溶融固化物とは

 溶融固化物は、「溶融スラグ」とも呼ばれる。1200度以上の高温条件において焼却灰が加熱・溶融され、冷却固化したもので、有機物は熱分解、ガス化、燃焼し、無機物はスラグ化する。
 
*1 「溶融」とは、固体が、加熱され液状になること。
*2 「固化物」とは、本来は鉱石を製錬するときに出るかす、鉱さいの意。焼却灰等を溶融し冷却することにより、ガラス質の類似の性状を有するものが生成される。
 
このため、溶融固化物は次の特徴を持つ。
 
  1. 焼却灰に含有される金属類の中で、低沸点の重金属類(例えば水銀、鉛、カドミウム、亜鉛等)は、加熱・溶融時に揮散し、排ガス側に移行し易く、溶融固化物中の含有量を低減することができる。
     
  2. 溶融固化物中に残る重金属類は、溶融固化物の主成分であるシリカ(SiO2)により、Si-O2の網目構造の中に包み込まれ、溶出防止効果の高い性状を示すと考えられる。
     
  3. 焼却灰等の中のダイオキシン類は、溶融時の高温条件により熱分解し、溶融固化物中にはほとんど残存しない。