報道発表資料

平成19年11月19日
保健対策
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UNEP第1回水銀に関するアドホック公開作業グループ会合の結果について

 11月12日(月)から16日(金)まで、「UNEP第1回水銀に関するアドホック公開作業グループ会合」がタイ・バンコックで開催されました。本作業グループ会合は、水銀対策のための条約制定の可能性を含め、対策強化の選択肢を検討するために設置されたものです。
 今次会合は、各国政府代表、関係国際機関、NGO等約200名の参加を得て開催され、各国から、条約制定等法的拘束力のある文書の作成と自主的なアプローチとの選択に関する意見が表明されるとともに、大気への人為的な水銀排出の削減等、UNEP管理理事会が決議した優先課題に対応するための施策のリストアップと、今後の作業計画について検討がなされました。
 今次会合の結果は、2008年2月にモナコで開催されるUNEP管理理事会特別会合に報告されます。その後、2008年9月頃に予定されている第2回作業グループ会合において結論を得て、2009年2月頃に開催される第25回UNEP管理理事会に報告される予定です。

1.開催の経緯

 国連環境計画(UNEP)では、2001年より、地球規模での水銀汚染に関連する活動(UNEP水銀プログラム)を開始し、2005年からは、鉛及びカドミウムも対象に加えている(UNEP重金属プログラム)。
 2007年2月、ナイロビで開催された第24回UNEP管理理事会では、水銀の世界的な需給と貿易に関する報告書、鉛及びカドミウムによる地球規模での汚染に関する報告書等が提出され、これらを踏まえて議論が行われた。議論の結果、水銀対策のための条約制定の可能性も含め、対策強化の選択肢を検討するための「水銀に関するアドホック公開作業グループ会合」(以下、「作業グループ」という。)の設置等の決議が採択された(理事会決議24/3)。
 この決議を受けて今回開催された作業グループ会合の結果は、2008年2月のUNEP管理理事会特別会合に報告される。その後、2008年9月頃に予定されている第2回作業グループ会合において諸論点に関する結論を得て、2009年2月の第25回UNEP管理理事会に報告される予定。

2.作業グループの結果

(1)日時等

日時:
11月12日(月)〜11月16日(金):本会合
11月11日(日)アジア太平洋地域、非EU先進国グループ(日本、米、加、豪、NZ、スイス、ノルウェー:JUSCANZ)、EU-JUSCANZ等準備会合
開催地:
タイ・バンコック
出席者:
各国政府代表、関係国際機関、NGO等約200名
我が国からは、環境省戸田化学物質審査室長、同国立水俣病研究センター坂本国際部長、外務省他が出席。

(2)主な議論

(a) 作業グループの議長、副議長及び報告者の選出

議長:
ジョン・ロバーツ英環境省化学・ナノテクノロジー部次席
副議長アジア太平洋地域代表:
日本(環境省環境安全課瀬川課長補佐)
ラテンアメリカ地域代表:
メキシコ
中・東欧地域代表:
ベラルーシ
報告者:
アフリカ地域代表:ナイジェリア

 なお、議長、副議長及び報告者は、第2回作業グループにおいても同じ者が同じ職務を果たすこととされた。

(b) 自主的取組の強化及び新規又は既存の国際的な法的枠組みに関する選択肢のレビュー及び評価

[1]各国意見の概観
 プレナリーにおいて、各国から、自主的取組の強化及び法的拘束力のある文書の制定に関する意見が表明された。
 概観すれば、EU及びアフリカ地域各国は法的拘束力のある文書の制定を支持し、具体的には、ストックホルム条約(POPs条約)の新規議定書及び新規の「水銀条約」の制定を検討候補とする意見が多く見られた。一方、米は自主的取組の強化が有効と主張した。アジア太平洋地域は、法的拘束力のある文書及び自主的取組の強化をそれぞれ支持する国があった。
 我が国は、法的拘束力のある文書の必要性の検討について積極的に対応する旨、表明し、検討候補とされている議定書及び新規条約に関する改正点等について指摘した。また、現在進められている「水銀パートナーシッププログラム」(石炭燃焼による大気への水銀放出、大気中の水銀の挙動モデル等、水銀の放出に関する各種検討課題について産官学の意見交換を行うプログラム)に積極的に対応していくことを表明した。また、現実的アプローチとして、まず、各国の自主的取組によって、水銀使用量の削減や途上国への技術支援を推進し、並行して法的拘束力のある文書の必要性の検討を進めることが望ましい旨主張した。さらに、重要なのは水銀等汚染物質の削減の方法であり、適切な排出濃度を定めるか、「利用可能な最善の技術」(BAT)の適用を進めるというようなアプローチが実効性が高く、排出口における脱硫・脱硝や製品中における水銀使用量の削減技術など、我が国は放出レベルの抑制に関して高い技術を有しており、知的財産の問題を整理する必要はあるものの、途上国に対する技術協力等において貢献できるものと考えている旨、表明した。
[2]優先課題に対応する施策のリストアップ
 作業グループは、(ア)人為的な大気への水銀排出の削減、(イ)水銀を含む廃棄物の処理対策、(ウ)製品及び生産プロセスでの水銀需要の削減、(エ)水銀の一次生産の削減の検討を含む水銀供給の削減、(オ)環境影響の少ない水銀の長期保管、(カ)汚染された場所の修復、(キ)知識の増進、の7つの優先課題について、自主的取組の強化及び法的拘束力のある文書を検討することとされている。 
 このため、今次会合では、これら優先課題に対応する施策をリストアップした。また、今後、リストアップされた各施策内容について、実現のために法的拘束力のある文書が必要か否か等について事務局が整理することとなった。
[3]第2回作業グループ会合に向けた作業
 第2回作業グループ会合に向け、事務局が進める作業について議論がなされた。
 検討の結果、選択肢についてはPOPs条約の新規議定書、新規の「水銀条約」及び自主的取組についてその詳細を検討することとし、また、優先課題に対応する施策の実現に関する詳細検討事項、水銀の排出源の同定、需要及び供給の代替可能性、資金メカニズム等についても、事務局が作業を進めることとされた。
[4]その他
 水銀パートナーシッププログラム等に関するサイドイベントが開催され、我が国からも蛍光管に含まれる水銀の低減及び回収について発表を行った。

3.今後の対応

 我が国は、水銀汚染による健康被害を引き起こした水俣病の経験を踏まえ、世界各国における水銀汚染対策の強化を進めるべきと考えている。このため、副議長として、アジア太平洋地域グループ及び他地域グループ、事務局等と緊密に連携、意見交換を継続し、法的拘束力のある文書の制定及び自主的取組の強化に関する検討、実質的な対応策の強化の検討等に積極的に参加、貢献していく。

連絡先
環境省環境保健部環境安全課
代表:03−3581−3351
課長 木村博承(内線6350)
補佐 瀬川恵子(内線6353)
担当 須賀義徳(内線6358)

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