一般廃棄物の排出量の動向

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 平成8年度の一般廃棄物の総排出量は約5,115万トンとなっています。これは東京ドーム138杯分に相当します。平成8年度の排出量は平成7年度と比べるとわずかに増加しています。国民一人当たりだと1日に約1kg排出することになります。

 一般廃棄物の総排出量、および、1人1日当たりの排出量は昭和60年度前後から急激に増加しましたが、平成元年度から平成8年度にかけてはほぼ横這い傾向が続いています。

 昭和54年度以降にみられる減少傾向は第二次石油ショックと重なっています。また、平成2年度をピークとする増加傾向とそれ以降の横這い傾向はバブル経済期とその破綻とに重なってみえます。しかし、これからは経済の好不況に関わらず廃棄物量の削減を図っていかなければなりません。そのためには、使い捨て製品の使用の自粛や、リターナブル容器を用いた製品を選択するなど、生活様式を見直し、可能な限り廃棄物の排出を抑制し、その上でリサイクルを進める循環型社会への転換が必要です。

○買い物の時「余分な包装は断っていますか?」


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 一般廃棄物は、直接埋め立てられるもの、焼却されるもの、焼却以外の方法で中間処理されるものに大別されます。焼却以外の中間処理施設には粗大ごみを処理(破砕、圧縮など)する施設(粗大ごみ処理施設)、資源化を行うための施設(資源化施設)、堆肥を作る施設(高速堆肥化施設)などがあります。焼却の際には、発電、熱利用等有効利用が行われている事例も増加してきています。焼却処理による焼却残さ(燃え残りや焼却灰のこと)などは最終的には埋立処分されます。直接埋め立てられる廃棄物、焼却残さ、焼却以外の中間処理施設の処理残さを合わせたものが最終処分場に埋め立てられる量になります。焼却や破砕処理あるいは資源化等の中間処理を行ったごみの割合を「ごみ減量処理率」と言います。この値は年々向上していて、平成8年度には89.7%に達しています。

○買い物の時「詰め替え製品を買っていますか?」


 市町村の分別収集や中間処理による資源化量と住民団体等によって集団回収され資源化されるものの合計の総排出量に対する割合を「リサイクル率」と呼びます。リサイクル率も平成元年度の4.5%から平成8年度の10.3%に大きく増加しています。

 一方、直接埋め立てられるごみの量は約518万トン(平成7年度572万トン)で、総排出量のおよそ1割ほどとなっています。直接埋め立て量の割合は年々減少しています。また、ごみ処理施設から排出される焼却灰などの処理残さを合わせた埋立総量は1,309万トン(平成7年度1,360万トン)であり、こちらも年々減少しています。総排出量が横ばいで、中間処理による減量やリサイクル量は増加しているため、最終処分される量は年々減少しています。しかし、一般廃棄物の最終処分場は、新たな最終処分場が作られないとすると、あと9年弱で満杯となると予想されています(平成8年度末時点)。


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○買い物の時「買い物袋を持って買い物に行っていますか?」


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