報道発表資料

平成20年7月10日
廃棄物
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使用済自動車のフロン類及びエアバッグ類に関する装備情報に対する調査結果について(お知らせ)

 自動車リサイクル法に基づき、フロン類及びエアバッグ類は、回収・再資源化等が義務付けられているところです。しかしながら、これらの物品について、自動車出荷時の装備情報と引取時の装備情報が乖離している場合が散見されており、このような場合は、事故や長期間の使用に伴う自然漏洩を除き、同法に違反しているおそれがあります。
 このため、環境省及び経済産業省では、都道府県等に依頼し、自動車整備業又は中古車販売業を兼ねる引取業者及びインターネットオークションに中古エアバッグ類を出品していた引取業者を対象に、平成19年10月から平成20年3月までの間、全国一斉に立入検査を実施しました。
 その結果、一部の事業者において、同法に違反している事実が確認され、関係都道府県等から是正を求める指導が行われました。

1 背景

(1)自動車リサイクル法におけるフロン類及びエアバッグ類の扱い
 使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号。以下「自動車リサイクル法」という。)に基づき、自動車製造業者等には、使用済自動車から回収されたフロン類(カーエアコンに充てんされているもの)、エアバッグ類及び自動車破砕残さを再資源化することなどが義務付けられており、このための費用をリサイクル料金として、原則、新車購入時に自動車所有者に負担いただいております。
 使用済自動車の引取業者、フロン類回収業者、解体業者及び破砕業者には、それぞれフロン類、エアバッグ類又は自動車破砕残さの自動車製造業者等への引渡し等が義務付けられていますが、その引取り・引渡しを確実に担保するため、引取業者は使用済自動車の引取時に実車を確認し、フロン類及びエアバッグ類の装備情報を電子マニフェストに入力するとともに、これらの関連事業者や自動車製造業者等は、引取・引渡情報を電子マニフェストにより報告することが義務付けられています(別紙1参照)。
(2)調査の背景
 自動車製造業者等から提供される出荷時の個々の自動車の装備情報(以下「出荷時情報」)という。)と、引取業者が使用済自動車の引取時に確認した装備情報(以下「引取時情報」という。)とが乖離している事例が表1のとおり確認されているところです。
 このうち、出荷時情報で「装備あり」の自動車が、引取時情報で「装備なし」と報告されている場合には、事故や長期間の使用に伴い自然に漏洩するなど問題のない原因以外に、引取業者がフロン類の確認の手間を省き大気放出させる、又はエアバッグ類を不正に取り外して転売するなど、フロン類やエアバッグ類の不適正処理が行われているおそれもあります。
 こうしたことから、環境省と経済産業省では、平成18年度及び平成19年度、都道府県及び保健所設置市(以下「都道府県等」という)に依頼して、出荷時情報と引取時情報との乖離率の特に高い引取業者を抽出し、フロン類、エアバッグ類の適切な確認・取扱いが行われているかどうか立入調査し、フロン類又はエアバッグ類の不適切な確認・取扱いを行っている業者に対して各都道府県等より指導等を実施しました。

表1 装備情報の乖離状況

全国の引取業者数(平成19年3月現在) 88,870事業者(100%)
装備情報が乖離したことのある事業者数※1)(平成18年8月〜平成19年7月)
フロン類について 11,632事業者(13%)
エアバッグ類について 11,875事業者(13%)

※1) 平成18年8月1日〜平成19年7月31日の間の使用済自動車の引取報告において装備情報が少なくとも1件以上乖離している事業者

2 調査概要及び結果

(1)調査概要

 自動車整備業又は中古車販売業を兼ねる引取業者のうち乖離率の高い引取業者、インターネットオークションに中古エアバッグ類を出品していた引取業者を抽出し立入調査を実施したほか、平成18年度調査において違反のあった事業者に対してフォローアップ調査を実施しました。

ア 高乖離率の事業者に対する調査

 平成18年度の調査では、解体業を兼ねる引取業者のうち乖離率が、フロン類で10%、エアバッグ類で7%以上の事業者を抽出しましたが、平成19年度調査では自動車整備業又は中古車販売業を兼ねる引取業者のうち乖離率5%以上の事業者を調査対象としています。
 全国107(調査時現在)の都道府県等のうち、調査対象事業者が存在する都道府県等は103あり、調査対象事業者の多い都道府県等は、少なくとも都道府県で10事業者、保健所設置市で5事業者の調査を実施することとし、最終的にフロン類については554事業者(乖離のある事業者の4.8%)、エアバッグ類については437事業者(乖離のある事業者3.7%)に対して立入調査を実施しました。

イ インターネットオークションへの出品事業者に対する調査

 インターネットオークションにおいて中古エアバッグ類の販売が行われており、引取業者が出品している場合には、エアバッグ類を不正に取り外して転売するなどの不適正な確認・取扱いを行っているおそれがあるため、平成19年9月の特定日においてインターネットオークションに中古エアバッグ類を出品していた引取業者15業者を抽出し、これらに対して立入調査を実施しました。

ウ フォローアップ調査

 平成18年度調査において、フロン類又はエアバッグ類の不適切な確認・取扱いを行っていた業者(フロン類で95業者、エアバッグ類で53業者)について、違反が継続していないかどうかフォローアップ調査を実施しました。

(2)調査結果

ア 高乖離率の事業者に対する調査

 フロン類について22事業者(調査実施事業者の4.0%)、エアバッグ類について16事業者(調査実施事業者の3.7%)でフロン類又はエアバッグ類の確認を怠っている等の事例が認められ、これらに対しフロン類又はエアバッグ類の不適切な取扱い等の改善について各都道府県等より平成20年3月までに指導が行われました(表2、別紙2)。

表2 調査対象事業者の状況
フロン類 エアバッグ類
調査実施事業者数 554 437
違反事業者数 22 16
確認を怠る等の問題のあった事業者数 19 13
対応 指導※1) 19 13
その他の違反事業者※2) 3 3
対応 指導※1) 3 3
  • ※1)自動車リサイクル法第19条に基づく指導をいう。
  • ※2)確認を怠る等の乖離に関する問題はなかったもののそれ以外で違反(定められた解体場所以外での解体の実施等)のあった事業者。

イ インターネットオークションへの出品事業者に対する調査

 インターネットオークションに中古エアバッグを出品していた引取業者については、5事業者において、本来自動車製造業者等に引き渡すべきエアバッグ類を不正に転売する違反が認められ、これらすべてに対し各都道府県等より平成20年3月までに指導が行われました(表3)。

表3 インターネットオークションへの出品引取業者
調査実施事業者数 15
違反事業者数 5

指導※1) 4
勧告※2)予定 1
  • ※1)自動車リサイクル法第19条に基づく指導をいう。
  • ※2)自動車リサイクル法第20条に基づく勧告をいう。

ウ フォローアップ調査

 平成18年度調査において違反のあった事業者については、フロン類、エアバッグ類ともに4事業者で再度の違反が認められ、これらに対し各都道府県等より平成20年3月までに指導又は勧告が行われました。また、平成20年6月20日現在で調査が実施されていない事業者がフロン類で3事業者、エアバッグ類で2事業者存在しますが、今後、関係自治体による調査が予定されています(表4)。

表4 フォローアップ調査の結果
フロン類 エアバッグ類
平成18年度調査における違反事業者数 95 53
改善済の事業者数 86 45
再度違反の認められた事業者数 4 4

指導※1) 3 3
勧告※2) 1 0
勧告※2)予定 0 1
本調査実施までに廃業された事業者数 2 2
今後フォローアップ調査を実施予定の事業者数 3 2
  • ※1)自動車リサイクル法第19条に基づく指導をいう。
  • ※2)自動車リサイクル法第20条に基づく勧告をいう。

3 フロン類又はエアバッグ類に関する不適切な取扱い等の類型

 2(2)アの高乖離率の事業者に対する調査の結果により明らかとなったフロン類又はエアバッグ類に関する不適切な取扱い及びその他の違反について、違反等の事例に則して分類すると図1及び2のようになります。

図1、図2

【確認・入力の誤り】
フロン類又はエアバッグ類の有無を正しく確認しなかった又は入力を誤った場合(自動車リサイクル法第9条第1項違反)
【虚偽報告】
フロン類又はエアバッグ類の有無を確認したものの、エアバッグ類の転売等を目的として、フロン類又はエアバッグ類の有無を偽って報告した場合(第9条第1項・第2項違反、又は第9条第1項・第10条・第81条第1項違反又は第9条第1項・第16条第3項違反)
【その他】
フロン類及びエアバッグ類の確認に問題はなかったが、立入検査により他の違反(定められた保管場所以外での保管等)が判明した場合

4 平成18年度調査結果との比較

 解体業を兼ねる引取業者を対象とした平成18年度調査では、フロン類で583事業者中95事業者(16%)、エアバッグ類で349事業者中53事業者(15%)においてフロン類又はエアバッグ類の確認を怠っている等の事例が認められましたが、自動車整備業又は中古車販売業を兼ねる引取業者を対象とした今回の調査では、フロン類で554事業者中22事業者(4.0%)、エアバッグ類で437事業者中16事業者(3.7%)において確認を怠っている等の事例が認められました。今回の調査における違反事例の割合が平成18年度調査に比べ減少しているのは、平成18年度調査により、引取業者全体に対して違法行為の抑制についての注意喚起が副次的に図られた可能性もあると考えられます。

5 調査結果の評価と今後の対応

 平成18年度調査及び今回の調査の実施による都道府県等の行政指導・処分により、上記違反事例の早期改善が図られた可能性が示唆されており、電子情報を活用した全国一斉の現場レベルの行政の監視が重要であることが明らかとなったところです。
 また、インターネットを介したエアバッグ類の取引については法に違反する事例が確認されたことから、その監視にも留意する必要があると考えられます。
 平成18年度調査及び今回の調査結果を踏まえ、違反が認められた業者への継続的監視に加え、インターネットの利用等の違反のおそれのある新たな形態にも目を向けながら、今後とも電子マニフェスト情報を活用した現場での監視活動を都道府県等と連携して実施してまいります。

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
直通 03-5501-3153
代表 03-3581-3351
室長:西村 淳(内線6842)
室長補佐:中野 哲哉(内線6833)
担当:近藤 雅史(内線6828)

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