」(環境省)
瀬戸内海における水質(COD)の推移
瀬戸内海における水質(全窒素)の推移
瀬戸内海における水質(全燐)の推移
瀬戸内海における水質(透明度)の推移
注)昭和55年までは18灘の平均値を単純平均したもの、昭和56年以降は測定点ごとの年平均値を平均したものである。
出典:「広域総合水質調査」(環境省)