特定家庭用機器再商品化法の概要


1.目的

 小売業者、製造業者等による収集、再商品化等に関し、これを適正かつ円滑に実施するための措置を講じることにより、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

2.対象機器

  家電製品を中心とする家庭用機器から、[1]市町村等による再商品化等が困難であり、[2]再商品化等をする必要性が特に高く、[3]設計、部品等の選択が再商品化等に重要な影響があり、[4]配送品であることから小売業者による収集が合理的であるものを対象機器として政令で指定する。
  平成13年4月の本格施行当初の対象機器は、エアコンディショナー、テレビジョン受信機、電気冷蔵庫、電気洗濯機。

3.「再商品化等」の定義

(1)対象機器から部品及び材料を分離し、これを製品の原材料又は部品として利用すること

(2)対象機器から部品及び材料を分離し、これを燃料として利用すること

4.基本方針の策定

  対象機器の収集、再商品化等を総合的かつ計画的に推進するため、基本方針を定める。(平成11年6月23日環境庁・厚生省・通産省共同告示として公表。)

5.関係者の役割

(1)製造業者及び輸入業者(製造業者等)

[1] 引取り義務
  対象機器の製造業者等は、予め指定した引取場所において、自らが製造等した対象機器の引取りを求められたときは、それを引き取る。
  引取場所については、対象機器の再商品化等が能率的に行われ、小売業者・市町村からの円滑な引渡しが確保されるよう適正に配置する。

[2] 再商品化等実施義務
  製造業者等は、引き取った対象機器について、再商品化等基準に従って、対象機器の再商品化等を実施するとともに、再商品化等の実施と一体的に行うことが特に必要かつ適切な事項を行う。

(2)小売業者

[1] 引取り義務

  対象機器の小売業者は、次に掲げる場合において、対象機器の引取りを求められたときは、それを引き取る。
  ア.自らが過去に小売販売をした対象機器の引取りを求められたとき
  イ.対象機器の小売販売に際し、同種の対象機器の引取りを求められたとき

[2] 引渡し義務
小売業者は、対象機器を引き取ったときは、対象機器の製造業者等(それが明らかでない時は指定法人)に引き渡す。

(3)消費者
  消費者は、対象機器の再商品化等が確実に実施されるよう小売業者等に適切に引き渡し、収集・再商品化等に関する料金の支払いに応ずる等本法に定める措置に協力する。

(4)市町村
 市町村は、その収集した対象機器を製造業者等(又は指定法人)に引き渡すことができる。(但し、自ら再商品化等を行うことも可能。)   住民に対する普及啓発を行う。

(5)国
  国は、再商品化等に必要な行為に資する製品の低減に資する研究開発、情報提供、施設整備の促進、技術的支援、環境教育、広報活動等を行う。

6.費用請求

[1] 製造業者等は、対象機器を引き取るときは、引取りを求めた者に対し、対象機器の再商品化等に関する料金を請求することができる。
  当該料金の額は、再商品化等を能率的に実施した場合の適正原価を上回るものであってはならない。また、料金の設定に当たっては、排出者の対象機器の適正な排出を妨げることのないよう配慮しなければならない。

[2] 小売業者は、対象機器を引き取るときは、排出者に対し対象機器の収集及び製造業者等による再商品化等に関する料金を請求することができる。

[3] 事業者による料金の公表及び国による適切な情報提供、不当な請求をしている事業者に対する是正勧告・命令・罰則の措置を講ずる。

7.その他

(1)管理票(マニフェスト)制度
  管理票を発行し、製造業者等までの対象機器の確実な運搬を確保するための措置を講ずる。

(2)指定法人
  指定法人を指定し、[1] 製造業者等の倒産等により義務者が明らかでない場合及び[2] 中小規模の製造業者及び輸入業者の委託による場合に、対象機器の再商品化等を実施する、[3] 対象機器の製造業者等への引渡しに支障が生じている地域の市町村又はその住民からの求めに応じ対象機器を製造業者等に引き渡す等の業務を実施、[4] 再商品化等に関する調査並びに普及・啓発及び[5] 排出者、市町村等の照会に応じる。

(3)製造業者等及び小売業者への監督(罰則等)
  製造業者等及び小売業者による業務履行を確保するため、引取り、再商品化等の義務に違反する場合の勧告・命令・罰則、報告徴収・立入検査等所要の監督を行う。

(4)廃棄物処理法との関係
  廃棄物処理法に基づき、再商品化等の工程において生活環境保全上支障が生じないよう措置を講ずる。また、再商品化等の円滑な実施を図るため、廃棄物処理法に基づく廃棄物処理業の許可について特例措置を講ずる。

8.施行時期及び再検討

(1)平成10年12月に一部施行され、平成13年4月1日より本格施行(製造業者等及び小売業者への義務付け)する。

(2)本法律の本格施行後5年経過後、制度全般について再検討する


特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)における再商品化等の流れ(フロー図)[PDF(56KB)]