環境省水・土壌・地盤環境の保全農薬対策関係水質汚濁に係る農薬登録保留基準について

○水質汚濁に係る農薬登録保留基準を改正する件

〔平成一八・八・一六 環告一二二〕

 平成五年四月環境庁告示第三十五号(農薬取締法第三条第二項の規定により定められた同条第一項第四号から第七号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件第四号の環境大臣の定める基準を定める件)の一部を次のように改正し、公布の日から適用する。

平成十八年 八月 一六日

 1の表中「別名(ベンタゾン)及びそ」を削る。

 1の表ブチル 2、3-ジヒドロ-2、2-ジメチルベンゾフラン-7-イル N、'N-ジメチル-N、'N-チオジカルバマート(別名フラチオカルブ)の項を削る。

 1の表5-アミノ-1-(2、6-ジクロロ-α、α、α-トリフルオロ-p-トリル)-4-エチルスルフィニルピラゾール-3-カルボニトリル(別名エチプロール)の項の次に次のように加える。

(2E)-2-(メトキシイミノ)-2-{2-[(3E,5E,6E)-5-(メトキシイミノ)-4,6-ジメチル-2,8-ジオキサ-3,7-ジアザノナ-3,6-ジエン-1-イル]フェニル}-N-メチルアセトアミド(別名オリサストロビン) 1mg/l

 2)7(中「ベンタゾン及びベンタゾンのナトリウム塩の試験法」を「ベンタゾンのナトリウム塩試験法」に改める。

 2)301(を次のように改める。
 (103) 削除

 2)931(の次に次のように加える。

(140) オリサストロビン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

アセトニトリル アセトニトリル(特級)
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
固相抽出カラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000㎎を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
オリサストロビン標準品 本品は、オリサストロビン99.4%以上を含み、融点は98.4~99.0℃である。
(2E)-2-(メトキシイミノ)-2-{2-[(3E,5Z,6E)-5-(メトキシイミノ)-4,6-ジメチル-2,8-ジオキサ-3,7-ジアザノナ-3,6-ジエン-1-イル]フェニル}-N-メチルアセトアミド(以下、「5Z異性体」という。)標準品 本品は、5Z異性体99.7%以上を含み、融点は95.3℃である。
(2E)-2-(メトキシイミノ)-2-{2-[(3E,5E,6Z)-5-(メトキシイミノ)-4,6-ジメチル-2,8-ジオキサ-3,7-ジアザノナ-3,6-ジエン-1-イル]フェニル}-N-メチルアセトアミド(以下、「6Z異性体」という。)標準品 本品は、6Z異性体99.0%以上を含み、融点は115.6℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法 溶媒抽出法
試料100mlを300mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム5g並びにヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法 固相抽出法
試料100mlを、あらかじめアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ洗浄した固相抽出カラムに毎分10~20mlの流速で流し入れ、次いで蒸留水10mlを流し、流出液を捨てた後、約1分間通気又は遠心分離を行い水分を除去する。アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、オリサストロビン、5Z異性体及び6Z異性体がそれぞれ11~17分で流出するように流速を調整する。
検出器 波長250nmで測定する。
感度 オリサストロビン、5Z異性体及び6Z異性体のそれぞれ1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 オリサストロビン標準品、5Z異性体標準品及び6Z異性体標準品のそれぞれ500 mg/lアセトニトリル溶液を調製し、各溶液を等量ずつ合わせ取ったものをアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈し、オリサストロビン、5Z異性体及び6Z異性体の0.025~0.5mg/l混合溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高又はピーク面積、横軸に重量を取ってオリサストロビン、5Z異性体及び6Z異性体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 A法又はB法の試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりオリサストロビン、5Z異性体及び6Z異性体のそれぞれの重量を求める。このオリサストロビンの重量の値、5Z異性体の重量の値及び6Z異性体の重量の値を和し、これに基づき、試料中のオリサストロビンの濃度を算出する。