環境再生・資源循環

「海面最終処分場の廃止に関する基本的な考え方」及び「海面最終処分場の廃止と跡地利用に関する技術情報集」

水面を有する場所に設置された一般廃棄物最終処分場及び産業廃棄物の管理型最終処分場（以下、「海面最終処分場」という）は、陸上に設置された最終処分場と比較して広大な面積を有し、大量の廃棄物を受け入れることが可能であることから、大規模災害が発生し膨大な災害廃棄物の処分が必要となる場合に活用されることが考えられる。平成 26 年3 月に取りまとめられた「巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインについて（中間とりまとめ）」において、国は、海面最終処分場が抱える、廃止に至る期間の長期化や跡地利用の制約等の課題に対応する必要があるとされたことから、環境省では、平成27年度から学識経験者、廃棄物埋立事業者・港湾事業等関係者からなる「海面最終処分場の形質変更方法検討委員会」を設置し、「海面最終処分場の廃止に関する基本的な考え方」をとりまとめたところである。このとりまとめにおいては、保有水が停滞するために廃棄物の安定化が遅れ、施設を廃止するまでに要する期間が長期化するという海面最終処分場の特性を踏まえ基本的な考え方をとりまとめた他、廃止基準の適用の仕方の事例、廃止に関する構造、維持管理等の留意点や対応事例、跡地利用に係る対策事例等を「海面最終処分場の廃止と跡地利用に関する技術情報集」として併せてとりまとめたので、海面最終処分場の適正な運用に係る指導にあたり参考とされたい。なお、技術情報集に関連して、港湾における海面最終処分場での底面遮水層を貫通する杭打設に係る諸手続並びに杭打設の施行方法及び打設の際の留意事項等を、国土交通省港湾局が「港湾における管理型海面処分場の高度利用の指針（平成31年3月）」にとりまとめているところであるので、併せて参考にされたい。