第31回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会議事録

日時

令和4年3月30日(水) 1000~12:00

場所

WEB方式(YouTube配信)

開会

(切川補佐) それでは、ただいまから「第31回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」を開会いたします。
 初めに、環境省環境再生・資源循環局の室石局長から御挨拶をお願いいたします。

(室石局長) 皆様方には日頃よりPCB廃棄物の処理の推進に御理解、御協力を賜りましてありがとうございます。とりわけJESCOの各事業所の立地自治体の皆様には格別の御高配をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。
 初めに長く本検討委員会の委員を務めていただいておりました田辺先生ですが、委員御辞退という御連絡をいただいております。そのため、御退任ということで手続きをさせていただきました。田辺先生のこれまでの御指導に感謝を申し上げたいと思います。
 本日の委員会ですが議題1と2におきまして、高濃度PCB廃棄物の処理の推進状況、明日3月31日で変圧器・コンデンサー等について大阪事業エリアが計画的処理完了期限を、さらに豊田・東京・北海道事業エリアが処分期間末を迎えますので、それぞれの着実な処理の実施に向けた取組状況等について御報告いたします。
 議題の3ですが、令和9年3月末に低濃度PCB廃棄物の処分期間末を迎えます。5年ありますが、低濃度PCBの裾野の広さを考えると取組を加速化させなければならないという時期に入っておりますので、低濃度PCB検討会での議論の状況などを御説明いたします。
 議題4ですが、北九州事業所の変圧器・コンデンサー等を処理していただいていた1期施設の解体撤去工事を行っておりますが、世界的に見ても経験のないものでありまして、非定常業務となる処理施設の解体撤去についても安全・安心に行うため、さまざまな取組を行っております。その取組についてJESCOから説明をいただく予定です。
 環境省としては、引き続き経済産業省を初めとする関係省庁と連携しつつ、自治体、JESCO、産業界の皆様と一丸となってPCB廃棄物の処理が1日も早く進むよう全力を尽くしてまいりたいと思います。
 本日は皆様の活発な議論をどうぞよろしくお願いいたします。なお、大変恐縮ですが、実はほかの委員会が重なっている関係もありますので、11時頃までの参加とさせていただきます。途中退室されていただく予定でございますが、申し訳ございません。今日はどうかよろしくお願いいたします。

(切川補佐) ありがとうございます。本日の委員の出席状況を御報告いたします。15名の委員のうち、11名に御出席いただいてございます。森田委員、伊規須委員、鬼沢委員が御欠席でございます。また、高原委員が遅れて御参加の予定です。
 委員の皆様には資料をあらかじめメールで送付させていただいたております。不備等ありましたら、事務局にお知らせください。また発言される際には、Webシステム上の挙手ボタンを押してお知らせいただければと思います。
 それでは、これ以降は座長の永田先生に進行をお願いいたします。

議事

(永田座長) どうも皆さんおはようございます。お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 先ほど室石局長から田辺先生の委員辞退のお話を聞かせていただきました。田辺先生とは平成15年、2003年になりますけれども、この委員会の前身の時代から参画いただいて、20年間にわたりまして場面場面で適切な御指導、御助言をいただきました。北九州での本格的な処理が始まる前からいろいろ御助言をいただいたわけでございます。本当に長い間ありがとうございました。
 先生の思いは我々も共有しております。PCBの廃絶に向けまして最大限の努力をしてまいりたいと考えております。これからも先生には御支援のほどをお願いしておきます。
 それでは初めに議題1番目、高濃度PCB処理の進捗状況について、環境省のほうから説明していただいた後に議論をしてまいりたいと思います。それではどうぞ。

(神谷課長) それでは、資料1-1の御説明をさせていただきます。高濃度PCBの処理の全体状況でございますけれども、この資料につきましては、昨年の10月の前回の検討委員会の中で御説明をしました内容を抜粋して掲載しております。処理の期限が近づく中で、掘り起こしが進んできたということもございまして、事業の処理完了の見込みを事業ごとに立てましたところ、計画的処理完了期限の終わりまでの処理完了が難しくなったということがございます。
 そうした状況、さらに北九州事業エリアにおいて変圧器・コンデンサー等の処理事業が終わった後、掘り起こし時の見落とし等の理由から新規で多数のコンデンサー等が発見されたため、所有者においてコンデンサー等を継続的に保管いただいている状況、こうした課題に対応するため、4ページにありますような内容で、JESCOのPCB処理施設の立地自治体の方々に処理完遂に向けて事業継続の要請をする。あるいは北九州事業エリアで発見された継続保管物について、令和4年度、5年度に大阪または豊田の事業所で広域処理を行うといった内容の要請を昨年9月、環境大臣からそれぞれの立地自治体の長の方に要請をしたというところでございます。
 現在この要請について、私どもで地元の自治体での説明会を行い、さまざまな御意見をいただいているところであります。この要請に対する御返事をいただいた上で今後の対応を行っていくということでございまして、今日の時点では、現在継続中であるという御報告になりますけれども、いろいろいただいた意見をいずれにしてもしっかり踏まえながら、今後の事業について安全の留意を行って対応していきたいというふうに考えでございます。私からの説明は以上でございます。

(切川補佐) 続きまして、資料1-2の御説明をさせていただきます。こちらは大阪事業エリアの変圧器・コンデンサー、並びに北九州、大阪、豊田事業エリアの安定器・汚染物等が計画的処理完了期限末をこの3月末に迎えますので、それに向けた状況を御説明させていただきます。
 1ページ目を御覧ください。下に図がありますけれども、この図の中で真ん中の計画的処理完了期限の令和3年度のところが該当する箇所になってございます。処分期間が令和3年3月末に到来してございまして、令和3年4月以降12月末までは改善命令と改善命令違反、もしくは不存在の代執行を行っていただきました。さらに1月以降につきましては、不存在の代執行といとまなき代執行を実施いただいてございます。また北九州事業所で処理しております、安定器・汚染物等に関しては、1月以降は継続保管ということで対応させていただいてございます。
 次のページを御覧ください。こちらは参考で制度の御説明をさせていただいてございますけれども、高濃度PCBの行政代執行を行う場合の費用負担に関する制度の説明でございます。
 次のページを御覧ください。3ページは行政代執行を行う際の支援事業の説明でございます。こちらは下のほうに具体的な支援内容を入れておりますけれども、代執行に係る書類作成や代執行における現状確認等の実施、こちらの補助をさせていただいてございます。
 その次のページを御覧ください。4ページ目は具体的に大阪事業エリアの変圧器・コンデンサー等の実施例となっています。大阪事業エリアに関しましては、9府県市で合計9件の改善命令または代執行の対象となった事案がございます。うち2件に関しては改善命令を発出した後に代執行を実施いただいたものになってございます。残りの7件については不存在が理由でございましたので、代執行を実施いただいてございます。下のところに代執行を行いました例を入れさせていただいてございます。
 次のページを御覧ください。5ページ目でございます。北九州・大阪・豊田事業エリアの安定器・汚染物等の代執行の事例でございます。こちらは7府県市で合計9件の改善命令または代執行の対象となった事案がございまして、うち8件が代執行を行ってございます。下のほうにその例を入れてございまして、特に1つ目の小型コンデンサーに関しては、水銀灯の安定器のコンデンサーのみ73,000個が地中保管されていた事案がございまして、これは代執行を行ってございます。
 最後のページを御覧ください。北九州・大阪・豊田事業エリアの安定器・汚染物等に関しては、継続保管をしていただくときの指導体制を強化してございます。具体的には継続保管になる方々に関しては、令和3年12月末の最終営業日以降に関しては、地方環境事務所のほうに届出をしていただくということで、継続的な保管の指導を行ったりとか、状況を把握しようということで取り組んでございます。こちらが資料1-2になってございます。
 続きまして資料1-3に移ります。資料1-3は豊田・東京・北海道事業エリアの変圧器・コンデンサー等の処分期間末に向けた取組でございます。1ページ目を御覧ください。初めに掘り起こしにおける発見事例の情報提供ということで、これまでの掘り起こし調査におきまして、主な発見事例や分かりにくかった、発見しにくかったものに関して事例集を作ってございます。それを用いて掘り起こしを実施していただいてございます。
 特に例として入れておりますけれども、暗いところの箱の中にコンデンサーがあったりとか、その下のように壁と柱の間に置かれていたとか分かりにくい事例がございますので、こういったものを原因分析しながら発見のときに使っていただいている状況になってございます。
 次に2ページ目を御覧ください。こちらは掘り起こし調査になってございます。詳細な情報を別紙1のほうにつけでございますので、併せて御覧いただければと思います。掘り起こし調査に関しましては、豊田・東京・北海道、それぞれの進捗状況を下の表でまとめてございまして、おおむねこの12月末時点で調査が終了している状況になってございまして、未回答事業者が合わせて200弱という状況になってございます。そのときには先行地域の知見ということで、北九州事業エリアにおいては自家用電気工作物の掘り起こし調査においてP協データの活用が有効でしたので、それを活用いただくとか、最終通知を多く出すとその後新規発見がある可能性が高いので、そこに関しては可能な限りフォローアップをいただくということでさらなる取組をお願いしてございます。
 3ページを御覧ください。こちらは非自家用電気工作物の取組となってございます。非自家用電気工作物の中で特に発見事例が多かった溶接機、昇降機の制御盤、こちらに関しましては東京都様、JESCOの協力を得て右にありますようなちらしを使って、積極的な掘り起こし周知を行っている状況になってございます。
 次のページを御覧ください。4ページは地方環境事務所の取組になってございます。自治体担当者に対する情報提供や勉強会、②個別事案に対する現地訪問において仕分け作業の支援、進捗状況について打ち合わせを実施してございます。
 ③が相互連携でございます。経済産業省の産業保安監督部の情報提供を受けて、自治体とともに次の計画を立てるといった取組もさせていただいてございます。
 最後5ページ目を御覧ください。こちらは別紙2のほうにいつもの変圧器・コンデンサーの未処理事業所数をまとめた表をつけてございます。これを簡単にまとめたものになってございまして、豊田・東京・北海道それぞれ未処理事業所数の割合が10%を切っているという状況になってございまして、おおむね未処理事業所に対しても対応ができているという状況になってございます。まだ未処理事業所は1000弱ございますので、引き続き取り組んでいくと考えてございます。
 最後が資料1-4になってございます。こちらは年次報告のものになってございます。PCB特措法に基づくPCB廃棄物の保管等の届出の全国集計結果になってございます。めくっていただきまして資料の2ページ目、3ページ目を御覧いただければと思います。表の1がPCB廃棄物の保管状況の令和3年3月末時点の状況になってございます。同じようなフォーマットで高濃度、低濃度、濃度不明というので、それぞれ廃棄物の種類ごとに保管量を示したものが表-1になってございます。表2がそれの所有状況になってございまして、具体的には3ページを御覧いただければと思います。参考表に保管状況と所有状況、それぞれの変化量を示したものになってございます。特に大きなおかしいなというところはありませんので、御報告とさせていただきます。以上で説明を終わらせていただきます。

(永田座長) どうもありがとうございました。ただいまの説明に対しまして、御意見、御質問等がありましたら挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
 まず皆さんにお考えいただく間に私のほうから確認です。資料1-3の別紙1、1ページ目に上の表があります。先ほども御説明がございましたが、豊田、東京、北海道の処分期間を迎えた段階の状況のものですが、その下の既にそれを過ぎた北九州、大阪と比較すると、最後の欄の最終通知発出数というところが、かなり大幅に減っているなという印象を受けます。これは、先ほどもございました先行事例の反省で調査が十分に行われないと、最終通知を出す量が多くなって、それが新規発見物につながっていくということになろうかと思います。この通知を見る限りではそれが減っていくだろうというような想定ができるというふうに考えていいでしょうか。具体的に既にその辺のところが見えているのかなと思っていますので、その関係について何かありましたら、コメントをいただけますか。

(切川補佐) 環境省です。御回答させていただきます。座長が御指摘のとおりでございまして、最終通知を送る数をなるべく減らすように向けてさまざまなフォローアップをすることが重要であるということに関して、北九州市さんを始め各立地自治体の方々に多大な御協力をいただき、説明会ということで自治体を回って、教訓や経験などを説明いただくという機会を昨年度まで複数回開催してございます。その影響もありまして、豊田、東京、北海道の事業エリアにおきましては、最終通知の数が減っているという状況になっていると考えてございます。

(永田座長) 新規発見につながりそうなものも数が減りそうだと理解していいですか。

(切川補佐) 新規発見がなるべく減るように一生懸命取り組んでまいります。

(永田座長) 浅野先生、御発言ください。

(浅野委員) かなり順調に進んでいることが報告されましたので、大変ありがたいことだと思っています。代執行も私が思っていたよりも件数が少なくて済んでいるのですが、代執行でどの程度の自治体に助成をしたか、総額幾らぐらいになっているかというのは分かりますか。

(永田座長) 事務局のほうで答えます。

(松岡補佐) 環境省廃棄物規制課の松岡です。助成額ですけれども、代執行基金から行政代執行に対する費用は出しております。この1年間、大阪の変圧器・コンデンサーと北九州、大阪、豊田の安定器汚染物、それら全て合わせると今年度で1億円強という結果です。

(浅野委員) 分かりました。結構な金額になりますね。引き続き代執行が少なくなることが望ましいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(永田座長) ありがとうございました。それでは、川本先生、どうぞ。

(川本委員) 資料1-3の1ページ目のスライドで、掘り起こし調査での発見事例ということで、2つ薄暗い場所に置かれていた見つけにくいものという趣旨での2点の例だと思います。かなり個別の特殊なケースということで、これがそれぞれの事業エリア内でこういったものをうまく見つけることが可能なのか、あるいはこういったことはごくわずかなので、ある意味割り切りが必要なのか、留意点として電気主任技術者に確認、立入調査で自治体ということがありますけれども、多分これは両者がともに一緒に確認しないと、こういったものを見つけ出すのは現実的には難しいと思います。どのように今後こういったことに力を入れようとするのか、あるところで割り切りをするのか、どんなふうにお考えなのかをお聞かせていただきたいと思います。

(切川補佐) 環境省から回答させていただきます。この点に関してはかなり力を入れて今後も掘り起こしをしていく必要があると思ってございます。各事業エリア内での高濃度PCBの処理を完遂するという意気込みで、関係府省庁にもお願いしまして業界団体経由で発見事例集を周知するとともに、自治体にも通知したり説明会等で御説明をしまして各者の御協力をいただいて徹底して掘り起こしをしていこうと考えてございます。

(川本委員) よろしくお願いします。

(織委員) 私も掘り起こしですけれども、資料1-3の別紙になるかと思います。掘り起こしの発見率みたいなのを見ていくと、変圧器・コンデンサーより安定器の掘り起こしの発見率がかなり厳しそうだなという気がします。安定器ならではの難しさみたいなものと、あと例えばそれを回避するためにどういった支援策がなされているのかということを教えていただければと思います。

(切川補佐) 安定器の掘り起こしで一番難しい点は、変圧器・コンデンサーに関しましては、P協データという対象となる機器がどこにあるかというデータがあり、これを使って調査をすることができたのですが、安定器に関してはそういったデータはございませんで、全国で約200万の事業所に対して、調査票を送って自治体の方々が一軒一軒回って確認をしていきながら調査をしているというのがあります。それが変圧器・コンデンサーに比べて、安定器が難しいところかと考えてございます。
 安定器も先ほどの川本委員の御質問にもつながりますけれども、特殊な事例も結構あります。安定器が天井一面についているのでそれで調査をし切ったと思ったら、隣の部屋のところに1個だけ安定器が増設されたのがついていたりとか、部屋の中をリフォームをしたときに、もともとの天井の下に新しく天井を作ったため、古い天井の安定器は見つからなかったとかさまざまな特殊な事例がございます。そういった事例を一件一件事例集として集めながら掘り起こしをしているという状況になってございます。

(織委員) ありがとうございます。大変な御苦労をなさっていることがよく分かりました。そうすると各自治体は事例集をベースに、多分こういうところにあるかもしれないみたいな形で見つけていくという対応をなさっているということですか。

(切川補佐) 自治体の皆様に多大な御協力をいただいて調査が進んでいると考えてございます。

(織委員) 分かりました。ありがとうございました。

(永田座長) ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 また最後に全体をまとめての御意見を頂戴する機会を設けますので、その際にこの1に関係するようなことがございましたら、御発言いただければと思います。先に進めさせていただきます。
 それでは次に議題2番目、処理完了に向けた取組について、これは環境省、経産省、JESCOにそれぞれ説明をしてもらいます。

(松岡補佐) まずは環境省から資料1-2に基づいて説明させていただきます。1ページ目ですけれども、都道府県市による掘り起こし調査の支援ということで引き続き実施をしております。大きくは相談窓口の設置と専門家の派遣ということをやっておりまして、相談窓口は全般に関する相談窓口と掘り起こしに特化した相談窓口の設置、専門家の派遣ですけれども実際の現場に行く専門家派遣もありますし、説明会をそれぞれ自治体向け、事業者向けということで行っているものもございます。
 次のページになります。テレビコマーシャルも引き続きやっております。今年度は北海道、東京、豊田事業エリアでしたけれども、それらの地域において実施しました。また、事業者向け説明会ということもやっておりまして、こういったコロナ禍という状況もございますので、オンデマンド配信も活用しつつ説明会を経済産業省さんと連携して行いました。
 3ページ目になります。また地方環境事務所による支援ということも行っております。(1)説明会です。各自治体向けの研修を行ったり、産業保安監督部さんと連携した説明会の実施ということもやっております。
 また技術的助言の実施ということで本当に技術的、工学的な話もございますし制度面での支援ということも行っております。
 (3)番は実際に現地に行くという形での支援も行っております。
 次のページ以降は費用面の負担軽減の御報告です。まず安定器のほうです。東日本地域の処分期限が来年度末までとなりますので、そこまで引き続き調査費用の補助金ですとか工事費用の補助金というものを講じていきます。
 (5)番目、次のページですけれども、中小企業者の処理費用の負担軽減ということでこちらは計画的処理完了期限までここにありますような70%ないしは95%の補助ということで続けております。
 次のページですけれども、そのほか政策金融公庫による低利の貸付制度というものも引き続き、来年度も行っていく予定です。以上になります。

(永田座長) どうもありがとうございました。では続けて経産省、お願いします。

(山本補佐) 経済産業省電力安全課、山本でございます、おはようございます。資料は環境省さんのほうでめくっていただくということでお願いできればと思います。
 1ページめくっていただいて2ページをお願いいたします。こちらの6点について本日、御説明させていただきます。処分期間終了間際における規制内容につきまして、電気事業法においては、告示の期限または1年延長の期限までに廃止(使用中止)義務というものを課しております。この1年、特に産業保安監督部は高濃度PCB電気工作物の設置者に対し直ちに廃止するように働きかけを行ってまいりました。告示の期限につきましては、先ほどからお話があるとおり、豊田・東京・北海道につきましては、今年度末でございます。または1年延長の期限までの廃止につきまして、こちらはJESCOとの契約の委託契約を取り交わすことにより、少なくとも1年以内に廃止することが確実なものについて延長ができるという内容になっております。
 次のページをお願いします。こちらは直近1年間の廃止状況の推移でございます。前回10月に御説明させていただいた以降の内容になります。集計したのが令和4年3月17日で、豊田事業エリアにつきましては37台14事業者、東京事業エリアにつきましては37台30事業者、北海道事業エリアにつきましては18台16事業者ということになっております。
 直近で確認させていただいた数字でございますが、現時点において北海道エリアにおいては1事業者1台、東京事業エリアでは2事業者2台、豊田事業エリアでは2事業者8台が残念ながら残数として残ってしまっているという状況です。
 次のページをお願いします。こちらも3月17日時点で各都道府県別にまとめた資料でございます。後ほど確認をいただければと思います。
 次のページをお願いいたします。こちらは直近大阪につきましては、年度当初16台残っていたという事象でございました。こちらは今年3月末で1年延長の期限を迎えてしまうという状況になります。こちらに書かせていただいたとおり、現時点では残数ゼロになっております。特に大阪の近畿産業保安監督部のほう、それから自治体、環境事務所さん、JESCOさんとの連携により設置者に対して電話の連絡、要請文書、立入検査等を重ね、電路から外すことを設置者に対して説得を重ねてきたという事象で現在ゼロということになっております。事例につきましては下記のとおりでございます。
 次のページをお願いいたします。大阪、北九州の廃止に向けた取組を踏まえ、豊田・東京・北海道エリアにおいて令和3年度下期の取組状況についてまとめたものでございます。今御説明させていただいたとおり、設置者に対するまずはアプローチ、電話であったり文書であったりというもの。それから、自治体、JESCOさん等と連携をさせていただき、合同で現地調査をさせていただいたということもございます。
 設置者からのアプローチということも当然でございますが、電気主任技術者を通じて話をするということもさせていただいております。
 (4)監督部においてはPBC内規に基づき、自治体の要請を受けてデータの提供ということが内規のほうに定められておりますが、今年度につきましてはそれではもう遅いということもあり、必要に応じて監督部のほうからプッシュ型で情報を提供する。数が少なかったものについては、各自治体さんと情報提供のやりとりをさせていただいたという事情でございました。
 参考事項でございますが、説明会の開催については来年度も低濃度の取組も引き続きやっていくこともございますので、説明会は開催していく予定でございます。
 次のページをお願いいたします。こちらはこの後令和4年度中にゼロになるように取り組んでまいるということの行政処分スキームをとりまとめさせていただいたものです。大阪事業エリアで実際に取り組んだような形で引き続き、立入検査であったりというものを各自治体さんと合同で立入検査をやっていくという形になろうかと思います。下のほうに定めさせていただいたとおり、技術基準の維持、維持義務違反、立入検査、技術基準の適合命令、罰則という形で処分のほうが進んでいくという形になります。
 来年度中には必ずゼロになるように取り組んでまいりますので、引き続き皆様、御協力のほどよろしくいただければと思います。自治体さんとか環境事務所さんには日頃から大変御協力をいただき、この場を借りて厚く御礼を申し上げさせていただければと思います。以上でございます。どうもありがとうございました。

(JESCO) JESCO、PCB処理営業部長の池原です。資料3の掘り起こし・総ざらい等に関するJESCOの取組状況を御説明いたします。
 今年度末に計画的処理完了期限、処分期限末を迎える各事業エリアでは自治体、地方環境事務所、産業保安監督部等と連携して保管事業者への対応を行い、掘り起こし・総ざらいの取組を進めています。
1.変圧器・コンデンサー等に関する処理
1)令和3年度末に計画的処理完了期限を迎える大阪事業エリアの状況
 大阪事業エリア(変圧器・コンデンサー等)では、自治体とともに、先ほど御報告がありましたように、産業保安監督部とも連携して使用中の安定器への対応を行った結果、行政代執行に至った案件は7件にとどまり、それらについても全て搬入・処理済みとなって、処理手続難航者は残っておりません。
2)令和3年度末に処分期間末を迎える豊田、東京並びに北海道の各事業エリアの状況
 豊田事業エリア(変圧器・コンデンサー等)では、定期的に開催される中部地方環境事務所主催の処理促進連絡会にJESCOも参加し、処理手続状況など情報共有しながら取り組んでいます。
 東京事業エリア(変圧器・コンデンサー等)では、自治体が把握している保管者、使用者の最新情報や、いわゆる「JESCO未登録台帳」等を整理・活用し、これをベースに、その後の登録への移行や処理手続きの状況等の把握、進捗管理を行っています。
 北海道事業エリア(変圧器・コンデンサー等)では、JESCO登録がされている保管者の処理状況、自治体の立入状況等の情報をリスト化し、共有資料として整備し、関係機関が足並みをそろえて処理促進を図っています。
2.安定器・その他汚染物等に関する処理
 1)令和3年度末に計画的処理完了期限を迎える北九州・大阪・豊田事業エリアの状況
 北九州・大阪・豊田事業エリア(安定器・汚染物等)では、環境省通知を受け、12月28日にJESCOでの登録受付・契約締結を締め切りました。今年度の処理対象分は、本年2月15日までに搬入を終えたところです。なお、令和4年1月31日以降に新規に発見された事案等は、継続保管物として自治体による指導の下、保管者により保管されています。
 2)令和4年度末に処分期間末を迎える東京・北海道事業エリアの状況
 東京・北海道事業エリア(安定器・汚染物等)では、処理対象物量が不明確な「予備登録」を行っている事業者に対し、重量を精査した「搬入荷姿登録」への移行またはJESCOの処理対象外機器等の取り下げを促す書面を発出するとともに、より正確にJESCO処理対象量を把握する観点から、新規の「予備登録」を今年度末に終了することとしたほか、エリアごとに自治体と連携して勉強会等を開催するなど、対応を進めています。
 3.上記以外の取組として以下に記載した「収集運搬情報交換広場」や掘り起こし支援等を行っています。
 飛ばします。次ページをお願いします。
4.今後の対応
 東京・北海道事業エリアの安定器・汚染物等については、処理手続難航者のリスト化をはじめとして、関係機関と連携しながら計画的な処理を図っていきます。
 また、北九州・大阪・豊田事業エリアの安定器・汚染物等、大阪事業エリアの変圧器・コンデンサー等は明日で計画的処理完了期限を迎えることから、業務の中心が西日本から東日本へと移行していく状況にあり、これに対応すべく社内体制の整備も進めていきます。
 5.新規登録事業場件数の推移
 自治体による掘り起こし調査の進展と併せて、令和2年10月から、収集運搬費用等への助成、令和2年度末までのコロナ追加軽減措置などの中小企業者等軽減制度の拡充により、JESCOへの登録、その後の処理に向けた手続きの円滑化につながっています。
 令和2・3年度の変圧器・コンデンサー等と安定器・汚染物等について、令和4年2月末時点における新規登録事業場件数の推移は、次ページ、ちょっと分かりづらいですけども、図1-1、図1-2という形であるんですけれども、図1は変圧器・コンデンサー、進めていくと図2があり、その前に参考がありますが、ちょっと分かりづらくて申し訳ございません。それは安定器の件数を表しています。それぞれ1-1、2-1は実数、1-2と2-2は令和4年を1とした基準比率で登録件数の推移を表しています。
 参考として先に計画的処理完了期限を迎えた北九州事業エリアの変圧器・コンデンサー等を推移も合わせて載せております。変圧器・コンデンサーの登録件数については、参考というグラフがありますが、これについては、処分期間末に向けて登録件数が増大し、特例期間は横ばいで推移。また戻って図1にしていただけませんか。図1での大阪事業エリアでも北九州と類似した推移となっていますが、令和2年度末はコロナ追加軽減措置の締め切りであったことから駆け込み登録の影響も含まれていると思われます。
 同じく図1で豊田、東京、北海道各エリアでは今年度末の処分期間満了に向けての件数増が見られておらず、自治体による掘り起こしや中小企業者等軽減制度の拡充により、早い段階での発見とJESCO登録につながったものと推察されます。
 図2のほうに進めていただけますでしょうか。前年同様に令和2年度末にコロナ追加軽減措置の駆け込み登録が発生しています。
 北九州事業エリアでは、2年度末のピーク後は落ち着いていますが、昨年末でJESCO登録を終了したことから12月に駆け込みのピークが若干出てございます。
 北海道事業エリアについては、同ピーク後に大きな変動は見られませんが、来年度末の処分期間末に向けて、増大傾向となる可能性があります。説明は以上です。

(永田座長) どうもありがとうございました。それでは、ただいま3者から説明がありました件につきまして御質問、御意見のある方、挙手をお願いいたします。
 それまでの間、私のほうから確認ですが、経産省の説明資料の3ページ目、先ほど口頭で言われた処分期間末の数値がありましたね。その数値は特例に移行するものはないと。基本的には特例にはならないので、違反状態に入っていってしまうのかもしれませんが、その件数あるいは台数が先ほど説明のあった台数というふうに理解してよろしいですか。

(山本補佐) 先生のおっしゃるとおりでございます。

(永田座長) そうしたら特例はなしですね。

(山本補佐) 特例についての数字でございますが、北海道エリアでは4件、東京事業エリアでは20件、豊田事業エリアはございません。

(永田座長) 分かりました。その辺も含めて整理をきちんとしておいたほうがいいのかもしれません。処理の日程等があるかと思います。

(織委員) 私も今の永田先生の資料と関連するところです。この資料を事前に見せていただいたときも思っていたのですけれども、残り台数は非常に重要です。インセンティブにもなるとか、ばらばらと表になっていてちょっと分かりにくくて、例えば地図とかで一覧でできるような形で表を作っていただけるとありがたいなと思いました。下のほうの図でいろいろ県ごとは分かっているんですけれども、もしマッピングみたいな形でできると、ここはゼロになっているなとかイメージが分かります。もし作るのが御苦労でなければそういうのを作っていただけると見やすいかなと思いました。以上です。

(永田座長) あとはいかがでしょうか。

(浅野委員) 経産省は大変よくやっていただいています。最初の頃は少々気になることがあって意見もいたしましたが、今の状況は大変御協力いただいて、よく分かります。特にデータをプッシュ型で積極的に下のほうに出していただくのは大変ありがたいことだと思います。法の23条でも関係者の連携ということをうたっておりますから、単なる責務規程だからみたいなことは言わないで、どんどんこういうことをやってくださっているのは大変いいことだと思います。コメントですからお答えは特に求めていません。ありがとうございます。

(永田座長) ありがとうございました。
 あとはよろしいでしょうか。
 それではこの件も終わりにさせていただきまして、次に議題3番目、低濃度PCB廃棄物の処理促進に向けた取組について、環境省、経産省のほうから説明をしてもらいます。

(切川補佐) 資料3-1について環境省から御説明させていただきます。こちらの低濃度PCB廃棄物の適正処理推進に関する検討会の検討状況となってございます。この資料の最後のページに検討会員名簿をつけさせていただいてございますので、御参照いただければと思います。
 それでは最初のページを御説明させていただきます。検討の進め方に関して説明させていただきます。まず初めに低濃度PCBの状況把握ということで、①PCB特措法届出情報の分析をさせていただいてございます。
 ②業界団体が低濃度PCB廃棄物に関してどのような取組をしているのか、特に低濃度PCBに関しては裾野が広いということもございますので、低濃度PCBに関する認知度といったことも調査させていただいてございます。
 ③が中小企業の低濃度PCB廃棄物等の把握・処理状況に関する実態調査ということで、自治体の皆様に御協力いただきまして幾つか業者を選定させていただきまして、そちらで実際に調査をしたというものになってございます。
 この①②③の調査分析をすることによりまして、低濃度PCB、あと処分期限まで5年ですけれども、そこに向けて現状がどうなっているかという分析をさせていただきました。その中で②③の低濃度PCBに汚染されている機器をお持ちかもしれない方々の取組を促進するためにも、何かしら手引きが必要だろうということで、低濃度PCBに汚染された電気機器等の早期確認のための調査方法、こういったものをとりまとめました手引きを作成するということを今年度させていただいています。
 ①の分析結果とうまくこれを連携させまして、潜在的にどういったところが低濃度PCB廃棄物を持っている可能性があるのかといったところを分析しまして、今後実態調査を促進していって処理を推進していこうと考えてございます。
 次のページを御覧ください。①PCB特措法の届出情報の分析結果になってございます。議題1のほうでも御説明させていただきましたけれども、毎年、PCB特措法に基づきまして低濃度PCBに関しても届出をいただいてございます。令和2年3月末時点の届出情報がこの下の表になるところです。低濃度PCBとして届けられている全機種を対象にしますと、6万7,586の事業所から届出をいただいてございます。重複がないように確認をした数字となってございます。
 届出台数としまして723万6,941台ということで、下の段と比べていただきますと、柱上変圧器だったり3kg未満の小型のコンデンサーというものが多く届け出られている数字となってございます。そのうち687万1,315台が処理済ということで、届出をいただいているものに関しては95%、おおむね処理がされているという状況になってございます。
 一方で柱上変圧器、3kgのコンデンサー、こちらを除いた数字がその下になってございます。事業所数は大きく減ってございませんで、6万6,093の事業所となってございます。台数は57万3,460台ということで柱上変圧器.3kg未満のコンデンサーを除きました変圧器コンデンサー、その他機器で遮断機とか開閉器、こういうものの届出状況としては57万台程度という状況になってございます。こちらの処理済の台数としては約49万台ということで、処理の比率としては85%となってございます。9万台くらいが保管されている状況になってございます。
 これが現状の届出情報となってございまして、こちらを方法のところに移りますけれども、事業者を43の事業種に分類いたしまして、それぞれの業種ごとに保管する事業所の数とか届出の数量を集計してございます。こちらは本日御報告させていただきます。また、今日の資料には出てございませんが都道府県ごとにもその数字を同じように整理している状況になってございます。
 集計の対象に関しましては、低濃度PCB廃棄物とで届出されているもののうち、変圧器、コンデンサーは重さ3kgで分けまして以上と未満、柱上変圧器、その他機器の電気機器を対象にしてございます。シーリング材とかOFケーブルとか塗膜といったものは入っていません。
 届出のものに関しては、業種別の届出事業所数、届出総数、処理済台数、こちらから取組状況をある程度傾向が見えないかということで、分析をさせていただいてございます。
 その次のページを御覧ください。こちらは先ほど43業種に分けて整理をしたものの届出数が多い業種を整理してございます。多いほうから10業種を整理しています。一番左の表は届出の事業所数が多い業種となってございます。一番多いのが公共施設、学校等です。2番目が金属製造業、続きまして機械器具の製造業、ビル、農協となってございます。
 真ん中、届出台数が多い業種に関しては、電力業界が最も多く公共施設、公共機関といった順番になってございます。
 処理比率が多い業種は一番右になってございまして、電力業界、造船業、部品・半導体、石油・ガス、こういったところが処理比率が高いという状況になってございます。
 1つ前のページで柱上変圧器・コンデンサーを除いたのは57万台と申し上げましたけれども、真ん中の表、45万台が上位10業種で占められているので、上位10業種の取組は進んでいるのかなと考えてございます。
 次に4ページ目を御覧ください。こちら業種別の1事業者当たりの平均届出台数を整理したものになってございます。一番右側の台数、1事業者当たりの届出台数が多い順番に先ほどの43業種を並べている状況になってございます。1事業所当たりの台数に関しては、この表に入れております届出の事業所数とその隣の保管届出数、こちらを割ることによって台数を算出してございます。届出台数が多いもので行きますと電力業界、交通機関、鉄鋼、造船、自動車といった業界が1事業者当たりの届出数が多い業界になってございます。
 一方右下の青いところで示している業種に関しましては、1事業所当たりの届出台数が少ないという状況になってございます。さらに台数が少なくて届出事業所数自体が少ないところに関しては、もう少し取組を進めていただく必要があるかもしれない業種になるかなと考えてございます。
 次に5ページ目をお願いいたします。PCB特措法の届け出情報の分析はもっとできると思ってございまして、PCB特措法の届出状況に関して業種の見直しをしようと考えてございます。方針としては届出事業所数が多数であった公共施設をもうちょっと分類するとか、機械器具製造業の業種をもっと細分化する、あとは何とか業界というので業界単位で集計をしてみることによって、先ほど申し上げましたとおり、今後業界単位で実態把握を加速化していこうと考えていますので、その取組につながるような集計をしようと考えています。卸売業・小売業、こちらは品種別の集計ができないかと考えてございます。最後は企業の規模別というのも考えてございます。
 続きまして届出が少ない業種に関しても、先ほど青いところの数が少ないと申し上げましたけれどもここを抽出したり、あるいは処理の割合が低いところに関しては、低濃度PCBの処理を推進するという意味では課題が抽出できると考えてございまして、情報の整理をしていきたいと考えてございます。
 また今後試みたいこととしましては、今回届出されている事業所数を使いまして、現時点も存続している事業所数から先ほどの1事業者当たりの届出台数、こちらを係数にしまして、今後の存在数を推計できないかと考えてございます。
 最後は、今回のデータは令和2年3月末の数字を使ってございますので、この届出のスキーム自体ももう少し改善できないかと考えてございます。
 続きまして②ヒアリング調査のほうに移らせていただきます。こちらは、これまで表にありますように多量所有者、中小量所有者、管理業者、管理業者、資源リサイクル関係の方々ということで、それぞれここにありますような目的を設定しまして、ヒアリング調査を実施させていただいてございます。これまでさまざまな御協力をありがとうございます。
 7ページ目にその結果を整理してございます。まず多量所有者の方々に関しましては、個社の多くが所有機器の把握、処理計画の立案といったことで処理の推進に前向きに積極的に取り組んでいる状況がありました。けれども機器をとめることができない施設があるということ、機器の稼働への影響が大きいため今すぐできない、あるいは施工力等を確保できない、こういった理由でまだ汚染機器の特定が進んでいない事業者もあるということも確認できたので、こちらに関しては何かしらの対応が必要と考えてございます。
 良い事例として、日本民営鉄道協会のものを入れてございます。こちらは協会が積極的に関与されまして、処理計画を立てて期限内処理を目指す取組をしようということで進められている事例でございます。こういった事例をなるべく多くのところで横展開していければ良いと考えてございます。
 今年度のヒアリングに関しては、この下の協会・団体それぞれヒアリングさせていただいていますけれども、今年度は取組がなかなか進んでいないのではないかという想定をしながら調査を行ったので、低濃度PCBに関する情報がなかったり、また周知も進んでいないという状況になってございます。今後どういうふうに取り組んでいくのか、課題を整理していく必要があると考えてございます。
 そのために次に8ページ目を御覧いただければと思います。別紙に分厚いのですが手引きをつけさせていただいてございます。古い工場とかビルを使用中もしくは所有されている方々に対して、建物の中にある設備に低濃度PCBに汚染された機器の可能性があるので、それを早期に確認をしてくださいというきっかけを示しまして、すぐに取り組んでほしいというために、本編のほうはそういった所有者の方々向けの内容としてございます。
 別紙を見ていただきますと、後ろのほうに詳細版ということで、もし疑わしい機器があった場合の確認方法をまとめたガイドラインになってございます。これを今後ホームページとか啓発の動画を使いながら促進していきたいと考えてございます。
 最後9ページ目を御覧ください。この検討委員会でまとめていただきましたPCB特措法の5年点検の報告書を踏まえまして、PCB処理基本計画に記載の課題に関して早期に課題解決を図っていこうということで、低濃度検討会で御議論をいただいている状況になってございます。真ん中がPCBの基本計画案に書いてあります課題ということで①、②、③の取組を実施することによって届出を速やかに行って処理をしていきましょうという方針がとりまとめられております。特にこの①、②、③を実現するのが非常に難しく、特に下のほうに今後の方針が出ておりますが、使用中の機器とか封じ切りの機器の把握の方法に関しては課題があり、その検討を進めるためにはメーカー等の協力を得てデータを集めることが必要ではないかと考えています。
 またそのときには電気主任技術者、建物や機器の整備や管理に関わる方々の協力も必要ですし、業界団体自身の取組も加速化させていきながら取り組む必要があるということで課題を整理してございます。今後も引き続き低濃度検討会で議論していこうと考えてございます。資料3-1は以上になります。
 続きまして、資料3-2の御説明をさせていただきます。こちらは毎回報告させていただいている処理体制の整備状況になってございます。令和4年2月末時点での無害化認定の事業所数は33の事業所となってございます。
 次のページの日本地図を見ていただければと思います。福岡県の三池製錬さん、富山県の富山環境整備さんに二重丸をつけてございまして5,000~10万ppmの可燃性の汚染物に対しても処理ができるように無害化認定をさせていただきまして、こちらは全部で5事業所に今後なっていくという状況になってございます。
 3ページ目のほうは洗浄方式となってございます。
 4ページ目を御覧ください。先ほどの5,000~10万ppmの無害化処理を先行的にやっていただいている3つの事業所さんの処理の状況を整理させていただいてございます。2020年以降、A社さんでは1,878トンの処理をいただいているという状況で、制度改正後順調に進めていただいているという状況になってございます。
 下が排ガス等の環境測定結果になってございます。それぞれ最小値、最大値を入れておりますけれども、管理濃度の範囲内で十分に安定処理ができているということを確認できてございます。以上になります。

(永田座長) それでは、経産省、どうぞ。

(上條室長) 続きまして資料3-2別紙について、経済産業省より御説明させていただきます。1ページ目でございますが、課電自然循環洗浄法につきまして、微量のPCBを含有する大型の変圧器につきまして、機器を使用中のままに絶縁油を無害化する技術のことでございます。「微量PCB含有電気機器課電自然循環洗浄実施手順書」に沿って洗浄を行うことで、非汚染の電気工作物として継続使用することや廃棄時にはPCB廃棄物ではないものとして取り扱うことが可能になります。
 具体的には変圧器内の汚染油を抜きまして、PCBを含まない新しい絶縁油に入れ替え、機器を課電することにより油を変圧器内部で自然に循環させて、内部に残留するPCBを染み出させ、機器全体を低濃度以下に均一化する方法でございます。
 次のページを御覧ください。手順書につきまして平成27年3月の制定後、適用機器拡大のため実証実験結果を踏まえまして、課電自然循環洗浄法WGで御議論いただいた上で改訂を行っております。
 平成29年3月の手順書改訂では、部位別洗浄が明確化されまして、令和2年12月の手順書改訂では、洗浄対象部位として中間室を追加するとともに、元油PCB濃度を5ppmから10ppmに引き上げさせていただきました。
 微量PCB汚染機器のさらなる処理促進のため、現在は適用範囲拡大の実証試験に取り組んでおります。
 次のページをお願いします。ここでは電気関係報告規則による届け出状況を基に課電洗浄の実績をまとめております。平成29年と令和2年に手順書改訂を行いまして、適用部位が明確化され、また適用濃度が拡大したことで事業者にとって課電洗浄が実施しやくなりました。
 事業者は電力供給の計画を立案し、停電を伴う事前準備を経まして課電洗浄を実施する必要がございます。手順書改訂に伴う課電洗浄実施には時間がかかることから、平成29年3月の改正に伴う課電洗浄の実施が令和3年度以降になると考え、令和元年度以降の実施件数が増大したと考えられます。なお、課電洗浄実施の届出のうち、発電所・変電所関係は88%程度を占めているということから、電力業界における適用範囲拡大が全体に及ぼす影響が大きいものと考えているところでございます。課電自然循環洗浄法に関する御説明は以上でございます。

(永田座長) 次に塗膜の話です。

(松岡補佐) 引き続き環境省からPCB含有塗膜調査の進捗状況について御説明をさせていただきます。定例で行っている調査になりますけれども、まず背景・概要について簡単に触れさせていただきます。
 次のページをお願いします。塩化ゴム系塗料に使用されていたということが知られておりまして、特に道路橋等の鋼構造物の塗膜からPCBが検出されております。こういったものについて環境省のほうで、紫色のところですけれども、調査実施要領(第3版)というのを作成して、緑枠の対象に並んでいる各機関や民間事業者に協力を得て調査を行っております。
 次のページをお願いします。調査対象施設ですけれども橋梁、洞門、排水機場等、タンク、船舶ということで行っております。
 次のページは調査方法になります。まずは建設期間で1966年から1974年の期間に建設、または塗装の塗り替えが行われたものがあるかというところを御確認いただきます。これが①番です。
 そうした期間に建設とか塗膜の塗り替えがされていなければ、そもそも調査せずに終了ということになりますけれども、されていた場合は②番に進みまして、その間に完全塗り替えをしていたかどうか。完全塗り替えをしていなければ下に進んでいただきまして、仕様書を確認いただいて、仕様書がなければその後⑤番まで飛んで分析をしていただきます。仕様書がある場合は中を改めていただいて、仕様書にPCB含有塗料の記載があるかどうかというところを御確認いただきます。
 そうした結果、⑤番のところで分析をしていただいて、通常の産業廃棄物として処理いただけるものか、低濃度PCB廃棄物に該当するものかというところを調査していただいております。
 次のページをお願いします。調査自体は毎年度3月末時点の結果ということを御報告いただいております。今回ここで御報告させていただく内容ですけれども、緑枠のところです。令和3年3月末時点の集計結果というところで、調査対象施設の数、続いてBでその結果、分析を行った施設の数、または分析を行うべきと判断された施設の数。最後にCということで現状各施設において剥がした後に保管されているPCB含有塗膜の量ということを集計しております。
 次のページをお願いします。まず調査対象施設の数ですけれども全部で466の機関において3万4,091の調査対象施設ということで、おおむね昨年度御報告したのと同じような相場観となっております。全体の86%が橋梁ということで、橋梁が大部分を占めているという結果になりました。
 次のページをお願いします。分析等を行うべき施設ですけれども、こちらが2万5,519と昨年度に比べておよそ1.4倍ということで増加しております。その分調査対象施設に対する割合というのも75%と、昨年57%と御報告しておりましたけれども、そこに比べて増加しております。濃度把握済みのものは分析等を行うべき対象施設全体の65%という結果でした。
 次のページをお願いします。こちらは御参照いただければと思います。各種類の種別ごとに件数を計上したものになります。
 次のページをお願いします。冒頭Cと御紹介した部分ですけれども、塗膜くずを保管する施設や保管の塗膜量の数を御報告しております。施設数が855で1、946tということで昨年度のものに比べて微増という状況です。他方で5、000ppm超が5%、5、000ppm以下が66%、不検出が28%、こういった全体の相場感は昨年度とおおむね同様の状況になっております。
 次のページをお願いします。こちらも施設ごとにお示したものです。
 最後のページをお願いします。毎年度の処理量を並べているものでして令和2年度808トン、これまでと大体同じような処理量で推移しております。御報告は以上になります。

(永田座長) どうもありがとうございました。それではただいまの低濃度の関係はいかがでございますか。御質問、御意見のある方、お願いします。浅野先生どうぞ。

(浅野委員) 手引きを拝見しましたがなかなか分かりやすくて、よくできた手引きだと思います。これを見て思ったのですが、低濃度PCB廃棄物と一見関係のないと思われるような業種、例えば小売店とかそんなものがあるわけです。多分エレベーターを使われるということによってこれが出てくるのではないかという感じがします。間違っていたらごめんなさい。エレベーターは定期的にちゃんと保守管理が必ず行われるものだろうと思います。エレベーターの保守管理からの情報で、どこにエレベーターがあるかということを把握することができないものだろうか。
 あるいは個人情報保護との関係で情報が出てくるか疑問はあるのですが、消防などは結構情報を持っていると思います。これまでのようにものづくりを主に想定した事業者の業種ごとにアプローチするというやり方では、十分でないのかなという気がいたしました。この辺について環境省としても少し御検討の余地がないかということをお願いいたします。以上です。

(切川補佐) ありがとうございます。環境省から回答させていただきます。まず浅野委員が御指摘のどおり、エレベーターの昇降機に関しては国家資格で整備をする方がいらっしゃいますので、その方々の御協力を得るのが非常に有効だと考えてございます。
 また先生から御助言いただきました方法でも、今後どういうふうに周知していくのか、これからすぐに検討していかなければいけないことでございますので、検討して対応していきたいと考えてございます。

(浅野委員) よろしくお願いいたします。

(永田座長) 木村さん、どうぞ。

(木村委員) 私のほうからは資料3-1の9ページ目に整理いただいた低濃度PCB処理促進のための課題と対応に関して、念のためのお願いということでコメントさせていただきたいと思います。
 9ページ目には今後の方針と課題への対応等について検討を進めると記載されておりますけれども、この資料にも記載されていますとおり、使用中機器や封じ切り機器問題を初めとして、PCB基本計画に記載されたフローを実現するためには、解決がなかなか難しい課題、それから留意が必要な事項が多く残っているという認識です。
 課題への対応につきましては、これら一つ一つの課題に向き合って現実的にどうしていくか対応策を構築することが重要と思います。中小も含めたさまざまな所有者の状況を把握して、現場実態を踏まえた上で現実的かつ合理的な対応策となるように検討を押し進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。

(永田座長) 分かりました。私のほうからもお願いしておきますが、今回も調査の話、処理の話いろいろ出てきていますが、低濃度検討会だけでなくて本検討委員会のほうでも状況を把握し、早急に検討していかないといけない項目もあろうかと思います。ということで次回には低濃度に関する全体的なまとめの話、そこまでの時点でのまとまった状況の話を聞かせていただければということで、事務局のほうには、そのとりまとめをお願いしておきたいと思います。その中で今木村さんから御指摘のあった内容等を議論してまいりたいというふうに考えております。よろしくお願いします。

(木村委員) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

(切川補佐) 承知いたしました。とりまとめていくようにしたいと思います。

(高岡委員) 私からは課電洗浄の実績についてお聞きしたいと思います。令和元年以降増えていて大変いいと思うのですが、そもそも対象機器はどの程度あって、今の実績のキャパシティでいわばどのくらいまでで課電洗浄が終わるのか、その辺りのことをお聞きしたいと思って質問させていただきました。よろしくお願いいたします。

(永田座長) 経産省のほうから答えていただき、それから電力業界からも何かありましたらさせていただきましょうか。経産省、どうぞ。

(上條室長) 経済産業省でございます。全体の対象数については申し訳ございません。電力業界のほうで把握していることでございますので、そちらから申し上げますが主に資料にも記載がございますとおり、発電所、変電所関係が88%を占めているということでございます。以上でございます。

(永田座長) 電力のほうは岸川さん、どうぞ。

(岸川委員) 全般的なお話をいたしますと多数の変圧器を持っておりますが、分析が全部終わっているわけではないので、全体数量としてはカウントが今できている状態にはございません。とはいいつつ対象となるような機器は何千台ベースであるのかなと想像しているところでございます。現在のペース、恐らく年間二百何十台というところ、最近の情報がないので少し前、2~3年前の数字にはなりますが、このぐらいをしているところでございます。今後どのくらいできるのかというのはいろんな課題があるということもありまして、最大限頑張ってまいりますというということはお伝えさせていただきたいと思っております。以上でございます。

(永田座長) どうも。高岡先生の御質問の内容は、私も非常に知りたいところでございます。このペースで行って対象となる課電洗浄の機器が、あと5年なんです。2027年の3月までに処理ということになっていますから、終わるのかなという疑問が湧いてくるわけでございます。そういう意味では、今のお話、全体を聞いているとまだ十分に汚染状況の調査も終えていないんだという話がございました。
 先ほどの環境省に対する要請と同じで、現在の電力関係あるいは電気事業そのもので使っているものだけではなくて、それ以外工場でも電気設備があるわけです。そうしたものに対してもう少しきちんとした計画が知りたい。あるいは実情が知りたいというところだろうと思います。
 ということで経済産業省のほうにもお願いしておきますが、今後の処理の計画、調査の計画、それが5年後までにどういう形で進められるのか。どういう計画になっているのかということをまとめて、次回御報告いただけますでしょうか。私らが聞いている範囲内では、例えば汚染が低濃度で申告があった機器に対してもう30年ぐらい使用されているわけですね。そうなってくるとあるいは更新していくようなことも考えられているでしょう。ですから、そういう中では課電洗浄を使わないものが出てくるんだろうというふうに思います。そういう点も含めまして、全体像をもう少し分かりやすく、我々のほうにお示ししていただけるようにお願いしておきます。
 よろしいでしょうか。高岡先生、そんな形で次回。

(高岡委員) 永田先生、代弁していただいてありがとうございます。

(上條室長) 経済産業省でございます。ただいま先生からおっしゃっていただいたことを踏まえまして、電力業界にも御協力をいただきまして進めてきております。おっしゃるとおり寿命の問題もございますので、必ずしも全てを課電循環洗浄法でやるということではございませんけれども、その辺のことも踏まえて具体的方針をしっかりとお示ししていきたいと思います。以上でございます。

(永田座長) どうもありがとうございました。織先生、どうぞ。

(織委員) 先ほど永田先生もおっしゃっていましたが、私も実態のところをもう少し知りたいと思っています。高濃度から今度低濃度のほうに移っていくときに、先ほどの資料の中で課題と対応というところがまさに出ていて、課題が使用製品の掘り起こし調査を完了することとになっていますが、これがそもそも高濃度と違って低濃度の場合は廃棄物にならないと手が出せないという中で、どこまで掘り起こしができるのか。ここで出されている課題のさらにもう一つ下の課題みたいなものを提示して、それに向けて検討していく必要があるのではないかと思います。全ての届出がなされることということについても、今の段階で高濃度と違って低濃度が民間主導で行っている中で、民間主導で行っていることの限界、助成金の問題ですとかこういったことがあるのではないかとか、先ほど言ったように高濃度と違って廃棄物にならないと手が出ないということの限界というものが、今後5年間で終了させるというところでどれくらい大きな課題になっていくのか、そういう見通しも含めて課題の中のさらにそこを阻害している要因みたいなものに対してどういうふうに対応していくのだろうということが知りたいなと思います。

(永田座長) 分かりました。次回そういう点も含めて議論させていただくということでよろしいでしょうか。

(織委員) もちろんよろしいです。ありがとうございました。

(永田座長) ほかにはよろしいですか。私のほうからはこれは大きな問題、課題だと思うんですが、環境省の資料の5ページ目、資料3-1、届出の見直しが書かれていて環境省の届出全般についてデジタル化の中では、見直しが必要なんだろうという気がしております。年1回決められたときに届け出るというようなスタイルで本当にいいのかどうか。事業者サイドのほうでそれを届出する側から見てみますと、どうもめったにやらない作業をそのときにまとめてやらないといけなかったり、前に出された資料を紙ベースでめくってたどっていかないといけなかったりいろいろ面倒な作業があって、今の御時世、もう少し効率的な方法論、特にデジタル化によって導入できるのではないかという気がしておりますので、ぜひこれに取り組んでいただいて、率先して低濃度の問題とかいろいろ抱えている。できるだけ直近のデータを集計して皆さんにお示しするのが筋だろうと思います。そういうときに特に役立つようなまとめ方を今後はやっていくということで、お願いできればと思っています。よろしくお願いします。

(神谷課長) 分かりました。廃掃法とPCB特措法それぞれのデジタル化というのが非常に重要な話でございます。届出手続きをデジタル・ガバメントの一環として電子化する。各自治体からの話でなかなか大変なんですけれども、それの調査設計に新年度から取り組もうということは、今年もやっていきますので早目に成果が出せるよう頑張っていきたいと思います。

(永田座長) よろしくお願いします。よろしいでしょうか。
 それではこの問題も終わりにさせていただきまして、次が議題4番目、高濃度PCB廃棄物処理施設の解体撤去についてということで、JESCOのほうから説明をお願いします。

(JESCO) 資料4をJESCOのほうから御説明させていただきます。JESCO高濃度PCB廃棄物処理施設、今後操業が終盤に差しかかるに当たって解体撤去を検討していくことになります。既に北九州1期施設は操業を終えておりますので、解体撤去のフェーズに入ってまいります。こうした状況で今回のこの資料の構成というところにありますが、JESCO施設の解体撤去に向けた対応と現状というところで、全般的な話、今解体・撤去のフェーズに既に入っております北九州1期施設の進捗状況を御説明した上で、今後の進め方を説明できればと思います。
 まず、JESCO施設の解体撤去に向けた対応と現状ということで、これまでの取組などを次のスライドにまとめております。この検討委員会でも前回御意見をいただいたのですが、操業が終盤を迎えて今後解体撤去のフェーズに移っていく段階で、解体撤去に当たっての基本方針みたいなものがあってもいいのではないかというお話がありました。これを昨年11月、JESCOのPCB廃棄物処理事業検討委員会というところで承認をいただいております。別紙1に添付しております。
 また、施設の解体撤去に際して遵守すべき技術的事項、あるいは労働安全衛生に関してJESCOの技術部会あるいは作業安全衛生部会で検討をいただきながら、解体撤去の実施マニュアル(共通編)というものをとりまとめております。別紙2でその概要を添付しております。こちらも昨年11月のJESCOの検討委員会で承認をいただいています。
 北九州の1期施設、先ほど申し上げましたように既に解体撤去のフェーズに入っております。今後、JESCO施設の解体撤去、こうした基本方針、そして実施マニュアル等に沿って実施していくことになります。JESCOの中で事業所ごとに事業部会というものを設置しておりまして、そこで御指導を受けながら解体撤去を進めていきたいと思っております。またそれぞれの自治体ごとに設置いただいております監視委員会等でも報告して、いただいた御意見を反映していきたいと思っております。
 次のスライドになります。基本方針のポイントのみを記しております。まず基本的な考え方として3点、環境の保全の徹底、工事における万全な安全衛生の確保、ステークホルダーの皆様の理解と信頼の確保のための情報共有・公開ということを挙げております。
 そして解体撤去工事を進める上での具体的な対応としまして、当たり前のことですけれども、関係法令等の遵守、JESCO施設がほかの化学プラントとの違いはPCBが付着したり蓄積したりしているということですので、付着したPCB除去分別の優先実施というものが重要になります。
 BAT及びBEP、Best Available Technology、Best Environmental Practicesということでこうした考え方を適用していくということ。
 それから5事業所7施設ありますが、それぞれ立地状況等、あるいは設備の内容が異なりますので事業所ごとの対応。また、こうしたJESCOの解体で得られた知見・経験が今後の有害廃棄物の処理施設、こうしたものに生かされるように継承していくということを挙げています。
 そして解体撤去を進める上での手順として先ほど申しましたように、JESCOの中での委員会、特にそれぞれの事業所の解体に当たっては事業部会で御議論をいただきながら、監視委員会等にも適宜報告をして、いただいた御意見を反映させていきたいと考えております。
 次のページになりますが、「解体撤去実施マニュアル(共通編)」の作成ということで、先ほど申しましたように技術的あるいは作業安全衛生面で遵守すべき事項をとりまとめたものです。こちらは、別紙2のほうに概要を示しております。このURLが書いてありますが、JESCOのホームページに本体は掲載しております。またこのマニュアルと合わせてそのマニュアルの内容に関連したデータや資料を資料集ということでこちらもとりまとめて公表しております。
 次のページに参りまして、こういう中でJESCOの解体撤去を手順を追って進めていく必要があるかと思います。まず操業中から施設の解体撤去に入るフェーズで配管やタンクの洗浄というプロセスが必要になりますので、その計画書を策定して、また洗浄等に関する結果を評価する。そして解体撤去工事の具体的な実施前の段階でまず工事の対応を定め、かつ工事のフレームワークを示した工事実施のための指針を策定する。この辺りは後ほど北九州1期の例で御説明したいと思います。
 そして実際の工事の概要を示した実施計画書の策定。さらに、④工事の請負業者に作成いただく施工計画書の確認というものがあります。③番と④番の間でこれはJESCOの中の作業になりますが、実施計画に基づいて仕様書というものを策定してそれに対応して工事入札公告を行うということになります。
 そして実際に工事が始まりましたら、その進捗状況を当然確認しながら節目節目で事業部会にも視察等をいただく。あるいは監視委員会等に御報告する。また、想定外の事態が生じた場合の対応もちゃんと定めておき、工事の完了を確認した後に、最終的には解体撤去に関しても何らかの報告書を作成するということになろうかと思います。一連の解体撤去に関連した文書、こちらは別紙3のほうを御参照いただければと思います。
 そういう中で北九州1期施設の解体撤去の進捗状況を説明させていただきたいと思います。次のスライドですが、令和元年度から先行工事ということで対象4設備を先行的に付着したPCBの除去分別、解体を行いまして、これは今年度半ば、令和3年9月に完了しております。
 また事前作業、配管、タンクの液抜き、洗浄、こうしたものを今実施しております。
 そして来年度からプラント設備のPCB除去分別、解体撤去工事に入ることとしておりますが、PCBの除去分別は既に前倒し的にやっているところがございまして、例えばダクトに付着した高濃度のPCBの付着が見られるようなところは、本格的な工事に入る前に除去しようということで取り組んでおります。さらにプラント設備の解体撤去が終わった後、建屋のPCBの除去分別、解体撤去に入ることになります。
 次のスライドですけれども、今行っております本格的な解体撤去工事の前の事前作業です。液処理設備あるいは溶剤蒸留回収装置、こうしたところについて配管やタンクの液抜き、洗浄を実施しております。これはまず事前作業で行いまして、PCBの付着状況を確認しながら行うというものです。高濃度PCBが見つけられたような場合には、事業所内の洗浄装置での除去分別を実施しております。
 次のページに参りまして、そういう中で北九州1期施設、今回はプラント設備の除去分別解体撤去工事を行うということで、事業部会での指針というものを審議していただいて今年2月に策定しております。
 この指針の主な内容ということで書いてありますが、特に北九州の1期施設は、2期施設の運転との十分な調整、北九州1期施設の場合は高濃度PCBが発見された場合に、2期施設も活用できるということ。それから1期施設と2期施設の設備的な縁切りの実施、また液処理に用いました金属ナトリウム分散剤の安全な失活作業の終了、こういうところを記載しております。
 次のスライドですけれども、そういう工事実施のための指針に沿って工事の実施計画書というものを定めております。これを令和4年2月に策定しまして、同じ2月に開催されました北九州のPCB処理監視会議でも説明をさせていただきました。後ほど別紙4の概要のほうを説明させていただければと思います。
 最後、今後の進め方ということで、先ほど御説明しました基本方針あるいは実施マニュアルに沿って解体撤去の準備や工事を進めていきたいと思っております。その中で操業時と同様に事業部会で議論いただくほか、監視委員会等にも適宜報告をさせていただくということ。それから北九州1期施設は先ほど申し上げたとおりですし、北九州1期以外の施設も解体撤去の計画的な実施を検討するとともに、不要となった一部設備が操業に支障を及ぼすことのないよう安全第一で先行的に解体撤去するということも検討しております。
 また、解体撤去はこれからもいろんな知見が得られると思いますので、その整理やとりまとめは適宜行いましてマニュアル等を充実させていきたいと思っています。
 あまり時間が長くなってもあれですが、ざっとマニュアル、北九州の実施計画概要を少しだけ説明させていただければと思います。マニュアルのほうが資料4の別紙2ということになっています。この中で一例として5番の解体撤去における設備の停止手順というのがあるかと思いますが、そこを映していただけますでしょうか。JESCOの施設は解体撤去に際しまして、一斉に設備をとめるのではなくて、いろんな設備を生かしながら解体撤去していきたいと思っております。まず、抜油設備、コンデンサーやトランスの抜油をするそうした設備の解体撤去に入るわけです。そこで出てきた高濃度PCB廃棄物などは、事業所の中で洗浄したりということになりますので、洗浄設備や液処理設備の解体撤去は後になります。また、換気設備、これを生かしながらPCBの除去分別、解体撤去を行っていくことになりますので、換気、空調設備、分析設備、こういうものもまた後になるということで、いろんな設備を生かしながら解体撤去をしていくということが1つのポイントかと思っております。
 次のスライドですが、解体撤去に当たりまして、高濃度PCBが付着しているようなところ、あるいは作業環境濃度のPCBの付着レベルと作業環境濃度のマトリックスでレベルI、Ⅱ、Ⅲということで濃いほうがレベルⅢになるわけです。管理レベルを設定しております。これに応じて防護具を着用する。こうしたことを考えております。
 次の次のスライドを映していただけますでしょうか。実際に解体を行う前にどれくらいPCBを除去するかというところで、解体工事着手基準ということでプラント整備、建屋に関して数値を設定しております。こちらはJESCOの技術部会で議論をしていただいて設定しました。
 次の次のスライドを御覧いただけますか。こうした形で画面に映っております左側がレベルⅠ、右側が最もPCB濃度が濃いレベルⅢ3ということで工事に当たりたいというふうに考えております。
 また、簡単に資料4の別紙4、北九州1期施設の工事の概要ということで、今回工事しますのは次のスライド、第2段階、本工事のプラント設備の除去分別と解体工事が今回の対象工事です。建築物のPCB除去分別解体工事はこの後ですので、またそれに沿って工事実施のための指針ですとか実施計画を策定することになります。
 次の次のスライドを御覧いただけますでしょうか。今回の工事範囲はプラント設備の解体撤去になるわけです。この図を見ていただきますと、グレーになっているところがあると思います。ここは先行解体で既に解体撤去を行った部分です。残りの部分の工事を行うということが今回の計画になります。
 以上、急ぎ足でしたけれどもJESCOの解体撤去の検討状況、進捗状況になります。

(永田座長) どうもありがとうございます。解体撤去に関してはJESCOの技術部会のほうでいろいろ御面倒を見ていただいておりますが、酒井先生、何かコメントがございましたらお願いします。

(酒井委員) どうもありがとうございます。この検討会の委員の何名かの方々とJESCOの技術部会のほうで今御説明いただいた解体撤去の基本方針並びにマニュアル等の検討にお付き合いしてまいりました。
 既に説明いただいたことと若干重複いたしますが、念頭に置きましたのはしっかりと適切十分な除去分別を進めることを基本としました。すなわちPCBの処理過程でプラント内に残存しているPCB、これは操業中が最も対応しやすい状況ですので、事前の除去分別が可能なところを行うという方針。それから撤去解体にあたっては、的確な安全管理、環境管理というのが必須ですので、そこを念頭に置いた基準等の整備等を進めてまいりました。
 併せてこれは、永田座長から強く御指示いただいた点ですが情報共有、そのための手順をしっかり定めるということ、ここも強く認識してここまで作業を進めてきております。
 書類というかドキュメントを含め手順がほぼ準備できてきたという認識でおります。北九州の本格的な解体に今後入っていくことが、可能な状況にほぼ近づいてきているかなと認識しております。
 今後何より重要なことは、確実な技術の施工といったことになっていくわけです。その段階でも安全環境を念頭に置いた十分な全体のシステム管理という視点も必要かと思っております。この辺りも今後の進捗に合わせて的確にお伝えすることができればというふうに思っています。この辺りでよろしいでしょうか。

(永田座長) どうもありがとうございました。またそれぞれの工事が進んでいく過程の中でマニュアルの改訂等も含めてよろしくお願いしたいと思います。
 ほかに御意見のある方お願いしたいと思います。
 北九州の第1期の解体撤去の工事の予定を見ると、4年ぐらいかかる勘定かなと。本格的な解体撤去工事は初めてなので少しオーバー目に期間は見込んでいるかもしれませんが、それにしても大体このくらいの期間は予定しておかないといけないのかと思っています。それでは個別の事業所ごとにその特性に合わせて内容が変わってくるということもあり、さっきの共通のマニュアルに加えて個別の事情を反映させて実施計画等を立て、それをそれぞれの事業部会で御審議いただくとともに、合わせて今日も御出席いただいている監視委員会の方にも御説明をして御意見を頂戴しながら、情報共有を図って進めていくということになっていくのかなと思っています。
 という意味で少し長い期間4年間、まだ処理が終わった後、ここから解体に入りますと言ってから4年間ぐらいは御助言、御指導等を賜らないといけないということになろうかと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 何かコメントがありましたら、今日船木先生、中杉先生、松田先生、上野先生に御出席いただいていますが、何かありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。

(田中委員) 今日は全体を聞かせていただいてコメントしたいと思いました。
 今聞いていて日本の誇るべきPCB処理の大作戦といったようなものを目の前で聞かせていただきました。安全な環境の保全のために、こんなことをやっているということです。この概要を関係する団体というのでは、OECD、UNEP、JICAとか適切な内容をそれぞれに活用してもらいたいという気がします。それぞれに合ったような情報を積極的に出すべきではないかなと思いました。
 その中で私は個人的にも関心があるんですけれども、経済的な費用負担のところ、先ほど自治体が代執行した場合の費用の御負担というのは分かりました。75%を代執行基金から支援している。20%は特別交付税で、トータルで95%、残りの5%が自治体の負担だと。そんな形で国の施設の整備、あるいは運転に要する費用、それから解体の費用とかそういうものも全体像が分かればいいかなという気がします。豊島の廃棄物の処理が大体約1,000億円弱でほぼ終わる予定です。PCBも多くの経済的な負担で、このようなきれいな安全な環境保全という大切なプロジェクトを進める。次回、だんだんと収束もしているのでそういう情報も準備していただきたいなと思いました。
 個人的に得られた情報ですがマンションでも低レベルですけれどもPCBを含んだコンデンサーとかトランス、遮断機と言ったものが使われています。ということで結構マンションにはあるのではないかなと思います。

(永田座長) どうもありがとうございました。前半の部分の処理の経済性の問題、コストの問題、この辺のところについては、処理の全体像をまとめる中でお示しさせていただければと思っていますので、よろしくお願いします。
 あと全体についていかがでしょうか。今日いろいろと議論をいただきました。全体についてこれだけは言っておきたいということがありましたら、お願いしたいと思います。
 よろしいでしょうか。
 それでは、以上で今日準備した審議事項、報告事項は終わりでございます。事務局のほうに最後お返ししますので、あとはまとめてください。

閉会

(切川補佐) 本日は貴重な御意見をいただきまして誠にありがとうございました。本日の議論を受けまして関係者で連携して対応してまいります。
 本日の議事録につきましては原案を作成いたしまして、委員の皆様に御確認いただいた後、環境省のホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。
 それではこれで本委員会を閉会といたします。ありがとうございました。