報道発表資料

平成20年4月4日
大気環境
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微小粒子状物質健康影響評価検討会報告について(お知らせ)

 環境省では、大気中における微小粒子状物質(PM2.5)に係る健康影響評価について検討するため、「微小粒子状物質健康影響評価検討会」(座長:内山 巌雄 京都大学大学院工学研究科教授)を平成19年5月に開催し、調査審議をいただいてきたところである。今般、平成20年4月3日に開催された第11回検討会において、報告書が取りまとめられた。

1.背景及び経緯

 本検討会は、大気中の浮遊粒子状物質(粒径10マイクロメートル以下)の中でも粒径の小さい微小粒子状物質(粒径2.5マイクロメートル以下)について、国内外の知見を踏まえ、微小粒子状物質の呼吸器系や循環器系等への健康影響に関する評価について専門的な検討を進めることを目的として、平成19年5月29日に第1回会議を開催した後、報告をとりまとめるまで合計11回におよぶ調査審議を行ってきた。
 健康影響評価の作業を行うにあたって、曝露、毒性、疫学のワーキンググループを設置し、これらのワーキンググループの知見を統合して、疫学知見から示された結果が毒性学知見から想定される影響メカニズムによって支持できるか等の定性的な評価を行った。

2.報告書の概要

(1)微小粒子状物質の健康影響について

 呼吸器系・循環器系の死亡リスクの増加、症状・機能の変化及び入院・受診数の増加に関する疫学知見から、粒子状物質において従前から認められている呼吸器系の健康影響が微小粒子状物質においてもみられ、また、新たに微小粒子状物質による循環器系や肺がんの健康影響がみられた。
 今般の評価は、以下の不確実性の下に評価されたことに留意する必要がある。
  • 欧米と我が国における生活習慣等の違いによる疾病構造の相違
  • 微小粒子と粗大粒子の影響の判別
  • 他の共存汚染物質(NO2等ガス状汚染物質)の影響
 その一方、これらの不確実性の存在にかかわらず、総合的な評価をすると、微小粒子状物質が、総体として人々の健康に一定の影響を与えていることは、疫学知見ならびに毒性知見から支持される。
 大気中粒子状物質の曝露に関して観察される相対リスクは他の曝露要因と比較して必ずしも大きくはないものの、公衆衛生の観点から微小粒子による健康影響を軽視することはできない。このため、今回の検討で判明した微小粒子に関する様々な影響について、さらに定量的な評価に関する考察を進める必要がある。

(2) 今後の課題

 定量的な評価に関連して、粒子状物質自体の影響に関する閾値(いきち:その曝露量では影響が生じないとされる値)の存在の有無を明らかにすることは難しいと当面結論するに至っている。この結論は、既存の定量的な評価手法を採用することはできないことを意味することから、環境目標値の設定等を行うためには、リスク評価に係る手法について充分に検討を行うべきである。
 また、曝露分野に関して、以下の課題について充分に検討を行うべきである。
  • 秤量測定法や自動測定法に関する測定精度の改良
  • 微小粒子の生成機構や大気中の組成解明及び多岐にわたる排出源の把握に関する情報の整理

 ※ 検討会報告書のホームページへの掲載は来週以降に行います。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局総務課
課長:岡部 直己(内線6510)
補佐:松田 尚之(内線6514)
係長:山崎 寿之(内線6516)

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