瀬戸内海の環境保全対策については、 瀬戸内海環境保全特別措置法及び瀬戸内海環境保全基本計画に基づく各種の施策を講じており、 その概要は次のとおりである。

─瀬戸内海環境保全特別措置法の概要─

○瀬戸内海は、古来よりすぐれた自然景勝地であるとともに貴重な漁業資源の宝庫であるという恵まれた自然条件を有している。しかし、その周辺に産業や人口が集中した昭和40年代に水質の汚濁が急速に進行したことなどを背景に、水質保全対策等を強力に推進することが要請された。このため、昭和48年に瀬戸内海環境保全臨時措置法が制定され、さらに、昭和53年には赤潮等による被害に対する富栄養化対策を含む新たな施策が加えられた恒久法として瀬戸内海環境保全特別措置法に改正され、総合的に施策が進められてきた。

  1. 瀬戸内海の環境の保全に関する基本となるべき計画(法第3~4条)
     政府は瀬戸内海の環境保全に関する基本計画を策定し、関係府県知事は基本計画に基づき府県計画を定めることとされている。これまで、昭和53年に基本計画が策定され、平成12年に変更された。また、昭和56年に定められた府県計画は、平成14年に変更されている。

  2. 特定施設の設置及び変更の許可制度(法第5~10条)
     政府は瀬戸内海の環境保全に関する基本計画を策定し、関係府県知事は基本計画に基づき府県計画を定めることとされている。これまで、昭和53年に基本計画が策定され、平成12年に変更された。また、昭和56年に定められた府県計画は、平成14年に変更されている。

  3. 化学的酸素要求量(COD)に係る総量規制(法第12条の3)
     瀬戸内海に流入するCOD発生負荷量の総量規制が実施されている。

  4. 指定物質に係る削減指導(法12条の4)
     燐について昭和54年度以降、窒素について平成8年度以降、削減指導を実施してきた。現在の第5次水質総量規制では、CODに加えて窒素、燐についても汚濁負荷の削減を図っている。

  5. 自然海浜保全対策(法第12条の7,8)
     府県が条例に基づき自然海浜保全地区を指定することとされている。(平成14年12月末現在91地区)

  6. 埋立てについての特別の配慮(法13条)
     公有水面の埋立ての免許について、府県知事は、第3条第1項の瀬戸内海の特殊性につき十分配慮しなければならないものとされている。

  7. その他
    1. 下水道及び廃棄物の処理施設の整備の促進(法第14条)
    2. 海難等による油の排出防止(法第17条)
    3. 環境保全技術開発等の促進(法第18条)
    4. 赤潮等による漁業被害者の救済(法第19条)
注)瀬戸内海関係府県:京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、
  和歌山県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、
  愛媛県、福岡県、大分県(2府11県)

前のページ次のページ