環境再生・資源循環

第30回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会 議事要旨

日時

令和3年10月21日(木) 1000~1235

場所

WEB会議(YouTube配信)

出席委員

(委員)(五十音順)

浅野委員、伊規須委員、織委員、川本委員、鬼沢委員、岸川委員、木村委員、酒井委員、高岡委員、高原委員、田中委員、永田委員(座長)、三浦委員、森田委員

(各事業所の安全監視委員会等の委員長等)

北海道PCB廃棄物処理事業監視円卓会議 船水座長

東京ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業環境安全委員会 中杉委員長

大阪PCB廃棄物処理事業監視部会 上野委員

北九州市PCB処理監視会議 浅岡座長

(オブザーバー等)

中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)

中間貯蔵・環境安全事業株式会社の事業所が立地する自治体

(北海道、室蘭市、東京都、江東区、愛知県、豊田市、大阪府、大阪市、福岡県、北九州市)

経済産業省

産業廃棄物処理事業振興財団

議事

(1)PCB廃棄物の適正処理に向けた更なる処理推進に係る課題への対応方針

(2)PCB廃棄物の処理完了に向けた取組

①PCB廃棄物の処理完了に向けた環境省の取組

②PCB廃棄物の処理完了に向けたJESCOの取組

③PCB廃棄物の処理完了に向けた政府の率先実行の実施状況

(3)高濃度PCB含有電気工作物の適正な処理に向けた一層の取組

(4)PCB廃棄物処理の進捗状況

①変圧器・コンデンサー等の高濃度PCB廃棄物の処理・未処理の状況

②自治体等における掘り起こし調査の進捗状況

③令和3年度末に向けた行政処分等の実施状況

(5)低濃度PCB廃棄物の処理に係る検討状況

(6)JESCO北九州第1期施設(変圧器・コンデンサー等)の解体・撤去の進捗状況

(7)その他

議事概要等

  • PCB廃棄物の適正処理に向けたさらなる処理推進に係る課題への対応方針とする報告書案及び事業終了準備期間中の処理継続等に関するJESCOの処理施設立地自治への要請事項について事務局から報告があった。

  • 高濃度PCB廃棄物の処理完了に向けた取組として、都道府県市による掘り起こし調査の支援、PCB廃棄物等の適正処理促進のための周知・広報、非自家用電気工作物の掘り起こしに向けた取組等について事務局及びJESCOから報告があった。

  • 高濃度PCB含有電気工作物の適正な処理に向けた取組として、電気事業法関係法令に基づく取組状況、使用禁止のための追加的な取組状況等について経済産業省から報告があった。

  • 北九州事業エリアを除くエリアにおける未処理事業所数、令和3年6月末時点の掘り起こし調査の進捗状況及び行政処分等の実施状況について事務局から報告があった。

  • 低濃度PCB 廃棄物の適正処理推進に向けた取組として、今年度の検討事項、低濃度PCB廃棄物の適正処理推進に関する検討会の審議概要及び今後の検討方針について事務局から報告があった。

  • 北九州PCB処理事業所第1期施設の解体撤去の実施状況及び今後のスケジュールについてJESCOから報告があった。

  • PCB廃棄物に係る不法投棄等のこれまでの事例の集計結果について事務局から報告があった。

主な意見等

(1)PCB廃棄物の適正処理に向けた更なる処理推進に係る課題への対応方針

(2)PCB廃棄物の処理完了に向けた取組

(3)高濃度PCB含有電気工作物の適正な処理に向けた一層の取組

    • 課電自然循環洗浄法で排出される廃油の処理では脱炭素の観点からサーマルリサイクルするか再生油として活用することを項目に挙げてはどうか。また、洗浄油として植物由来の絶縁油の使用が挙げられているが、品質やコストに加え食料に使用される油を使用していないかといった点についても確認することを留意点として挙げてはどうか。(田中委員)→廃油の再生利用については、過去の経験を踏まえ、適切な廃棄の工程を検討することでよいのではないか。(永田座長)

    • 現行法では、PCBを含む非自家用電気工作物や低濃度PCB含有電気工作物に関して電気事業法の規制適用外となっている。また試薬として残しておくべきPCB原液も現状はPCB廃油として一律処分することになっている。これらについては、今後法改正の必要性も含めて考えなくてはいけないのではないか。(浅野委員)→現在の電気事業法の規定では年次点検等を通じてPCBの含有が確認されたものは届出をすることとされている。一方で、実際にはPCB濃度が5,000ppmを超えるものも見つかっており、今後はPCB特措法の枠内で対応していかなければならないと考えており、環境省と協議しながら対応方針を決めていく。(経済産業省) 低濃度PCBについては別途検討会を設けて検討している。本件の制度的な担保も含めて経産省とともに検討し、その進捗を本検討委員会で報告してお諮りいただくことにする。(事務局)

    • 北九州事業の2年延長については、環境省から北九州市に要請する前に本検討委員会で扱うべきであったと思う。また、前回の処理期限延長は法改正を経て行われたが、今回も法の見直しが必要なのではないか。(北九州市PCB処理監視会議座長)→前回の法改正ではJESCOの処理施設の特徴を活かしてどのような体制を組むのがよいか技術的な側面も含めて本検討委員会で検討いただいてから制度的措置を講じた。現行の制度では処理基本計画において事業終了準備期間が設定されており、その期間も活用した処理が行えることになっていることから、その期間を最大限活用しながら各地域内で処理を完了するための検討を行政内で行い、地元への相談等も含めて国として必要な措置を講じていくこととした。環境省の判断で地元への要請を行ったうえでこの場での報告することにしたもの。今後、地元の返答を聞いた後に本検討委員会にて制度的な対応について御審議いただくことにしている。(事務局)

    • 本検討委員会は技術的な課題だけではなく、戦略的な事項も含めたPCBに対する国の施策を扱う場でもあるので、報告書を総括する際には、貴重な経験について反省を含めて残していただきたい。(織委員)→了解した。JESCOで蓄積してきた作業者の安全に係るデータや処理困難物の処理における経験等についても整理して、公表していただきたい。(永田座長)

    • 処理計画上は期限内に十分処理できる能力があるとしながら、なぜ事業終了準備期間を使った処理期間の延長に至ったのか、これまでの掘り起こしの取組が緩慢だったのではないかとの指摘を受けることになる。この点は反省として受け止めとめておく必要がある。(東京PCB廃棄物処理事業環境安全委員会委員長)→JESCOで把握できているものは期限内の処理を目指して日々取り組んでおり、これまでと変わるものではない。今後掘り起こされるものを見込んで期限を延ばしたものであり、監視会議等の場でしっかりと説明していく。処理完了のためには必要なプロセスであり、ぜひご理解いただきたい。(事務局)

    • JESCO東京事業所の進捗率を見ると、計画的処理完了期限が同じ北海道事業と豊田事業に比べ低くなっているが、どのような事情があるのか。(永田座長)→資料に記載した進捗率の9月末時点の速報値では変圧器で94%となっているがその後未登録であった100台が登録されて処理を終えたので最新の値では97%となる。コンデンサーについては94%と変更はないが、年度末には99%の進捗率となる見込みである。なお、今後の新規発見分を除き変圧器は今年度内に処理を終え、コンデンサーの残りは令和4年度内に処理する計画としている。(JESCO)

    • 大阪事業エリアでは使用中の高濃度PCB含有電気工作物であるコンデンサーが10月に入って1事業者から3台が新たに見つかり、合計で4事業者11台が残存しているとされている。10月に入ってからの発見は地方自治体の掘り起こし調査によるものとのことであり、経済産業省の電気主任技術者による調査の信頼性が問われることになる。今後どのように取り組んでいくのか。(永田座長)→ご指摘のとおりであり、今後確認を強化していく取組を検討する。(経済産業省)

    • これまでいろいろと周知広報を行ってきたけれども最近になって多数の機器が発見されたということは、やはり周知広報してきた情報が関係者に届いていなかったということかと思う。特に溶接機のコンデンサー等の非自家用電気工作物にもPCBを含むものがあるということを自分事としてとらえていただくためにも、周知広報は業界団体を通じて行うだけでなく、特に個人経営の事業所に対しては地域の商工会議所や青年会議所を通じて行うなど、多方面から情報を発信していくことが今後重要になってくると思う。(鬼沢委員)

(4)PCB廃棄物処理の進捗状況

   (意見等なし)

(5)低濃度PCB廃棄物の処理に係る検討状況

    • 低濃度のPCBを含む塗膜については、PCBの含有が確認された後に剥離するプロセスを経ることになるが多大な費用と時間がかかる。また、2027年3月の処理期限までに確認と処理を終えることができるのか不安がある。処理期限の議論を行うのであれば前広に検討していただきたい。(三浦委員)

    • 低濃度PCBについては自治体で高濃度PCBと合わせて掘り起こし調査を行っていると聞いているが、ぜひ今後も進めていただきたい。また、低濃度PCBの調査の支援体制作りでは、複数の関係者が関わっているが、現場対応ということでは高濃度PCBの掘り起こしでJESCOの役割が大きかったこともあり、何らかの形でのJESCOの関わり方についても検討していただきたい。(永田座長)

    • 低濃度PCBの実態調査ではマンションにも電気機器が設置されているので対象にされるのが良いと思う。(田中委員)→過年度の調査では不動産関係の業界団体にもヒアリングした。今年度のヒアリング先と情報収集先に加えるか検討したい。(事務局)

(6)JESCO北九州第1期施設(変圧器・コンデンサー等)の解体・撤去の進捗状況

    • JESCO全体として解体撤去に当たっての基本方針を取りまとめて示していただきたい。(永田座長)→了解した。(JESCO)

    • 解体撤去においては、危険度の高い箇所のPCBの除染だけではなく、ダイオキシン類の除染も確実に行っていただきたい。また、北九州事業所の知見を整理して、本検討委員会で報告いただくとともに、他4事業所でも活用いただきたい。(北九州市PCB処理監視会議座長)→設備等の除染状況も確認して、その結果を今後もJESCOの事業部会や監視会議等の場で報告していく。(JESCO)

(7)その他(PCB廃棄物に係る紛失・不適正処分・不法投棄の事例について)

    • 不法投棄で見つかったPCB廃棄物や、それを処理する際に発生したPCBを含む廃棄物の扱いについては環境省のどの部署が所掌するのか考えておいていただきたい。(東京PCB廃棄物処理事業環境安全委員会委員長)→了解した。(永田座長)

      以上