環境再生・資源循環

第3回PCB廃棄物早期処理推進ワーキンググループ議事録

日時

平成27年12月2日(水) 10:00~12:00

場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター ホール4A

開会

(角倉課長) 定刻となりましたので、ただいまから「第3回PCB廃棄物早期処理推進ワーキンググループ」を開催いたします。
 本日の委員の皆様の御出席状況ですが、浅岡委員と織委員の2名から本日御欠席との御連絡をいただいております。
 なお、本日も中間貯蔵・環境安全事業株式会社の事業所が立地しております5地域の地元関係自治体といたしまして、室蘭市、江東区、愛知県、大阪府、福岡県の御担当の方にオブザーバーとして御出席いただいております。
 また、経済産業省産業技術環境局環境指導室から権藤越境移動管理官、同じく商務流通保安グループ電力安全課から磯部電気保安室長にもオブザーバーとして御出席いただいております。
 さらに中間貯蔵・環境安全事業株式会社及び産業廃棄物処理事業振興財団にもオブザーバーとして御出席いただいております。
 まずは、配付資料の確認をさせていただきます。
 資料1として、PCB廃棄物の期限内処理の早期達成に向けた追加的方策について(案)、参考資料として関係資料集、参考資料1として第1回PCB廃棄物早期処理推進ワーキンググループ議事録、参考資料2として第2回PCB廃棄物早期処理推進ワーキンググループ議事録、参考資料3としてPCB廃棄物早期処理推進ワーキンググループ開催要領を配付しております。
 不足等がございましたら、事務局にお知らせいただければと存じます。これ以降は主査の酒井先生に進行をお願いできればと思います。報道関係の方のカメラ撮影はここまでとさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは酒井先生、よろしくお願いいたします。

議事

(酒井主査) おはようございます。委員の皆様、また陪席の多くのオブザーバーの皆様、本日は御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日は、これまでに委員の皆様からいただきました御意見を踏まえまして、事務局にて準備いただいた追加的方策案について、御議論をいただきたいと思っております。それでは早速、本日の議事に入らせていただきます。まずは環境省のほうから資料1及び関係資料集について説明をお願いいたします。

(中野課長補佐) おはようございます。環境省産業廃棄物課の中野と申します。私のほうから、お配りしております資料1について御説明した上で、関係資料集についても簡単に御説明いたします。
 まずは資料1です。こちらはこれまで皆様方に御議論をいただきましたPCB廃棄物の期限内処理の早期達成に向けた追加的方策について、これまでの御意見を踏まえて、現状、課題、それから追加的な方策についてまとめたものです。これまでは、御議論の過程で、その都度まとめた資料配付しておりますが、その御議論を踏まえて、文書として1つの読み物となるような形で構成させていただいた資料となっております。
 2ページでございます。この追加的方策の検討に当たって、まずどういう位置付けであるのかということを改めて整理し、これを「1.はじめに」というところで記載しております。こちらは3つの段落からなってございます。
 第1段落は、特に、昨年変更されたPCB廃棄物処理基本計画の中で定められております処理完了期限につきましては、地元とのお約束であり必ず達成すべき期限であるということでございます。第2段落は、しかしながら現状の取組の進捗状況に鑑みれば、この処理完了は決して容易ではなく、関係者が一丸となって問題を解決するという確固たる意思を持って、それぞれの責務を果たすことが必要であるということです。第3段落では、このワーキンググループは、これまでの取組状況を踏まえて、処理完了期限内に1日でも早く安全かつ確実にPCB廃棄物の処理を完了するための必要な追加的方策について検討を行ったという位置付けについて記載しております。
 3ページに、「2.PCB廃棄物問題の経緯」を記載いたしました。委員の皆様方におかれましては既に御案内のことでございますが、改めてPCB問題について、どういった経緯を踏まえて現状に至っているのかということを、時系列で6項目に分けて記載しております。(1)カネミ油症事件の発生、(2)民間主導によるPCB廃棄物処理施設立地の取組、(3)保管の長期化と紛失・漏えい事案の発生、(4)ストックホルム条約の発効、(5)PCB特措法の成立とJESCOによる処理体制の整備、(6)基本計画の変更といったこれまでの経緯を簡潔に記載しております。
 5ページからは、前回までの御議論にありましたとおり、PCB廃棄物を高濃度PCBと低濃度PCBに分けて現状、課題、課題を踏まえた追加的方策をまとめております。
 ここからは前回の御議論を踏まえて、新しく書き込んでいるところを中心にポイントで御説明いたします。まず5ページの「(1)高濃度PCB使用製品・廃棄物に係る基本的な考え方」です。まず、基本的、共通的な考え方を箇条書きで記載しております。これまでの議論の中で、私ども事務局としてまとめておりましたのは、箇条書き3点でしたが、今回新たに前回の御議論を踏まえて4点目の項目、上から3つ目の箇条書きを新たに追記しております。
 この3つ目の箇条書きについて、前回の御議論で御意見を頂戴しましたが、特に高濃度の使用中のPCB使用製品については、昭和47年以降には製造は行われなくなったにも係らず、約40年経過した現在においても使用を継続されているものがある。それは設備の経年劣化も懸念されて、残念ながら、今もなお使用中のPCB使用製品からPCBが漏えいする事案も現に発生しているところでございまして、計画的処理を達成するためにもこうした使用中の段階から必要な措置を講じることが必要であるという考え方を加えているところでございます。
 その下に、この高濃度PCB廃棄物の処理を4段階でフローチャートで表現してございますが、一番下のエの四角でございます。これまで記載の内容としてはJESCOに搬入されることまでがこの部分で書かれておりました。後程、また御説明いたしますが、当然ながらJESCOに入ったらそれで終わりということではなくて、最終的にはJESCOにおいて適正に処理されることでPCBの無害化が完了しますので、この概念を記載しているところでございます。
 6ページからは、具体的な各フローチャートの段階ごとの追加的方策をまとめております。ア~エの4段階、それぞれ主なポイント、全体の課題を概要で書いている資料、それから、①基本計画に何が書いてあったか、②これまでの進捗状況、すなわち現状はどうなっているのか、次の8ページですが、③今後の検討課題と追加的方策がどういったものかということを記載しております。③今後の検討課題と追加的方策につきましては、課題の項目ごとに括弧見出しで項目を記載した上で、現状として最初の文章をひとかたまりと、それから2行ほどあけて文章がつながっておりまして、その後半の文章が追加的方策を文章化したものです。
 順にポイントを御説明いたしますと、まず1点目の項目で、国と都道府県市との連携による効率的かつ実効性のある掘り起こし調査の実施でございます。こちらにつきまして課題としては3段落書いてございます。基本的に掘り起こし調査の対象は、概念上は全ての事業者と考えられますが、これが膨大であるというところから、蓋然性の高い事業者に絞り込みをしても、全国に約86万事業者がいるということ。それから、特に86万事業者のデータについては電気工作物ということで、経済産業省さんがデータをお持ちになっていて、連携体制の中でこれを共有しているところでございますが、そのデータが古い、あるいは情報としての項目が少ない部分もあったりして、残念ながら効率的な調査には課題があるということを御指摘いただいているところでございます。
 高濃度PCB使用製品であるかどうかということについては、それをつくった方の協力を得ることがさらに効率化につながるといった御指摘もいただいているところが課題でございました。
 それに対しまして、追加的方策といたしましては、「このため」以降の文章に3段落に分けて書いてございます。1段落目は、調査対象事業者の選定の基礎となるべき自家用電気工作物の情報について、国においてこれをしっかり整理・突合・アップデートして都道府県に提供するということが必要であるということでございます。
 第2段落は環境省、経済産業省、都道府県市、電気保安関係者等の関係者間の連携を強化するために、全国及び地方版の「PCB廃棄物早期処理関係者連絡会」について、前回御指摘をいただきましたとおり、できる限り開催頻度を上げて、継続的に開催することが必要であるということでございます。また、こちらも前回御指摘をいただいておりますが、PCB使用製品の性状を把握しておりますPCB使用製品の製造事業者などの方々にも、この連絡会の参加を求めることが適当であるということも記載しております。
 「さらに」ということで第3段落ですが、こうした製品の性状を把握しております製造事業者様におかれましては、ホームページによる情報発信や相談窓口等の設置ということが従来行われていたところでございますけれども、これに加えて自社の製品の設置者に対しまして、使用製品のPCBの該当性や早期処理の必要性について積極的に周知するよう努めることが必要であると記載しております。
 2項目目で、アンケート調査の回収率向上のための方策でございます。こちらについては、なかなかアンケートの回収率が悪くて全てを調査するためには長期の時間を要するといったところが課題としてあると書いてございます。その追加的対策といたしましては、前回のワーキンググループの中ではより具体的に書けるところは書くという御指摘もいただいたところでございまして、高濃度PCB使用製品や廃棄物の使用、保管状況を都道府県市が把握できるよう、例えば報告徴収ですとか立入検査を行うことを可能とする制度的措置を検討する必要があるというところを記載しております。
 3点目で、使用中のPCB使用製品に対する掘り起こし調査の強化というところです。こちらについては次の段階とオーバーラップしますが、使用中のPCB使用製品については、廃棄物行政を所管している都道府県市さんからの調査の実施が難しいというところ、あるいは電気工作物につきましては、電気事業法で一定の報告等の規制がなされているところでございますが、こちらについても必ずしも全ての主要製品が届け出られているわけではないというところに留意することが必要であるといった課題を書いております。
 これに対応する追加的方策としては、3段落書いてございます。1段落目は前回までの議論と同様、電気工作物については、電気事業法のほうでしっかり報告徴収、立入検査等の枠組みを活用していくということ。それから電気事業法の電気工作物に該当しないPCB使用製品については、都道府県市が報告徴収、立入検査を行えるようなPCB特措法の見直しを検討すること。「さらに」というのは先ほども出てまいりましたけれども、「PCB廃棄物早期処理関係者連絡会」についての記載をしているところでございます。
 続きまして、10ページは「イ 使用中の高濃度PCB使用製品が全て使用を終了すること」でございます。こちらについては10ページ、11ページと現状を書いておりますが、11ページを御覧ください。11ページの一番上の箇条書きで、PCB使用安定器の対策について現状を記載しておりますが、前回のワーキンググループの参考資料で新たに御説明させていただきましたけれども、平成27年8月にも静岡県で使用中のPCB安定器が液漏れをしたという事案が発生したということを踏まえて、私どもから都道府県市の皆様への注意喚起をしたということがありますので、その部分をこの箇条書きの最後に追加しているところでございます。
 12ページをお開きください12ページからはこの項目に関する追加的方策、課題をまとめております。③のところから全部で4項目ございます。1項目は掘り起こし調査のことでございますので、前述のとおりといたします。
 2項目目、PCB特措法と電気事業法の届出制度の更なる活用ということでございます。こちらについては、現在、PCB特措法に基づく届出と電気事業法に基づく届出、それぞれがありまして、それを突合することで使用中機器の一定程度の把握は可能であるというところまで課題の中では書いていますが、結局対策としてはこの2つの届出制度をよりPCB使用製品の使用状況を的確に把握できるようにするために、届出制度の整合性を図りつつ見直しを行っていくということと、特に使用中のPCB使用製品が廃棄物として排出される際の橋渡しが円滑に行われるような関係者間での情報共有を図れる仕組みを構築することが必要であると記載しております。
 使用中のPCB使用製品の廃止に向けた取組でございます。こちらにつきましても、前回のワーキンググループの中ではかなり御意見を頂戴したところでございます。課題として書いておりますのは、使用中の機器につきましては、現時点では使用者の任意に委ねられていつ廃棄物となるかわからないというところでございます。しかしながら、処理期限が経過した後についても、排出されないということになりますと、この期限以降、高濃度PCB廃棄物を処理するということは今の国内の処理体制では事実上不可能であり、そういったものが期限を徒過して発生するおそれがあるといった御指摘をこれまでいただいているところでございます。
 それに対する追加的方策といたしましては12ページの一番下、「このため」から書いてございます。こちらも前回の御議論の中ではより具体的に記載すべきではないかといった御意見、御質問をいただいたところでございます。その点を踏まえまして、「特に高濃度のPCB使用製品については、一定の期限を設けてその使用廃止を義務付け、処理期限内に、確実に廃棄物として処理が行われるよう必要な制度措置を検討する必要がある」ということを記載しております。
 「電気事業法の電気工作物に該当する高濃度PCB使用製品に対しては、『電気設備に関する技術的基準を定める省令』の附則の規定について所要の見直しを行うなど、経済産業省において、電気事業法の枠組みを最大限活用し、処理期限内に、確実にその処理を廃止させることが必要である」と記載しております。
 さらにこちらもこれまで御意見を頂戴してございまして、「なお、こうした措置を講ずるについては、計画的な処理を進めている事業者の取組を阻害することのないよう配慮することが適当である」と記載しております。
 最後の項目でございます。(関係機関の連携の一層の強化)につきましては、先ほど掘り起こし調査のところでもお話ししました、関係者間の連携会議の開催頻度のこと、参画する団体に製造事業者等の方々にも参加を求めてはどうかということ。それから、電気事業法の電気工作物に該当するPCB使用製品については、この法律の枠組みを活用して経済産業省が中心となって、確実にその使用が廃止されるような必要な措置が講じられることが必要であること。
 電気事業法の電気工作物に該当しないPCB使用製品については、使用廃止に向けた取組を進めることができるようPCB特措法の見直しを検討するとともに、このPCB使用製品の使用する事業の事業所管大臣に対して、改めて協力を要請することが適当であるとまとめているところでございます。
 14ページからは、「ウ 高濃度PCB廃棄物全てについて、PCB特措法に基づく届出がなされること」というところでございます。こちらについては16ページに飛んでいただきまして、課題と追加的方策をまとめてございます。3項目ございまして、前述のとおりのところを飛ばして、2項目目で、高濃度及び低濃度PCB廃棄物の実効性のある判別手法・システムの検討でございます。こちらにつきましては、高濃度と低濃度のPCB廃棄物をきちんと正確に判別されたうえで届出がされていないのではないかということが課題としてあるところでございます。対策といたしましては、こうした状況を踏まえまして、電気機器の製造者の協力のもと、高濃度及び低濃度PCB廃棄物の判別に必要な情報の整理と当該情報を用いたPCB特措法に基づく届出情報を一元的にデータ管理するシステムの構築を検討する必要があると記載しております。
 届出データと処理実績データの収支管理という項目におきましては、特に「使用中のPCB使用製品、廃棄物、JESCOにおける処理実績の関係性が明らかとなるようなデータ管理が必要である」ということが課題として位置付けられてございます。
 これに対応する追加的方策といたしましては、電気事業法、PCB特措法それぞれの届出情報、それからJESCOの登録処理情報の管理手法を共通化・一体化して収支状況を把握して公表し、関係者が共通認識するようなシステムを検討する必要があるのではないかとまとめております。
 17ページでございます。「エ 届出がなされた全ての高濃度PCB廃棄物について、JESCOへの処分委託が行われること、その後速やかに当該PCB廃棄物がJESCOに搬入され、適正に処理されること」という段階でございます。こちらにつきましては、20ページをお開きください。現状を書いているところでございますが、20ページ一番下から、JESCOにおける処分の状況を記載しております。この一番下の箇条書きは21ページにつながっております。21ページに、後程、参考資料のほうでJESCOから御説明申し上げますが、平成27年10月30日、先々月末でございますけれども、JESCO北九州PCB処理施設から、排ガス中に北九州市との協定に基づく基準値を超えるベンゼンが検出されているということが判明したところでございます。改めて安全確保の徹底を図るとしたところでございます。こちらを新たな現状として追記いたしました。
 その上で22ページからが検討課題と追加的方策でございます。こちらでは3項目の項目を整理しておりまして、1項目目が、JESCOへの処分委託を促進するための方策でございます。課題としては2段落記載しております。1段落目は、PCB特措法にあります改善命令の規定について、義務違反に対する必要な措置を命じることができるようにするという、いわゆる改善命令と呼んでいる命令でございます。こちらがPCB廃棄物処理基本計画に基づく計画的処理完了期限内の処理について、これを命令できるような規定となっていないということが1点目の課題でございます。
 2点目が23ページの一番上の段落になります。基金による中小企業等に対する支援やJESCOによる割引制度・分割払い制度による費用負担軽減策が講じられているにも係らず、処分費用を負担する準備ができていないために、JESCOへの登録や処理委託を忌避している事業者があると御指摘をいただいているという課題がございまして、これに対する追加的方策として3段落書いてございます。
 1段落目です。制度的な観点でございますが、今回、PCB廃棄物処理基本計画に定める計画的処理完了期限内の処理を確保するため、事業者による処理の状況を踏まえ必要な場合には改善命令を発出できるよう、PCB特措法の見直しを検討する必要があるということでございます。この際、計画的な処理を進めている事業者について配慮することが必要であるということを書かせていただきました。
 第2段落でございますが、中小企業者等に対する支援方策でございます。現在、環境再生保全機構のほうで基金が設けられて、これを活用した支援が行われているところでございます。こちらについては引き続き継続していく必要があるということでございますが、またこれを拡充するということにつきましては、その必要性も含めて既に先行して費用負担をしていただいた方との公平性の観点、あるいは期限内のPCBの確実な処理の推進の観点の両面から検討が必要であるということを記載しているところでございます。前回もこちらについてはさまざまな御意見を頂戴しているところでございます。
 最後、第3段落でございます。JESCOにおいては長期的な処理の見通しというものを明らかにするとともに、事業者においても今後の処理委託の見通しを明らかにし、長期的な観点での相互に調整が図られることが適当であると記載しております。
 次の項目の、保管事業者の破産、死去、相続等に起因して処理が滞っている事案への対応です。課題としては、PCB廃棄物を期限内に処分する保管事業者が不明確となり、処理期限を徒過するようなものについて、こちらに対する指導に支障が生じているということでございます。この支援策なども必要ということを御指摘いただいているのが課題でございます。
 対策といたしましては、処理完了期限内の処理を確保するための行政代執行を円滑にする制度の導入を検討する必要がある。また、事業者が不存在、資力不足等の場合であって行政代執行に要した費用を当該事業者から徴収することが困難な場合について、支援のあり方を併せて検討する必要があると記載しているところでございます。
 最後の3点目の項目、処理施設の健全性を確保するための方策でございます。JESCOでの処理施設の健全性ということになりますが、課題としてありますのは、地元の関係者の理解と協力の下、その処理が進められているものであり、安全確保を第一として適正かつ確実な処理を行うことが大前提である。特に地方自治体との環境保全協定を遵守することが当然に求められるということを課題として記載しております。
 これに対しましては、3段落で書いてございます。1段落目は、このため、引き続き、処理施設の日常保全、定期点検を実施するとともに、長期保全計画に基づき、施設の適切な補修又は更新を確保することが必要である。
 また、災害対策や万一のトラブルの発生に対しても被害の未然防止策等について柔軟に対応できるよう継続的な検討が必要である。
 なお、基本計画に定められたJESCOの処理施設の安全確保策を着実に実施するだけでなく、ソフト・ハード両面において、安全確保に向けた取組を徹底することが必要であると記載してございます。
 24ページからは、4.低濃度PCB使用製品・廃棄物に係る基本的な考え方と追加的方策をまとめているところでございます。こちらも高濃度と同様に、「(1)低濃度PCB使用製品・廃棄物に係る基本的な考え方」をまずは整理させていただいております。この箇条書き、特に前回の御議論を踏まえて2番目の「このため」から始まっている箇条書きでございますが、こちらの段落の下から2番目の行でございます。下記のフロー図の各項目について進捗管理を行うことが必要であるというところを改めて追記しているところでございます。これは前回の御議論の中で低濃度PCBにつきましても進行管理・進捗管理をしていく必要があるのではないかという御意見を頂戴したところでございます。
 それからア、イ、ウ、エ、オの5つのフローチャートでございますが、先ほどの高濃度と同様に、オのフローチャート、一番最後の四角でございます。処理業者に搬入され、適正に処理されることというところを改めて記載しているところでございます。
 25ページ以降でございます。低濃度PCB使用製品・廃棄物に係る追加的方策として、ア~オの5段階についてそれぞれ記載をしているところでございます。こちらについては、これまでの御議論を踏まえて今回文書に書き下す形としておりますので、前回までの資料で、前述のとおりと省略させていただいたところを文書として改めて書き加えているような構造になっています。中身としてはこれまで御議論をいただいた内容を踏まえたものとなっております。
 25ページはPCB汚染の有無の確認が必要なものについて確認作業を終了するということでございまして、こちらについては26ページに今後の検討課題と追加的方策を書いております。1つ目の段落で課題として書いておりますのは、特にPCBの有無を測定するものが現状困難な構造のものがあるといったことや、そうしたものが実際に測られたときに、PCBが入っていないものまで測るために機器の使用の廃止などを行わなければならないというようなこと。特別な管理を要することから、分析そのもの自体を忌避する業者がいるということが指摘されているということを書いてございます。
 なお書きで書いてございますが、使用中の電気機器の汚染の確認方法については、現時点から技術的な検討を行っていく必要があるという御指摘もいただいたところでございます。こうしたことへの対策としては、使用中の電気機器のPCB汚染の有無に係る実態把握に努めるとともに、その確認方法に関する技術的検討を進めることが必要であるとまとめているところでございます。
 27ページ、イ 使用中の低濃度PCB使用製品の掘り起こし調査についてでございます。こちらについては、27ページの一番下から検討課題と追加的方策を書いているところでございますが、その1つ上の、これまでの進捗状況でこれまで省略しておりましたが、当然ながら電気事業法では、PCB濃度にかかわらず、低濃度のほうもPCB含有電気工作物の報告義務が課されているということでございます。低濃度PCB廃棄物の掘り起こし調査については28ページに対策を書いてございます。「このため」以降でございます。まずは高濃度PCB廃棄物の掘り起こし調査の実施に併せて、低濃度PCB廃棄物の掘り起こし調査を進めるとともに、低濃度PCB廃棄物の実態に即した掘り起こし調査方法の検討を進めることが必要であるということ、それから、電気事業法の電気工作物に該当する低濃度PCB使用製品については、同法の枠組みを活用してその使用実態の把握を進め、関係機関間で情報共有を図る仕組みを構築することが必要であると書いております。
 29ページは使用中の低濃度PCB使用製品の使用の終了でございます。こちらにつきましては、29ページの一番下から課題と追加的方策を書いております。30ページをお開きいただきたいのですが、③追加的方策といたしましては、こちらも「まずは実態把握を十分に行った上で、低濃度PCB使用製品の廃止を進めるための方策について検討を行うことが必要である」と整理をしております。
 31ページからは、低濃度PCB廃棄物のPCB特措法に基づく届出のことを記載しておりまして、そちらは32ページを御覧ください。今後の検討課題と追加的方策を書いておりますが、こちらの追加的方策につきましても、「このため」からございますとおり、低濃度PCB廃棄物の正確な全体像を把握するための方策について検討することが必要であると記載しております。
 33ページ、オの段階でございます。低濃度のPCB廃棄物の処分委託、処理業者への搬入、適正な処理といったところでございますが、こちらについては34ページを御覧ください。1点、事実関係の訂正をこれまでからさせていただきたいのですが、34ページの一番下に、表8低濃度PCB廃棄物の処理実績がございます。無害化処理認定事業者の処理実績でございますが、ここの計上の仕方に若干誤りがあることが明らかになりまして、平成25年度のデータと26年度のデータの一部を訂正しております。具体的には、25年度の真ん中の小型コンデンサの0トン以外の4つの項目、それから26年度は一番左の微量PCB絶縁油の値と右から2番目のその他PCB汚染物(ドラム缶を含む)の値について、計上算出に誤りがありまして、こちらの数字を正しい数字に訂正させていただきました。その結果、合計も修正させていただいているところでございます。
 35ページのほうですが、今後の検討課題と追加的方策というところでございまして、こちらの対策といたしましては、一番下の「このため」というところにございますが、低濃度PCB廃棄物の処理体制の充実・多様化を進めるとともに、その処理料金の低減を図ることが必要である。また、安全性の確保を前提とした上で、無害化処理事業者の増加に向けた取組を引き続き進めるとともに、課電自然循環洗浄法の対象範囲の拡大、絶縁油の抜油後の筐体(容器)の合理的な処理方策を引き続き検討する必要があると整理をしております。
 最後、36ページでございます。5.おわりにを記載しております。ここではこの追加的方策について、4つの段落で締めの文章を書いております。1つ目の段落はこの追加的方策の位置付けを改めて記載しております。今般の検討は、これまでのPCB廃棄物の適正処理に向けた取組の進捗状況を踏まえ、処理完了期限内に一日でも早く安全かつ確実にPCB廃棄物の処理を完了するために必要な追加的方策について検討を行い、高濃度PCB使用製品・廃棄物及び低濃度PCB使用製品・廃棄物に分けて、基本的考え方及び追加的方策について取りまとめたものであると書いております。
 第2段落につきましては、特に高濃度PCB廃棄物の処理については、JESCOの全国5箇所のPCB処理事業所において、地元の関係者の理解と協力を得て行われているものである。その期限は、早いもので平成30年度末に到来し、これは絶対に延長することはできない。地元関係者との約束である処理期限内に、高濃度PCB使用製品の使用を確実に廃止させるとともに、高濃度PCB廃棄物について、一日でも早く安全かつ確実にその処理を達成することが求められていると記載しております。
 第3段落でございますが、そうした前提を踏まえますと、この意味で、今般の検討結果を踏まえた対応は、やり直しができるものでなく、真に実効ある措置とすることが強く求められる。残された時間を考えると、制度的な対応を含めて、可能な限り早期に措置を行うことが必要である。さらに、講じた措置の実効性について不断の点検を行い、期限内の処理の完了が確実に担保されないおそれがあると認められれば、更なる追加的方策を講じることに躊躇してはならない。また、JESCOにおいては、処理完了後を見据えて、処理施設の解体等において必要となる技術的な検討等、現時点から着実にその準備に向けた取組を進めていくことが適当であると記載しております。
 最後については、関係機関においては、その処理の必要性に関する事業者、国民への普及啓発等を大々的に行うとともに、今般取りまとめた追加的方策について、着実かつ早期に実施に移していくことを求めたいという形で結びとさせていただいております。
 37ページ以降は参考ということで、これまでの検討会の資料の中では、各項目に四角囲みで埋め込んでおりました、皆様方からいただいた御意見を箇条書きにしたものでございます。巻末にまとめてこの36ページよりも前の項目のどの番号の項目の御意見かといったところを整理した上で、箇条書きでこれまでの御意見を記載しているところですので、後ほど御確認いただければと思います。
 資料1についての御説明は以上でございまして、このほか参考として関係資料集をお配りしてございます。参考資料1から参考資料8までございます。前回までは参考資料6までが記載されておりましたが、今般新たに参考資料7、参考資料8として前回までの御指摘にもありました、JESCOにおけるPCB処理に係る長期処理の見通しについての資料、北九州PCB廃棄物処理施設におけるベンゼンの排出についての資料が追加されてございます。さらには後程また御説明がありますが、参考資料3について、電気事業法の規定については前回のワーキンググループで御質問が1つございましたので、それについての説明をさらに加えた内容となっておりますので、この後経済産業省さん、あるいはJESCOのほうから御説明をいただきたいと思います。以上でございます。

(酒井主査) どうもありがとうございました。今、中野補佐から説明がありました。前回のワーキンググループで質問がございました電気事業法に基づく電気工作物の範囲につきまして、経済産業省のほうから関係資料集の説明をお願いいたします。

(磯部電気保安室長) 経済産業省電力安全課でございます。よろしくお願いいたします。関係資料集の参考資料3の9ページを御覧いただきたいと思います。電気事業法でのPCB電気工作物としての届出対象について、これまでの資料に追加させていただきました。
 具体的には、11ページの下に「(3)電気事業法で規定する電気工作物から除かれる工作物」とございます。さらに12ページに具体的に「電気事業法施行令」の中で(電気工作物から除かれる工作物)として規定がございます。この中で鉄道や航空の関係の工作物については、電気事業法における電気工作物から除かれるということになります。
 その下に「(4)電気事業法におけるPCB規制対象物の範囲」とございます。届出の対象となる工作物、対象となる時期については4条に具体的に記述がございます。4条の下に※として、「表の第十五の二において」とございますが、アンダーラインがその下の行にございます。「別に告示する電気工作物であって」の「別に告示する」ものは後程出てまいりますので、そこで御説明させていただきます。ここの電気工作物には、先程政令で除かれている電気工作物は当然除かれるわけでございますが、PCBが含まれることが判明した場合には届出をするということでございます。
 次の13ページの上から4行目の※に「表の第十六号において」とございます。その下の行のアンダーラインの「第十五号の二の電気工作物」というのは、今御説明した箇所でございます。この届出をした電気工作物について設置者の名称などの変更があった場合は改めて届出をしていただくこととなります。
 さらに下に再び※がございます。表の第十七号の二の三において、「別に告示する電気工作物であって」、これについては廃止があった場合には届出をしていただくという制度になってございます。
 「別に告示する電気工作物」はその下に、「平成16年経済産業省告示第67号」とございますが、この告示の中で12項目の電気工作物が規定されているわけです。より詳細には次のページの内規を御覧いただきたいと思います。この中でPCB電気工作物について届出対象となるものは、大きく2つ規定されております。5行目に一、6行目に二とございます。一号として別表に掲げる電気工作物の種類などが一致した場合とございます。ここでいう別表はその下にございます枠で囲ってございます別表でして、次ページ以降もずっと続きます。この別表で製造者、型番などが規定されてございます。二号としては、一号以外の場合であってPCBを含有することが判明した場合でございます。これらについては届出をしていただくという制度になってございます。
 電気事業法に関するPCB含有電気工作物についての規制の概要、以前の御質問への回答は以上でございます。

(酒井主査) 続きまして、JESCOのほうからも関係資料の提出をいただいております。これについて説明してください。

(JESCO) JESCOでございます。先程、中野補佐の説明でもございましたが、平成27年10月30日に北九州市から通報を受け、北九州市が10月14日にサンプリングした北九州市PCB処理事業所2期施設からの排気中に同市との協定に基づくベンゼンの協定値を越えるベンゼン、協定値45 mg/Nmのところが520mg/Nm検出されていることが判明いたしました。全ての活動で環境と安全を何よりも優先することを基本理念とする弊社といたしましては、あってはならない事態でございまして、これまでPCB処理に御理解と御協力をいただいてきた北九州市の皆様の信頼関係を大きく揺るがせる重大な問題と認識しております。
 また本日お集まりの皆様にも御心配をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。
 JESCOの事業は国民の皆様、とりわけPCB処理事業所を受け入れていただいている地元の皆様の御理解と御協力を得て進めていくことが何よりも重要でございまして、本件につきましても環境省や地元北九州市の御指導を得ながら、原因の究明と再発防止策を真摯に進めていく決意でございます。
 さらにベンゼンの排気処理に関して社内で定められている設備改造、運用変更に関する審査手続きを経ずに運用変更が行われていたという事態が、協定値超過の原因調査の中で判明しました。こうしたことは社内コンプライアンスやガバナンスの観点から極めて問題であると認識しております。
 当社としては、北九州事業所のみならず他のPCB処理事業所も含め、安全管理体制に問題なかったか、全社的に調査を徹底し、安全性の確保に万全を期してまいります。
 何よりも地元の皆様の信頼回復を念頭に、全力で取り組んでまいりますことを申し上げます。
 また、さらに北九州事業所では、全設備の調査、検証等に取り組んでいることに伴いまして、11月30日から当事業所におけるPCB廃棄物の受け入れを停止しております。保管事業者そして収集運搬事業者の皆様には多大な御迷惑をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。このたびは皆様に御心配と御迷惑をおかけして誠に申しわけありませんでした。
 まず、参考資料8から今の件に関して説明をさせていただきます。29ページからでございます。10月30日にベンゼンの基準超過が明らかになったということで、ニュースリリースをホームページに出させていただきました。それが29ページでございます。
 31ページが協定値を超えるベンゼンの排出についてということで、北九州市、環境省に発生原因の調査結果、再発防止策について報告をいたしたというのがこの11月13日のリリースでございます。ベンゼンの発生源の特定、ベンゼンの排出による影響について、32ページからが基準超過の原因調査結果、3点ほど書いてございます。32ページの下方に4とありますが、再発防止対策の検討状況についてということで取りまとめて、これを北九州市、環境省に提出しております。
 基本的に2つの報告書は同じ内容ですけれども、環境省のほうに出したものについては、北九州事業所以外の4事業所の検証も行うということを加えて、提出したところでございます。
 34ページからはその内容に書いておりますが、時間の関係もあってこの内容についての説明は割愛させていただきます。
 43ページでございます。11月20付で中間報告という形で出してございますが、現在までに明らかになったところをお知らせしたというものでございます。今回の協定値を越えるベンゼンの排出の原因の1つとなった熱交換機能の停止という行為は、本社の審査及び事業所審査を実施すべきものだったところが、これが行われていなかったということで、その事実関係を現在調査中であるということを報告しております。
 再発防止に関してソフト・ハード両面の対応、他設備を含めた検証などの総合的な対策に加えて、全社的なガバナンスのあり方についても課題として引き続き調査検討を実施してまいるということでございます。
 13日に出しました報告書の内容につきましては、さらに原因究明等を行うよう北九州市、環境省からも求められておりまして、JESCOに設けている学識経験者による委員会にも検証をいただいた上で、適切な再発防止策はもとより、PCB処理事業全体に係る安全管理体制の検証や強化策の検討をさらに行うこととしているところでございます。
 ベンゼンの排出に関して、以上報告をさせていただきます。これが参考資料8でございます。
 もう一点、今度は参考資料7、前後いたしますけれども、25ページからでございます。お手元の「JESCOにおけるPCB処理に係る長期処理の見通しについて」という資料を御覧ください。これは前回の会議で言われていたものですが、まずトランス・コンデンサ類の処理対象量の見込みです。表中に書いてある台数を記載しているところでございます。この見込みにつきましては、平成26年3月末時点の高濃度PCB廃棄物の特措法届出数量、あるいは同じく平成26年3月末時点のJESCOへの登録数量のうち未処理のものの数量のいずれか大きいほうから平成26年度及び平成27年度上半期の実績を差し引いて、特措法届出数量の1割が掘り起こしされると想定した上で、エリア間移動の分も考慮して推計したというものでございます。
 表の下の一行目に、又はJESCOへの登録数量としておりますが、これは東京エリアのコンデンサにつきましては、特措法届出よりもJESCOへの登録数量のほうが多いため、その部分については、JESCOへの登録数量を基礎として推計しているということでございます。
 次が安定器等・汚染物の処理対象量の見込みですが、表にあるとおりの数値となっております。この見込みにつきましては、トランス類・コンデンサ類と同様に特措法届出数量を基礎として推計した上で、感圧複写紙等のその他汚染物については、これまでの処理の実績から安定器の1割と想定して推計しているところでございます。
 めくっていただいて26ページになります。長期処理の見通しでございます。処理対象量の見込みに対し、JESCOにおいて試算した処理完了の見込み時期はこちらにお示しした表のとおりでございますが、関係機関とも連携を図りつつ、安全を第一として適正かつ確実な処理を計画的に進め、計画的完了期限内に1日でも早く処理を完了するよう努めることとしております。
 個別の事業所ごとに少し補足いたしますと、まず北九州事業所のトランス類・コンデンサ類です。トランス類については平成30年度まで処理がかかるものと想定しています。処理能力はトランス類の合計台数で記載しておりますので、処理対象量の見込みに対して処理完了見込みが長くなっておりますけれども、小型トランスについては、計画的に処理委託がなされれば早目に処理が完了する見込みである一方、大型トランス、車載トランスが平成30年度までかかる見込みとなっており、平成30年度までとさせていただいております。
 コンデンサについては、計画的に処理委託がなされれば平成28年度までに処理を完了することが可能と考えております。
 豊田事業所につきましては、トランス類・コンデンサ類とも平成34年度までの処理完了を見込んでおります。コンデンサ類については、既に把握できている部分については着実に処理を進めており、平成32年度までの処理を見込んでいるところですが、新たに豊田事業所で処理することとなった3~10kg未満のコンデンサの総量・総数が把握できておらず、平成34年度の処理完了見込みとしております。
 次の東京事業所ですけれども、トランス類・コンデンサ類とも平成34年度までの処理完了を見込んでおります。既にJESCOに登録されているものについては、概ね平成32年度での処理完了を目標としているところですが、掘り起こし後については、順調に処理が委託されたとしても最後の数年間は処理委託される数量の減少に伴って、年間処理量も少なくなること。処理に手間がかかる漏えい品等についても、確実に処理を進めていくことが必要であることを考慮すると、最大の処理能力を常に維持して処理していくことは、現実的には難しいということですので、若干の余裕を見て平成34年度の処理完了見込みとしております。
 大阪事業所につきましても同様に、トランス類・コンデンサ類とも平成33年度の処理完了を見込んでおります。
 北海道事業所につきましては、トランス類が平成34年度、コンデンサ類が平成33年度の処理完了を見込んでいるところでございます。
 26ページに下に、試算の前提ということで各事業所の処理能力を点線内に記載しておりますので、御参照いただければと思います。
 最後の27ページを御覧ください。安定器等・汚染物についてです。北九州事業所が平成33年度、北海道事業所が平成35年度の処理完了を見込んでおります。
 試算の前提の2つ目の○にありますとおり、安定器等・汚染物については、豊田、大阪、東京エリアのJESCOへの登録が始まったところであるなど、まだ実態把握が進んでいないという現状があり、処理対象量についての不確実性が高くなっております。
 また安定器以外のいわゆるその他汚染物につきましては、感圧複写紙、ウエス、汚泥等、多様な性状のものがございます。そのため、この数量の不確実性に加えて、処理に要する手間の度合いが見通せないという部分もありまして処理能力という観点からの不確実性が高くなっております。
 これらを踏まえまして北九州事業所、北海事業所とも処理対象量の見込みに対して計画的処理完了期限いっぱいまでの処理がかかるものと想定しております。
 27ページの枠の外、一番下に留意点とございます。以上の処理の見通しにつきましては、処理対象量の見込みを推計した上で、届出済み、未登録の機器や使用中機器が順調に処理委託されると想定した場合の処理完了時期の見込みでございます。実際の発生量や処理が容易ではない機器の処理等によって、今後変更があり得る点に御留意いただければと思います。簡単ですが、説明は以上です。

(酒井主査) どうもありがとうございました。それでは関係資料集を含めまして、追加的方策案の説明をいただきました。また前回までに委員の皆様から頂戴した意見も追加的方策も巻末に追記をしていただいております。
 それでは、この追加的方策案についての御意見をいただきたいと思います。前回と同様、効率的な議論のために、質問、事実関係に関しての御意見がございましたら、まずそれを最初にいただき、そしてその上で追加的方策案についての意見を頂戴するという、二段構えで進めさせていただきたいと思います。
 まず、この追加的方策案につきましての資料の質問、事実関係の確認等についての御質問・御意見をお願いしたいと思います。御質問、あるいは御確認のある方、前回同様、名札を立てていただけませんでしょうか。
 では近藤委員からよろしくお願いします。

(近藤委員) 参考資料の3のところで電気事業法の説明をいただきました。電気事業法で行うか、PCB特措法でやるかによって自治体の動きが若干変わるものですから確認をとらせていただきたいのですが、その中で先程説明のあった12ページにおいて、電気事業法で除かれるところ、入るところが載っていると思うのですが、再度確認ですが、安定器はこの中で除かれるものになるのか、入るものになるのかを明確にしていただいて、今届出等が全然ないのですが、電気事業法の工作物に入っていて報告がないのか、それともどういう形で管理されているのか、確認をとらせてください。お願いします。

(酒井主査) 大塚委員、お願いいたします。

(大塚委員) 私も安定器についてです。11ページで先ほど御説明をいただきましたが、5行目に書いてあるところです。安定器について漏えい事故があったということでございますが、これをもう少し詳しく教えていただければと思います。以上です。

(酒井主査) 森田委員、お願いいたします。

(森田委員) 自動車とか鉄道、船舶とか移動体のところはちょっと不安な感じがします。これは誰がどのようにして調査をすることになっているのか、教えてください。

(酒井主査) ありがとうございます。3人の委員から質問、事実関係の確認をいただきました。それでは、まず電事法関係のところで、経済産業省の御担当のほうから回答をお願いします。

(磯部電気保安室長) 御質問のあった安定器については、13ページにある平成16年の経済産業省告示67号に掲げている報告対象となる12項目の電気工作物に含まれてございません。つまり安定器については電気事業法での電気工作物ではなく、家庭の一般的な電気使用機器と同じ扱いで、電事法の対象からは除かれるという整理で運用してきております。
 12ページの上段において、電気事業法施行令で除かれているのは移動体で、具体的には、鉄道車両や船舶あるいは航空機の関係については、電事法の対象からは除かれる電気工作物でございます。鉄道関係の法律や航空関係の法律の中で必要な規制がされているという整理で運用してきているところでございますので、それは個別の法律を運用している関係省などに確認が必要になるかと思います。

(酒井主査) 漏えい事故の話も含めて、環境省、お願いします。

(中野課長補佐) まず大塚委員からいただいた本資料の11ページ、平成27年8月の安定器の漏えい事故についての御質問だったと思います。そちらは関係資料集23ページを御覧ください。23ページ参考資料6と書いてございます。こちらが今年の10月に私どものほうから、都道府県の皆様に注意喚起をさせていただいた公文となっております。
 これを1枚めくっていただきまして、24ページを御覧いただいたほうが、実態を御理解いただけると思います。これは静岡県の教育委員会の事務局が公表した資料でございます。今年の8月27日に静岡県の富士宮東高校で調理室蛍光灯の安定器から液漏れがあった。これを調べたところ、実際にはPCBが使われている安定器でございまして、さらに学内全体で調査をしたところ、52台のPCBが含まれる安定器があることが明らかになって、それを撤去したという事案でございます。
 もう一つ、移動体についての御質問をいただきました。経済産業省さんからの御回答に若干補足をさせていただきますと、こうした移動体のものについては、電気事業法の枠の外ということでそれぞれの法律がございますが、私どもの把握している限りにおいては、使用中のPCBのものについて何らかの、例えば届出ですとかそういった仕組みがあるとは把握しておりません。ただ、当然ながら廃棄物になれば、これはPCB特措法に基づくPCB廃棄物になるわけでございますから、そちらについては届出が義務づけされているところでございます。以上でございます。

(酒井主査) どうもありがとうございました。今御質問いただいた3名の委員の方々、ただいまの御回答でよろしいでしょうか。
 では中杉先生お願いいたします。

(中杉委員) 輸送機器に関しては、化審法のほうでPCBは原則使用禁止になっています。ただ、もう使っていないと思いますが、特定の用途ということでたしか新幹線のトランスには使えるようになっているので、それは化審法のほうで許可をしているので把握をして、どういうふうに使っていたかという把握はされていると思います。

(酒井主査) ありがとうございます。それでは質問、事実確認はこのあたりにさせていただきまして、次に追加的方策案につきまして御意見をいただければと思います。それでは、また御意見のある方、順次名札を立てていただけますでしょうか。
 相当多くの御意見がございますので、中井委員からお願いできますか。

(中井委員) ありがとうございます。幾つか申し上げたいと思います。最初はこれまでのワーキンググループの中で、計画的に処理を進めている事業者への配慮であるとか処理側と排出側の処理計画の整合性といったこと、それから微量PCBの問題について、高濃度PCBとはいろいろ異なる特殊性があるということについての配慮をいただきたいといった意見を述べさせていただいておりましたが、今回の取りまとめの中でその辺はいろいろと反映いただきましたことに感謝を申し上げたいというのが1つ目でございます。
 一方で今後この取りまとめ資料に基づいて、いろいろな仕組みをつくったり、法律を改正していくといったことになると思うのですが、今回、読み物という形で資料の中に散りばめていただいたさまざまな配慮事項が、特に法律の条文にしていく際に、建て付け上の制限の中に埋もれてしまわないようにしていただければと思います。いろいろな配慮事項が法律を読んだときにも読み取れるようにしていただければと思うところでございます。
 例えば具体的に難しいのではないかと思っているところを申し上げると、JESCOさんの処理見通しと事業者側の委託見通しについて、相互調整を行うというところが23ページに記載がございます。これは前回申し上げましたとおり、なかなか実務的にはいろいろと課題もあって大変な作業になるのではないかと思っているわけです。
 そういった難しさがある一方で、12ページには使用停止期限を設定する、善良な事業者には配慮しながらといったようなことも書いていただいているわけです。こういった中でどのように条文等に規定していくのかというのは、なかなかテクニカルにも難しい点があるのではないかと思っております。そういうところをお願いしたいというところです。
 最後になりますが、いずれにいたしましても、今回の議論を踏まえまして、私どもといたしましては、JESCOさんと連携をとりながらしっかり高濃度PCBの処理完了に向けて取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
 また、先程申し上げましたような整合性をとっていくところなども含めて、課題が生じる可能性もあると思いますけれども、そこはまた環境省の方々、皆様に御指導等いただければと思うところでございます。
 併せて、微量PCBの問題につきましても、我々のほうとして取り組むべき課電洗浄にかかわる宿題対応であるとか、そういうことについてはしっかり対応してまいりたいと思います。
 一方で、容器洗浄の認定手続き等の緩和であるとか、早期処理につながるいろいろな工夫も今後検討の余地があると思いますので、その辺についてもまた御相談させていただく、御指導をいただくという形で進めていければと思っているところでございます。今後ともよろしくお願いいたします。以上です。

(酒井主査) ありがとうございます。田和委員、お願いいたします。

(田和委員) 石油連盟、田和です。ちょっと重複いたしますが3点ほどです。
 私どもは石油業界、石油会社ですが、やはり1日でも早くPCBを処理したいというのが基本的な考えになっております。ただし、事業所によってJESCOの処理方針から廃棄物の処理が後回しにされているという事業所もございます。また事業所によっては、操業に影響を与えないようにPCB使用機器の取替え処理を計画しているところもあります。ということから、今回の取りまとめに処理料金値上げとか使用中のPCB機器の使用停止などについて、計画的処理事業者への配慮を記載いただいたということについて感謝しております。
 次に、JESCOへの処理委託につきまして、JESCOが長期的処理の見通しを明らかにして事業者と調整することが適当とされたことについてですが、やはり私ども事業者の処理計画を確度の高いものにするためには、事業者の処理委託の見通しに対して、JESCOの処理計画の提示というものが必要になってきますのでそこを十分お願いするとともに、処理料金の値上げについての配慮もお願いしたいということになります。
 3番目、最後になりますが、低濃度PCB廃棄物についてです。課電洗浄方式の範囲の拡大や抜油後の筐体の方策の検討、こちらを記載いただいております。これらは低濃度PCB処理を円滑に行うために早期の実現が重要だと思いますので引き続きの検討をお願いしたいと思います。以上です。

(酒井主査) 高橋委員、お願いします。

(高橋委員) ありがとうございます。日本鉄鋼連盟の高橋でございます。
 今回、高濃度と低濃度とあわせて御報告がありましたが、私からは主に低濃度について意見を言わせていただきたいと思います。
 いろいろな課題があることが改めて今回整理され、わかりやすくまとめられているのですが、今後はこれらの課題を具体的に解決していくという検討が必要であると考えます。特に、低濃度PCBの処理体制の整備については、課電洗浄の対象範囲の拡大、抜油後の容器の合理的な処理方策が継続検討中であるなど、まだ途上にあると考えます。このため、微量PCB汚染機器を保有する事業者は処理の目途を付けられないといった側面もあると思います。微量PCBの処理促進のためには、まずこれらの方策を処理に実現させるなど、処理体制の充実、多様化を早期に進めるとともに、その処理料金の低減を図っていただくようお願いいたします。
 また、前回のワーキンググループでも申し上げましたが、PCB廃棄物処理の必要性の普及啓発等については高濃度PCBと低濃度、特に微量PCBではリスクや事情が異なることから同じPCBと見られることがないようにPCBに詳しくない人でもわかりやすく丁寧に説明いただきたいので、改めてお願いいたします。
 最後にもう1点お願いがあります。今回の取りまとめ資料では、低濃度PCB使用製品との記述になっていますが、低濃度PCBのうち微量PCBについてはPCBを意図して使用したものではないことから、法律に記載する場合には適切な表現にしていただきたいと思います。以上です。

(酒井主査) 鬼沢委員、お願いします。

(鬼沢委員) 掘り起こし調査について、これまで非常に頑張ってこられた北九州の例を見ても5年かかったということを考えると、今後5年かけて掘り起こしをしていたのでは到底間に合わなくなってしまうと思いますので、いろんなことで対処していくと書かれてはいるのですが、ここにいつまでになど、もう少し具体的な期日みたいなものを定めたほうがより実効性があるのではないかと思います。いつまでには完全に掘り起こしを終了するという目標みたいなものが入ったほうがいいのではないかと思います。

(酒井主査) 親里委員、お願いします。

(親里委員) 日本電機工業会、親里でございます。
 前回のワーキングにおきましてPCB廃棄物の早期処理推進のためにPCB使用製品の製造事業者に対する積極的な協力を求める御意見をいただいたことを踏まえまして、日本電機工業会PCB処理検討委員会におきまして、今後取り組める追加的方策について検討を進めております。従来の電話相談窓口やウェブサイトを通じた情報提供につきましては、さらなる啓発につながるよう改善を進めながら今後も継続してまいります。さらに今後は積極的な情報発信や会議への参加にも注力したいと考えております。具体的には高濃度PCB廃棄物及び使用中の高濃度PCB使用製品の掘り起こし調査について、高濃度PCB使用製品であるか否かの判別に関する支援等について製造事業者として協力し、調査の効率化に貢献したいと考えております。
 御要望をいただきました「PCB廃棄物早期処理関係者連絡会」への参加につきましても、対応を検討しております。
 また、さらなる取組として、顧客に対する積極的な情報発信を行いPCB使用製品の該当性や早期処理の必要性について周知することも有効であると考えています。
 なお、電気機器の種類によりましては、代理店、盤メーカー、電材卸商、工事業者等多岐にわたる流通ルートにより販売されております。これらの機器につきましては、最終的な機器設置事業者を把握できているケースは限られております。このため、各中間業者からさらに最終的な機器設置事業者まで情報を伝達するようお願いしなければならないことを御了解、お願いいたします。
 最後に、PCB特措法に基づく届出情報を一元的にデータ管理するシステムの構築が検討される場合には、高濃度及び低濃度のPCB廃棄物の判別に必要な情報の提供としてどのような御協力が可能か検討してまいりたいと考えております。以上です。

(酒井主査) どうもありがとうございました。大塚委員、お願いいたします。

(大塚委員) 簡単に4点申し上げたいと思います。
 第1点は先程ございましたが、未だに使用中の安定器が破裂とか漏えいの事故を起こしているということがございますので、その点を考えますと廃棄物の期限内処理のための使用廃止だけでなくて、電気器具の保安の観点からも、早く使用廃止をするということが必要になってくるのではないかと思います。そうだとしますと、電気事業法の電気工作物としての規制の網の中に入れるということが必要になってくるのではないかということを意見として申し上げておきたいと思います。今のが第1点でございます。
 第2点でございますが、先程電気事業法との関係で御説明がございましたが、使用中のPCB使用製品につきましては、電気工作物に該当するものにつきまして、電気事業法に基づいてぜひ経済産業省さんのほうで責任を持って一定の期限内に廃止をさせていただいて、JESCOの処理完了期限内の処理の橋渡しをするということをぜひお願いしたいと思いますが、そのような理解でよいかどうかということを明確にさせていただきたいというのが、第2点でございます。
 第3点でございますが、先程も御質問がございましたけれども、電気事業法の規制対象外の高濃度のPCB使用製品といたしまして自動車、鉄道、船舶、航空機というものに用いられているトランス・コンデンサがございます。安定器もございますが、これらについて特に注意をするという必要があると思っております。現在、都道府県とか市の掘り起こし調査の方法におきましては、調査対象にこれらは入っていませんので、期限内の処理完了に向けて、国交大臣等と連携したような実態把握が必要ではないかと思います。国土交通省は御出席されているかわかりませんが、その点について確認をさせていただきたいというのが、第3点でございます。
 第4点ですが、これは別の話ですけれども、先程行政代執行のお話がございました。行政代執行に関する支援としまして、現在産業廃棄物の不法投棄に関しての行政代執行の費用支援策が講じられていると思います。これとは別に、さらに産業界、特に高濃度のPCB使用製品をつくられた製造事業者さんについても、何らかの費用負担をお考えいただくことが必要ではないかと思います。これは現在のPCB特措法においても、製造事業者の責務については規定がございますので、その点からもそのような御検討をぜひお願いしたいということが、第4点でございます。以上でございます。

(酒井主査) どうもありがとうございました。続きまして眞柄委員、お願いします。

(眞柄委員) 北海道事業所の監視円卓会議の委員長をしています眞柄でございます。
 先程JESCOから北海道事業所の安定器と汚染物の処理の見込みのお話をいただきましたが、この説明では北海道営業所の円卓会議は了解を得られないのが実態だと思います。少なくとも、この見込みをいつの段階で見直して、そして平成35年度中に必ず終了するというロードマップを見せていただかないと、これでは室蘭市民あるいは関係の市町村の方々が先行きの見通しが立たないというのが実態だと思いますので、お願いいたします。
 先程、平成12年の閣議了解と平成27年の環境省からの通知が出されておりますが、北海道の円卓会議でも話題になりましたけれども、10月1日以降に円卓会議が開かれましたが、北海道庁においてもこの通知に対するフォローアップの調査を北海道内の市町村にされていませんでした。北海道事業所は北海道だけではなくてほかの県も当然事業所に入っておりますし、先程御紹介がありましたように、東京都からも入るようになってきます。そういう意味で少なくとも平成27年のフォローアップ、あるいは平成12年のものについては、業務用でありますから一般の民生用のものについても官許されているわけです。そういうものについてのフォローアップが必ずしも十分なされていないと私は認識しております。
 高濃度のものについては、掘り起こし調査がされるということですが、安定器についての再調査を是非やっていただきたいと思います。
 幸い最近の報道によりますと、蛍光灯と白熱灯の製造が温暖化ガスの問題、あるいは省エネの観点から国の方針として定められたそうでございますが、そういう事柄との国民の認識とタイアップするような調査をして、現在、我が国の中で使われている民生用の蛍光灯、安定器についての掘り起こしを丁寧にしていただきたいと思います。
 その理由としまして、北海道事業所の監視円卓会議の委員の経営している施設から蛍光灯の安定器が見つかったということがあり、それは昭和47年以前に設置されたものであったわけです。幸い、その方がたまたま気が付かれたから発見されたわけでございまして、広報のことも含めてぜひ安定器については、平成35年度中に終了するように的確な数値を把握していただいて計画的な処理が行えるようにほかの高濃度PCB廃棄物等と同じような体制をぜひとっていただきたいということが、お願いであります。

(酒井主査) どうもありがとうございました。中杉委員お願いします。

(中杉委員) 2点ございますが、その前に眞柄先生が北海道の話をされたので、東京営業所の環境安全委員会の場では、JESCOに少なくとも毎年、将来を見通した計画を立ててもらうように言っている。これは、掘り起こし調査等これからどんどん処理対象量の確度が高くなってくることを踏まえて毎年将来の見通しを更新していくということにしないと、どうしても心配である。毎年1回でいいのかどうかというのもまたあるのですが、確度を高くしたものをつくってもらわないといけない。
 私は、別の話で、豊島で産業廃棄物の不法投棄の処理のところにも係っていますが、あちらも毎年計画を立てており、調査をやっていくことによって量が変わってきます。それに応じて毎年計画を立て直す。そして最終的に期限までにできるということを確認していくことやっていますので、そういうことをやっていただくようにお願いしています。
 あと、2点です。1つは13ページのところで先程事業者の方からお話があった、計画的な処理をしていることに対する配慮という、これは仕方がないのだろうと思うのですが、実際にこの辺のところで注意をしていただきたいのは、JESCOとうまく連携をとっていただく必要がある。23ページに書いてありますし、事業者の方もそのように言われたのですが、どうしても心配なのが、事業者の計画は実際どうなっているのか。どうしても期限ぎりぎりに処理計画を持っていくということが方向性としてはあるのだと思うのですが、そうなると最後にどっと集まってきてJESCOのほうはどうしようもないという話になりかねない。そこが一番問題があるだろうと考えています。
 そういう意味では、お互い連携して情報交換をしてやっていただく。場合によっては事業者の方が、こういうように計画して処理したいといっても受けられないということも十分あり得るだろう。そういうことは了解していただいてお話をしていただく必要があるということは、一言申し上げておきたいと思います。
 もう1点は、低濃度PCBについて、先程ほかの委員からも御意見がありました。低濃度PCBの課題のところは高濃度に比べて非常に緩い。緩いというよりも前段階のところになっています。まず実態を把握するために、どうしたらいいのかというところから始めています。ですから、ここについてはこれからの見直しがものすごく必要になるので、例えば今日やっているような会議を低濃度についてはもう少し進捗した段階で何回もやらなければならないのではないかと思います。そこら辺のところに十分留意をしていただければと思います。

(酒井主査) どうもありがとうございます。続いて上野委員、お願いいたします。

(上野委員) 大阪事業所監視部会の上野でございます。先程、電気工作物の範囲について御説明をいただきましたが、追加的方策の特に高濃度につきましては13ページの下から4行目のところに電気事業法の電気工作物に該当しないPCB使用製品についての記載がございますが、この辺のところの記載がまだ少し曖昧ではないかと感じております。具体的にはPCB特措法で対応できるのですが、例えば安定器とか船舶、車両、そういったものに対するものや使用中のものについては、今は把握できないわけですので、廃棄物になった時点で実際に対象になってくるわけです。そこら辺の対応をもう少し詳しく書き込む必要があるのではないかと思います。
 特に新幹線の車載トランスにつきましては、既に廃棄物として実際にJESCOのほうで対処しております。この書き振りですと、その辺りが見えてこないという感じがしております。
 あと28ページのほうも低濃度で同じ書きぶりがございますが、これも同じかと思っております。この辺も含めまして、特に低濃度のものについては、さらに調査対象外となっているということになっておりますので、もう少し書き振りを掘り下げていただいたほうが、これからの進捗状況をさらに検討する上で、特に調査の対象になってくると思いますので、そこら辺のところをもう少し詳しく書いていただいたほうがよいと思いました。
 それともう1点、8ページの掘り起こし調査です。アンケート調査の回収率が50%ほどしか現時点では見込めないということで、そのために報告徴収とか立入検査を行うことを可能にするという旨が書いてありますが、回答することが特に対象事業者にとって有利になるような検討も必要ではないかと思っております。ぜひ御検討いただければと思います。以上です。

(酒井主査) ありがとうございます。続いて松田委員、お願いします。

(松田委員) 資料1の12ページの下から3行目のところについてお伺いします。処理期限に関係して、一定の期限を設けてPCB使用製品をというところです。先程、JESCOの長期処理の見通しを説明されて何となく納得した気になりましたが、若干まだきめが粗いというのが率直な感想です。眞柄先生のおっしゃったことと私も基本的に変わっていません。
 処理期限あるいは使用期限を決めない限りは、きめ細かな進捗の管理ができないのではないかと思います。前回のワーキンググループでも申し上げたのですが、処理期日から遡って現在に至るまでをバックキャストするためには、この期限をきちんと決める必要があります。もう少し定量性を持った書きぶりにしていただきたい。
 次に、豊田事業所ですから低濃度PCBについては直接関与しませんが、個人的な意見として申し上げます。確かに低濃度PCBは高濃度PCBに比べれば毒性の観点からはハンドリングしやすいと思うのですが、いろいろなPCB処理方法があります。あるいはPCB汚染物もいろいろな形態がありますので、処理の技術的な問題あるいは困難性に関しては、1つはJESCOの高濃度PCB処理のノウハウを共有化することが大事だと思います。民間の処理業者さんたちがやっていらっしゃるものについても、それぞれの処理困難性の洗い出しをして、掘り起こしから始まって使用製品の廃棄というところも絡めてやっていただくほうがよいと思います。先ほど中杉委員がおっしゃったとおりと思います。処理の固有の問題を抱える方々、あるいは収集、管理、掘り起こし、廃棄物化といったところで、それぞれの分野のエキスパート、あるいは直接それに携わっていらっしゃる方々を交えた新しい検討委員会を立ち上げないと、今のままでは何も進まないのではないかなと危惧しています。その点もあわせて御検討いただきたいと思います。以上です。

(酒井主査) ありがとうございます。続いて田畑委員代理の梶川さん、お願いします。

(梶川代理人) ありがとうございます。北海道庁の梶川と申します。
 経済産業省さんに確認をさせていただきたいのですが、電気事業法に基づく電気工作物の届出のリストの精度が低いというところは、既に課題として取り上げられているところです。前回私どものほうから、例えばでございますが、電気保安協会さん、電気管理技術者協会さんといった方々が、日常の電気施設の点検を行っていると承知していますので、そういった方々の情報を届出のリストに反映させるということが現実的にできるのか、できないのか。もしできるのであれば、私ども北海道といたしましても、例えば地方版の関係者連絡会といった場を活用してそういう取組について協議したいと思っておりますので、その点について教えてください。

(酒井主査) ありがとうございます。宮金委員、お願いします。

(宮金委員) 北九州市の宮金でございます。よろしくお願いいたします。
 本編の資料の高濃度のフローチャートの各フェーズの中でそれぞれの追加的方策を今回書き込んでいただいていて、今まで3回にわたるワーキンググループの各委員さんのほうからの御指摘等も含めて書いていただいておりますが、印象としてはまだざくっとした書き方になっている。これはやむを得ないところもあろうかと思いますが、今後法改正とかその他の制度を改正していく中で明確にしていかなければいけない項目も当然出てまいりますので、そこを明記していただく際には本当に各委員さんが御発言いただいた趣旨をとらえていただいて、実効性のある書きぶりにしていただきたい。ゆめゆめ書くことによって、自治体が事業者に対する指導をする際にマイナスのほうに働いてしまうような書ぶりにならないようにしていただきたいのが1点でございます。
 それからちょっと各論でございますが、掘り起こし調査でございます。これについては前回、前々回と私は発言をさせていただきましたが、今、国のほうが作られております掘り起こしマニュアルの範囲では、全部のPCB廃棄物を見つけ出すにはちょっと手薄かなという印象をいまだに拭い切れていません。今後、他の自治体なんかはこれに基づいて掘り起こし調査をやっているところが大多数だと思われますので、ここによって全部が見つけられればいいのですが、このマニュアルに従って掘り起こしをしました。しかし、処理期限を過ぎても新たにまた発見されましたみたいなことになってもまずいのではないかと思いますので、この辺のマニュアルの見直し等も今一度御検討いただければと思います。
 併せまして、電事法上の届出のデータの精度の向上ということもずっと言われてきております。環境省と経済産業省でもいろいろリンクしてデータを都道府県市にも提供していくということで考えておられるようなんですが、ここは一番スピード感を持ってやっていただかなければならないところだと思っております。というのもまず把握が一番最初のフェーズに来ていますので、ここのデータがいい加減であると次に進めない。これは余談になりますが、実は北九州市では低濃度の掘り起こし調査を始めております。これで電事法のデータを活用させていただいているのですが、市内約5000事業所にアンケート調査票をデータに基づいて送りましたら、現在700~800戻ってきている状態です。ここには連絡先も何も書いていないのでフォローアップできないような状況になっているので、このあたりはもう一度考え直していただきたいと思います。
 資料の23ページの処理施設の健全性を確保するための方策ということで、今回新たに記載していただいたと思うのですが、このワーキンググループは早期処理推進のためのワーキンググループということを承知した上で、最後に北九州市はPCB処理事業所の立地自治体として一言意見、要望も含めて発言させていただければ、やはり期限内処理というのも非常に大事なミッションであることは間違いないと思いますが、その前段にあっては安全性の確保がまずありきの確実な処理なので、今回JESCOさんも参考資料で御報告いただきましたけれども、北九州市は今地元では非常にゆゆしき状況にあります。今後はこれをゆめゆめ忘れずに安全性第一ということを考えた上での早期処理ということで、環境省がリーダーシップを発揮していただいてやっていただければと思います。以上です。

(酒井主査) ありがとうございます。野崎委員どうぞ。

(野崎委員) 東京都の野崎でございます。東京都のほうから報告2件と1件要望をお願いしたいと思います。
 まず報告の1点目でございますけれども、東京都ではこの秋に自家用電気工作物設置者約6万件のPCB廃棄物と使用中のPCBについての調査を行いました。まだ速報ということでございますが、6万件中約3分の1、居所不明で返ってきてしまいました。有効対象が約4万件ということになりますが、そのうち今のところ約44%の回答がございました。残りの56%について、今電話によりまして促して何とか今年度末、3月末までに確定していきたいと考えています。
 また来年度以降のフォロー調査につきましては、まだ都として予算は決定しておりませんが、予算要求をしてございます。予算がつけばさらなる電話による調査、立入確認というところまで持っていって、何とか3年以内ぐらいにきちんとした形での数字をつかんでいきたいという現状でございます。
 ただ、今回の調査の中にPCBとはどういうものですというチラシも一緒に混ぜたところ、そちらの反響も多くございました。PCBというものを初めて知ったという方もかなりまだいらっしゃる現状です。それによって微量PCBの分析をどうするとか、高濃度はどう処理するという御説明をかなりの件数、東京都のほうからさせていただいています。
 また2点目の報告ですけれども、微量PCBの分析と処理については中小企業等における国等の補助がございませんので、都としては独自に補助制度をつくって5年間活用してございます。また、来年度以降もできれば延長ということで考えている最中です。このたび都では東京電力さん、保安協会さん、関係団体、関係会社に御協力をいただきながら、早期処理に向けたチラシを配布してもらったり、東電さんからメールで関係団体に送っていただいたり、また講習会で私どもが説明したりという地道な活動をやったところ、都の微量PCBの分析補助制度の申請件数が一気に上がりました。やはりPRしていけば、先ほど調査票の中にチラシを入れて反響があったとお伝えいたしましたが、PRをしていけば1件、2件、数件、数十件、数百件かもしれませんが、確実に現状が把握できてくるということを身をもって体験できましたので、さらにPRに自治体としては努めていくべきと考えています。
 要望といたしましては、本日までの会議の中で、早期処理に向けた課題、方向性、特にそれぞれの機関が何をやればいいかということがかなり明確になってきました。先ほど複数の委員の先生からお話がございましたが、これからはそれぞれの機関が具体的にいつまでに何をやるかという、先程の中杉先生のお話ではございませんけれども、それも毎年状況は変わってくるものです。例えば都内の高濃度PCBの電気機器の8~9割方は処理が進んでいるという状況です。これから残るのは安定器とか微量PCB、さらに言えば残りの高濃度の電気機器ということになりますので、それぞれの対象が毎年変わってくる状況の中で、それぞれの機関がロードマップをつくって何をやっていくかというのを具体的にすり合わせながら、今後は進めていく必要があると感じております。以上でございます。

(酒井主査) 田和委員、先ほど御発言されましたが、また追加での発言でしょうか。では田和さん、どうぞ。

(田和委員) 2回目、石油連の田和です。先程の中杉先生のお話で、私は石油会社のことしか知らないのですが、各社さん数十年にわたってPCBの保管管理をしているのは結構負担になっているということです。やはりこういった負の遺産は1日も早く処理したいというのは皆さん考えていらっしゃいます。ただ、中杉先生がおっしゃるように、私どもが身勝手に処理計画をつくっても絵に描いた餅になってしまいますので、やはりJESCOさんも積極的に情報を出していただいて、ちゃんとした計画になるように、そこはお互いに協力調整してつくっていきたいと考えています。以上です。

(酒井主査) 近藤委員、どうぞ。

(近藤委員) 豊田市の近藤でございます。
 PCB処理に当たって安全性というものが非常に重要かと思います。国とJESCOさんのほうにお願いをしたいと思います。実はベンゼンの事故は豊田市でも以前あった事象でございます。そういったものを横展開するということで、各事業所のほうでいろいろ検討していただいていると思いますが、同じような事故が他の処理施設でも起こるというのは、横展開をしていますと安全監視委員会で言われている豊田市においても非常に問題のある事故だと思います。各処理施設で出てしまったトラブル、小さな事故から重要な事故まできちんと共有化を図って、二度とそういうものが起きないようにしていただきたいと思います。以上です。

(酒井主査) どうもありがとうございました。それでは委員のほうから一通りの御意見をいただきました。まず、3回にわたりワーキンググループを開催させていただいたわけでございますが、ここでの議論内容は、親検討会でございますPCB廃棄物適正処理推進に係る検討委員会において、この議論結果を報告させていただいて、さらに議論を深めていただきたいと考えております。その中で、今いただきました御意見の中には確認的な事項もございましたので、そのやり取りを事務局との間でやらせていただきます。また両省からは、最後に今後の関係でのコメントをいただく時間も用意をしておりますので、まずは今の質疑ということで、確認的な事項があったところを中心に、まず環境省の事務局のほうから個別の御意見に御回答いただけるところをいただくという形でまいりましょうか。

(中野課長補佐) 移動体のPCB機器に関する把握について御指摘、御質問的なことをいただいたかと思いますが、前半のところでも申し上げましたとおり、使用中のもの、特に移動体のものについては、私どもが把握している限りにおいては、それをトレースできるような仕組みになってございませんが、現時点ではPCB特措法で廃棄物になったものは届出をしていただくということになっております。
 今回の報告書においては、そうしたもともとPCB特措法で使用中の部分、特に都道府県市で把握できていないところも含めて、そこを把握できるようなことにしていくべきではないかといったところが、提案として追加的方策として書いてございますので、まさに今後そこに取り組んでいくということになると考えているところでございます。

(酒井主査) 移動体に関しては、今の御回答のとおり、少し今の追加的な方策案に加筆をしていくような方向になるのではないかと思いますので、上野委員、大塚委員から御指摘のあったところの御意見を踏まえて、よろしくお願いしたいと思います。
 あと確認的な話で北海道の梶川さんのほうから電気工作物に向けて電気保安協会の情報リストアップの活用等に関して経済産業省のほうに御質問があったかと思います。また、大塚委員からは安定器を電気工作物の対象とすること等についての御意見もいただきました。このあたりに関して先にまず御回答いただけますでしょうか。

(磯部電気保安室長) いつも貴重な御意見をありがとうございます。電事法の届出のデータ精度が低いことへの対応については、電気保安法人あるいは電気管理技術者による点検の際にPCB機器の確認などを行うことが必要かと思います。それともう一つ、使用中の機器の一定期限内での処理をさせるべきとの意見をいただきました。この2つの問題については、この場で明確な方向性は示すことはできませんが、いただいた御意見を重く受け止めて内部でしっかり検討して、できるだけ早期の処理ができるような制度などを整備していきたいと思います。ありがとうございます。

(酒井主査) 梶川さんからは、そもそも情報リストアップが可能で、それを統合していくことが可能なのかどうかということについての見通しについての質問と認識しているのですが、その可能性は相当ありそうなものなのかどうかということも、今は回答は無理でしょうか。

(磯部電気保安室長) どういう形でできるか、まだこの場では明確には御回答できません。きちんと制度化するのか、それとも協力ベースでやるのかということも含めて、内部で検討させていただきたいと思います。

(酒井主査) では方向性としては意見として、お聞きいただければと思います。
 それでは、今ポイントだけ御回答いただきましたが、この段階で全体的にまず、電力安全課、環境指導室、それから環境省という順番でコメントをいただきましょうか。その上で、もし追加でどうしてもという御意見があれば最後にお聞きするということで、既に電力安全課さんには御回答いただいていますが、全体を通じてほかにコメントがございましたらお願いいたします。

(磯部電気保安室長) 電力安全課でございます。これまでこのワーキングでさまざまな御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。只今申し上げましたとおり、いただいた御意見は重く受け止めて、早期の処理が達成できるように電事法の制度、あるいは関連した規定類の見直しの検討を行っているところでございます。今後とも環境省との連携を密にして、早期に適正な処理ができるような制度をきちんと整備できるように取り組んでいきたいと思います。貴重な御意見をありがとうございました。

(酒井主査) ありがとうございました。では環境指導室、お願いいたします。

(権藤越境移動管理官) 環境指導室でございます。
 ワーキンググループ委員の皆様には短期間に活発な御議論をいただき、報告書を取りまとめていただきまして、ありがとうございました。当省といたしましては、今後、今回の報告書に示された方向性に従いまして、環境省とも十分連携しつつ高濃度PCB廃棄物の計画的処理完了期限内の処理促進のための必要な方策について検討を進めてまいります。
 また高濃度と低濃度の違いなどPCBに関する正確な知識の啓蒙、PCB廃棄物処理の必要性や処理支援策に関する事業者などへの普及啓発にも環境省、製造事業者、JESCO、自治体様等とも連携しまして、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 低濃度PCB廃棄物につきましては、報告書案において処理体制の充実、多様化と処理料金の低減といった方向性を示していただきましたので、引き続き課電自然循環洗浄法の対象範囲の拡大や絶縁油の抜油後の筐体の合理的な処理方策について官民連携して検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

(酒井主査) ありがとうございます。それでは環境省、お願いいたします。

(角倉課長) 本日は委員の先生方におかれましては、大変貴重な御意見を賜り、ありがとうございます。本日までにいただきました御意見につきましては、私ども環境省といたしましても重く受け止め、しっかりとPCB廃棄物の早期処理推進に向けて、取り組んでまいりたいと存じます。
 また今回の議論を踏まえまして、引き続きまた親検討会において御議論を賜るということでございますが、そこでさらに今後いただく御意見も含めてしっかりと私どもとして受け止めてまいりたいと考えております。
 その上で本日、特に御意見をいただきました点としまして、今回御議論いただいたいろいろな追加的な方策について、これをどう実効性のあるものにしていくかということが一番大事であるという御指摘を数多く賜ったと理解しております。
 まず1つは、今後制度化を検討するに当たりましては、今回の追加的方策案について御意見を賜った分について、いかに制度の中にしっかりと盛り込んでいくのか。その際に、北九州からも御意見を賜りましたように、それをしっかり実効性のあるものとなるような方向でぜひ検討すべきだという御意見を賜りました。
 また、そのほかの御意見といたしまして、今回実際にこの取組が順調にうまくいくようにするためには、各関係者間のいろいろな調整連携作業が必要になります。特にJESCOの処理計画と事業者の皆様方の実際の処理計画のすり合わせといったものが大変重要となってまいりますので、そうしたことについても、今回の資料の中には幾つか書き込ませていただいている部分でございますが、制度化の検討に当たってはそういう部分についてもしっかりと配慮すべきであるという御意見を賜ったと考えております。
 さらに実効性という観点からは、前回もいただいた部分でございますが、進捗管理ということが非常に重要であるという御意見を賜りました。例えば、今回の資料案の中に盛り込まれている中で使用中の製品について、一定の期限を設けて、使用の廃止などが書いてあります。あとは掘り起こし調査についても、例えばこれは具体的にいつまでにということは実際ここには書いておりません。さらに、先程申し上げたところでございますが、処理の計画、各事業者の皆様方、あとJESCOの処理計画とのすり合わせをどうつくっていってどう実効性のあるものにしていくのか。その中には、JESCOとしての処理の見通しのロードマップをしっかり示していくべきであるなどの御意見も賜ったところでございます。
 いずれにしても、進捗管理をしっかりしないと実効性のある取組にはならないという御指摘かと考えております。本日までに賜った御意見を踏まえまして、この進捗管理はどういった仕組みでどのようにやっていくのがいいのか、これは私どもとしてしっかりと考えていかなければならない課題だと受け止めております。
 実効性の確保、今後どうするのかということについては、そういった御意見だったかと思いますが、特に各論で御意見を賜った中で、本日大きな御議論となりましたのが、使用中のPCB使用機器について電気工作物として電気事業法の対象になっていないものがある。その1つが安定器であり、もうひとつが船舶、航空機等の移動体に使われているPCB使用機器の部分でございます。電気工作物の部分については、現在、電気事業法の体系でしっかりとした取組をするということで、経済産業省さんのほうでも大変力強いお言葉をいただいているところです。それでは残りの安定器、移動体の部分、電気事業法の対象になっていない部分の取組の検討内容がまだ弱いのではないかという御指摘を本日賜りました。
 この点につきましては、私どもとしても重く受け止め、さらにどういった対応が考えられるのかということについて、しっかり考えてまいりたいと考えております。
 さらにもう一つ各論で大きな御意見を賜った部分としては、今回の資料案におきましては、高濃度のPCBについてはかなり具体的に対策が盛り込まれているところでございますが、低濃度の部分についてはやはり高濃度と違うというところでまだ検討課題が多く、今後引き続き考えていくべきだという御議論になっているところでございます。ただ、低濃度の部分につきましてもしっかりやらなければならないということで、数々の課題について今後引き続きしっかり検討すべきであるという御意見を賜りましたので、ここの部分につきまして、私どもとして重く受け止めまして、今回の議論を踏まえて低濃度についてもさらに今後どのようにやっていくかということは、継続的に先生方の御意見も踏まえながらしっかり検討してまいりたいと考えておりますので、引き続き御指導を賜りたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。

(酒井主査) どうもありがとうございました。委員からの御意見に対しまして、両省から一通りの説明をいただいたところでございます。その上でどうしても最後に御発言ということで御意見のある委員の方はいらっしゃいますでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは今お答えいただいたところ、特に最後、角倉課長から要領よく全体の方向性、コメントをいただきました。特に1点だけ、私のほうからお願いをしたいのは、PCB処理対象についてです。電気工作物の対象外となっているもの、そこに安定器、移動体という結構大きなPCB処理対象物がありそうだという整理ですので、これをどう今の電気事業法、PCB特措法等の中で対処していくかという話になっていくと思います。ぜひ、その中で先程、具体的に大塚委員から御指摘がございましたが、安定器をそもそも電気工作物として考えられないのかといったあたりの御意見も十分尊重いただきまして、御検討のほうを進めていただきますようよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本日いただきました皆様方の御意見を踏まえまして、今回の追加的方策案の必要な修正を行った上で、今度12月11日に「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」が開催されますので、そちらに諮るということにさせていただきたいと思っておりますが、そういう方針でよろしいでしょうか。

(うなずきあり)

(酒井主査) どうもありがとうございます。それではそういう方向で進めさせていただきます。
 委員の皆様におかれましては短期間にもかかわらず、活発な御議論、御意見をいただきました。また、議事の円滑な進行に御協力いただきましてどうもありがとうございました。
 それでは本日の議題は終了ということで、事務局のほうにお返しいたします。

閉会

(鎌形部長) 廃棄物リサイクル対策部長の鎌形でございます。会議に遅れての出席になりまして、誠に申しわけございませんでした。
 本日は本当に活発に御議論をいただきました。どうもありがとうございます。この9月から3回にわたって、非常にタイトなスケジュールでお願いいたしました。PCBを安全確実に、そして1日も早く期限内に処理をするための追加的方策ということでの御議論をいただきました。
 御議論はかなり整理いただいたと思います。ただ、その整理をいただいた中には方針をお示しいただいたもの、私たちに課題としてある意味宿題として投げていただいたものがあると思います。具体的には掘り起こし調査の強化、そして使用中の高濃度PCB使用製品への対応強化、そして高濃度PCB廃棄物の確実な処理のための対応の強化、そして低濃度PCBの使用製品、廃棄物についての取組、大きくこういった4点についての方向性、あるいは課題としてお示しいただき、議論を整理いただいたということでございます。
 先程、座長の酒井先生からもお話がございました、いわゆる親検討会でさらに御議論を深めていただくということで11日に開催させていただきたいと思ってございます。そうした親検討会での議論を深めていただいた上で、私どもとしてもその結果を踏まえまして、先程申しましたPCB廃棄物の安全確実なそして期限内の1日も早い処理に向けて体制づくりにしっかり取り組んでまいりたいと思ってございます。
 このワーキンググループの主査をお引き受けいただいた酒井先生、どうもありがとうございました。今後ともPCB対策につきまして、引き続き御指導を賜れればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

(角倉課長) それでは本日御議論をいただきました内容を踏まえまして、追加的方策案につきまして、主査の酒井先生と十分御相談をさせていただいた上で必要な修正を行い、12月11日金曜日に開催されます本ワーキンググループの親検討会に当たります「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」にて、さらに御議論を深めていただきたいと考えてございますので、どうかよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。