航空防除農薬に係る気中濃度評価値

〔目次〕

.はじめに

.安全性評価の基本的考え方

.気中濃度評価値の設定

.個別農薬の気中濃度の評価

.農薬の気中濃度の測定方法について

.今後の検討課題

.おわりに

航空防除農薬環境影響評価検討会委員名簿 略

航空防除農薬環境影響評価検討会開催状況 略

参考資料 略

(別添) 農薬の分析方法

 (1)ダイアジノン

 (2)ピリダフェンチオン

 (3)フェニトロチオン(MEP)

 (4)マラチオン

 (5)フェノブカルブ(BPMC)

 (6)トリシクラゾール

 (7)フサライド

 (8)ブプロフェジン

 (9)フルトラニル

 (10)メプロニル

1.はじめに

 (1)本検討会の目的

 (2)我が国の航空防除の現状

2.安全性評価の基本的考え方

 (1)担保すべき健康の範囲について

 (2)想定すべき健康影響の評価について

 (3)農薬の一日摂取許容量(ADI)との関係について

 (4)感受性の高い人々への影響について

 (5)内分泌攪乱作用等の新たな毒性について

 (6)吸入曝露による影響を経口毒性試験結果からどのように評価するかについて

3.気中濃度評価値の設定

4.個別農薬の気中濃度の評価

 航空防除農薬のうち、使用量が多く、かつ、評価のための知見の集積が比較的十分と考えられる以下の10農薬について、気中濃度の評価を行った。
 これまでの調査の結果、大気中の農薬はおおむね5日以内に検出されなくなると考えられることから、各農薬の散布後5日間の散布区域内及び散布区域外それぞれの平均気中濃度を求め(参考資料10)、それと気中濃度評価値とを比較することにより評価した。なお、これまでに収集された気中濃度の実測値(散布区域内については散布中の値を除く)と気中濃度評価値との比較も併せて行い、気中濃度評価値を超えているものがある場合には、その旨を記載した。
 その結果、いずれの農薬についても散布後5日間の平均気中濃度は気中濃度評価値を下回っており、現在までに得られている知見に照らして特段問題となるような状況は発生していないと考えられる。
 散布区域外では気中濃度評価値を超える濃度が検出された事例はながったが、散布区域内では、ダイアジノン、フェニトロチオン(MEP)及びフェノブカルブ(BPMC)で散布直後に気中濃度評価値を超える濃度が検出された事例が各1件報告されている(参考資料11)。しかし、いずれも気中濃度評価値を短時間わずかに超過しただけであり、この間の各農薬の吸入量を1日呼吸量(15m)で除して得られる濃度は気中濃度評価値に比較して十分低いレベルにとどまっていることから、特に問題となるようなものではないと考えられる。
 ただし、気中濃度評価値を超える濃度が検出されたものや、測定事例の少ないものについては、今後さらに測定事例の集積に努める必要がある。また、今回本報告書で取り上げなかった航空防除農薬についても、さらに気中濃度等の知見の集積に努め、十分な知見が集まった段階で評価を行うこととする。

 (1)ダイアジノン

 (2)ピリダフェンチオン

 (3)フェニトロチオン(MEP)

 (4)マラチオン

 (5)フェノブカルブ(BPMC)

 (6)トリシクラゾール

 (7)フサライド

 (8)ブプロフェジン

 (9)フルトラニル

 (10)メプロニル

5.農薬の気中濃度の測定方法について

 (1)測定の基本的考え方

 (2)測定地域等

 (3)測定地点及び測定期間・頻度

 (4)捕集方法

 (5)関連情報の把握

6.今後の検討課題

7.おわりに

航空防除農薬環境影響評価検討会委員名簿 略

航空防除農薬環境影響評価検討会開催状況 略

参考資料 略

(別添)

農薬の分析方法

(1)ダイアジノン

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ若しくはガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

ウ 試験溶液の調製

エ ガスクロマトグラフの操作条件

オ 検量線の作成

カ 定量試験

(捕集カラムからの回収試験結果)

添加量(μg/m 回収率(実測)(%) 平均回収率(%)
0.005 101 100 100
0.5 103 102 102

(注)捕集カラムにダイアジノン0.005μg、0.5μgを添加し、室温にて20分間放置後、前記分析操作に従って回収率を調べた。

(2)ピリダフェンチオン

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ若しくはガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

ウ 試験溶液の調製

エ ガスクロマトグラフの操作条件

オ 検量線の作成

カ 定量試験

(3)フェニトロチオン(MEP)

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ若しくはガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

ウ 試験溶液の調製

エ ガスクロマトグラフの操作条件

オ 検量線の作成

カ 定量試験

(ガスクロマトグラフ操作実施例)

1.NPD,DB―17 0.53mm×15m,160℃

(捕集カラムからの回収試験結果)

添加量(μg/m 回収率(実測)(%) 平均回収率(%)
0.025 101 100 100

(注)捕集カラムにフェニトロチオン(MEP)0.025μg(0.5μg/m相当)を添加し、前記分析操作に従って回収率を調べた。

(4)マラチオン

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ若しくはガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

ウ 試験溶液の調製

エ ガスクロマトグラフの操作条件

オ 検量線の作成

カ 定量試験

(5)フェノブカルブ(BPMC)

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ若しくはガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

ウ 試験溶液の調製

エ ガスクロマトグラフの操作条件

オ 検量線の作成

カ 定量試験

(ガスクロマトグラフ操作実施例)
1.NPD,5% OV―17,160〜180℃

(6)トリシクラゾール

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ若しくはガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

ウ 試験溶液の調製

エ ガスクロマトグラフの操作条件

オ 検量線の作成

カ 定量試験

(7)フサライド

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ又はガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

ウ 試験溶液の調製

エ ガスクロマトグラフの操作条件

オ 検量線の作成

カ 定量試験

(8)ブプロフェジン

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ若しくはガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

ウ 試験溶液の調製

エ ガスクロマトグラフの操作条件

オ 検量線の作成

カ 定量試験

(9)フルトラニル

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ若しくはガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

ウ 試験溶液の調製

エ ガスクロマトグラフの操作条件

オ 検量線の作成

カ 定量試験

(捕集カラムからの回収試験結果)

添加量(μg/m 回収率(実測)(%) 平均回収率(%)
10 84.7 81.7 83.2

(注)捕集カラムにフルトラニル10μgを添加し、前記分析操作に従って回収率を調べた。

(10)メプロニル

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ若しくはガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

ウ 試験溶液の調製

エ ガスクロマトグラフの操作条件

オ 検量線の作成

カ 定量試験