素材別のリサイクルの現状

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 ガラスびんは1回限りの利用を前提として作られるワンウェイびんと洗浄して繰り返し利用されるリターナブルびんとに分けられます。

 ワンウェイびんは砕かれてカレットになり、新しいびんを作る原料としてリサイクルされています。カレットとはガラスを砕いたもので、カレット利用率とは、新しいガラスびんの生産量に対するカレット使用量の比率を表しています。

 一方、平成8年度のリターナブルびんの回収率は、種類毎に99%(ビールびん)、97%(牛乳びん)、88.4%(一升びん)、12%(清涼飲料びん)、5%(日本酒中小びん)となっています。リターナブルびんのびん全体に占める割合は36.3%(平成9年度)であり、平成元年度と比較すると半分程度にまで下がっています。

○再利用できる回数は、ビールびんは15~16回、牛乳びんは50~60回、1升びんは12~13回


素材別のリサイクルの現状

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 再資源化率が向上している背景としては、容器包装リサイクル法が施行され、自治体等の分別収集が進んでいることやリサイクル施設の整備が進みリサイクルの処理量が増加していること、技術の進歩により鉄くずとなった再生原料の質が向上し、鉄鋼メーカなどの利用量が増加していることなどがその要因として考えられます。


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 アルミ缶のリサイクル率は平成10年度で74.4%に達しています。回収されたアルミ缶を再びアルミ缶とする「Can to Can」の割合が平成10年度において回収量のうちおよそ79%となっています。回収されたアルミ缶の利用先が安定的に確保されることに加え、アルミスクラップを用いてアルミ缶を作れば、原料のボーキサイトから新たに地金をつくるよりも97%もエネルギーを節約することができますので、「Can to Can」の推進は重要です。

○アルミ缶1個のリサイクルで、40Wの電球を11時間30分点けられる。


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 プラスチックは加工のしやすさ、用途の多様さから非常に多くの製品として利用されており、その生産量・消費量は増加しています。

 プラスチックはPETボトルや食品ラップなどの容器包装のように使用後すぐに廃棄されるものと、家電製品や自動車などの耐久消費財の部品として利用され、生産と廃棄との間に長い時間的なギャップがあるものなど、さまざまな形態で利用されています。そのため、生産量に対するリサイクル量を短い時間で比較することはたいへん難しくなっています。平成9年には、プラスチックの廃棄物の総排出量に対して、埋め立て処理が約34%、焼却処理が53%、溶融などにより再度プラスチックとして再生し利用する量が12%と推計されています。

○紙を再利用すれば、原料から紙を作るときに必要なエネルギーの約75%を節約できる。


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 飲料用容器としての利用が増えているPETボトルは、年々生産量が増加していて、平成10年には、約25万トンに達しています。PETボトルのリサイクルはPETボトルリサイクル推進協議会を中心とした回収・再利用の取り組みが始められ、平成9年4月からの容器包装リサイクル法によるリサイクルの開始によって、平成9年に9.8%、平成10年には16.9%と、ここ数年回収率が大きく伸びています。市町村による分別収集も次第に進み、平成8年度には148市町村だったものが、平成11年12月末には1205市町村が分別収集を行っています。平成11年度には分別収集量が急増し、再商品化の能力が追いつかない状況が生じてきており、さらに再商品化の能力を拡大していく必要があります。

○鉄を再利用すれば、鉄鉱石から鉄を作るときに必要なエネルギーの約65%を節約できる。


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