報道発表資料

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2023年01月24日
  • 水・土壌

令和3年度公共用水域水質測定結果及び地下水質測定結果について

 水質汚濁防止法に基づき、国及び地方公共団体が実施した令和3年度の公共用水域及び地下水の水質の測定結果を取りまとめました。 
 公共用水域水質測定結果では、人の健康の保護に関する環境基準については、99.1%の地点で基準を達成しています。また、生活環境の保全に関する環境基準のうちBOD又はCODの達成率については、河川で93.1%、湖沼で53.6%、海域で78.6%となっています。 
 地下水質測定結果では、令和3年度の全体の地下水の環境基準達成率は94.9%(前年度 94.1%)でした。併せて、令和3年度末までに都道府県等が把握した地下水汚染事例に関する実態把握調査結果を取りまとめました。
 令和2年5月に要監視項目に設定された PFOS 及び PFOA については、環境省に報告のあった 31 都道府県、1,133 地点の調査結果をとりまとめまし た。

※令和5年5月2日(火) 令和3年度地下水質測定結果(赤字箇所)及び添付資料「令和3年度公共用水域及び地下水のPFOS及びPFOA調査結果一覧」(赤字箇所)を訂正いたしました。

共通

背景

 水質汚濁防止法第15条第1項及び第2項並びに第16条に基づき、国及び地方公共団体では、毎年度、公共用水域水質及び地下水質の測定を実施し、環境基準の達成状況等を確認しています。

公共用水域水質測定結果

測定内容の概要

(1)人の健康の保護に関する項目(健康項目);27項目
・ 測定地点数及び検体数;5,268地点、188,551検体
(2)生活環境の保全に関する項目(生活環境項目);13項目
・ 類型指定水域数、測定地点数及び検体数;3,359水域、7,019地点、458,103検体

測定結果の概要

(1)人の健康の保護に関する環境基準(健康項目)
・ 27項目の環境基準達成率は99.1%(前年度99.1%)となりました。
 
(2)生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目)
① 河川
・ BODについて、類型指定水域(2,577水域)における環境基準達成率は、93.1%(前年度93.5%)となりました。
・ 水生生物保全に係る環境基準項目について、類型指定水域における環境基準達成率は、全亜鉛で98.2%、ノニルフェノールで100%、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩(以下「LAS」という。)で99.9%となりました。
② 湖沼
・ CODについて、類型指定水域(192水域)における環境基準達成率は、53.6%(前年度49.7%)となりました。
・ 全窒素及び全燐について、類型指定水域(123 水域)における環境基準達成率は、52.8%(前年度52.8%)となりました。
・ 水生生物保全に係る環境基準項目について、類型指定水域における環境基準達成率は、全亜鉛で99.1%、ノニルフェノールで100%、LAS で100%となりました。
③ 海域
・ CODについて、類型指定水域(590 水域)における環境基準達成率は、78.6%(前年度80.7%)となりました。
・ 全窒素及び全燐について、類型指定水域(152 水域)における環境基準達成率は、90.8%(前年度88.1%)となりました。
・ 水生生物保全に係る環境基準項目について、類型指定水域における環境基準達成率は、全亜鉛で100%、ノニルフェノールで100%、LAS で100%となりました。

測定結果の詳細

・ 令和3年度公共用水域水質測定結果の詳細は、以下の環境省ホームページに掲載しています。
http://www.env.go.jp/water/suiiki/index.html
・ 水環境に関する総合的な情報を以下のサイトで紹介しています。
https://water-pub.env.go.jp/water-pub/mizu-site/index.asp

地下水質測定結果

測定・調査内容の概要

令和3年度地下水質測定結果

地下水の水質汚濁に係る環境基準が定められている28項目
・ VOC(揮発性有機化合物。テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等 13 項目)
・ 重金属等(砒素、ふっ素、鉛等 11 項目)
・ 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 など

地下水汚染事例に関する実態把握調査結果

 令和3年度末までに都道府県等が把握している環境基準を超える値が検出されたことがある地下水汚染事例

測定・調査結果の概要

令和3年度地下水質測定結果

(1)概況調査:
 地域の全体的な地下水質の状況を把握するために実施する調査です。2,995本の井戸で調査が行われ、環境基準の達成率は94.9%(前年度94.1%)でした。測定項目別では砒素の環境基準超過率が最も高く、2.4%でした。
※何らかの項目で環境基準を超過した地点の割合が5.1%(前年度5.9%)
 
(2)汚染井戸周辺地区調査:
 発見された汚染の範囲を確認するために実施する調査です。811本の井戸で調査が行われ、基準超過の井戸数が最も多いのは、砒素で、次いでふっ素、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素でした。

(3)継続監視調査:
 汚染が確認された地域について、継続的に監視を行うための調査です。4,045本の井戸で調査が行われ、基準超過の井戸数が最も多いのは、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素で、次いで砒素、テトラクロロエチレンでした。 

地下水汚染事例に関する実態把握調査結果

 全事例数は9,097件となりました。VOC 事例は2,710件、重金属等事例は2,596件、硝酸・亜硝酸事例は3,616件でした。超過事例件数が最も多かったのは硝酸・亜硝酸(1,940件)、次いで砒素(1,074件)、テトラクロロエチレン(522件)でした。
 汚染原因が特定又は把握された事例4,968件について、主な汚染原因は以下のとおりです。
・VOC 事例:工場・事業場、廃棄物
・重金属等事例:自然的要因、工場・事業場、廃棄物
・硝酸及び亜硝酸事例:過剰施肥、生活排水の地下浸透、家畜排せつ物の不適正処理

測定・調査結果の詳細

令和3年度地下水質測定結果の詳細は、以下の環境省ホームページに掲載しています。
https://www.env.go.jp/water/chikasui/index.html

PFOS 及び PFOA のとりまとめ結果

調査結果の概要

 令和3年度水質測定結果における公共用水域及び地下水の測定地点は 31 都道府県、 1,133 地点(河川:703 地点、湖沼:29 地点、海域:84 地点、地下水:317 地点)であり、その内、指針値(暫定)(合算で 50ng/L)を超過した地点は 13 都府県、81 地点 (河川:38 地点、湖沼:0 地点、海域:0 地点、地下水:43 地点)でした(詳細は別添資料参照)。
 なお、指針値(暫定)の超過が確認された地点については、超過した水が飲用に供されないよう、都道府県等において必要に応じ、当該井戸の所有者等に対して指導・助言等を行うなど「PFOS 及び PFOA の対応の手引き」に基づき対応されている。

連絡先

環境省水・大気環境局水環境課
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8316
課長
大井 通博
係長
森 美穂子
地下水・地盤環境室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8309
参事官
堀内 洋
室長補佐
甲斐 文祥
担当
梅澤 亮友