報道発表資料

平成19年11月26日
総合政策
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環境基本計画の進捗状況の点検結果について

  環境基本計画(平成18年4月7日閣議決定)の進捗状況の点検結果に関する中央環境審議会の報告が、平成19年11月27日(火)に閣議報告される予定です。

1.環境基本計画の進捗状況の点検の趣旨

 環境基本計画の着実な実行を確保するため、毎年、中央環境審議会が国民各界各層の意見も聴きながら、環境基本計画に基づく施策の進捗状況などを点検し、必要に応じ、その後の政策の方向につき政府に報告するもので、これまでに第一次環境基本計画の下で3回、第二次環境基本計画の下で3回行われている。

2.点検方法の概要

 今回の点検は、第三次環境基本計画が平成18年4月に閣議決定されてから、最初の点検となる。第三次環境基本計画では、10の重点分野政策プログラムを定めており、今回の点検では、このうち、(3)都市における良好な大気環境の確保に関する取組、(4)環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組、(7)市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり、(9)長期的な視野を持った科学技術、環境情報、政策手法等の基盤の整備、(10)国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進の5分野を取り上げ、これらを中心に審議を行った。
 また、国の施策の進捗状況のみならず、環境基本計画に沿って国民、事業者及び地方公共団体の社会を構成する各主体が行っている取組についてアンケート調査をするとともに、国民各界各層に対する公開のヒアリングを行った(各アンケートの調査結果については公表済み)。

参考:現時点の想定スケジュール(時々の事情等を踏まえて確定していきます。) 網掛け部分はH19点検分
重点分野政策プログラム名 H19 H20 H21 H22
(1)地球温暖化問題に対する取組
   
(2)物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組
   
(3)都市における良好な大気環境の確保に関する取組
   
(4)環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組
   
(5)化学物質の環境リスクの低減に向けた取組
   
(6)生物多様性の保全のための取組
   
(7)市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり
   
(8)環境保全の人づくり・地域づくりの推進
   
(9)長期的な視野を持った科学技術、環境情報、政策手法等の基盤の整備
   
(10)国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進
   

3.点検報告書の概要

(1)全般的評価

(環境各分野の状況)

○ 環境保全に関する取組概況についてみると全般的に進展がみられるが、各分野で未だ数々の課題を抱えている状況と言える。

(各主体の状況)

○ 環境に対する国民等の意識は高まっているが、環境保全の取組の実施に十分結び付いていない。各主体のより積極的な環境保全行動を促すため、各主体のパートナーシップの構築に向けた地域コミュニティの取組を推進する枠組みづくりが有効である。

(2)重点点検分野の点検

(1)都市における良好な大気環境の確保に関する取組
概況 ○大気汚染物質のうちSO2,COは、ほぼ環境基準を達成
    ○SPM,NO2は全体として改善傾向にあるが、大都市地域に未達成地域が存在
    ○Oxについては環境基準達成率は依然として低い水準(0.3%)

重点調査事項(1):環境的に持続可能な交通システム実現のための取組
○ 環境的に持続可能な交通(EST)は公共交通機関の利用促進等につながるため、環境的に持続可能な交通を目指し、更に全国へ普及することが望まれる。
○ グリーン物流パートナーシップ推進事業の環境負荷軽減効果を踏まえ、引き続き、環境負荷の小さい物流体系の構築に向けた、具体的な事業の形成が期待される。

重点調査事項(2):ヒートアイランド対策のための取組
○ ヒートアイランド対策について国民の理解を深め、各主体による取組の一層の推進を図るとともに、施策の評価を行えるよう、ヒートアイランド現象の緩和に関する指標を分かりやすく示すこと等に努める必要がある。

(2)環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組
概況  ○水質汚濁に係る環境基準のうち、人の健康保護に関する環境基準はほぼ達成
     ○生活環境項目に関する環境基準については、湖沼等の閉鎖性水域における達成率は十分ではなく、更なる改善努力が必要な状況

重点調査事項(1):流域における水循環改善のための取組
○ 個別の施策は展開され活動が強化されている。環境保全上健全な水環境の構築に向け、関連する施策相互の連携や協力を更に推進し、流れの視点を持って、より一層、総合的かつ統合的な取組を着実に行うことが必要である。
○ 温暖化に伴う気候変動の一環としての降雨量の状況の変化等も考慮に入れた取組が求められる。

重点調査事項(2):閉鎖性水域における環境改善のための取組
○ 個別の施策は展開され、一定の効果はあらわれているが、閉鎖性水域の特性からも、水質の改善がなかなか進んでいない。
○ 今後とも引き続き閉鎖性水域における環境改善について、各省間の連携を更に強化しながら、流域全体を視野に入れて、山間部、農村・都市郊外部、都市部における施策の総合的、重点的な推進を図ることが求められる。

(3)市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり
概況  ○地方公共団体のグリーン購入率、SRIファンド純資産残高は着実に増加
     ○ただし、我が国におけるSRI等の環境投資は欧米と比較して極端に少ない状況

重点調査事項(1):地方公共団体のグリーン購入実施状況
○ 地方公共団体のニーズを把握した上で、それぞれの地域特性や取組レベルに合った効率的なグリーン購入を働きかけることが必要である。
○ 関係各省が連携し、それぞれ既存の施策体系等を活用するなど工夫しながら、グリーン購入の取組を推進することが必要である。

重点調査事項(2):SRI等の環境投資の拡大
○ SRI等の環境投資の持つ環境への負荷の少ない事業などを促進する効果にかんがみると、効果的な政策ツールとして活用できるSRI等の環境投資の拡大に向けた抜本的な対策を採ることが有効である。
○ 機関投資家や公的年金の資金をSRI等に振り向けるためにも、具体的な施策を確立することが求められる。

(4)長期的な視野を持った科学技術、環境情報、政策手法等の基盤の整備
概況  ○環境情報に関する国民の満足度は平成14年度、平成15年度と10%前半で横ばいであったが、平成18年度に4人に1人が環境情報に満足する状況となった
     ○ただし、環境基本計画上の目標(90%超)には、はるかに及ばない状況 

重点調査事項(1):環境に関する情報の整備及び提供についての取組状況
○ 環境情報の提供内容や提供方法等について、より一層工夫を凝らし、国民の行動に結び付くよう、各省連携して情報提供を行っていくことが必要である。
○ 「環境情報戦略」の策定に向け、課題と基本的な方向について発展的な検討を行うため、平成19年9月に、中央環境審議会総合政策部会に環境情報専門委員会が設置され、専門的な見地から活発に議論が行われている。

重点調査事項(2):戦略的環境アセスメントの取組状況
○ 戦略的環境アセスメントについては、事業の位置・規模等の検討段階における実施事例が積み重ねられることが期待される。
○ 技術的な検討を進め、ガイドラインの不断の見直しを行うとともに、より上位の計画や政策の決定に当たっての戦略的アセスメントに関する検討についての準備作業を進める必要がある。

(5)国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進
概況 ○環境関係の条約、議定書等の策定及び我が国の締結は一段落
    ○国連等国際機関への就職に向けての広報、必要な機会・経験の付与等の実施により、国際機関における邦人職員数は増加傾向

重点調査事項(1):国際的な経済連携・地域統合と環境の融合
○ 経済連携協定において、環境保全に関する規定や環境協力の規定を盛り込む等により、国際経済活動と環境保全の相互支持性の向上が進められている。
○ 環境保全の実効性の担保や高度な環境政策を促す上で、相手国の環境保全に係る制度的なバックアップを図るため、様々な立場で政策対話を進めるとともに、技術移転も含め、継続的な環境政策の定着に向けた積極的な協力が求められる。

重点調査事項(2):NGO/NPOが東アジア地域等の環境管理能力の向上に果たしている役割
○ 環境保全を主な目的として活動する日本のNGO/NPOの数は限られており、(1)資金・人材の組織基盤、(2)情報の不足、といった問題を抱えている。
○ NGO/NPOに期待される役割等を整理した上で、行政とNGO/NPOとの連携や財政支援、技術支援も含め、NGO/NPOが国際的環境協力に参加しやすくなる方策を戦略的に検討することが必要である。

(3)環境基本計画の点検に当たって

 ○ 点検に当たっては、施策の達成状況やその効果などについてのきめ細かな分析等が求められることから、引き続き、適切な環境情報の把握・分析も含め、第三次環境基本計画より導入された指標の充実を図るなど、必要な手法について更なる充実化が必要である。

(4)おわりに

 ○ 「21世紀環境立国戦略」が本年6月に閣議決定されるとともに、第三次生物多様性国家戦略の検討や循環型社会形成推進基本計画の見直しが行われるなど、各施策の基本的枠組みは充実されつつある。このような基本的な枠組みの下で各主体が連携した取組を総合的に進めることにより具体的な各施策の実効性を高める必要がある。
 ○ 各分野における施策についても、環境保全に関する取組状況についてみると進展がみられるが、環境の現状をみると各分野で未だ多くの課題を抱えている状況である。各主体の積極的な取組や施策の効果を明確化することなどを通じ、これらの問題の解決に向けた環境保全に対する積極的な取組が評価される社会となることが期待される。

4.点検報告書への対応

 政府としては、環境保全経費の見積方針の調整に反映させるなど、持続可能な社会の構築に向けて、環境基本計画の一層の推進を図る。

添付資料

連絡先
環境省中央環境審議会総合政策部会
(環境基本計画関係)事務局

環境省総合環境政策局環境計画課
直通:03−5521−8233
代表:03−3581−3351
課長:弥元 伸也(6220)
計画官:菊池 英弘(6282)
課長補佐:津森 洋介(6224)
担当:長谷 明弘(6280)
   杉森 弘(6226)

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