報道発表資料

平成20年4月25日
地球環境
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「アジア太平洋気候変動と開発のためのゲートウェイ・キックオフミーティング」と「気候変動対策と開発の副次的便益(コベネフィット)に関する日米共同ワークショップ」の結果について

 タイ・バンコクで4月22日(火)から4月23日(水)にかけて開催された「アジア太平洋気候変動と開発のためのゲートウェイ・キックオフミーティング(The Asia-Pacific Gateway to Climate and Development)」および「気候変動対策と開発のコベネフィット(相乗便益)に関する日米共同ワークショップ(US-Japan Workshop on The Co-Benefits of Climate Actions in Asia)」が開催されました。
 アジア太平洋気候変動と開発のためのゲートウェイ(APゲートウェイ)とは、環境省、UNESCAP及びOECCにより今般創設された気候変動と開発に関するアジア太平洋地域での協力枠組みであり、コベネフィット及び適応策に関する情報共有、案件形成支援等を行うことを目的としています。

コベネフィット(相乗便益)とは、途上国の開発ニーズと、地球温暖化防止を行うニーズとの両方を意識し、単一の活動から異なる二つの便益を同時に引き出すことを指している。

A.アジア太平洋気候変動と開発のためのゲートウェイ・キックオフミーティング

1.ミーティングの日程等

(1)日程:
平成20年4月23日(水)
(2)開催場所:
タイ バンコク
(3)主催:
環境省、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)、社団法人海外環境協力センター(OECC)
(4)出席者:
我が国より小島環境省地球環境審議官及び地球温暖化対策課中川課長補佐他が参加。そのほかは参加国14か国、国連及びその他の国際機関並びに政府機関等は次の通り9機関:国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)、国連アジア太平洋経済協力社会委員会(UNESCAP)、国連環境計画(UNEP)、国際労働機関(ILO)、クリーン・エア・イニシアティブ・アジア(CAI−Asia)、海洋開発研究機構地球環境研究フロンティアセンター(JAMSTEC)、地球環境戦略機関(IGES)、海外環境協力センター (OECC)。

2.会議の主な成果

 アジア太平洋気候変動と開発のためのゲートウェイ(APゲートウェイ)とは、環境省、UNESCAP及びOECCにより今般創設された気候変動と開発に関するアジア太平洋地域での協力枠組みであり、コベネフィット及び適応策に関する情報共有、案件形成支援等を行うことを目的としている。
 今回のキックオフミーティングでは、14か国・9機関から約40名の開発計画や気候変動担当の行政官(局長級)や開発援助等の専門家の出席を得て、コベネフィット(相乗便益)の実現と適応措置の開発政策への統合を重点的に支援する取組について議論が行われた。また、我が国が提唱する「クールアース・パートナーシップ」の下、途上国の開発計画及び気候変動担当の関係省庁等の協力に基づいた取組の重要性に関する認識が共有された。

(1)APゲートウェイを通じた支援の取組
  • 2007年12月に合意された「バリ・アクションプラン」で合意されたように、すべての国が気候変動対策に参加をすることが必要であり、特に途上国については経済・社会開発のニーズを満たし、且つ開発計画の中にあらかじめ気候変動の悪影響への対処方法を取り入れた形で取組みを進めることが重要である。日本の「クールアース・パートナーシップ」の発表やG8北海道洞爺湖サミット等のモメンタムを機に、アジア太平洋を中心とした気候変動分野での途上国支援の強化が期待される。
  • APゲートウェイでは重点的支援分野として、統合的適応策とコベネフィット型温暖化対策(緩和)とを取り上げる。支援の主な活動として、[1]ウェブサイト等を通じた有益な情報の共有(グッドプラクティス[優良事例]・政策ツールの紹介等)、[2]国内関係機関の調整・協働の支援、[3]コベネフィット・プロジェクト等の案件形成の支援を行う。
(2)統合的適応策
  • 途上国の開発において適応問題を主流化することが重要である。より現実的で効果的な適応の主流化を行うためには、既存の開発枠組・予算のサイクルその他に沿う形で計画が行われなければならない。
  • 気候変動への効果的な適応策を講じるためには、途上国内での異なる開発・行政セクター間での協力が必要となるため、これらを調整する国内の機能が強化されることが望ましい。開発計画担当機関のリーダーシップの下、科学的な知見を有する気候変動担当機関が協力を行いながら、インフォーマル且つ実質的な形で連絡調整が行われることが重要。
  • 第一歩の取組みとして、現段階における国内での適応策及びそれに関連の深い取組みにつきストックテーキング調査を行うことが有益である
  • 適切な形で適応策を進めるには、科学的知見に基づく脆弱性評価と計画作りが必須である。それらを実施するため、地球シミュレーターを利用する適応策能力強化の事例があり、アジア太平洋地域各地での実施が期待される。
  • 開発援助機関では適応支援の取組みが開始されており、関係者から歓迎されている。今後上記の点に留意した形で支援の拡大が期待される。
(3)コベネフィット型温暖化対策(緩和)
  • コベネフィット型温暖化対策を効果的に推進するためには、途上国の開発計画担当機関、気候変動担当機関、地方自治体、民間企業の認識の向上を行うことが必要である。これらを支援するために、APゲートウェイを通じて、コベネフィット型対策のグッドプラクティスやコベネフィットの定量的評価を行う政策ツール等を活用することが望まれる。
  • コベネフィット型温暖化対策を実施するためには、既存のプロジェクトスキーム(ODAやCDM)を活用することが現実的であり、案件形成の際には、スキーム毎の要件を満たしながら温室効果ガスの排出削減と開発便益を実現していくことが重要である。
  • コベネフィット型温暖化対策は、途上国の国家開発計画の実施を支援するものであり、同時に、低炭素型の社会(Low Carbon Society :LCS)の構築を支援するものでもある。

添付資料

議題(英文)

関連HP:

アジア太平洋気候変動と開発のためのゲートウェイ・ウェブサイト(英語)
http://www.climateanddevelopment.org/
京都メカニズム情報プラットフォーム(日本語)
http://www.kyomecha.org/
 セミナーの詳細情報を掲載。発表資料については後日掲載予定。

B. 気候変動対策と開発の副次的便益(コベネフィット)に関する日米共同ワークショップ

1.ワークショップの日程等

(1)日程:
平成20年4月22日
(2)開催場所:
タイ バンコク
(3)主催:
環境省、米国環境保護庁(EPA)、(財)地球環境戦略研究機関(IGES)
(4)出席者:
我が国より環境省中川地球環境局地球温暖化対策課課長補佐、米国EPAよりフィッツジェラルド氏(Director Of Integrated Environmental Strategies) 他、その他地方自治体、企業、研究機関、国際機関、NGOなど計約40名が出席。

2.ワークショップの結果概要(議題(英文)は別紙)

 今回のワークショップでは、日米及びアジアの政府機関、研究機関、国際機関、NGOから気候変動・大気汚染・交通等の専門家が出席し、各国のコベネフィット推進政策、中国・インド等の途上国における温室効果ガスの削減につながる対策(大気汚染対策、交通対策等)についてのプレゼンテーションと意見交換が行われた。

(1)アジアのコベネフィットプロジェクト
  • 米国EPAは、統合的環境戦略プログラム(Integrated Environmental Strategies: IES)を通して、温室効果ガスと大気汚染を減らす活動をアジアを含めた世界の発展途上国と行っている。
  • 日本政府は、2008年1月に発表されたクールアースパートナーシップを通して、100億ドル規模の資金援助を計画している。
  • CAI-ASIA (Clean Air Initiative)は、アジアでのコベネフィットを通した活動の重要性を強調した。
(2)アジアの交通政策のコベネフィット
  • インドネシア・ジャカルタではBRT(Bus Rapid Transit)による、コベネフィット(燃料削減、時間、温室効果ガス排出)の見積もりがなされている。
  • 米国カリフォルニアはその規模からして気候変動にも大きく寄与している州ではあるが、さまざまな気候政策で米国をリードしてもいる。温室効果ガス排出削減の方策、カリフォルニアAB32(最近通った気候関連の州法)によってコベネフィットを活用している。
  • インドでは、急激な車両の増加が温室効果ガスの増加を招いているのみならず、大気汚染の原因ともなっている。ハイダラバードでは統合環境戦略を通して市の交通政策形成に役立てている。
  • クリーンな車両や燃料は非常に有効なコベネフィット策であるが、どのような規制も一つの問題を解くために、他の問題を作り出すようなことがないように配慮しなければならない。
(3)2013年以降の気候枠組みにおけるコベネフィット
  • 中国では、急激な経済成長が進んでいる一方で、コベネフィットに着目した対策も進んでいる。新しい気候枠組みを作るためには、これまでの排出量に応じた排出量を割り当てるグランドファザリング(Grandfathering)ではなく、各個人に等しく配分するグランドマザリング(Grandmothering)の原則を適用するべきであるとの提案がなされた。
  • さまざまなコベネフィットを温室効果ガス排出削減と持続可能な発展のための投資から見出すことが重要であり、新しい気候枠組みには、持続可能な政策措置(SD-PAMs)、国内でのセクター別アプローチ、CDMの拡大等を考えていく必要があるとの指摘があった。
  • 現在の気候枠組みが開発に寄与する部分が少ないというのには, 気候変動対策を第一においているところにある。開発問題に対して十分な配慮をおこなった提案が必要との主張があった。
  • SD-PAMsをいかに2013年以降の気候枠組みの中で制度化していくかが問題であると指摘がなされた。

添付資料

議題(英文)

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課
tel:03-5521-8330(直)
国際対策室長:和田 篤也 (6772)
補佐:川又孝太郎 (6789)
補佐:中川亜起子 (6789)
担当:小林 豪 (6775)

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